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車のエンジンがかからない、かかりにくい場合の11の原因と対処法

車のエンジンがかからない、かかりにくい場合の11の原因と対処法

突然のエンジントラブルを経験された方、実は意外と多いのではないでしょうか?

いざ運転しようとエンジンをかけても車が動かなくなってしまうとどうしたらいいのか混乱してしまいます。

エンジンが突然かからなくなったり、かかりが悪くなる原因は様々です。そのような場合に対応できるよう、原因に対して仮説を立てられるようにしておきたいですね。

そのような「もしもの時のため」にお役に立てればと思い、当記事を作成しました。

今回は代表的なエンジントラブルやその対処法、構造や仕組みまで幅広く解説していきます。

目次

1 動かなくなってしまったら焦らず対処しよう

家から出ようとしたら車が動かない、車道で車が止まってしまったなど、どのような場合であっても最も大事なことが「焦らないこと」です。もし外出時に動かなくなってしまった場合は特に焦らないようにしましょう。

車に詳しくない場合は自分一人で原因を特定するのは困難です。必ずプロに連絡するようにしましょう。

  • 走行中であればまず車を停める
  • 原因を特定する
  • 自動車保険のロードサービス、もしくはJAFに連絡する

とにかく身の安全が第一です。安全なところに車を停車させ、落ち着いて原因を探っていきましょう。

2 【状況別】車が動かなくなってしまった時の対処法

2-1 停めていた車が動かなくなってしまった

停車していた車を発進させようとしたら動かない、このようなケースはまずメーターパネル内にある警告表示をチェックしましょう。

しばらく乗っていなかった車であればバッテリー切れの可能性が考えられます。

次に、充電警告灯(バッテリーランプ)やガソリン残量警告灯が点灯していないかも確認してみてください。ガソリンを入れてから時間が多く経過している場合は、ガソリンの劣化も考えられます。

2-2 走行中に止まって動かなくなってしまった

走行中に突然車のエンジンが止まって動かなくなってしまったときは、身の安全を確保が最優先です。

追突事故を避けるため、ハンドルの周辺にある「ハザードランプ」のボタンを押して周囲の車に非常事態を知らせてください。

(ハザードランプは三角のマークがついた大きな赤いボタンで、車のエンジンが停止した状態でも作動する装置です。)

作動中はメーターパネルのウインカー表示が左右同時に点滅しているのを確認してください。落ち着いて停車した後に原因を探っていきましょう。

2-3 高速道路上で動かなくなってしまった

高速道路を走行中に車が動かなくなったときは、身の安全の確保が最優先。加えて「三角表示板」の表示が義務付けられています。

発炎筒は道路交通法によってすべての車に標準装備されていますが、三角表示板は車載義務がありません。これはオプション扱いとなっているので注意してください。

高速道路を利用するのであればトランク内の工具箱をチェックし、使い方も確認しておきましょう。

3 車のエンジンがかからない、かかりが悪くなる場合によくある原因とその対策

車のエンジンがかからなくなってしまったり、かかりにくい状態になってしまったりする原因は様々。ここではその原因と対策について説明していきます。

3-1 ガス欠

エンジントラブルの中で最も多い原因はガス欠。聞き馴染みのある言葉ですが、ガソリン車が燃料切れになることで走行不能になることです。

ガス欠になるまで気づかないなんてありえないと考えている方も多いかもしれませんが、これがエンジントラブルの中で最も多い原因ですので普段から意識することが大切。

まずガソリンが入っているかどうかを確かめてみてください。

またガソリンの量が十分にあったとしても、品質が低下している場合も走行ができなくなってしまうことも。ガソリンは経年劣化するため、長い間乗らなかった車に突然乗ろうとするとエンジンがかからなくなってしまうこともあります。

もしガソリン切れの場合はフルサービスのガソリンスタンドで当座のガソリンを詰めてもらい、自分で給油を行います。ガソリンは灯油のように配達してもらうことができないためです。

