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車のダッシュボードを綺麗に保つための基礎知識

車のダッシュボードを綺麗に保つための基礎知識

ドライバーにとってダッシュボードという言葉は身近に使う単語。

しかしダッシュボードが何を意味しているか、理解している方は多くありません。今回はダッシュボードの他、類義語として使われることが多い「インパネ」「グローブボックス」などについて、傷ついてしまった場合の修理手順なども解説します。

1 ダッシュボードとは

ダッシュボードをひと言で説明すると「エンジンと運転席・助手席を隔てる壁」のこと。厳密にいうとダッシュボードとは、エンジンと室内空間を分ける壁のことです。

運転席・助手席の前方かつ、フロントガラスから下の部分を指します。

また、「インパネ(インストルメントパネル)」は人によって認識が異なることが多く、厳密にどの範囲を指しているかがわかりづらいため、すべてを総称してダッシュボードと呼ぶ人も。

現在販売されている自動車の大半には助手席前方に収納スペースが設けられています。このスペースをダッシュボードだと思いがちですが、これはあくまでダッシュボードの一部です。

2 ダッシュボードの語源は馬車を使っていた時代まで遡る

「ダッシュボード」という言葉の起源は、馬車を使っていた時代まで遡ることができます。馬は小石や泥を跳ね上げて走るため、これを防ごうと設置した隔壁をダッシュボードと呼んだのがルーツです。

自動車も最初は馬車を基に設計されたため、登場直後の1800年後期は車体前部に板状の壁が設置されているのみでした。しかし1920年代に入ると、エンジンと運転席とを分ける隔壁へと形を変えていきます。

現在ではメーターが設置されていたりと機能性やデザイン性に富んだダッシュボードも増えてきました。

3 ダッシュボードと混乱しやすい3つの用語

ダッシュボードと意味合いや機能などが似ている「インパネ」「計器盤」「グローブボックス」。

これらはつい間違えたり混同したりして使ってしまいがちですが、それぞれにはダッシュボードとは異なる意味合いや機能があります。

3-1 インストルメントパネル(インパネ)

ダッシュボードの類義語として使われることもある「インパネ」。インパネとは、「インストルメントパネル」の略称で、もともとは速度メーターなどの計器盤のみを指していました。

しかし、現代では運転席前方にある計器盤のみではなく、エアコンのスイッチやエアバック、オーディオなどダッシュボード内に設置されたパネル全体を表す用語として使用されています。

3-2 計器盤

計器盤とは、自動車に設置されているさまざまなメーターの総称。

自動車の速度を示す速度計、総走行距離を測るオドメーター、区間走行距離を測るトリップメーターなども該当します。計器盤の表示内容としては、

  • スピードメーター
  • オドメーター
  • タコメーター
  • トリップメーター
  • 水温計
  • 方向指示表示灯
  • ヘッドランプ上向き表示灯:ハイビーム
  • シフトレバー位置表示灯
  • 燃料残量警告灯
  • 燃料計
  • ABS

などが存在しています。ドライバーが一目で車の状態を把握できるように設計されており、事故を未然に防ぐ役割を担う非常に重要なパーツです。

3-3 グローブボックス

助手席の前に設置されている収納スペースをダッシュボードだと思いがちですが、実は収納スペースのことを「グローブボックス」と呼びます。グローブボックスは、ドライブ用の手袋を入れておく場所として作られたためこのような名前に。

ちなみに似た言葉に「コンソールボックス」がありますが、これは運転席と助手席の間にある収納スペースのことを意味します。

4 車のダッシュボードのお手入れ

車内配置の特性上、ダッシュボードは触れる機会が多くなる場所。傷や汚れが目立ちやすく、気になる方もいるかもしれません。しっかり手入れをして、きれいな状態が長持ちするように心掛けましょう。

4-1 日焼けから守る方法

ダッシュボードは直射日光にさらされてしまう場所にあります。ある程度は耐えることができますが、長年使っていると日焼けが原因でひび割れなどが起こることも考えられます。

ケアの手段としては、保護艶出し剤などを使うのもおすすめ。ダッシュボード用の保護剤も販売されています。また、直射日光が当たる位置に駐車する際にはサンシェードをかけるのも効果的です。

4-2 インパネの掃除方法

インパネは特別な汚れがない限りは、埃を取るための拭き掃除だけで問題ありません。

ダッシュボードを覆うソフトパッドは、長く使用していると表面がベタつくことがあります。これは塗料などが熱や湿気などにより溶け出す「加水分解」と呼ばれる現象が起きるため。表面がベタつきだしたら無水アルコールで拭き取ってください。

もしも汚れがひどい場合などはインパネの交換を検討するのが現実的でしょう。

5 ダッシュボードの傷を修理するための手順

ダッシュボードはふとした拍子に傷をつけてしまうこともあるかもしれません。

しかし、ダッシュボードの傷は自分でも修復可能です。もしも傷が気になった際は試してみてください。

5-1 まずは傷の周りをきれいに拭き取る

傷を修復するためには、まず傷の周りをきれいに拭き取りましょう。ダッシュボードは、一見きれいでも砂埃や花粉などが付着している場合があるためです。

汚れを拭き取らずに修復してしまうと、傷の中にほこりが詰まりきれいに修復できません。色むらなども出てしまい、傷が目立つ仕上がりになる恐れがあります。

傷の周りを掃除しておけば、傷の状態を正確に把握できるため、修復作業を始める前には汚れを拭き取っておきましょう。

5-2 マスキングする

マスキングは、充填剤が傷以外の部分に付着しないために行う作業。

マスキングには、マスキングテープなど専用のマスキンググッズを使います。カーショップやホームセンターで販売されています。もしマスキングテープがない場合は、ビニールテープでも代用できます。

5-3 充填剤を入れる

マスキングができたら、充填剤を傷やひび割れの部分に入れましょう。充填剤は「パテ」と呼ばれ、住宅の壁に傷がついた際に使われるものとほぼ同じ成分です。

きれいに傷を埋めるのではなく、やや荒くてもいいのでしっかりと傷を塞ぐことを意識して作業を進めてください。

5-4 サンドペーパーなどで傷を磨く

傷の部分にしっかり充填剤を埋め込むと、どうしても若干盛り上ってしまい、見栄えがあまりよくありません。これを解消するために、サンドペーパーなどを利用して充填剤を磨きとります。

サンドペーパーの粗目は400~1,000がおすすめ。

きれいに仕上げたい方は、小さい数字から徐々に大きな数字のサンドペーパーを使うとよいでしょう。

傷を磨く作業は、見栄えの良い修復を行うためには避けて通れない作業です。時間がかかっても丁寧に作業しましょう。

5-5 塗装する

最後に塗装を。色むらが出てしまうと今までの苦労が水の泡になってしまうので、慎重で丁寧な作業を心掛けてください。

塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の順番で進めていきます。市販のダッシュボード塗装剤を使用するとき手順を踏まず使うと、色が定着せずきれいに仕上がらない可能性があります。まずはプライマーと呼ばれる下地塗料を塗っていきましょう。

丁寧にダッシュボードを利用して綺麗な状態で使い続けることが大切

ダッシュボードの傷は目に入りやすいため見栄えの印象が落ちます。自分で直すことも不可能ではありませんが、きれいに修復しないと逆に目立つ仕上がりになってしまうかもしれません。

日頃から無駄なものを置かない、長時間太陽にされされる恐れがある場合はカバーをかけておくなどの対応を心がけてください。

万が一破損すると高額な修理費がかかってしまうかもしれません。車のメンテナンスは外側ばかりに気を取られがちですが、内側もしっかり気にしてあげてくださいね。

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