INFORMATION

豆知識

2020.10.11車のエンジンがかからない場合やかかりにくい「7つ」の原因とその対処法に迫る

車を所有している方であれば、突然のエンジントラブルを経験したことがある方も少なくないのでは。

いざ運転しようとエンジンをかけても、車がピクリとも動かないなんてことも…。そのような場合、どうしたらいいのか頭が真っ白になってしまうものです。

エンジンが突然かからなくなったり、かかりが悪くなる原因は様々。そのような場合に対応方法を理解しておくことが大切です。

今回は車のエンジンについて、構造や仕組みから代表的なエンジントラブルの対処方法まで解説していきます。

1 エンジンに関する代表的なパーツと構造について

1-1 エンジンに関する9つのパーツ

エンジンを作動させるために9つのパーツが関係しています。それぞれの名称と主な役割は以下の通りです。

  • 【バルブ】大きく分けて「呼気バルブ」と「排気バルブ」の2種類に分類。呼気バルブはきれいな空気をエンジン内に取り込むためのもの。一方排気バルブは、排気ガスを排出する際に開くパーツ
  • 【インジェクター】ガソリンを排出するためのパーツ
  • 【点火プラグ】スパークプラグと呼ばれることもあり、ガソリンと空気の混じった混合気に着火させるためのパーツ
  • 【シリンダー】エンジン内部に当たる部分
  • 【ピストン】シリンダー内の容積を変えるパーツ
  • 【コンロッド(コネクティングロッド)】ピストンとクランクシャフトを繋ぐ部分
  • 【クランクシャフト】エンジンのストロークを支える重要なパーツ
  • 【カムシャフト】バルブを閉じたり開いたりするためのパーツ
  • 【タイミングベルト】クランクシャフトとカムシャフトの動作のタイミングを制御するためのパーツ

エンジンキーを回せば自然とエンジンがかかりますが、様々なパーツが関係していることが理解できたのではないでしょうか。

1-2 エンジンが動力を作り出すのに必要な4つの動作

エンジンは「吸気」「圧縮」「燃焼」「排気」という一連の流れを動作し続けることで動力を作り出します。

まず吸気によってシリンダー内にきれいな空気を取り入れるための作業を行います。呼気バルブがカムシャフトによって開かれ、きれいな空気がシリンダー内に取り込まれるわけです。

またこの動作に合わせて、インジェクターからガソリンが射出されることで空気と混じり混合気となります。しかし、このままの混合気では力強くスパークさせることができません。そこでその混合気を圧縮し、高圧の火花で一気に爆発させるための準備が必要です。

具体的にはピストンを押し上げ混合気を圧縮。次にギリギリ一杯まで圧縮された混合気に、点火プラグから放電火花が放たれます。これにより混合気は燃焼し、ピストンを思い切り下に作業とする力が発生。ピストンはコンロッドを通じてクランクシャフトに繋がっており、発生させた力が通じることで、クランクシャフトが勢いよく回転しエンジンが動く原動力となるわけです。この動作はピストンが最下限まで下がるまで継続します。

燃焼を終えると、シリンダー内はスパークによって汚れた空気でいっぱいに。このままでは次の動作ができないため、汚れた空気を外へ吐き出す必要があります。このタイミングで排気バルブが開き、ピストンの上昇に合わせて汚れた空気が排気ガスとして排出。

そしてそのまま休むことなく、吸気へと動作を続けることでエンジンは回転し続けます。

2 エンジンの代表的な種類

エンジンは燃料の違いによって分類され、大きくは「ガソリンエンジン」「ディーゼルエンジン」「ハイブリッドエンジン」の3種類です。

ガソリンエンジンは、その言葉通り燃料にガソリンを用いるエンジン。

点火プラグを使用して着火、爆発で得たエネルギーを動力へ変換します。ガソリンエンジンは振動や騒音が少なく、高回転まで安定した出力を得られることがメリット。また比較的コンパクトな設計が可能で、製造コストが安いという特徴もあるので乗用車に多く採用されています。

次にディーゼルエンジンは燃料に軽油を使用しているエンジンです。

点火プラグは使用せず空気を圧縮して高温状態を作り、シリンダー内へ噴射して自然発火させる仕組み。熱効率に優れており燃費性能が高く、燃料費を抑えることができることが特徴です。高回転には不向きで加速性能には難があるものの、低速トルクは高く坂道などで力強い走りができることがメリット。トラックやバスなどの商業車に多く採用されています。

