
2025年7月14日
ディーラーより安い?中古車屋でできる板金修理のメリットとは
愛車にキズやヘコミができてしまったとき、「やっぱりディーラー修理でないと不安…?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
確かにメーカー系ディーラーは技術力や信頼感が高く安心ですが、実は修理先の選択肢はディーラー以外にもたくさんあります。
街の中古車販売店や整備工場、専門の板金塗装工場、大手カー用品店などでも愛車の修理や板金塗装は可能です。
ディーラー修理は高いイメージがあり、「もっと安い修理方法はないの?」と気になる方もいるでしょう。
本記事では、ディーラーと中古車屋(街の整備工場)での修理にはどんな違いがあるのか、板金修理を中古車販売店に依頼することのメリットや、場合によってはディーラーに任せるべきケース、さらに修理費用の実例までを詳しく解説します。
目次
1 ディーラー修理と中古車屋修理の違い
まずは、メーカー正規ディーラーと街の中古車販売店(整備工場)に修理を依頼する場合の違いを見てみましょう。
それぞれの特徴やサービス内容、修理費用や仕上がりの違いなど、知っておくべきポイントがあります。
1-1 修理費用・部品の違い
一般的にディーラーでの修理費用は高めです。
ディーラーではメーカー純正パーツを使用し、メーカー規定に沿った安全第一の整備を行うため、部品代や作業コストが割高になる傾向があります。
実際、ディーラー修理では不具合箇所の交換対応が中心になりやすく、まだ使える部品も安全のため交換してしまうケースがあります。その結果、修理内容によっては数十万円規模の費用が発生することもしばしばです。
一方、中古車販売店や町の整備工場では、必要に応じて社外品やリサイクル部品の活用も提案してくれるため、部品代を含めたコストを抑えられる場合があります。
また、ディーラーでは板金塗装などは下請け工場へ外注するケースもあり、中間マージンも発生しますが、工場直営の整備工場に直接依頼すればその分の費用が上乗せされないメリットがあります。
1-2 技術力・仕上がりの違い
ディーラーにはメーカー研修を受けた有資格の整備士が常駐しており、最新の車種情報や高度な技術にも精通しています。そのため仕上がり品質への安心感はディーラーが一歩リードと言えるでしょう。
メーカーの看板を背負う以上、どのディーラーでも一定以上のクオリティを提供する責任があり、「安かろう悪かろう」にならないよう徹底した基準管理が行われています(とはいえ、ディーラーでも修理不可能な場合も存在します)。
一方、街の板金工場や整備工場の技術力・品質は玉石混交なのも事実です。
ディーラーの下請けを担う優れた工場や、ディーラーと同等以上の腕を持つ職人さんがいる工場も多く存在しますが、その一方で低価格を優先するあまり工程を簡略化し、仕上がりに差が出てしまう工場も実際にはあります。
要するに、ディーラーならどこに出しても一定水準の品質が担保されるのに対し、整備工場の場合は工場ごとに仕上がり品質に差があるという点は押さえておきましょう。
ただし、多くの板金工場でも「直した箇所が分からないレベルに仕上げる」技術自体は持っています。
1-3 修理対応範囲・スピードの違い
ディーラーはメーカー系ならではの最新設備とデータを備えており、ハイブリット車、電気自動車の高度な機構や先進安全装備の調整・修理なども多く手掛けています。その、一方で板金塗装設備を自社に持たない店舗も多く、外装のキズ直しや塗装作業は外部委託となる場合があります。
そのため板金修理が絡むとディーラーでは納期が長引くケースもあるのです。逆に街の整備工場では、小規模ゆえ在庫部品が少なく取り寄せに時間がかかることもありますが、自社で板金塗装まで対応できる工場ならワンストップで作業できる分、ディーラーより早く仕上がる場合もあります。
軽度な傷修理や部品交換程度であれば、ディーラーと町工場で納期に大差はないでしょう。しかし大がかりな修理になると、ディーラーでは担当部署間の調整や外注手配に時間を要し、地域の工場では人手や部品調達に時間を要するなど、それぞれ状況によって変わってきます。
見積依頼時に納期の目安を確認し、緊急度に応じて依頼先を選ぶと安心です。
1-4 サービス面の違い
ディーラーは店舗設備も整いスタッフの接客教育も行き届いているため、気持ちの良い応対や綺麗な代車の貸出などサービス面の充実も魅力です。
定期点検や車検の案内、リコール対応などアフターサービスも包括的に受けられるので、「車のことはすべてディーラー任せ」という形で長く付き合う方も多いでしょう。
