
2025年2月3日
【ホンダ プレリュード】バブル期を支えたスペシャルティカーのこれまで
1978年に初代が登場し、2001年までの約24年間販売されていたホンダのスペシャルティカー「プレリュード」。
中でも2代目プレリュードはご存知の方は多いのではないでしょうか。
スタイリッシュなボンネットにリトラクタブルヘッドライト、横幅が広く車高が低い当時としては異質なスタイリングや、助手席のリクライニング機能などの斬新なデザインで知られています。
デートカーというジャンルを生み出し、バブル景気の日本車を牽引した1台と言えるでしょう。
また2025年の秋冬に、多くのファンが待ち望んだ新型プレリュードが発売されることが発表されました。
今回は、初代から5代目まで続いたプレリュードの24年間の軌跡を辿り、新型プレリュードの機能面などについても触れていきます。
目次
1 初代 SN型

出典元: Fauzan Fitria / Shutterstock.com
初代プレリュードは1978年11月24日、スポーティーカーやSUVを専門とするホンダベルノ店の発足と同時に、専売モデルとしてリリースされました。
同モデルは1974年10月に販売を終了したホンダ「145」以来、約4年越しに満を持して復活したホンダの2ドアクーペとなりました。
サブフレーム一体型のモノコックボディや2重構造フロントピラーを採用し、車両重量が1,000kg未満と軽量にも関わらず高い剛性を実現。
さらに、スピードメーターとタコメーターを同軸上に配置した「集中ターゲットメーター」や、日本車としては初となる電動サンルーフなど、様々な新しい技術を積極的に取り入れていたのも特徴です。
自動車の排気ガス規制が世界各国で厳しくなる中、世界で初めてマスキー法の基準をクリアしたことで知られるホンダ開発の低公害の1.8L 直列4気筒 CVCC(複合渦流調整燃焼方式)SOHCエンジンが搭載されているのもポイント。
1980年4月25日にはマイナーチェンジにより、エンジンが酸化触媒装置を用いたCVCC-IIとなりました。
1982年に販売が終了するまでの約4年間で累計約31万3,000台を生産。日本国内よりも海外での販売が好調だったとされており、総生産台数の8割を占めるおよそ25万台が国外販売だったとされています。
2 2代目 AB/BA1型

出典元: Fauzan Fitria / Shutterstock.com
1982年11月26日「FFスーパーボルテージ」のキャッチコピーを引っ提げ登場した2代目プレリュード。
低いボンネットやリトラクタブルヘッドライト、横幅が広く車高が低いスタイリング、流麗なボディなどデザイン性に優れ、デートカーを牽引する存在となったモデルです。
エンジンには最高出力125PS/5,800rpmの1.8L 直列4気筒 CVCC SOHCが搭載されました。
ダブルウイッシュボーン式のフロントサスペンション、独自開発した日本初の4輪アンチロックブレーキ、ロックアップ機構付き4段AT「ホンダマチック」を採用、カラーフィルター式液晶デジタルメーターをXXのオプションに設定するなど、数多くの新たな技術が取り入れられています。
助手席のリクライニング機能は、まさにデートカーと呼ぶのに相応しい機能と言えるでしょう。
ホンダ車として初となる180km/hの速度リミッターが搭載されたことでも知られています。
1985年6月20日には、2.0L 直列4気筒 DOHCを搭載したBA1型がラインナップ。
1987年に生産が終了するまで に16万6,910台が生産されました。
3 3代目 BA4/5/7型
1987年4月9日にリリースされた3代目プレリュードは、デザインコンセプトを先代から引き継ぎ、同様にデートカートして名を馳せたモデルです。
エンジンのコンパクト化とレイアウトの変更によって、2代目よりも30mm低いボンネットを実現。外観がさらにスタイリッシュになったのがポイントです。
エンジンは先代から引き続きB20A型が設定され、2.0L 直4 SOHCと2.0L 直列4気筒 DOHCの2種類がラインナップ。DOHC車は、最高出力145PS/6,000rpmにまでパワーアップしました。
サスペンションには4輪ダブルウイッシュボーン式を採用し、これまでの前2輪だけ動かす操舵システムに後2輪を操舵を加えた量産車としては世界初となる機械式の4WS(ホンダ4輪操舵)システムを搭載。
優れた操縦性能とフットワーク特性に大きく貢献しました。
リトラクタブルヘッドライトに関しては先代から引き継いでいるものの、1989年11月21日のマイナーチェンジでは、固定式ヘッドライトを採用した「プレリュードインクス」がラインナップ。
1991年8月に生産が終了し、累計17万5,634台が新車登録されました。
4 4代目 BA8/9/BB1/2/3/4型
