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自動車保険を使った修理と実費修理、どちらがお得?

自動車保険を使った修理と実費修理、どちらがお得?

車のキズ直しや事故修理の際に、「自動車保険を使った方がいいのか、それとも実費(自己負担)で修理すべきか」と迷った経験はありませんか?

自動車保険にはノンフリート等級(無事故割引)の制度があり、保険を使うと翌年以降の等級が下がって保険料が上がるため、修理代が小さい場合は保険を使わない方が結果的に安く済むケースもあります。

一方、修理費用が高額になる場合には保険金で賄った方が負担を減らせるでしょう。

本記事では、中古車販売店のプロの視点から「保険修理」と「実費修理」どちらが得かを判断するポイントを解説します。

保険を使うメリット・デメリットやケース別のシミュレーションを交え、損をしない修理方法の選び方を見ていきましょう。

なお、本記事でご紹介する費用感などは車種・地域・保険料・割引率などによって変動します。あくまで目安としてご覧ください。

目次

1 保険修理とは?どんなときに使えるのか

保険修理とは、自動車保険(主に「車両保険」)を使って車の修理費用をまかなうことです。

自分の車の損害を補償する車両保険に加入していれば、事故で生じた修理費用だけでなく、偶然のトラブルによる損害(他車との衝突・接触、火災・爆発、盗難、台風や洪水被害など)も補償対象となります。

ただし車両保険には補償範囲の異なるタイプがあり、一般型(フルカバー型)は単独事故(自損事故)や当て逃げ被害まで幅広くカバーしますが、限定型(エコノミー型)ではそれらが対象外となる場合があります。

ご自身の保険内容を確認し、どんな場合に保険が使えるのか把握しておきましょう。

また、事故の状況によって保険金を請求した際の等級への影響も異なります。

例えば、台風・いたずら・盗難などによる車両被害で保険を使った場合は1等級ダウンですが、他車との衝突やガードレールへの接触など一般的な事故では翌年の等級が3等級ダウンし、保険料が上がってしまいます(特約の有無によって異なる場合もあります)。

相手のいる事故であっても、自分の車の修理に自分の保険を使えば等級ダウンは避けられません(※過失が相手に100%ある場合は相手方の対物賠償保険で修理するのが通常です)。このように「保険修理」は保険契約上のコスト増(等級ダウンによる保険料アップ)と表裏一体である点に注意が必要です。

一方、保険を使わずに実費修理(自己負担修理)を選ぶこともできます。

修理代を全額自己負担すれば当然ながら保険等級に影響はありません。軽い擦りキズや小さなヘコミ程度であれば、後述するように実費で直した方がトータルでお得になるケースが多く、保険を使う必要がないこともあります。保険を使うか迷ったときは次章以降のメリット・デメリットや具体例を参考に判断材料にしてください。

2 保険を使うメリット・デメリット

保険を使用しての修理にはどのようなメリットがあるのか、デメリットがあるのかを確認していきましょう。

2-1 保険修理のメリット1:高額な修理費用の負担を大幅に軽減できる

修理代が数十万円以上に及ぶような大きな事故の場合、保険金で賄うことで自己負担額を大きく減らせます。修理代が保険料の今後の割増分を上回るような高額ケースでは、積極的に車両保険を使用した方がよいでしょう。

保険に入っている意義を実感できる場面であり、特に複数箇所の損傷やフレームの歪みなど修理費用が膨らみやすい事故では、保険を使うことで経済的なダメージを最小限に抑えられます。

2-2 保険修理のメリット2:万一の際の安心感

保険を使えば修理工場への支払いも保険会社経由でスムーズに行えますし、契約内容によっては事故対応サービスやロードサービス、代車提供特約など各種サポートを受けられる場合もあります。