最後にハイブリッドエンジンは、動力としてエンジンとモーターの2つを用いています。

これはエンジンとモーターの両方を状況により使い分けられ、発進する場合や坂道など自動車にとって比較的大きなパワーが必要とされる場合に、ガソリンエンジンをモーターがサポート。エンジンとモーターを組み合わせているため、エンジンの負担が小さく燃料費がいいことが特徴です。最近の自動車に多く使用されており、今後はエンジンの主流になるのではないでしょうか。

3 車のエンジンがかからない場合やかかりが悪くなる主な原因と対策

車のエンジンがかからなくなってしまったり、かかりにくい状態になってしまったりする原因は様々。ここではその原因と対策について説明していきます。

3-1 エンジントラブルで最も多いガス欠

エンジントラブルの中で最も多い原因はガス欠です。これは馴染みの言葉ですがガゾリン車が燃料切れになることで走行不能になること。

ガス欠になるまで気づかないなんてありえないと考えている方も多いかもしれませんが、これが最も多い原因ですので普段から意識することが大切です。

またガソリンの量が十分にあったとしても、品質が低下している場合も走行ができなくなってしまうことも。ガソリンは経年劣化するため、適度に走らせないとこのような事態を招くこともあるので注意が必要です。

3-2 バッテリー関連トラブル

バッテリー関連のトラブルも代表的なエンジントラブルの一つ。これは何らかの理由でバッテリーに蓄えられた電気が減少し、エンジンがかからなくなってしまう現象です。

バッテリーはカーステレオやパワーウィンドウ、ライトなどの車における電装品を作動させるために使われている装置。またエンジンを始動する際に、使用するセルモーター(スターターモーター)も含まれています。

つまりバッテリーが上がってしまうと、セルモーターが始動することができません。このようにバッテリーは自動車にとって欠かすことのできない装置です。

バッテリーの寿命が近づくと蓄電力が弱くなり、バッテリーが上がってしまいます。またバッテリーは寒さに弱いことが欠点。

対策として、寿命がくる前にバッテリーを交換することがポイント。交換の目安としては、車の使用頻度にもよりますが、約3〜5年を目安にしましょう。

3-3 ヒューズの断線

ヒューズが断線してしまい、エンジンがかからないケースも。ヒューズは何らかの原因で電気系統に過剰な電流が流れた際に、電気回路を遮断して通電を阻止してくれます。このような場合に、ヒューズが断線することで部品の身代わりとなり過剰な電流から車を守ってくれるわけです。

過剰な電流が流れるとヒューズが切れてしまい、ランプなどの電装品が作動しなくなります。最悪の場合エンジンを回すための電気も流れなくなるのでエンジンがかからない状態に…。

ヒューズが飛んでいるかどうかは、ヒューズボックスを開いて中を見ることで確認することができます。車種によって場所が異なりますが、一般的には運転席の下のほうに備え付けられていることが多いです。

当然ながら、ヒューズが断線していれば新しいヒューズに交換することで解決できます。ただし、ヒューズを交換してもすぐに飛んでしまうことも。このような場合は配線がショートしている可能性があるため、そのような状態であれば配線の修復が必要です。

3-4 セルモーターの故障

セルモーターはエンジンを始動させるためのモーター。車のエンジンを始動させる際に「キュルキュルキュル」と音が鳴りますが、これはセルモーターが作動している音です。

平均的な寿命は走行距離が約10〜15万kmで、エンジンの始動やアイドリングストップを頻繁に繰り返していると寿命が縮まってしまうので注意しましょう。

バッテリーが上がっていない状態でセルモーターが作動しない場合には、セルモーターの故障が考えられます。新品のセルモーターと交換する場合にかかる費用は、3万〜5万円が相場です。

3-5 オルタネーターの故障

オルタネーターは車における発電機の役割を果たす部品です。故障してしまうと、当然ながら電気を作れなくなり、バッテリーは充電できなくなってしまいます。

このことから故障の原因がバッテリーだと考えて交換したとしてもオルタネーターが故障している場合、すぐにバッテリーが上がってしまいエンジンがかからなくなってしまうので注意が必要です。