1991年9月20日に登場した4代目プレリュードは、スペシャルティカーからスポーツクーペへとコンセプトを変更し、全幅は先代の1,695mmから1,765mmに拡大。プレリュードとしては初となる3ナンバーにサイズアップしました。
一方、全長は4,460mmから4,440mmと僅かに短くなり、よりワイドかつショートなスタイリングとなったのが特徴です。
初代プレリュードから仙台まで受け継がれたガラス製のサンルーフは、アウタースライド式のメタル製に変更となり、ガラス製サンルーフを採用するのは限定車のみにとどまりました。
そして、エンジンは2.2L 直列4気筒 DOHCと2.2L 直列4気筒 DOHC VTECの2種類がラインナップ。最高出力はVTECで200PS/6,800rpmと、スポーツクーペを名乗るのに相応しい性能を実現しています。
新設計の4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションや、ハンドリング向上と自然なフィーリングの両立を叶える操舵角速度制御機構を組み込んだ新開発の電子制御電動式4輪操舵システムハイパー4WSを採用していることからも、性能向上に対して取り組む姿勢が伺えます。
2シーター感覚の前席を優先したインテリアを採用しているのも、スポーティさを感じられるポイントです。
1993年9月にはマイナーチェンジを実施。
運転・助手席のエアバッグやABSなどの安全装備がオプションとして設定されたのに加え、後部席中央の収納を廃止し座席がフラットに変更され、4名乗りから5名乗りに変更されました。
1996年10月には生産が終了。コンセプトを変えスポーツクーペとして打ち出したものの、バブル崩壊によるクーペの需要低迷により、累計生産台数は8万5,262台にとどまりました。
5 5代目 BB5/6/7/8型
1996年11月7日にリリースされた最終型となる5代目プレリュードは先代の売上の低迷もあり、3代目以前のスペシャルティカー路線へと回帰。ガラス製サンルーフもオプションとして復活しました。
エンジンは4代目から引き継がれたものの、スポーツグレードのタイプSとSiR S specには、専用にチューニングされた最高出力220PS/7200rpmの2.2L 直列4気筒 DOHC VTECが搭載されました。
さらに先代までの例に漏れず、5代目プレリュードにも当時の最新技術を数多く採用されているのがポイント。
剛性感あるブレーキフィーリングと旋回制動性能を向上させる新たなABSや新型カーエアコン、タイプSには左右へと駆動力配分を行うことで優れた旋回性能を実現する世界初の新開発システム「ATTS」が搭載されました。
AT仕様車にはマニュアルシフト感覚の操作が行える新開発のシーケンシャルモード付き4速AT「Sマチック」が初めて搭載されたのも特徴です。
中でもATTSは、2004年のレジェンドに搭載された四輪駆動力自在制御システム「SH-AWD」や、2016年に登場した2代目NSXの3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」へと発展した技術として知られています。
2000年9月に生産が終了し、翌2001年6月にはインテグラに統合。プレリュードの歴史に幕を下ろしました。
販売が終了するまでに累計1万5,127台が新車登録されました。
「6代目プレリュード」24年の時を超え2025年秋冬に復活
2001年に5代の歴史に幕を下ろしたプレリュードですが「ジャパンモビリティショー2023」にて、ハイブリッドシステムを搭載したプレリュードのコンセプトモデルが初公開。
2年後の2025年には1月10〜12日の3日間に渡って開催された「東京オートサロン2025」の初日に行われたホンダのプレスカンファレンスにて、新型プレリュードが2025年の秋に発売すると発表されました。
6代目となる新型プレリュードには、コンセプトモデルや歴代モデルと同じく、2ドアクーペスタイルが採用され、電動スポーツクーペとしての発売が予定されています。
この新型プレリュードには、ホンダが独自に開発した2モーターHVシステム「e:HEV」が搭載されるそう。
このe:HEVは、バッテリーからの電力のみで走行するEVモード、エンジンで発電しモーターで走行するハイブリッドモード、エンジンモードの3つから成るモードを走行状況に応じて自動で切り換えて走行が可能です。
エンジンモードでは、エンジンの力で走行するのはもちろんのこと、70km/h以上の高速走行でのみ使用されるため、変速機構が不要となりました。
さらに、新システム「Honda S+ Shift」を採用し、エンジン回転数に応じたサウンドの再生に加え、エンジンとモーターが協調することで、ギアを変速したかのようなレスポンスなどを実現。走る楽しさを追求した機能と言えるでしょう。
歴代モデルをおさえるとともに、新たなモデルにも期待が膨らむ1台です。
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