2023年7月14日
車を擦ってしまった場合の対応方法
車の擦り傷はドライバーにとって悩みの種。
愛車を傷つけないように慎重に運転をしていても、車を擦ってしまうことはよくあることです。
そんな予想もしていなかった事態にショックを受け動揺してしまいがちですが、まずは落ち着いて適切な対処をすることが大切です。
車を傷付けてしまった状態を放置してしまうと、予期せぬトラブルにもつながります。
そこで今回は車を擦ったしまった際の対処法からについて学んでいきましょう。また修理方法やそれにかかる費用相場などについても記載していますので、参考にしていただけると幸いです。
目次
1 車を擦った際にまず行うべきこと
車を擦ってしまうことは、どんなに注意して運転をしていても起こり得ることです。その際に、適切な対処法を理解しておくことが大切。
ここでは車を擦ってしまった場合に行うべき対処法について触れていきます。
1-1 原因の特定
車を擦った際にまず行うべきことは、原因を特定すること。どこで接触し起きてしまったのかを、車を停止させ確認することが大切です。
擦ってしまった箇所をチェックし、車にどの程度の傷がついてしまっているのかを把握しましょう。
その際に、他人の家の外壁や公共施設などのケースはそのまま放置することはいけません。また、他人が乗車している車に擦ってしまうことも考えられます。
相手のいるトラブルの場合、まず相手側に怪我などがないかを確認し次のプロセスに進みましょう。
1-2 警察や保険会社に連絡
車を擦った際に気にならない程度の傷であれば、そのまま放置してしまう方も多いのではないでしょうか。自宅の駐車場や自分の所有地で起きたのであれば、それでも問題はありません。
しかし車を擦った場所が公共施設や、他の方の自宅の外壁などの場合は保険会社や警察に連絡する必要があります。他人を巻き込んだ事故ではないからと、その場を離れてしまうのはいけません。
事故を起こした際に相手がいないケース、または自身の運転ミスによる場合は自損事故と判断されます。この場合は、違反点数が加算されることはありません。
しかしながら、相手がいないからといって、その場を離れてしまうと当て逃げとみなされてしまいます。
後日警察に検挙されると安全運転義務違反(2点)と、危険防止措置義務違反(5点)の合計7点の加算は免れません。さらに少なくとも最低30日間は免許停止処分、それまでに加点があった場合は、より重い処罰が下されることを覚えておきましょう。
このことから、たとえ相手がいない状況でも、車で何らかの事故を起こした際は必ず警察に連絡することが大切です。
2 車を擦った場合は自動車保険の適用は可能かどうか
車を擦った際に気になるのが、修理ができるのかどうか。また、その際に自動車保険を適用できるのかどうかも気になるところ。
塗装が剥がれてしまうと、そこからサビが侵食することも考えられます。車の運転機能に支障をきたすこともあるので、基本的には修理を依頼するといいでしょう。
車を擦った際に保険会社に連絡することを前項でお伝えしました。車の修理はもちろんですが、擦ってしまった箇所の修理費も発生します。
自動車に関する保険は、主に強制加入の自賠責保険と任意加入の自動車保険がありますが、相手がいない自損事故だった場合に使用できるのは自動車保険(任意保険)のみです。
自損事故で自賠責保険が適用されるケースは、同乗者が死傷した場合に適用されます。
また注意すべき点は、自分で加入している自動車保険が適用できるかどうかはプランによって異なります。保険を適用した場合は等級が下がるなどのデメリットもあるので、傷の程度を確認し保険を適用すべきなのかを判断しましょう。
3 傷の種類
車の擦り傷と言っても種類は実にさまざまです。
場合によっては知らないうちに擦り傷がついていたなんてことも少なくありません。
ここでは車につきやすい傷の種類や、考えられる原因について触れていきます。
3-1 線傷
車に見られる傷の中でも最も多いのが、引っ掻いたような傷跡が残る線傷。
猫や鳥などの動物が車のボディに接触したり、洗車時にホコリなどを落とす際に使用するタオルや、バッグの金具や腕時計などが触れることでできてしまいます。
