2023年7月31日
フォグランプとは?役割や正しい使用方法などについて
車には多くのパーツが装備されており、快適なカーライフを送るために欠かすことができないものばかりです。
車に装備されているフォグランプもその内の一つ。そんなフォグランプですが使用方法を間違っていたり、そもそも使用したことがないなんて方も少なくないでしょう。
今回は、車におけるパーツの中でも「フォグランプ」にスポットをあて、その必要性や正しい使用方法またはフォグランプを後付けする方法などについて触れていきます。
目次
1 フォグランプは視界不良時に使用するもの
車にはライトが装備されていることから、暗い道でも安全に走行することができます。
後ほど、それぞれの役割は説明しますがヘッドライト、スモールライト、テールライトそしてフォグランプといったライト類が搭載されており、その種類は実にさまざま。
フォグランプは視界不良の際に活躍するものですが、フロントフォグランプ(前霧灯)とリアフォグランプ(後霧灯)に分類されます。
車種によってはフォグランプが搭載されていないケースも少なくありません。
フロントフォグランプの場合、ヘッドライトの下に設置され視界の悪い天候時に使用するものです。そもそもフォグランプの“フォグ”は英語で霧を意味しており、日本語では霧灯(むとう)と呼ばれています。
その名の通り、濃い霧が発生した際にフォグランプを点灯させることで、視界を確保する重要な役割を持つランプです。霧以外にも豪雨や大雪などの視界不良の際に、対向車に自分の存在をアピールするのも役割の一つ。
このように天候などによって視界が遮られるような状況で使用するものなので、頻繁に使用するものではないことを覚えておきましょう。
視界が悪くない状態でフォグランプを点灯しまうと、対向車が眩しく感じてしまいます。場合によっては事故を引き起こしてしまう可能性もあるので、適切なタイミングで使用するようにしましょう。
2 自動車に装備されているライト
2-1 ヘッドライト
ヘッドライトは、車に装備されているライトの一つ。路面を照らすことが主な役割で、メインとなるライトです。
ハイビームとロービームを使い分けできるようになっており、交通量の多い市街地や対向車が多い場合はロービームを使用することが一般的。逆に郊外の運転や高速道路などでは、視界を確保する際はハイビームを使用します。
ここまでの説明を読んだ上で、フォグランプと同様の役割を持っているのではと感じている方も多いのではないでしょうか。
ヘッドライトとフォグランプの違いは、それぞれのライトの特性にあります。ヘッドライトは前方の視界を確保する役割を持ち、フォグランプは下方向を広く照らすことが役割。
例えば濃い霧の中でヘッドライトを使用したとしましょう。
ヘッドライトは前方の視界を確保するためのものですから、目の前が真っ白になってしまい周囲が見えづらくなってしまいます。
これはヘッドライトの灯りが、小さな水の粒として浮遊している霧にぶつかり「乱反射」を起こしてしまうためです。焦点を遠くに合わせようとすればするほど乱反射する光の量は増えるので、視界が極端に悪くなってしまいます。
一方フォグランプは、ヘッドライトとは照らす位置が異なるので、濃い霧の中であっても乱反射が起きにくく視界を確保することができます。
2-2 スモールライト
スモールライトはヘッドライトの外側についている小さなライト。ポジションランプや車幅灯とも呼ばれています。
自動車の車幅を周囲に知らせる役割を持ち、フォグランプのように前方の視界を改善するものではありません。歩行者や対向車など周囲に対し、存在を知らせることが目的。明け方や夕方などの薄暗がりのタイミングで使用します。
少ない電力で点灯できることが特徴で、ヘッドライトと同じスイッチで切り替えられるライトです。
3 フォグランプの正しい使用方法と注意点
3-1 フォグランプの正しい使用方法
これまで説明した通り、フォグランプは濃霧や豪雨など視界が悪いタイミングで使用します。
使用するタイミングは知っているけれども、誤った使用方法をされている方も少なくありません。よく見られる間違った使い方に、スモールランプとフォグランプのみで走行しているケースが挙げられます。
つまりヘッドライトの代わりにフォグランプを点灯しているということなんですが、道路交通法で日没から日の出まではヘッドライトを点灯させなければならないと定められているのです。
この場合、無灯火扱いになるので運転時には注意しましょう。
3-2 視界のいい日でのフォグランプの点灯
フォグランプは濃霧などの視界が悪いタイミングに使用するものですが、視界のいい日にフォグランプを点灯することは違法なのでしょうか。
結論から言うと悪天候以外でのフォグランプの使用を規制するものはありません。しかしながらフォグランプを使用する際は、対向車や歩行者へ配慮する必要があります。
それはフォグランプとヘッドライトの役割が明確に異なるためです。
下方向をワイドに照らしてくれるフォグランプに対し、前方を照らしてくれるのがヘッドライト。つまり、フォグランプは遠くを照らすことが役割ではないので、不意に飛び出してきた歩行者や自転車などを見落としてしまう可能性が高くなります。
非常に危険なので、通常時の暗い夜道ではヘッドライトを点灯させなければいけません。またヘッドライトとは違い、フォグランプは明るい光を放つので対向車が眩しく感じられる可能性が高くなります。
道路運送車両の保安基準 第30条には「前部霧灯の照射光線はほかの交通を妨げないものであること」と記されていることから、ドライバーが配慮するように心掛けましょう。
4 装着義務がないフォグランプ
フォグランプは保安部品ではないので装着義務は無く、車種やグレードによって装備されていないモデルも存在します。
保安部品とは公道を走行する車両の安全を確保するために、法令で装備が義務付けられている部品のことです。