一方、中古車販売店・整備工場は地域の小規模店が多く、待合スペースが簡素だったり代車が用意できなかったりする場合もあります。
ただし、その分アットホームで親身な対応をしてくれたり、オーナーの要望に柔軟に応えてくれたりする温かみも感じられるはずです。過度な営業提案がない点を好む声もあり、気軽に相談できる「街のクルマ屋さん」として頼れる存在になるでしょう。
以上のように、費用を取るか品質を取るか、スピードやサービスを重視するかでディーラーと中古車屋のどちらに依頼すべきかは変わってきます。次章からは、特に中古車販売店・整備工場に板金修理を依頼するメリットに焦点を当てて見ていきましょう。
2 中古車屋の板金修理:安さだけじゃないメリット
ディーラー以外の工場に修理を任せる最大のメリットは、なんといっても修理代を抑えられる可能性が高いことです。
しかし、中古車販売店や町の整備工場に板金修理をお願いするメリットはそれだけではありません。ここでは「安い」以外の利点にも目を向けてみましょう。
2-1 費用を予算に合わせやすい柔軟性
中古車屋(街の整備工場・板金工場)では、修理方法について複数の選択肢を提示してもらえる場合があります。
例えば、「新品部品に交換して完璧に直す」のか、「多少痕跡が残ってもいいから補修で安く済ませる」のか、といった具合に、費用対効果を考えながら最適な修理プランを相談できるのは大きな利点です。
ディーラーではメーカー基準に則って画一的な対応になりがちですが、町の工場なら「どこまで綺麗にするか」に応じて工数を加減し、費用を調整するといった提案も可能です。そのため、「とにかく新品同様に直したい」から「多少目立たなければOKなので安くしたい」まで、オーナーの希望に沿った修理の落とし所を一緒に見つけやすいのです。この柔軟性はディーラー修理にはない大きなメリットでしょう。
2-2 地域密着ならではの親身な対応
中古車販売店や街の修理工場は、地元のお客様に支えられて営業している地域密着型の店舗がほとんどです。顧客との距離が近いため、困りごとに素早く対応してくれたり、フレンドリーに相談に乗ってくれたりするケースが多いようです。
ディーラーのようにスタッフが転勤で入れ替わることも少ないため、同じ整備士さんに長く担当してもらえることも多く、信頼関係を築きやすいでしょう。
街の工場はいわば「車のかかりつけ医」のような存在で、ちょっとした傷や不具合でも気軽に見てもらえる身近さがあります。このような親身で柔軟な対応は、大手にはない地域店ならではの魅力です。
2-3 工場直結によるスピーディーかつ的確な提案
多くの中古車販売店は自前で板金塗装工場や整備ピットを備えるか、近隣の優良工場と強固に提携しています。
受付窓口と作業現場が直結している強みは、修理プランの立案段階から発揮されます。
現車を見ながら職人と直接打ち合わせができるので、「この程度の傷なら交換せず板金で対応可能」「ここは外装パーツを外した方が仕上がりが良くなる」等、現場目線での的確な判断と提案がスピーディーに行われます。
ディーラーのように部署間で連携を取る手間がなく、その場で費用と仕上がりのバランスについて細かく相談できる点は大きなメリットです。実際ディーラーでは難しいような融通も、町工場なら「いくらの予算でどこまでやるか」を提示しながら進めてもらえるケースが多々あります。
このように工場直結の強みによって、中古車屋での板金修理は無駄のない的確な作業と納得感の高いサービスにつながっています。
2-4 修復歴を避ける修理ができる場合も
中古車の売却時に気になる「修復歴(事故車扱い)」は、車両の骨格部分(フレームやピラー、クォーターパネルなど)を交換すると記録されてしまいます。ディーラーでは安全性重視でそうした主要パネルも交換になりがちですが、腕の立つ板金工場であれば交換せず修理で直し、修復歴が付かないよう対応してくれる場合もあります。
実際、「ディーラーではクォーターパネル交換が必要と言われた損傷を、板金修理で綺麗に直した」という事例もあります。
交換してしまうと事故車扱いで査定に響くケースでも、町の工場なら工夫して対応し車の価値を守れる可能性があるのです。
以上のように、「ディーラーより安いから」という金銭面だけでなく、中古車販売店・整備工場に依頼するメリットは多岐にわたります。もちろん工場選びには注意が必要ですが、信頼できるお店さえ見つかれば、費用面でも仕上がり面でも満足のいく修理を任せられるでしょう。
3 工場直結・地域密着の強みとは?