大きな事故で車が動かせない場合でも、保険会社のレッカー移動や提携工場での修理対応などが利用でき、精神的な安心感につながります。

2-3 保険修理のデメリット1:翌年から保険料が上がる(等級ダウンによる割引低下)こと

前述の通り、保険金を使うと等級が1等級または3等級下がり、翌年度以降の保険料が割増になります。

等級ダウンに加えて「事故有係数」の適用期間中は同じ等級でも割引率が低下するため、事故後数年間にわたり保険料負担が増えてしまう点は大きなデメリットです。

2-4 保険修理のデメリット2:少額の修理ではかえって損になる可能性が高いこと

保険会社から受け取れる保険金よりも、等級ダウンに伴う翌年以降の保険料アップ分の方が大きくなるケースでは、保険を使わない方が得策です。

例えば修理代5万円のキズを保険で直すと、等級ダウンで元の等級に戻るまでに合計10万円の保険料増となるなら、トータルでは自己負担で修理した方が安上がりになります。

このように保険金請求1回あたりのペナルティ(等級ダウンによる保険料増)は、修理額の大小に関わらず一定であり、10万円の修理でも100万円の修理でも上がる保険料は基本的に同じです。

少額の事故で安易に保険を使うと、長い目で見て損になってしまうことがある点に注意しましょう。

2-5 保険修理のデメリット3:事故を頻繁に起こすと保険契約上の不利益が大きくなる

短期間に複数回保険を使えば等級が大きく低下し、保険料は大幅アップ、等級が極端に低くなると契約の更新を断られたり補償内容を制限される可能性すらあります。

保険はあくまで「いざというときのセーフティーネット」ですから、等級をむやみに下げてしまわないよう、本当に必要な場合に備えて温存する判断も重要です。

3 実費修理のメリット・デメリット

次に実費修理にはどのようなメリット、デメリットがあるのかを確認していきましょう。

3-1 実費修理のメリット1:保険等級への影響がなく、将来の保険料が上がらない

自己負担で修理すれば等級ダウンが発生しないため、無事故割引の恩恵をそのまま維持できます。

自腹で払える範囲の修理であれば、保険を使わない方が長い目で見てメリットが大きいと言えます。

等級を温存しておけば、万一今後大きな事故が起きた際に高い割引率のまま保険金を受け取れる利点もあります。

3-2 実費修理のメリット2:総支出を抑えられるケースが多い(小さな修理ほど顕著)

修理費用が数万円程度の軽微な損傷であれば、自己負担で直した方が結果的に支払総額が安く済む場合が多々あります。

保険を使えば修理代そのものは補填されますが、翌年以降の保険料アップ分がそれ以上に膨らむことが多く、トータルでは損になりかねません。実費修理を選ぶことで、そうした将来的なコスト増を防げます。

3-3 実費修理のメリット3:修理方法の自由度が高い

保険を使わず自費で修理する場合、修理工場と相談して予算に応じた対応を柔軟に選びやすい利点があります。

例えば、「完全に新品同様に直すと高額になるが、目立たない程度の簡易板金で費用を抑える」といった判断も可能です。保険修理だと新品部品への交換など丁寧な修理が行われる半面、費用はどうしても高くなりがちです(ディーラー修理では安全のため部品交換を選択し、修理代が高くなるケースもあります)。

実費修理であれば中古部品の活用や部分補修などコスト重視の修理プランを立てやすいため、予算内でできるだけ安く直したい場合に有効です。

3-4 実費修理のメリット4:保険手続きの時間や手間がかからない

保険金請求の手続きを省ける分、修理の段取りを迅速に進められる場合があります。

保険会社とのやりとりや書類提出が不要なため、修理工場に車を持ち込めばその場で見積もり・修理開始とスピーディーに対処できることもメリットと言えるでしょう。(※事故状況の確認や示談交渉が絡む場合は保険を使わないデメリットもありますが、物損のみで自己解決できる軽微なケースでは手早く修理に移れます。)

3-5 実費修理のデメリット1:高額な修理費用を全て自己負担しなければならない

修理代金が大きく膨らむ事故の場合、保険金が下りなければその分を自分で工面する必要があります。

例えば修理に50万円かかるようなケースでは、保険を使わなければ丸ごと50万円を負担しなければなりません。

経済的負担が非常に大きく、場合によっては車を直すこと自体を断念せざるを得ないこともあるでしょう。

車両保険に加入していれば自己負担5~10万円程度(免責金額次第)で残りは保険金で賄えたはずなのに、自費にこだわったがために大金を失うのは本末転倒です。修理代が保険料アップ分より高額なケースでは、迷わず保険を活用すべきです。

3-6 実費修理のデメリット2:せっかく保険料を払っていても補償を利用できない

実費で修理するということは、言い換えればその事故については自分の保険をあえて使わない選択です。

保険料を支払い続けていても、保険金を一切受け取らないままでは保険加入のメリットを享受できません。もちろん前述のように等級維持によるメリットと天秤にかけての判断ですが、「年間数万円の保険料を払っているのだから、いざという時は使わないと損だ」と感じる方にとっては実費修理は心理的な損失感を伴うかもしれません。