また、ガソリンの購入には消防法令に適合した金属製の携行缶が必要ですが、運転免許証があればガソリンスタンドで借りることができます。

ガソリンを別容器に詰め替えるには危険物取扱者の資格が必要なので、セルフサービスのガソリンスタンドでは購入することができないのです。家族や友人などに頼んでガソリンを持ってきてもらうなどの行為は危険ですので、絶対にやめてください。

3-2 ギアがパーキング以外に入っている

車は基本的にギアをパーキング(AT車)に入れていないとエンジンはかかりません。焦ってギアをPに入れるのを忘れてしまってるかもしれません。

不慣れな車だと特に起きがちです。ギア操作を間違ってしまうとエンジンがかからなくなってしまうので、車が動かない場合は一度ギアを見てみましょう。

3-3 ハンドルロック機能が起動している

盗難防止のため、エンジンがかかっていない状態でハンドルを動かそうとするとハンドルロック機能が起動しキーが回らない状態になります。このハンドルロック機能は「ハンドルを左右どちらかに回しながら、エンジンキーを回す」ことで解除できます。

3-4 フットブレーキの踏み方が足りない

誤操作による急発進を防ぐために、フットブレーキを踏みながらキーを回さないとエンジンがかからない車も。

しっかり踏み込んでからもう一度キーを回してみてください。

3-5 電子キーが反応しない、電池が切れている

車ではなく実はカギに原因がある場合もあります。

電子キーの場合は半ドアでエンジンがかからないケースや、充電切れで反応しないことも。電子キーが反応しないときは、内蔵されている非常用のテクニカルキーを取り出してエンジンをかけましょう。

3-6 バッテリー関連トラブル

バッテリー関連のトラブルも代表的なエンジントラブルの一つ。これは何らかの理由でバッテリーに蓄えられた電気が減少し、エンジンがかからなくなってしまう現象です。

いわゆる「バッテリーが上がる」という状態ですね。

停車中にライトを長時間つけっぱなしにしていたなど、電気を使い過ぎてしまうとバッテリーが上がってしまいエンジンがかからなくなったり、かかりにくくなったりします。また、バッテリーそのものが古い場合短時間でバッテリーが上がってしまうことも少なくありません。

スモールランプの消し忘れ(エンジンキーがオフになっていない)、半ドアで室内灯が長時間点灯していた、オーディオやエアコンを使い過ぎてしまったなども考えられます。

エンジンを始動したとき、セルモーター(エンジンを始動させるモーター)が回らない、あるいは回しても力なくカチカチという音だけが聞こえる場合はバッテリーが上がっている可能性があります。

バッテリーはカーステレオやパワーウィンドウ、ライトなどの車における電装品を作動させるために使われている装置。またエンジンを始動する際に、使用するセルモーター(スターターモーター)も含まれています。

つまりバッテリーが上がってしまうと、セルモーターが始動することができません。このようにバッテリーは自動車にとって欠かすことのできない装置です。

バッテリーの寿命が近づくと蓄電力が弱くなり、バッテリーが上がってしまいます。またバッテリーは寒さに弱いことが欠点。

対策として、寿命がくる前にバッテリーを交換することがポイント。交換の目安としては、車の使用頻度にもよりますが、約3〜5年を目安にしましょう。

3-7 低気温でバッテリーが放電できない

寒冷地や冬季で気温が低い場合に起きがちな原因です。

外気の温度が低く車も冷たくなってしまっていると、バッテリーの放電が正常に行えなくなってしまうことがあります。

3-8 ヒューズの断線

ヒューズが断線してしまい、エンジンがかからないケースも。ヒューズは何らかの原因で電気系統に過剰な電流が流れた際に、電気回路を遮断して通電を阻止してくれます。

このような場合に、ヒューズが断線することで部品の身代わりとなり過剰な電流から車を守ってくれるんです。

過剰な電流が流れるとヒューズが切れてしまい、ランプなどの電装品が作動しなくなります。最悪の場合エンジンを回すための電気も流れなくなるのでエンジンがかからない状態に…。

ヒューズが飛んでいるかどうかは、ヒューズボックスを開いて中を見ることで確認することができます。車種によって場所が異なりますが、一般的には運転席の下のほうに備え付けられていることが多いです。