最近のモデルではほとんどありませんが、車の鍵をキーシリンダーに差し込む際にもできやすい傷です。
また、道路脇に伸びた雑草や小枝などに擦れることでつくこともあります。山道や悪路などを走行していれば、なんとなく傷がついた原因が判断できますが普段の道路でも傷はついてしまうので気が付かないことも少なくありません。
3-2 ガリ傷
縁石などに車のボディやホイールを擦するとできるのがガリ傷。
縁石以外にも石やコンクリートなどに車を擦ってしまうことが原因です。場合によってはホイールの一部が欠損するほどの傷ができることも。
ガリ傷は車の見た目が悪くなるのはもちろんですが、塗装が剥がれてサビの原因にもつながることを覚えておきましょう。
3-2 擦り傷
車を壁などに擦ってしまうことでできるのが擦り傷。
運転時に内輪差に気付かずに擦ってしまい、車のサイド部分にできやすい傷です。周囲から目立ちやすい位置につきやすく、傷の範囲が場合によっては広くなることもあります。
3-3 へこみ傷
へこみ傷は、ポールなどの障害物に誤ってぶつけてしまうことでできる傷。
交通事故などでもできやすい傷で、場合によってはボディ自体が歪んでしまうことも少なくありません。
4 自分でできる修理方法
車を擦った際の修理方法は自分で行うこともでき、業者への依頼することも可能です。
ここでは自分でできる修理方法について手順や注意点などについて触れていきます。
4-1 自分で行うことでのメリットやデメリット
車を擦った際にボディにへこみがなく、軽い傷であれば自分でも修理することができます。業者に依頼することでどうしても費用がかかってしまいますが、自分で行うことでコストを抑えられることがメリット。
ただへこみや傷が深いガリ傷、範囲が広かったりすると自分では簡単に修理ができません。そのようなケースであれば業者に依頼した方が安心です。
また修理をする際に使用するアイテムが種類豊富にあるので、どれを選ぶべきかを悩まれる方も多いでしょう。車についた傷の大きさや場所、車種やボディカラーなどによってアイテムを選ぶ必要があります。
修理グッズによっては手軽にできる物もあり、仕上がりの質も異なります。あらかじめ、アイテムの特徴などをチェックしておくとスムーズです。
4-2 自分で修理する際に揃えるべき修理グッズ
車を擦った際に、軽い傷であれば自分でも実施することができます。
その際に準備する主なアイテムは以下の通りです。
- コンパウンド
- タッチペン
- スプレー
- パテ
前項でもお伝えした通り、傷の種類などによって選ぶべきアイテムも異なります。
ここからはそれぞれの修理グッズについての特徴などを説明していきます。
4-2-1 コンパウンド
主に車の擦り傷を消す際に使用されるコンパウンド。液状のものやペースト状の研磨剤です。
ただコンパウンドで研磨すると塗装が薄くなってしまい、磨きすぎると車を傷つけてしまいます。選ぶ際は研磨粒子の大きさが傷の程度に合うものを選ぶようにしましょう。
またコンパウンドを使用しても消すことができない傷もあります。例えば爪が引っかかるような深い傷や、他車の塗装が付着している傷などです。
車の塗装は3層構造になっており、「下地の層」「ボディカラーの層」「クリア層」に分かれています。クリア層が表面の層になっているのですが、コンパウンドで対応できるのはクリア層に付いた傷までです。
どんな傷でも落とせるわけではないことを覚えておきましょう。
4-2-2 タッチペン
主に線傷やひっかき傷に使用するもので、車の塗装はげを補修してくれるタッチペン。その名の通り形状がペンの形をしている、筆で塗るタイプの補修グッズです。
車のボディカラーはさまざまですが、自動車メーカーから純正品として販売されているものもありカラーのマッチングも期待できます。また社外品でも純正番号ごとに提供されているので安心です。
所有している車の外装色コードを確認しましょう。車に設置されている型式プレートと呼ばれるものに記載されています。
このカラー情報をもとに、本来の色味に近いタッチペンを選んでください。ただ、デメリットとしてはペン型なので、大きな傷や深い傷の修正には不向きです。
4-2-3 スプレー
ボディカラーと同色に塗ることで傷を目立たなくできるスプレー。