前章でも触れたように、工場直結と地域密着は街の中古車屋さんならではのキーワードです。
では具体的に、それらはどのような強みにつながっているのでしょうか。
3-1 工場直結の強み
ディーラーではお客様対応窓口(サービスフロント)と実際に作業を行う工場部門が分業化されています。そのため見積もり~作業までにワンクッションあり、どうしても現場とのやり取りにタイムラグが生じます。これに対し、中古車屋さんでは目の前で職人さんと相談しながら進められるため、「この修理にこれだけ時間・費用がかかる」という見通しを即座に共有し合える利点があります。
例えば「安く済ませたい」という要望に対し、「ここまで簡略化すれば○万円でできますが、ここは外した方が仕上がりが良いので+α費用で対応可能です」等、費用と工数のバランスを直にすり合わせて提案できるのです。
スタッフ同士も顔が見える距離で連携が取れているため、「思っていたより修理範囲が広がった」といった場合でもその場で臨機応変に対応策を協議でき、結果的に余計な待ち時間や費用ロスの削減につながります。
3-2 地域密着の強み
地域に根差した中古車販売店・修理工場は、何より「お客様第一」の姿勢を大切にしています。
大手チェーンのように大量の集客広告を打つより、地元の口コミやリピーターの紹介で信頼を積み重ねているお店も少なくありません。
こうしたお店では、一人ひとりの顧客に対して丁寧にヒアリングを行い、要望に沿った最適な方法を一緒に考えてくれる傾向があります。「この前直してもらって良かったからまたお願いしたい」「知り合いに紹介されたので安心」という声が多いのも地域店の特徴です。
困ったときに気軽に駆け込めて、アフターフォローも親身になって対応してくれる。そんな距離の近さがあるので、長いお付き合いで愛車のホームドクター的存在になってくれるでしょう。
また、ディーラーと違い営業ノルマなどもないため、修理に関係ない不要なサービスまで勧められる心配が少ないのも安心材料かもしれません。
このように「工場直結・地域密着」の中古車屋さんは、迅速かつ柔軟、そして顧客本位のサービスを提供できる点で大きな強みがあります。
一方で、工場によって技術力やサービス品質に差があるのも事実ですので、次章ではディーラーに依頼すべきケースについても触れてみます。
4 ディーラーに依頼すべきケースもある?
ここまで中古車販売店での修理の良さをお伝えしましたが、場合によってはディーラーに修理依頼した方が安心なケースもあります。どういったケースではディーラーが適しているのか、いくつか代表的な例を挙げてみましょう。
4-1 メーカー保証が受けられる修理
新車購入直後でメーカー保証期間内の故障・不具合であれば、迷わずディーラーに持ち込みましょう。メーカー保証適用内であれば無料または格安で修理対応してもらえますし、リコールの場合も迅速に対応してもらえます。
保証期間中に他の工場で修理してしまうと保証適用外になるリスクもありますので、保証対象の修理はディーラー一択といえます。
4-2 新車・高級車で完璧な仕上がりを求める場合
購入して間もない新車や、レクサス・輸入車など高級車のオーナーで、「多少高くても新品同様の完璧な仕上がりに直してほしい」と望む場合はディーラーに依頼する方が安心です。
ディーラーでの板金修理は純正部品と高度な技術により、新車時の状態をほぼ完全に復元することも可能だと言われています。
塗装もメーカー指定の高品質塗料で色味を合わせてもらえるため、車の価値や美観を最重視するならディーラー修理が適した選択肢となるでしょう。
4-3 先進技術や特殊な修理が必要な場合
自動運転技術搭載車や電気自動車、ハイブリッド車など、高度な電子制御システムを持つ車の修理はディーラーの方が安心なことがあります。
たとえば衝突被害軽減ブレーキのセンサー調整や、複雑な電装系のトラブル対応は、メーカーの専用テスターや最新ソフトウェアを備えたディーラーが得意とする分野です。