当然ながら、ヒューズが断線していれば新しいヒューズに交換することで解決できます。ただし、ヒューズを交換してもすぐに飛んでしまうことも。このような場合は配線がショートしている可能性があるため、そのような状態であれば配線の修復が必要です。

3-9 セルモーターの故障

セルモーターはエンジンを始動させるためのモーター。車のエンジンを始動させる際に「キュルキュルキュル」と音が鳴りますが、これはセルモーターが作動している音です。

平均的な寿命は走行距離が約10〜15万kmで、エンジンの始動やアイドリングストップを頻繁に繰り返していると寿命が縮まってしまうので注意しましょう。

バッテリーが上がっていない状態でセルモーターが作動しない場合には、セルモーターの故障が考えられます。新品のセルモーターと交換する場合にかかる費用は、3万〜5万円が相場です。

3-10 オルタネーターの故障

オルタネーターは車における発電機の役割を果たす部品です。故障してしまうと、当然ながら電気を作れなくなり、バッテリーは充電できなくなってしまいます。

このことから故障の原因がバッテリーだと考えて交換したとしてもオルタネーターが故障している場合、すぐにバッテリーが上がってしまいエンジンがかからなくなってしまうので注意が必要です。

現代の自動車の性能は上がってきているので、オルタネーターは滅多なことがない限り故障することはありません。目安としては走行距離が20万〜30万kmです。しかしながら、使い方によっては故障してしまうこともありますし、中古車を購入した場合であれば、オルタネーターが古くなってしまっているケースも。

新しいオルタネーターに交換する場合、費用は5万〜10万円くらいかかってしまいます。

3-11 エンジン自体の故障

車にとってエンジンは心臓部と言っても過言ではありません。重要なパーツなので高い耐久性に優れていますが、エンジン自体が故障してしまうと当然ながらエンジンはかかりません。

エンジンが故障する主な原因は、エンジンのオイル切れや、冷却装置の水切れによるオーバーヒートです。その他にもエンジンに燃料を供給する部品の劣化や、スパークフラグの劣化などが原因として考えられます。

エンジンオイルには「潤滑」「冷却」「密閉」「洗浄」「防錆」の5つの作用があります。これは高熱・高圧の環境で高回転するエンジンの金属パーツを保護する役割。エンジンオイルが不足してしまうと、オイルの5つの作用が機能しにくくなりエンジン自体の負荷が大きくなることでトラブルに繋がってしまいます。

定期的にオイル交換をする必要がありますが、忘れてしまった場合は当然ながらオイルの性能が低下し十分な効果を得ることができません。

また冷却装置の水切れもエンジントラブルの原因の一つ。大量の熱を発生させながら稼働する車のエンジンは、適切な温度管理を行う必要があります。冷却装置も、エンジンを適正温度で稼働させるために欠かすことのできない重要なパーツです。クーラントとも呼ばれる冷却液が不足してしまうと、冷却装置が正常に機能しなくなります。

これにより熱交換を行ってエンジンを冷却した冷却液を冷やすラジエーターや冷却液を循環させるポンプ、冷却回路を制御するサーモスタットなどが不具合を起こしてしまうと、エンジントラブルが生じてしまうわけです。

4ロードサービスやJAFに連絡する場合

4-1 自動車保険のロードサービスに連絡する場合

車のトラブルを手助けしてくれる自動車保険の「ロードサービス」へ連絡する場合は下記のような特徴があります。

保険会社のロードサービスの場合、基本的には無料で対応してくれます。点検した結果、バッテリー交換が必要だった場合や新しいバッテリー代が発生します。

もし高速道路でバッテリー切れを起こした場合は高速道路料金がかかる場合も。

また、ロードサービスを利用しても保険料は上がりません。保険料が上がるのは事故で保険金を支払った場合のみですので安心してください。

4-2 JAFに連絡する場合

車のトラブルというと「JAF(日本自動車連盟)」を思い浮かべる方も多いと思います。ロードサービスとはサービス内容が異なるので注意が必要です。

最も大きな違いとしては、ロードサービスでは契約車両が対象になるのに対し、JAFは対象となる自動車に制限がありません。例えば、会社の車や知り合いの車を運転している場合でも救援をしてくれます。