比較的広範囲に使用できることがメリットなので、大きな傷が付いてしまっても対応できる可能性が高くなります。
またスプレーで噴射するので、傷口の表面がデコボコしないことも嬉しいポイント。ボディの表面が変に盛り上がったりしないので、滑らかに仕上げることができます。
ただ、液垂れや色むらができやすいなどのデメリットがあることを覚えておきましょう。
またスプレーは広範囲に対応できる分、細かい傷には不向きです。そのような場合は前項で紹介したタッチペンを使用すると綺麗に仕上がります。
4-2-4 パテ
パテは、ボディにへこみ傷がある場合に役立つ補修グッズ。主にへこみ傷や大きくえぐれてしまった傷などに使用するアイテムです。
ポリエステルやエポキシンなどの樹脂が主成分で、乾くと硬い表面を作ります。ボディのへこみ具合や大きさなど塗る場所に合わせたパテを選ぶことがポイント。
主に「厚付けパテ」「超軽量パテ」「薄付けパテ」があり、特徴は以下の通りです。
- 厚付けパテ:スタンダードなパテ。傷やへこみの大きさは直径10cm程度、深さは20mm程度が目安
- 超軽量パテ:厚付けパテと併用するアイテム。傷やへこみの大きさの目安は直径20cm程度、深さは30mm程度
- 薄付けパテ:深さ2mm程度以下の線状の傷、浅いへこみなどに使用するパテ
この他にもバンパー専用など、用途に合わせて選ぶことができます。ただ、範囲が広いと均一に塗るのが難しいので、不安な方はプロに依頼することをおすすめします。
4-3 車の傷を修理する際の注意点
ここではコンパウンドとパテを使用した際の、車の傷を消す手順を説明します。
修理する際は、以下のアイテムも併せて準備しておきましょう。
- 耐水ペーパー
- 耐水スプレー
- シリコンオフスプレー
- クリアースプレー
- スポンジあるいは布
4-3-1 傷を修理する際の手順
ボディに付いた傷が浅いものであれば、主にコンパウンドを使用すれば修理することができます。
その際に、スポンジもしくは綺麗な布を準備しておきましょう。
まずは傷が付いた部分を綺麗に水洗いし、表面に付着した砂利などの汚れを落とします。この水洗いを省いてしまうと、砂利が車体を傷つけることにつながるので、事前に車体を水洗いしておくことがポイント。
次に、スポンジもしくは綺麗な布のコンパウンドを付けて傷ついた箇所を磨いていきます。その際に傷をなぞるように磨くことがポイント。
コンパウンドは粒子が荒ければ荒いほど高い研磨力を発揮してくれます。そのため傷の大きさに応じて使い分けるように注意しましょう。
傷の周囲との見た目を極力同じようにするために、傷の深さに合わせて磨く際の力加減を調整しましょう。また研磨した部分は、全体的に色味が薄くなるので注意が必要です。
4-3-2 へこみを修理する際の手順
車の小さなへこみを修理する場合は、パテや耐水スプレーを使用します。
まずは傷の修理同様に、へこみ傷の部分を水洗いし汚れを落としましょう。
次に耐水ペーパーでパテを塗る部分の塗装を剥がします。それと同時にシリコンオフスプレーを使用すると、塗装や油分を除去しやすくなります。
汚れの除去作業が終わったら、パテを塗らない箇所を新聞紙とマスキングテープで覆ってください。
補修部分にパテを塗っていきますが、傷の深い場所にはパテを厚く塗ります。逆に、傷が浅い場所に余分なパテを伸ばしていくように塗ると仕上がりが綺麗になります。
パテを塗り終わったら20分程度乾燥させてください。その後、耐水ペーパーで表面を滑らかになるまで研磨していきます。再度シリコンオフスプレーで表面を拭き上げ、ボディカラーに合わせて塗装できれば完了です。
5 業者に修理を依頼した場合
車を擦った際に業者に依頼することでも修理が可能です。
これまで自分でできる修理方法をお伝えしましたが、どうしても限界があります。業者に依頼すればより本格的に対応してくれますし、仕上がりも自分で実施するよりかは格段にクオリティが上がります。
ただ修理にかかるコストが高くなることがデメリットで、修理にかかる時間も長くなることを覚悟しておきましょう。
料金相場は傷の範囲(10cm以内・10〜20cm以内・20cm以上)で金額が異なり、傷の具合や損傷しているパーツによって金額にばらつきがあります。