また、メーカー独自の塗装色(マツダのソウルレッドプレミアムメタリック等)の再塗装など、特殊技術が必要なケースもディーラーの方が適しています。手間をかけず安心感を優先したい場合: 「多少費用が高くてもいいから、面倒なことは考えずすべてお任せしたい」という方もディーラーが向いているでしょう。ディーラーは受付から引き渡しまでスムーズで代車対応も手厚く、修理中も進捗を任せて安心できます。
工場選びに悩んだり複数見積もりを取ったりする手間が省ける分、費用を惜しまない方にとっては最も手軽で確実な選択肢と言えます。
以上のようなケースでは、費用よりも安心や品質を優先してディーラー修理を検討すると良いでしょう。ただし、ディーラーとそれ以外の工場で迷った場合でも、一度ディーラーの見積もりを聞いた上で他の工場にも相談してみると、費用や提案内容の比較ができて判断材料になります。「基本はディーラー派だけど、保証外の修理なら費用次第で他も検討する」というスタンスでうまく使い分けている方も多いようです。
5 実際の事例紹介。これだけ違う!修理内容と金額
それでは、ディーラーと中古車屋の修理で実際にどれほど費用や内容に差が出るのか、具体的な事例を見てみましょう。
車種・損傷度合・地域・業者によって大きく変動するため、あくまで一例としてご紹介します。
5-1 ディーラーの10分の1程度の修理代で済んでしまったケース
例えば、駐車場のポールにぶつけてしまいドアに大きなヘコミを作ってしまったケースです。ディーラーに持ち込んだところ、「ドア交換が必要」で修理費用は最低でも30万円、場合によっては50万円ほどかかると言われました。
新品のドアパネル代と塗装・交換工賃を含めると高額になってしまうためです。
一方で、街の板金工場に相談したところ、ドアは交換せず板金修理で直せるとのことで「3万円から修理可能」と大幅に安い見積もりに。
この理由はディーラーが「修理」ではなく「交換」する前提だったため。交換は新品部品代が高くつくのでどうしても高くなってしまうのです。
つまりディーラーでは、現車を見ただけでは修理で綺麗に直せるか判断が難しいこともあり、安全策として初めから交換交換で見積もりを立てる傾向が少なくありません。
では実際、安価な板金修理で直した仕上がりはどうだったのでしょうか。
この事例では街の熟練板金工場に依頼した結果、修理後のドアは写真で見てもどこを直したのかわからないほど綺麗に仕上がりました。
ディーラーであれば交換になっていたケースでも、技術のある工場に頼めばこのように低コストで実用上遜色ないレベルに直る可能性があるのです。
5-2 場合によっては修理工場同士でも大きな差が
次は板金屋同士でも金額に大きな差が出る例を。
フロント部分を大きく損傷した車を修理するために、ある修理時工場はは200-300万円を提示したようです。
しかし弊社に相談いただいた結果、100万円以下で修理することができました。
この金額差は修理工場に修理する技術があるかどうか、パーツを作る技術があるかどうかなどが理由です(他にも色々な理由がありますが)。
このように、費用だけでなく修理方法の違いが車両価値にも影響するケースがあり、お店によって提案内容が変わり得ることも実例からわかります。
信頼できる修理先を見極めるポイント
ディーラーと中古車販売店(整備工場)の違い、それぞれのメリット・デメリットや実際の修理費用の差について見てきました。
愛車の修理を任せるパートナー選びは非常に重要ですが、最終的には「何を優先したいか」で最適解が変わります。
安心感や品質を最重視するならディーラー、費用対効果や柔軟な対応を求めるなら地域の整備工場、と使い分けるのも賢い方法です。いずれにせよ、大切なのは「信頼できるお店かどうか」を見極めることと言えるでしょう。
ディーラー修理も町の修理工場も、それぞれ強みがありますので、ぜひ本記事で紹介した特徴やメリットを踏まえてご自身のニーズに合ったベストな選択をしてください。
もし修理先選びに迷ったら複数の業者に見積もり相談して比較検討するのも賢明です。納得できる説明をしてくれて信頼できると感じたお店に愛車を託し、キズやヘコミもすっかり直してまた快適なカーライフを送りましょう。
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