ただし、JAFの非会員で利用すると約12,000~15,000円ほどかかります。会員になるには入会金2,000円、年会費4,000円を支払う必要があることも覚えておきましょう。

基本的に自分の車のみを運転するという場合はロードサービスを利用するのがおすすめです。

5 ジャンピングスタートやジャンプスターターを試す

バッテリー上がりによってエンジンが始動しない場合は、ジャンピングスタートと呼ばれる、ほかの車のバッテリーを利用して自分の車のエンジンをかけるという対処方法も存在します。

家族や友人や知人に来てもらえる距離、または周りに車がいる状況であること、専用のブースターケーブルがあることが前提になります。

また、救援をおこなう車がトラックやハイブリッド車であるときはこの方法は利用できないので注意が必要です。

5-1 ジャンピングスタートを行う手順

ジャンピングスタートをおこなう手順は以下の通りです。

  1. 自車のバッテリーのプラス側に赤いケーブルを接続
  2. 救援車のバッテリーのプラス側に赤いケーブルを接続
  3. 救援車のバッテリーのマイナス側に黒いケーブルを接続
  4. 自車のエンジンの金属部分(取付時のショートなどを防ぐためにバッテリーとは離れたところ)に黒いケーブルを接続
  5. 救援車のパーキング(オートマ車)あるいはニュートラル(マニュアル車)にギアを入れ、サイドブレーキをかけ、エンジンをかけてアクセルを踏んで回転を少し高く保つ
  6. 自車のエンジンをかける

車種によってはエンジンの金属部分にケーブルを繋ぐ場所がないこともあります。その場合には、車の取扱説明書をよく読み、どこに接続するべきか確認してください。

接続が完了したら、サイドブレーキがかかっているのを確認してから救援車のエンジンをかけます。

AT車はPレンジ、MT車はNギアの状態でアクセルペダルを踏み込んで、エンジンの回転数を3000回転ほどまで上げましょう。もしエンジンの回転数を示すメーター(タコメーター)がない場合は、エンジン音が大きく感じられるほどまで踏み込み、1~2分ほどアイドリング状態を維持してください。

数分間待ってから故障車のエンジンをかけ、エンジンがかかった状態でケーブルを取り外します。

エンジンが始動したら、ケーブルをつないだのと逆順で取り外してください。

  1. 黒いケーブルを自車のエンジンの金属部分から取り外す
  2. 黒いケーブルを救援車のバッテリーのマイナス側から取り外す
  3. 赤いケーブルを救援車のプラス側から取り外す
  4. 赤いケーブルを自車のプラス側から取り外す

5-2 いざという時に活躍するジャンプスターター

救援をおこなう車がいない場合には、ジャンプスターターと呼ばれる機器が役立ちます。

ジャンプスターターとは一時的に電力供給可能なエンジン始動用のモバイルバッテリーのことで、救援車を必要としません。付属のクリップをバッテリーの+端子と-端子に接続すればエンジンが始動できるという便利なアイテム。

軽量かつコンパクトで低価格なため、車に常備しておけばいざというときに活躍してくれるはず。

6 車のどの機能にトラブルが発生しているかの確認方法

万が一エンジントラブルが発生した際に、車のどの機能に異常があるのか鍵を挿した状態でチェックを行いましょう。

まずエンジンキーをACCもしくはONの位置まで回します。この状態でライトが点灯しパワーウィンドウが動く場合、原因として考えられるのはバッテリー以外にある可能性が高いです。もしライトやパワーウィンドウが作動しなければバッテリートラブルを疑いましょう。

次にエンジンキーを回しモーター音を聞いて確認します。「キュルキュル」と音がしない場合はセルモーターの故障、もしくはバッテリー上がりが原因と考えられます。

モーター音はするがエンジンはかからなければ、気温が低い場所にいるなら寒さが原因という可能性も。そうでないなら、バッテリー以外の部品が故障しているかもしれません。

バッテリー上がりの可能性が高いと考えられる場合、バッテリーが上がった際の対処法を試しましょう。ジャンピングスタートやジャンプスターター・カー用バッテリーを使用する方法などがあります。自力で対処できるため普段から愛車に備えておくと安心です。