ここでは依頼する業者ごとの特徴や、パーツごとに擦り傷だった場合の修理費用の目安を紹介します。
5-1 専門業者
整備や修理などを専門にしている業者は、複数のメーカーを扱っています。
サービス内容は場所によってそれぞれですが、対応できるのが修理や点検のみのケースもあれば板金や塗装まで引き受けてくれるところも魅力。
車の気になるところや、急なトラブルにも対応してくれることも多く車のお医者さん的な存在と言えます。
ただ、規模が他の業者に比べ小さくなってしまうため、取り扱うパーツが少なく対応に時間がかかってしまうことがデメリット。そもそも依頼する内容によっては対応ができないこともあるので、あらかじめ連絡し確認しておきましょう。
修理や塗装などの専門業者に依頼する際の費用の相場は以下通りです。
10cm以内 | 10〜20cm以内 | 20cm以上 | |
バンパーの擦り傷修理 | ¥15,000〜¥25,000程度 | ¥25,000〜¥40,000程度 | ¥40,000〜¥50,000程度 |
フェンダーの擦り傷修理 | ¥40,000〜¥50,000程度 | ¥50,000〜¥60,000程度 | ¥60,000以上 |
ドアの擦り傷修理 | ¥30,000〜¥40,000程度 | ¥40,000〜¥60,000程度 | ¥60,000以上 |
5-2 ディーラー
ディーラーは専門の整備士が常駐しており、メーカーの車種に精通した高い知識と技術を持つ整備士が対応してくれます。
メーカーの純正パーツであれば、基本的には短期間で修理を終わらせることがメリット。
また保証期間内であれば修理を無償または、費用を抑え対応してくれることも嬉しいポイント。その反面、修理代が他の業者に比べ高額になることがデメリット。
車に関する修理や点検は常駐している整備士が対応できますが、板金や塗装となると専門業者への外注となります。その場合は金額もさらに高くなり、修理が完了するまでの期間も長くなる傾向にあります。
ディーラーにおける費用感の目安は以下の通り。あくまでも目安になるので、参考程度にとどめておきましょう。
10cm以内 | 10〜20cm以内 | 20cm以上 | |
バンパーの擦り傷修理 | ¥20,000〜¥30,000程度 | ¥30,000〜¥45,000程度 | ¥45,000〜¥55,000程度 |
フェンダーの擦り傷修理 | ¥45,000〜¥55,000程度 | ¥55,000〜¥65,000程度 | ¥65,000以上 |
ドアの擦り傷修理 | ¥35,000〜¥45,000程度 | ¥45,000〜¥65,000程度 | ¥65,000〜¥100,000程度 |
5-3 カー用品店
業者の中でも低価格で対応してくれやすいのがカーショップ。全国に展開していることも多く、アクセスしやすいのがポイントです。
ただ他の業者に比べ、仕上がりのクオリティが担当整備士によってばらつきが出やすいことがデメリット。
カー用品店に依頼した際の費用感は、以下を参考にしてください。
10cm以内 | 10〜20cm以内 | 20cm以上 | |
バンパーの擦り傷修理 | ¥10,000〜¥20,000程度 | ¥20,000〜¥30,000程度 | ¥30,000以上 |
フェンダーの擦り傷修理 | ¥30,000程度 | ¥40,000程度 | ¥50,000程度 |
ドアの擦り傷修理 | ¥10,000〜¥25,000程度 | ¥25,000〜¥50,000程度 | ¥50,000〜¥80,000程度 |
車を擦った際は慌てず落ち着いた行動を
車を擦った際は、まずは落ち着いて状況を確認しましょう。場合によっては警察や保険会社への連絡も必要です。
また修理をするのであれば自分でも行えますし、業者に依頼することも可能です。自分で行う場合も業者に依頼する場合もメリット・デメリットがあることを覚えておきましょう。
ヴァ・ベーネも自社工場を完備しているので、車の修理など対応可能です。業歴30年以上で培った、確かな知識と経験豊富な整備士が責任を持って対応します。
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