ライト周りであればヘッドライトやターンシグナルランプ(方向指示器)、ブレーキランプ、テールランプ、ナンバープレート照明灯が挙げられます。これらのパーツは、公道を走る際に自動車への装着が義務付けられているのです。
フォグランプは装備されていなくても公道を走行することができるので、オプション設定になっていることがほとんど。詳細は次章でお伝えしますが、車の購入後にもフォグランプを後付けすることも可能です。
5 フォグランプを後付けする際のポイント
フォグランプを後付けする場合、注意しなければいけないポイントがあります。装着自体は比較的簡単に実施することができますが、車検に適合しているかどうかがポイント。
フォグランプを装備するのであれば、定期的に実施する車検時にも当然ながらチェックが入ります。
保安基準を満たしたフォグランプを装着しなければいけませんが、保安基準に適合していなければ当然ながら車検には通りません。また公道を走行中に警察の取締りで、整備不良などの指摘が入る可能性もあります。
保安基準は、道路交通法が定める基準の一つ。車の安全確保や公害防止を目的とした構造・装備に対するルールです。
フォグランプのライトの色や、取り付け位置など基準が細かく定められています。車検時のフォグランプに関する検査項目と保安基準は以下をご覧ください。
検査項目 | フロントフォグランプ(前部霧灯) | リアフォグランプ(後部霧灯) |
色 | 白色もしくは淡黄色(複数の場合は同色に統一) | 赤色のみ |
明るさ | 規定なし※明るすぎると車検に通らないことも | 規定なし※明るすぎると車検に通らないことも |
取付個数 | 2個以下 | 2個以下 |
取付高さ・位置 | ・ヘッドライトより下 | ・ブレーキランプよりも10cm以上離れていること |
・地上高25〜80cmの範囲内 | ・地上高25〜100cmの範囲内 | |
・照明部の最外縁が車の最外側から40cm以内 | ・制動灯の照明部から10cm以上離れていること | |
光軸 | 下向き | ー |
またフォグランプにバルブの種類があり、LEDとHIDの種類に分類されます。
バルブの種類によっての特徴は以下の通りです。
- LED:発熱が少なく、故障の可能性が低い。ただHIDに比べると暗くなる傾向に
- HID:LEDよりも明るい光を発することができる一方で、熱を放出すつ可能性が高く、トラブルになることも
フォグランプを交換する場合は、バルブの種類が適合しているのかどうかをチェックしましょう。
6 フォグランプの交換方法
車種によってフォグランプが元々装備されているものもあれば、後付けするケースもあります。
ここではフォグランプのバルブの交換方法と、フォグランプ自体の後付け方法について記載します。
6-1 フォグランプのバルブの交換方法
元々、フォグランプが装備されているモデルであれば、バルブを交換することで視認性をさらによくすることが期待できます。
交換方法は製品によって異なりますが、比較的簡単に交換することが可能です。
一般的なフォグランプバルブであれば、まずは作業しやすいようにハンドルを左右どちらかに全開に切りましょう。これはフォグランプが設置されている位置が、フロントバンパーの端にあるためです。
次にフェンダー内のカバー(インナーフェンダー)をめくります。その際に完全に剥がす必要はありません。フォグランプが見えますので、純正配線カプラーを外します。
新しく設置したいフォグランプのバルブと交換しましょう。抜いた時と逆の手順で取付けをし、点灯確認ができれば完了です。
自分でフォグランプバルブの交換は可能ですが、不安な方はカー用品店やガソリンスタンド、整備工場、ディーラーなどに依頼しましょう。
6-2 フォグランプの後付け方法
フォグランプが装備されていない車種に後付けする場合、業者に依頼するのが一般的。
自分で後付けすることも可能ですが、大掛かりな作業や配線作業が伴うので初心者には難易度が高くなります。また車検に通す必要もあるので、業者に依頼した方が安心です。
依頼場所は、ディーラーやカー用品店などさまざま。そこで気になるのは、フォグランプの後付けにかかる費用ではないでしょうか。
当然ながら依頼する場所によってコストは異なります。また後付けするフォグランプが、純正なのか社外品なのかによっても金額はバラバラ。
あくまでも参考程度にはなりますが、フォグランプを後付けする際にかかる取付工賃は以下の通りです。
- カー用品店:5,000〜6,000円程度
- ディーラー:8,000~9,000円程度
- 整備工場:6,000~7,000円程度
上記が目安の取付工賃ですが、ここに新しく取り付けるフォグランプ代が別途かかることを覚えておきましょう。またフォグランプを取り付けられる場所が無かったり、設置するための部品取付やバンパーに穴を開けるなど加工が必要になることも少なくありません。
そのようなケースは、当然ながら工賃も高くなってしまいます。フォグランプ代と作業工賃代で、少なくとも2~3万円程度は想定しておいた方がいいでしょう。
依頼する場所によっては取付を受け付けていないこともあります。検討する際は作業が可能か、または工賃がどの程度必要なのかをあらかじめ確認しておくとスムーズです。
フォグランプの役割を理解し適切な使用方法を
濃霧や豪雨など悪天候時に活躍してくれるフォグランプ。
車におけるライトはさまざまで、フォグランプ以外にも装備されています。それぞれに明確な役割があり、適切な使用方法によって安全なカーライフを送ることができます。
むやみにフォグランプを使用するのは、周囲にも迷惑をかけることにもつながるので十分に注意が必要です。またフォグランプは車種によって、装備されていないことも少なくありません。後付けすることも可能ですが、その際は保安基準をクリアする必要があります。
当記事を通してフォグランプの正しい使い方を理解し、役立てていただければ幸いです。
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