それでもエンジンがかからない場合は、専門的な知識が必要になります。そのようなケースであれば、ロードサービスや整備工場に連絡しましょう。

自動車保険に加入しているのであれば、場合によっては無料または安価な費用で対応してくれることもあります。加入している自動車保険の付帯サービスを確認しておくことをおすすめします。

その他の対応策として最寄りのガソリンスタンドに対応してもらうことも方法の一つ。動かない場合でも出張サービスを実施しているガソリンスタンドもあるので、連絡し、確認しましょう。

7 突然のエンジントラブルに備えて行っておきたいこと

エンジントラブルは出来る限り避けたいもの。万が一トラブルになったとしてもスムーズに解決できるよう、事前に備えておきたいものですよね。

予期せぬタイミングで車が止まってしまうと思わぬ事故に繋がってしまうかもしれません。そうならないためにも日頃からできる対策をしっかりしておきましょう。

7-1 定期的にメンテナンスを行う

日頃から車の点検や整備を受けておくことで、エンジントラブルの対策に繋がります。万が一エンジントラブルに遭ったとしても、原因を判断しやすくなることがメリット。

車のパーツが故障してしまっていたり、バッテリーが古くなってしまっていたり、エンジンの消耗品が点検されていなかったりと点検すべきポイントはたくさんあります。特にエンジンにはエンジンオイルや冷却液などの消耗品が使われているため、定期的に状態をチェックする必要があることも覚えておきましょう。

自分で確認、点検するという方法もありますが、知識がない場合はディーラーやガソリンスタンドで依頼することがおすすめ。エンジンオイルの劣化状態やオイル量、バッテリーの寿命、バッテリーターミナルの緩みなどを一つ一つ確認してもらいましょう。

7-2 スマートキーを充電しておく

スマートキーの電池は切れていなくてもあらかじめ交換しておくことをおすすめします。

スマートキーの電池は、コイン型の電池が一般的。寿命はおおよそ2年間であるため、車検ごとに交換をすると安心です。ただし、使い方によっては寿命が早まることもあるので早めの交換を心がけてください。

また、スマートキーの電池交換はコツが必要です。メカニカルキーを使用してケースを開けるものや、精密ドライバーを使用して開けるものなどがあるため、車の取り扱い説明書を読んで対応しましょう。

8 エンジンに関する代表的なパーツと構造について

ここからは車を構成し、故障の際にスポットが当たりやすい箇所であるエンジンについて理解を深めていきましょう。理解しておくことで原因を特定しやすくなるかもしれません。

8-1 エンジンに関する9つのパーツ

エンジンを作動させるために9つのパーツが関係しています。それぞれの名称と主な役割は以下の通りです。

  • 【バルブ】大きく分けて「呼気バルブ」と「排気バルブ」の2種類に分類。呼気バルブはきれいな空気をエンジン内に取り込むためのもの。一方排気バルブは、排気ガスを排出する際に開くパーツ
  • 【インジェクター】ガソリンを排出するためのパーツ
  • 【点火プラグ】スパークプラグと呼ばれることもあり、ガソリンと空気の混じった混合気に着火させるためのパーツ
  • 【シリンダー】エンジン内部に当たる部分
  • 【ピストン】シリンダー内の容積を変えるパーツ
  • 【コンロッド(コネクティングロッド)】ピストンとクランクシャフトを繋ぐ部分
  • 【クランクシャフト】エンジンのストロークを支える重要なパーツ
  • 【カムシャフト】バルブを閉じたり開いたりするためのパーツ
  • 【タイミングベルト】クランクシャフトとカムシャフトの動作のタイミングを制御するためのパーツ

エンジンキーを回せば自然とエンジンがかかりますが、様々なパーツが関係していることが理解できたのではないでしょうか。

8-2 エンジンが動力を作り出すのに必要な4つの動作

エンジンは「吸気」「圧縮」「燃焼」「排気」という一連の流れを動作し続けることで動力を作り出します。

まず吸気によってシリンダー内にきれいな空気を取り入れるための作業を行います。呼気バルブがカムシャフトによって開かれ、きれいな空気がシリンダー内に取り込まれるわけです。

