
2025年5月23日
近年減少傾向にある車のコーナーポールについて|下手くそ棒と呼ばれる装備の役割
街中で時々見かける車のフロントやリアに取り付けられた小さな棒。正式には「コーナーポール」と言います。
その用途は、フロントやリアの位置を正確に把握するという実用的なもの。メーカーによっては「フェンダーポール」や「フェンダーランプ」の名称で呼ばれています。
かつては、長くて正確に車幅や前後間隔が把握しづらいセダンに多く見られた装備です。
そんなコーナーポールは、車のサイズ感が把握できていない初心者向けの装備とも取れることから、揶揄を込めて「下手くそ棒」という不名誉なニックネームが付けられていた時代もありました。
ところが近年では、先進運転支援システムの普及や車のデザイン性重視の流れにより、コーナーポールを装着した車を見る機会はめっきり少なくなりました。
しかし、駐車や狭い道での運転に不安を感じるドライバーの中には、欠かせない装備として現在でもコーナーポールを愛用する方も多くいます。
バックカメラやセンサーに頼らず、自分の目で車の端を確認できる安心感は、最新技術では完全に代替できないものがあるのです。
今回は、その役割や近年減少している理由、自分で取り付ける方法までお伝えします。
目次
1 車の四隅の位置を視覚的に把握できるコーナーポール
コーナーポールは、主に大型セダンのボンネットの端に取り付けられる棒状の装置です。
この装置の最も基本的な役割は、運転席からは見えにくい車の四隅の位置を視覚的に把握できるようにすること。
特に大型のセダンの場合は、長いボンネットの端がどこにあるのか判断しづらいため、コーナーポールが運転の補助として大きな効果を発揮します。
他にも、駐車場での車庫入れや縦列駐車、狭い路地でのすれ違いなど、運転中に車の端と障害物との距離感が重要となる場面においてコーナーポールは有効な手段です。
初心者ドライバーや大きい車に不慣れなドライバーにとっては、心強い味方と言えるでしょう。
そんなコーナーポールには、夜間や暗所での視認性を高めるために、先端が光るタイプも多く存在します。
しかし、運転技術が未熟な者が付ける「下手くそ棒」と揶揄されることもあり、装備した車の運転手の心理としては複雑な存在でもあります。
2 近年コーナーポールが減少している理由
かつて高級セダンの定番装備だったコーナーポールですが、近年ではその姿を見かける機会が大幅に減少しています。
これにが関係しているのは、自動車技術の進化と車両デザインの変化という大きな要因。
まず挙げられるのは、自動車の安全技術や運転支援システムの急速な発展です。
近年の車には、バックカメラやアラウンドビューモニター、パーキングセンサーなどの先進装置が標準装備されるようになりました。
これらの技術により、運転者は自分の車の四隅がどこにあるのかを直接見なくても、モニター画面や警告音で車の位置関係を把握できるようになっています。
特にアラウンドビューモニターは、車を真上から見下ろしたような映像を表示するため、車両と周りの物の位置関係を容易に把握できます。
また、車のデザイン思想の変化も大きな理由の一つです。
空力性能や安全性の向上、そしてデザイン性に重点を置く現代の車において、コーナーポールはそのスタイリッシュな外観を損なう要素として考えられるようになりました。
さらに、SUVやクロスオーバー車の人気が高まっていることも影響しています。
座席位置が高く運転者の視点も高いこれらの車種では、従来のセダンよりも車の端の視認性が良く、その結果、コーナーポールの必要性が相対的に低下しました。
一部の高齢ドライバーや初心者向けに、いまだにコーナーポールが重宝される場面はあるものの、全体を通して見ると減少傾向にあると言えるでしょう。
3 コーナーポールの取り付け方法
コーナーポールにはいくつかのタイプがありますが、主にディーラー純正品と汎用品に大別され、取り付け方法も様々です。
まず、ディーラーで純正コーナーポールを選ぶ場合のメリットは、車種専用に設計されているため適合性が高く、取り付け位置も最適化されている点。
多くの純正品は車のカラーに合わせたバリエーションが用意されており、デザイン的にも違和感なく取り付けられます。
また、電動で格納できるタイプや、ドアロックと連動して自動的に立ち上がるタイプなど、純正には高機能な製品も多く用意されているのがポイント。
ただし、価格は汎用品に比べて高めかつ、穴あけなどの加工が必要なため、ディーラーでの取り付け工賃も別途必要になることが一般的です。
次に取り付け方法として最も手軽なのが両面テープタイプのコーナーポール。
このタイプの場合は、車体に穴を開ける必要がないため、以下の手順で比較的簡単に取り付けられます。
- 取り付け位置の汚れや油分をアルコールなどで十分に拭き取る
- コーナーポールの台座裏面の両面テープの剥離紙をはがす
- マーキングした位置に合わせて台座を強く押し付ける
- 時間を置き、完全に定着した後、ポール部分を台座に差し込む
両面テープタイプは取り付けが簡単な反面、経年劣化で剥がれる可能性があるため、定期的に状態をチェックする必要があります。また、極端な高温や低温の環境では接着力が低下する可能性もあるため注意が必要です。
コーナーポールの取付け場所は、車種や使用目的によって異なりますが、一般的には以下の位置が多く選ばれています。
- フロントフェンダーの先端:前方右側の車幅を確認しやすい
- ボンネット端の左右:車の前端の位置を確認するのに最適
- トランクリッドの左右端:バック駐車時に車の後端を把握するのに役立つ
- リアフェンダーの端:後方視界の補助として効果的
- 特に見通しの悪い箇所や、運転席からの死角となる位置に設置することで、駐車時や狭路走行時に大きな効果を発揮します。
コーナーポールを取り外す方法は、両面テープタイプの場合、ドライヤーなどで台座部分を温め、接着剤を軟化させることで比較的きれいに取り外すことが可能です。
残った接着剤は専用のリムーバーや中性洗剤で丁寧に除去しましょう。
一方、純正のようなネジ固定式の場合は、ネジを外した後に残る穴が車体の傷となるため、取り外し後は専用のキャップやシールで穴を塞ぐか、板金修理が必要になることもあります。
コーナーポールを選ぶ際には、取り付け方法や取り外しの際のことも考慮した上で、自分のニーズに合った製品を選ぶことが大切です。
最新技術により減少傾向にあるコーナーポール
バックカメラやアラウンドビューモニターなどの運転支援システムの普及により近年、コーナーポールの必要性は低下し、装備した車もあまり見かけなくなりました。
しかし、すべてのドライバーがこれらの最新技術を有効に活用できているわけではありません。
特に高齢ドライバーや運転に不安を感じる初心者にとって、実際に目に見える形で車の端を確認できるコーナーポールは、今もなお価値ある装備と言えるでしょう。
また、電子機器に頼り切るのではなく「自分の目で確認する運転の習慣・技術を身につけるための補助」という観点からも、コーナーポールは有効です。
最新技術の恩恵を受けつつも、必要に応じて運転補助具を活用するバランス感覚は、進歩した現代の運転においても重要なポイントとなるは間違いありません。
コーナーポールの存在は減少傾向にありますが、その役割や価値に関しては完全に消えることはないと言えるでしょう。
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