現代の自動車の性能は上がってきているので、オルタネーターは滅多なことがない限り故障することはありません。目安としては走行距離が20万〜30万kmです。しかしながら、使い方によっては故障してしまうこともありますし、中古車を購入した場合であれば、オルタネーターが古くなってしまっているケースも。

新しいオルタネーターに交換する場合、費用は5万〜10万円くらいかかってしまいます。

3-6 エンジンの故障

車にとってエンジンは心臓部と言っても過言ではありません。重要なパーツなので高い耐久性に優れていますが、エンジン自体が故障してしまうと当然ながらエンジンはかかりません。

エンジンが故障する主な原因は、エンジンのオイル切れや、冷却装置の水切れによるオーバーヒートです。その他にもエンジンに燃料を供給する部品の劣化や、スパークフラグの劣化などが原因として考えられます。

エンジンオイルには「潤滑」「冷却」「密閉」「洗浄」「防錆」の5つの作用があります。これは高熱・高圧の環境で高回転するエンジンの金属パーツを保護する役割。エンジンオイルが不足してしまうと、オイルの5つの作用が機能しにくくなりエンジン自体の負荷が大きくなることでトラブルに繋がってしまいます。

定期的にオイル交換をする必要がありますが、忘れてしまった場合は当然ながらオイルの性能が低下し十分な効果を得ることができません。

また冷却装置の水切れもエンジントラブルの原因の一つ。大量の熱を発生させながら稼働する車のエンジンは、適切な温度管理を行う必要があります。冷却装置も、エンジンを適正温度で稼働させるために欠かすことのできない重要なパーツです。クーラントとも呼ばれる冷却液が不足してしまうと、冷却装置が正常に機能しなくなります。

これにより熱交換を行ってエンジンを冷却した冷却液を冷やすラジエーターや冷却液を循環させるポンプ、冷却回路を制御するサーモスタットなどが不具合を起こしてしまうと、エンジントラブルが生じてしまうわけです。

3-7 人為的ミス

車のエンジンがかからないと故障したのでは?と動揺してしまいがち。しかし意外と見落としがちな点として、エンジンをかける際の人為的ミスが原因の場合もあります。

例えばエンジンのかけ方は間違えていないか、そもそもガソリンは足りているのか、ギアはパーキングに入っているかなど、気持ちが落ち着いた状態であれば気づける部分ですので、一旦心を落ち着かせて一つ一つチェックしていきましょう。

4 車のどの機能にトラブルが発生しているかの確認方法

万が一エンジントラブルが発生した際に、車のどの機能に異常があるのか鍵を挿した状態でチェックを行いましょう。

まずエンジンキーをACCもしくはONの位置まで回します。この状態でライトが点灯しパワーウィンドウが動く場合、原因として考えられるのはバッテリー以外にある可能性が高いです。もしライトやパワーウィンドウが作動しなければバッテリートラブルを疑いましょう。

次にエンジンキーを回しモーター音を聞いて確認します。「キュルキュル」と音がしない場合はセルモーターの故障、もしくはバッテリー上がりが原因と考えられます。

モーター音はするがエンジンはかからなければ、気温が低い場所にいるなら寒さが原因という可能性も。そうでないなら、バッテリー以外の部品が故障しているかもしれません。

バッテリー上がりの可能性が高いと考えられる場合、バッテリーが上がった際の対処法を試しましょう。ジャンピングスタートやジャンプスターター・カー用バッテリーを使用する方法などがあります。

5 エンジントラブルを予防するエンジンオイルについて

エンジントラブル予防方法に効果的なのがエンジンオイルを交換することがポイント。ここではエンジンオイルの特徴やエンジントラブルを予防するための方法と手順を説明していきます。

5-1 そもそもエンジンオイルとは

エンジンオイルはエンジン内にある金属同士の摩耗を軽減する潤滑作用が主な役割。エンジンは多くの金属部品が組み合わされ構成されています。それぞれが回転運動や往復運動を絶えず繰り返すことが自動車を動かす力を発生させています。

しかし金属同士が直接触れてしまっているので、摩擦によりスムーズな動きができません。そこで摩擦を軽減する役目がエンジンオイルなんです。これによりエンジンは滑らかな動きを実現してくれます。