またこの動作に合わせて、インジェクターからガソリンが射出されることで空気と混じり混合気となります。しかし、このままの混合気では力強くスパークさせることができません。そこでその混合気を圧縮し、高圧の火花で一気に爆発させるための準備が必要です。

具体的にはピストンを押し上げ混合気を圧縮。次にギリギリ一杯まで圧縮された混合気に、点火プラグから放電火花が放たれます。これにより混合気は燃焼し、ピストンを思い切り下に作業とする力が発生。ピストンはコンロッドを通じてクランクシャフトに繋がっており、発生させた力が通じることで、クランクシャフトが勢いよく回転しエンジンが動く原動力となるわけです。この動作はピストンが最下限まで下がるまで継続します。

燃焼を終えると、シリンダー内はスパークによって汚れた空気でいっぱいに。このままでは次の動作ができないため、汚れた空気を外へ吐き出す必要があります。このタイミングで排気バルブが開き、ピストンの上昇に合わせて汚れた空気が排気ガスとして排出。

そしてそのまま休むことなく、吸気へと動作を続けることでエンジンは回転し続けます。

9 代表的なエンジンの種類

エンジンは燃料の違いによって分類され、大きくは「ガソリンエンジン」「ディーゼルエンジン」「ハイブリッドエンジン」の3種類です。

ガソリンエンジンは、その言葉通り燃料にガソリンを用いるエンジン。

点火プラグを使用して着火、爆発で得たエネルギーを動力へ変換します。ガソリンエンジンは振動や騒音が少なく、高回転まで安定した出力を得られることがメリット。また比較的コンパクトな設計が可能で、製造コストが安いという特徴もあるので乗用車に多く採用されています。

次にディーゼルエンジンは燃料に軽油を使用しているエンジンです。

点火プラグは使用せず空気を圧縮して高温状態を作り、シリンダー内へ噴射して自然発火させる仕組み。熱効率に優れており燃費性能が高く、燃料費を抑えることができることが特徴です。高回転には不向きで加速性能には難があるものの、低速トルクは高く坂道などで力強い走りができることがメリット。トラックやバスなどの商業車に多く採用されています。

最後にハイブリッドエンジンは、動力としてエンジンとモーターの2つを用いています。

これはエンジンとモーターの両方を状況により使い分けられ、発進する場合や坂道など自動車にとって比較的大きなパワーが必要とされる場合に、ガソリンエンジンをモーターがサポート。エンジンとモーターを組み合わせているため、エンジンの負担が小さく燃料費がいいことが特徴です。最近の自動車に多く使用されており、今後はエンジンの主流になるのではないでしょうか。

10 エンジントラブルを予防するエンジンオイルについて

前述のようにエンジントラブルを予防するためにエンジンオイルを定期的に交換することがポイント。

この章ではエンジントラブルに効果的なエンジンオイルについて説明していきます。

10-1 そもそもエンジンオイルとは

エンジンオイルはエンジン内にある金属同士の摩耗を軽減する潤滑作用が主な役割。エンジンは多くの金属部品が組み合わされ構成されています。それぞれが回転運動や往復運動を絶えず繰り返すことが自動車を動かす力を発生させています。

しかし金属同士が直接触れてしまっているので、摩擦によりスムーズな動きができません。そこで摩擦を軽減する役目がエンジンオイルなんです。これによりエンジンは滑らかな動きを実現してくれます。

またエンジンの冷却や洗浄、防錆、腐食防止など様々な効果があり重要な役割を担っているわけです。

10-2 エンジンオイルの交換時期

エンジンオイルの交換時期の目安は、普通車の場合では走行距離15000km。期間であれば1年程度が目安となっています。オイルランプが点灯している場合は、エンジンオイルの量が不足していることを示しているので補充を行いましょう。