3-7 実費修理のデメリット3:事故対応や修理手配を自分で行う必要がある

保険を使わない場合、事故直後の相手方との交渉や修理工場の手配、代車の確保など、すべて自力で行わねばなりません。

対物事故で相手への賠償が発生する場合でも、自分の保険を使わなければ示談交渉サービスも利用できず、自分で対応する必要があります。

信頼できる修理業者が見つからないときや、事故対応に不慣れな方にとっては負担となるでしょう。ただし物損のみで相手がいない単独事故であれば、修理工場に直接依頼するだけで済むため、大きな問題にはなりにくいです。

4 ケース別シミュレーション(軽度なキズ/高額修理)

では実際に、「保険修理」と「実費修理」のどちらがお得か、ケース別にシミュレーションしてみましょう。

軽い擦りキズ程度の軽度な修理と、事故による高額修理の2つのケースを想定してみましょう。

4-1 ケース1:軽度なキズの修理(修理代が少額の場合)

例えば、駐車場で誤って車を擦ってしまいバンパーに小さなキズがついたケースを考えます。

修理工場に見積もりを依頼したところ、板金塗装の修理代は5万円と言われました。

この程度の金額なら保険を使って直したいところですが仮にこの事故で車両保険を使うと翌年以降の保険料はどれくらい上がるでしょうか?

保険等級にもよりますが、参考までにある試算では等級ダウンにより元の等級に戻るまでに支払う保険料が合計10万円増加するとの結果もあります。

5万円の修理代に対して保険料が将来10万円も余分にかかるのであれば、保険金を受け取らずに自腹で5万円払った方が総合的に得策というわけです。

しかも前述の通り、保険料の割増幅は修理費用の大小に比例せず一定なので、たとえ数万円の小さな修理でも一度保険を使えば3等級ダウン事故として扱われ、50万円や100万円の修理をしたときと同じ程度に保険料が上がってしまいます。

以上から、数万円~十数万円程度までの軽微なキズ・ヘコミの修理は「実費修理」の方が安く済むケースが多いといえます。

保険を使わずに修理すれば翌年以降の保険料は据え置きですし、等級も下がりません。傷の程度によっては「いったん修理せずに様子を見る」「DIYで簡単に補修する」といった選択肢も考えられるでしょう。保険を使うべきか迷ったときは、修理代と保険料アップ分の差額を比較し、「保険料アップ分の方が大きいかどうか」を一つの判断基準にすると良いでしょう。

4-2 ケース2:高額修理(修理代が高額な場合)

では次に、走行中に大きな事故に遭ってしまい、修理代が50万円を超えるような損傷を負ったケースを考えます。

フロント部分の大破や複数パネルの損傷、エアバッグの展開など、安全に走行するには大規模な修理が必要な状態です。この場合はどう判断すべきでしょうか。 結論から言えば、修理費用が保険料の割増分より高額なケースでは迷わず保険を使うべきです。

修理代が高いほど保険加入の意義は大きくなります。

仮に修理代が50万円で、車両保険の免責金額が5万円の契約であれば、自己負担は5万円のみで、残り45万円は保険金で賄われることになります。一方、保険を使わずに実費で修理した場合は、全額50万円を負担しなければなりません。
等級ダウンによる将来の保険料アップ分が仮に20〜30万円程度だとすると、保険を使った場合の総額は25〜35万円となり、実費より安く済む可能性があります。

ただし、免責金額の設定や将来の保険料シミュレーション、今後の車の乗り換え予定(近いうちに売却予定があるかなど)によって判断は変わるため、ケースバイケースでの検討が大切です。

まして修理代が100万円規模に達するような大事故であれば、保険金で補填しなければとても支払えないでしょう。

加えて、車両保険金の支払い上限は通常その車の時価額までですが、全損に近いような深刻なダメージでも契約条件内で最大限の保険金を受け取れるため、経済的損失を最小限にできます。例えば時価額80万円の車が大破した場合、修理不能でも車両保険から80万円(時価相当額)が支払われ、次の車の購入資金に充てることも可能です。