またエンジンの冷却や洗浄、防錆、腐食防止など様々な効果があり重要な役割を担っているわけです。

5-2 エンジンオイルの交換時期

エンジンオイルの交換時期の目安は、普通車の場合では走行距離15000km。期間であれば1年程度が目安となっています。オイルランプが点灯している場合は、エンジンオイルの量が不足していることを示しているので補充を行いましょう。

ランプが点灯していても走行自体は可能ですが、そのまま無視して乗り続けるとエンジンが焼き付き炎上の危険性も出てくるため、早急な補充・交換が必要になります。

日常点検においてオイルレベルゲージに付着したオイルがこげ茶色や黒色になってしまっていたら、交換をするようにしましょう。

5-3 エンジンオイルチェックの方法とポイント

エンジンオイルを確認する際の注意点ですが、エンジンを切ってからしばらく時間をおいて確認しましょう。これはエンジンを切ってすぐの状態だと、まだ熱をもっているため確認する際に手を火傷してしまう恐れがあるからです。目安としてはエンジンを切ってから15分程度待ったほうがいいでしょう。

エンジンオイルはエンジンブロックから伸びている「オイルレベルゲージ」を確認することで、簡単に検査することができます。例外もありますが一般的にはオイルレベルゲージの位置は、エンジンルームの中からオレンジの輪を探すと見つけやすいです。それを見つけたら、特別な器具なども必要ないので引き抜きましょう。オイルレベルゲージに付着しているオイルをウエスやキッチンペパーなどを利用し、キレイに拭き取ります。拭き終われば元の位置に戻して問題ありません。戻したオイルレベルゲージを再度引き抜きます。

その際にオイルレベルゲージの先端にエンジンオイルが付着しますが、その汚れ具合を見て判断します。付着したエンジンオイルを、新しいウエスやキッチンペーパーに滴らしてみましょう。中心にスラッジと呼ばれる金属の燃えカスなどが残り周りにオイルだけが広がるようであれば、まだオイル交換をする必要はありません。逆に周りにスラッジ混じりの真黒いオイルが広がるようであれば、それはすぐにでも交換しないといけないレベルです。

エンジンオイルは定期的なチェックをする必要があります。最初のうちは自分で判断するのが難しいので、わからない場合はガソリンスタンドやカーショップなどで見てもらうといいでしょう。

5-4 エンジンオイルを購入する際に注目すべき3つのポイント

エンジンオイルの選び方に関しては、「粘度の数字」「ベースオイルの種類」「品質規格の高さ」の3つのポイントがあります。

粘度はエンジンオイルの硬さのことを示します。車種によっては推奨粘度が決まっているので注意が必要。例えば「5W -30」というエンジンオイルの表記があった場合に、Wの左側の数字が小さければ小さいほど、低温時でもオイルが柔らかいことを示しています。また-の右側の数字は大きければ大きいほど、高温時でもオイルが硬いことを示しています。

オイルが柔らかければ冬に適しており、始動性が早く燃費が良くなることがメリット。一方オイルが硬ければ夏に適しており、高速性能がよく耐摩耗性に優れています。

このように様々な走行条件に対応するためには、対応できる温度域にある程度の幅を持たせることが重要です。

6 エンジンを交換する場合

エンジンにも、もちろん寿命がありどのような状態になったら使えなくなるかを説明していきます。まず異音がすることが見極めるポイント。エンジンの回転に合わせてカンカンというような異音が大きくなると、内部の摩耗が激しくなりクリアランスが大きくなっていることが多いです。

これは内部の動きに合わせて部品自体のガタが大きくなっており、パーツが暴れていて滑らかな動きは不可能となります。

次にマフラーから出てくる白い煙はオイルが燃えている証拠。この場合シリンダー内にオイルが入り込んでいることが原因で、気密性が保てません。ちなみに黒い煙のケースは燃料が濃い状態です。

万が一、エンジンが故障してしまった場合は業者に依頼し、修復をお願いしましょう。

まとめ

今回は車の心臓部分といえるエンジンについて構造や仕組みから、代表的なエンジントラブルの対処方法まで説明してきました。

エンジンには様々なパーツが関係しており、「吸気」「圧縮」「燃焼」「排気」という一連の流れを動作し続けることで、動力を作り出しています。エンジントラブルの原因は様々で、それぞれにあった対処方法が必要です。

突然のエンジントラブルに動揺しないためにも定期的な点検を実施し、充実したカーライフを楽しみましょう。

豆知識一覧へ