ランプが点灯していても走行自体は可能ですが、そのまま無視して乗り続けるとエンジンが焼き付き炎上の危険性も出てくるため、早急な補充・交換が必要になります。

日常点検においてオイルレベルゲージに付着したオイルがこげ茶色や黒色になってしまっていたら、交換をするようにしましょう。

10-3 エンジンオイルチェックの方法とポイント

エンジンオイルを確認する際の注意点ですが、エンジンを切ってからしばらく時間をおいて確認しましょう。これはエンジンを切ってすぐの状態だと、まだ熱をもっているため確認する際に手を火傷してしまう恐れがあるからです。目安としてはエンジンを切ってから15分程度待ったほうがいいでしょう。

エンジンオイルはエンジンブロックから伸びている「オイルレベルゲージ」を確認することで、簡単に検査することができます。

例外もありますが一般的にはオイルレベルゲージの位置は、エンジンルームの中からオレンジの輪を探すと見つけやすいです。それを見つけたら、特別な器具なども必要ないので引き抜きましょう。

オイルレベルゲージに付着しているオイルをウエスやキッチンペパーなどを利用し、キレイに拭き取ります。拭き終われば元の位置に戻して問題ありません。戻したオイルレベルゲージを再度引き抜きます。

その際にオイルレベルゲージの先端にエンジンオイルが付着しますが、その汚れ具合を見て判断します。付着したエンジンオイルを、新しいウエスやキッチンペーパーに滴らしてみましょう。

中心にスラッジと呼ばれる金属の燃えカスなどが残り周りにオイルだけが広がるようであれば、まだオイル交換をする必要はありません。逆に周りにスラッジ混じりの真黒いオイルが広がるようであれば、それはすぐにでも交換しないといけないレベルです。

エンジンオイルは定期的なチェックをする必要があります。最初のうちは自分で判断するのが難しいので、わからない場合はガソリンスタンドやカーショップなどで見てもらうといいでしょう。

10-4 エンジンオイルを購入する際に注目すべき3つのポイント

エンジンオイルの選び方に関しては、「粘度の数字」「ベースオイルの種類」「品質規格の高さ」の3つのポイントがあります。

粘度はエンジンオイルの硬さのことを示します。車種によっては推奨粘度が決まっているので注意が必要。

例えば「5W -30」というエンジンオイルの表記があった場合に、Wの左側の数字が小さければ小さいほど、低温時でもオイルが柔らかいことを示しています。また-の右側の数字は大きければ大きいほど、高温時でもオイルが硬いことを示しています。

オイルが柔らかければ冬に適しており、始動性が早く燃費が良くなることがメリット。一方オイルが硬ければ夏に適しており、高速性能がよく耐摩耗性に優れています。

このように様々な走行条件に対応するためには、対応できる温度域にある程度の幅を持たせることが重要です。

11 エンジンを交換する場合

エンジンにも、もちろん寿命がありどのような状態になったら使えなくなるかを説明していきます。

まず異音がすることが見極めるポイント。エンジンの回転に合わせてカンカンというような異音が大きくなると、内部の摩耗が激しくなりクリアランスが大きくなっていることが多いです。

これは内部の動きに合わせて部品自体のガタが大きくなっており、パーツが暴れていて滑らかな動きは不可能となります。

次にマフラーから出てくる白い煙はオイルが燃えている証拠。この場合シリンダー内にオイルが入り込んでいることが原因で、気密性が保てません。ちなみに黒い煙のケースは燃料が濃い状態です。

万が一、エンジンが故障してしまった場合は業者に依頼し、修復をお願いしましょう。

もしも動かなくなってしまっても焦らないこと、定期的に点検することが大切

今回は車が止まってしまった時のこと、車の心臓部分といえるエンジンについて構造や仕組みから、代表的なエンジントラブルの対処方法まで説明してきました。

しつこいようですが車が止まってしまったら焦らず身の安全を第一に考えてください。安全な場所まで移動してから対応や原因を考えましょう。

車が止まってしまうと余計な費用がかかってしまう可能性もありますが、事故に繋がってしまうことも考えられます。

そうならないように日頃から丁寧に愛車の点検をしてあげてくださいね。

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