2021年9月24日
旧車の価格に影響を与える「25年ルール」と価格高騰しそうな車種
今に始まったことではありませんが、日本製のスポーツカーが海外で大きな注目を集めていることをご存知でしょうか。これには様々な要因が関係していますが、通称「25年ルール」と呼ばれるアメリカの制度も大きく影響しています。
「25年ルール」はどのような制度なのでしょう?
そこで今回は25年ルールについて、その概要から日本車がアメリカを中心に人気を博している理由などについて解説していきます。
目次
1 そもそも25年ルールとは
25年ルールはアメリカにおける「クラシックカー登録制度」のことです。
基本的に日本車はアメリカで走行することはできません。これはアメリカが右側通行の国なので、“安全上の問題がある”という理由から右ハンドル車の輸入は基本的に認められていないんです。
またアメリカは世界の中でも最も厳しい安全規制が設定されています。安全性能テストの一環として「衝突試験」や排ガス検査のための「スモッグテスト」など、様々な厳しい試験をクリアしなければ車を輸入することはできません。
しかしながら製造から25年が経過していれば、アメリカ国内におけるクラシックカーとして認定されます。これにより右ハンドル車であっても厳しい安全規制は免除され、さらにはアメリカ国内でも走行が可能になります。
25年ルールをきっかけに多くの日本車がアメリカに渡り、多くのファンを魅了しました。
2 日本車が海外にウケる理由
1970年代以降を境にアメリカでは、多くの日本車が販売されるように。
アメリカには“USDM”と呼ばれる文化が根付いていました。これは車をアメリカで販売されている仕様にしたり、カスタムしたりする手法。例えば右ハンドルから左ハンドルへ変更したり、メーターのキロ表記からマイル表記への変更などがあります。
現在ではアメリカの若者を中心に“JDM”が流行しています。これはジャパニーズ・ドメスチック・マーケットの頭文字を取ったもので、アメリカ仕様に変更するUSDMに対し、JDMは日本仕様のまま所有したりカスタムする手法。
つまり25年ルールが解禁になった車を、そのままの仕様でアメリカで所有する訳です。その中でも日本製のスポーツカーに人気が集まっていることをご存知でしょうか。
その理由は人気映画「ワイルドスピード」が大きく影響しています。劇中に多くの日本のスポーツカーが登場しており、これをきっかけに“スープラ”や“ホンダS2000”などが海外でも人気を博しました。
そしてワイルドスピードの最新作「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」が2021年の夏に公開。今作にも日産の“スカラインGT-R BNR34型”や、トヨタの“GRスープラ”など多くの日本車が登場。その他にも人気ゲーム「グランツーリスモ」や、SNSによる影響がJDMを盛り上げている要因と言えます。
また日本製の車が海外に受け入れられるのは、日本の技術力も大きく影響しています。ボディデザインや車のパーツ一つをとってもその技術力は世界が認めるものばかり。カスタマイズのパーツや情報が豊富なことや、そもそも壊れにくいことが魅力。
また日本の車検は2年に1度実施するため、優良な車両が比較的豊富にあることもポイントの一つ。自動車は安全性や利便性などが求められるため、日本車はアメリカの多くの若者を中心に受け入れられている訳です。
3 25年ルールによって日本の中古市場が大きく変動することも
25年ルールについて前述してきましたが、これにより日本の中古市場にも大きな変化が起きることも。様々なメディアで日本車の魅力を海外へ発信できる時代となったことで、海外での日本車の価値は高まる一方です。
25年ルールが適用された車はアメリカでの需要が急速に高まるため、当然ながら日本での流通数は少なくなり中古市場の相場も高騰してしまいます。
これまでも150万が相場だった車両が25年ルールをきっかけにアメリカに輸出されると、その相場価格は300万近くに高騰してしまうなんてことも。今後もこのような車両は増えていくのではないでしょうか。
4 25年ルールにより相場が高騰しそうな車種3選
4-1 1998年に登場した「アルテッツァ XE10型」
アルテッツァ XE10型は、トヨタが1998年に提供をスタートしたモデル。
内外装にはトヨタのロゴマークを装着していないことが特徴の一つ。フロント、リアともにダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用。これはスープラなどのスポーツカーや、クラウンなどの高級セダンにも搭載されています。
現在の中古市場の相場価格は、車両の状態によりますが50万〜250万円。25年ルールが適用されるのが2023年なので、今後の動向が気になる一台です。
4-2 1999年にデビュー「ランサーエボリューションⅥ」
ランサーエボリューションⅥは、三菱が1999年に提供を開始したモデル。「次の頂点へ、進化していく。」のキャッチコピーを掲げ、先代より進化を遂げた一台です。
冷却オイル路内蔵のクーリングチャンネル式ピストンの採用や、冷却水レイアウトの変更やオイルクーラーの大型化を図りました。またオイルクーラーベンチレーターやエアブローダクトの採用など、エンジンの耐久性と信頼性をアップ。
現在の中古市場の相場価格は、車の状態にもよりますが150〜350万程度です。海外でも元々人気の高いシリーズなので、今以上の価格に高騰するのではないでしょうか。
2024年に25年ルールが解禁されるので目が離せない一台です。
4-3 1999年にリリースされた「スカイラインGT-R R34型」
スカイラインGT-R R34型は、日産が1999年にリリースをスタート。GT-R最後のモデルでもあり、キャッチコピーは「人に翼を」。
先代より大型ディフューザーを装備した、量産車初のアドバンスドエアロシステムを採用。また後方下部に量産車初のオートクレーブを用いて、焼成されたカーボンディフューザーを採用し空力面を改善しています。
現在の中古市場の相場価格は、1,200万〜3,600万円。新車時の発売価格は約500万円程度だったのが、現在はおよそ6倍の値段へと高騰しています。
25年ルールが適用されるのが2024年なので、さらに高騰することが予想される一台です。
まとめ
今回はアメリカにおける、通称「25年ルール」について概要から日本車が海外に人気の理由などを説明してきました。
現在、アメリカの若者を中心にJDMが流行しており、日本製のスポーツカーなど多くの車両が人気を集めています。日本の技術力は今後も成長を遂げ、これからも多くの名車を誕生させていくことでしょう。
今後も25年ルールをきっかけに、車によっては中古市場の取引価格が高騰するかもしれません。購入を検討している車があるのであれば、製造された年を確認しておくことをおすすめします。
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