2021年10月22日
ヨタハチの愛称で親しまれているトヨタ スポーツ800についてまとめてみた
1960年代は国内のスポーツカーが飛躍的に進化したタイミング。その当時に開発・販売されたスポーツカーは、現在でも多くのファンを魅了しています。
トヨタが1965年に発表した「スポーツ800」もその内の一台。空気抵抗を軽減させたボディスタイリングと低燃費なことが特徴。またレース活動でも多くの伝説を残してきたモデルでもあります。
今回は大衆車エンジン搭載でありながらも、他社の小型スポーツカーに劣らないスポーツ800の魅力を紐解いていきましょう。
目次
1 1965年にデビューした「スポーツ800」
スポーツ800はトヨタが提供していた小型スポーツカー。1965年に登場し、4年間に渡って提供されたブランド。累計販売台数は約3,000台を記録しています。
車名の由来は、800ccエンジンを搭載したスポーツクーペだったことから名付けられました。
トヨタが販売していた高い人気を誇った大衆車「パブリカ」のエンジンや基本構造をベースに開発されたモデル。ボディが超軽量構造であることと、空気抵抗が少ないことがポイント。これにより、非力ながらも優れた性能を発揮した一台です。ファンの間では「ヨタハチ」の愛称で親しまれています。
スポーツ800のスペックは以下の通り。
車種名 | スポーツ800 | |
車両型式/重量 | 車両型式 | UP15 |
重量 | 580kg | |
サイズ | 全長 | 3,580mm |
全幅 | 1,465mm | |
全高 | 1,175mm | |
ホイールベース | 2,000mm | |
搭載エンジン | エンジン型式 | 2U型 |
エンジン種類 | 空冷2気筒水平対向式ツインキャブ | |
排気量 | 790cc | |
最大トルク・馬力 | 67N・m(6.8kgf・m)/3,800r.p.m./45ps |
2 空気抵抗の軽減を目指したボディスタイリング
スポーツ800は丸みを帯びたデザインが特徴です。これは前項で説明した通り、空気抵抗を軽減させるためにこのようなボディデザインを採用しました。
そのサイズは、全長3,580mm×全幅1,465mm×全高1,175mmで車体重量はわずか580kg。
オープン走行を手軽に味わえることが魅力で、Bピラーを残したまま前席上部のルーフパネルが脱着できることがポイント。フルオープンに比べ開放感は劣りますが車体剛性に優れ、仮に事故などで横転しても被害の軽減が期待できることがメリット。
これは“タルガトップ”と呼ばれ、ドイツに拠点を置く自動車メーカー「ポルシェ」が1965年にリリースした“初代ポルシェ 911”に採用されていたことでも知られています。
3 最高速度155km/hをマークしたメカニズム
スポーツ800は前述した通り、パブリカをベースに開発されました。レイアウトはフロントを縦置きトーションバー・スプリングのダブルウィッシュボーン独立、リアをリーフ・リジッドとしたサスペンションの基本レイアウトも共通。
エンジンは空冷2気筒水平対向式ツインキャブを搭載。排気量は790ccで、最大トルクは67N・m(6.8kgf・m)/3800rpmに達します。
最高出力45馬力と非力ではあったものの、空気抵抗を軽減させたボディデザインの効果もあり最高速度は155km/hをマーク。当時の計測方法ではありますが、31km/Lと低燃費も実現したことが魅力の一つ。
その見た目とは裏腹に高いスペックを実現させた一台です。
4 レースでも多くの逸話を残した一台
スポーツ800は自動車レースでも多くの逸話を残した一台でもあります。
前述した通りスポーツ800の特徴は軽量だったことで操縦性に優れており、ボディデザインにこだわったことで空気抵抗を軽減できたこともポイント。これにより燃料消費やタイヤの摩耗が少なく済み、結果としてピットインの頻度をライバル車より少なくできたことが最大の強みです。
1966年に鈴鹿で行われたレースでは、ほとんどのライバル車が続々とピットインする中、一度もピットインすることなく優勝。さらに燃料は30%も残していたんだとか。
またスポーツ800は整備性にも優れていたため、ピットイン時にはエンジンを丸ごと交換する荒技を可能にしました。これにより余計なロスタイムを軽減することができたことがポイント。
現在でも語り継がれているのが、1,300ccまでのカテゴリーGT-Iレース。この日は天候が荒れており雨の中での一戦でした。
レース中にライバル車のスピンに巻き込まれてしまい、スポーツ800はクラッシュ。少破した車体を復旧するためピットインしますが、復旧しレースに戻った時点では16位まで順位を落としてしまいます。
誰もが諦めかけていましたが、そこから驚異的な追い上げにより順位を一気に挽回。ついには先頭を走行するライバル車を抜き去り、最終的には2以下を19秒以上引き離し優勝を飾っています。
他のスポーツカーに比べると、エンジン性能は低かったことがネックではありましたが、強みを活かし多くのレースで活躍した一台です。
まとめ
今回はパブリカをベースに開発された「スポーツ800」について紹介してきました。
その小振りな見た目とは裏腹に、計算し尽くされたボディデザインによる高い走行性能を確保した一台。またレース活動でも輝かしい成績を残したことでも有名です。
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