このように、高額修理や全損のケースでは保険を使うメリットがデメリットを大きく上回るため、ためらわず保険会社に連絡して保険金請求の手続きを進めることをおすすめします。

なお、高額修理の場合でも等級は3等級ダウンと、小さな修理を保険で直した場合と同じだけ下がります。

しかし「同じ等級ダウンなら、高額な事故の時に使った方が得」なのは言うまでもありません。

等級プロテクト特約(1年間無事故なら1回事故を起こしても翌年等級維持される特約)に加入している場合でも、適用は1回限りですから、本当に使うべきタイミングで有効活用しましょう。

5 中古車屋に相談するメリットと保険の使い方

保険を使うか実費で直すか迷ったとき、信頼できる中古車販売店(修理工場)に相談するのも賢い方法です。プロに相談するメリットとして、次のような点が挙げられます。

5-1 的確な修理費用の見積もりをすぐに出してもらえる

専門の工場であれば、車の損傷具合をチェックして修理にかかる費用を迅速に算出してくれます。

見積もり金額が分かれば、保険を使うべきか否か判断しやすくなります。

5-2 保険を使うべきか迷った際のアドバイスがもらえる

修理内容とお客様の保険契約内容に合わせて、保険を使用すべきか実費で対応すべきかプロの視点でアドバイスしてもらえます。

例えば「この程度のキズなら保険料が上がるともったいないので実費で直しましょう」「この修理代なら保険を使った方が明らかに得です」といった具合に、判断材料を提示してくれます。

見積もりもスピーディーに提示してもらえるので、迷った際はまず相談してみるのがおすすめです。

5-3 保険金請求や事故対応の手続きをサポートしてくれる

修理工場によっては保険会社とのやりとりに慣れており、保険金請求の手続きを代行・サポートしてくれるところもあります。

事故現場からのレッカー搬送手配、保険会社への事故報告、代車の手配など、一連の流れをお任せできればご自身の手間が省け安心です。

5-4 修理方法や対応策の選択肢を広げてくれる

中古車販売店は修理のプロであると同時に、お客様のカーライフ全般をサポートしてくれる存在です。

修理すべきか買い替えた方がいいか迷うようなケースでも、車の時価や今後の使用状況を踏まえて最適なプランを提案してくれるでしょう。「直すより買い替えた方が経済的にメリットが大きい」という判断も含め、中立的かつ専門的な視点でアドバイスを受けられるのは心強いポイントです。

地元の信頼できる中古車販売店であれば上記のように親身に相談に乗ってくれるはずです。当店でも修理のご相談・お見積もりは無料で承っておりますので、「保険を使った方がいいのか?実費で直した方がいいのか?」とお悩みの際はお気軽にお問い合わせください。プロと一緒に最適な修理プランを考えていきましょう。

「損をしない修理」のためにプロに相談を

最後に、本記事の内容をまとめておきましょう。

「保険修理」か「実費修理」か判断するポイントは、修理費用の額と保険料アップ分との比較にあります。基本的には「修理代が小さい→実費修理」、「修理代が大きい→保険修理」と考えると分かりやすいでしょう。

数万円程度の軽微な修理では保険を使わず等級を守った方が長い目で見てお得ですし、数十万円規模の修理では保険を使って自己負担を大幅に減らす方が得策です。

ただし、保険の補償内容(車両保険の有無やタイプ)、現在の等級や事故歴、今後の車の使用予定などによってもベストな選択肢は変わり得ます。「保険を使うか、使わないか」を安易に決めてしまうと、結果的に金銭的負担が大きくなってしまうこともあるため注意が必要です。

今回ご紹介したメリット・デメリットやシミュレーションを踏まえて、ぜひ冷静に判断してください。

判断に迷う場合は、ご自身の加入保険会社にシミュレーションを依頼したり、信頼できる修理業者・中古車店に相談したりしてみましょう。専門家のアドバイスを仰ぐことで、「保険を使うべきかどうか」の答えが見えてくるはずです。

愛車のキズ・ヘコミや事故修理でお困りの際は、遠慮なくプロに相談して損のない修理方法を選んでください。

私たち中古車販売店・修理工場でもお客様の状況に合わせて最適なプランをご提案することが可能です。「修理代を安く抑えたい」「保険を使った方がいいか知りたい」といったご相談も大歓迎です。

あなたの大切な愛車を守るお手伝いができれば幸いです。

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