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デートカーとして一世を風靡し先進的な技術を搭載したホンダプレリュード

デートカーとして一世を風靡し先進的な技術を搭載したホンダプレリュード

流行だけではなく、独自のコンセプトを持ったモデルを世に送り出してきた自動車メーカー「ホンダ」。当時を彩った多くの名車がありますが、プレリュードもそのうちの一つ。

プレリュードシリーズではメカニズムも注目を集め、多くのファンを魅了した一台です。特に2代目、3代目については女性にも支持されたことから大ヒットを記録しました。

そこで今回はホンダが提供していたプレリュードの中でも、最も成功を収めた3代目プレリュードについてメカニズムやその特徴について解説していきます。

1 ホンダが提供するプレリュード

プレリュードはホンダが提供していたクーペ型のモデルで、音楽用語で用いられる前奏曲(プレリュード)が車名の由来です。

1978年に初代が登場し5世代に渡り2001年まで提供されたシリーズですが、各モデルに先進的な技術を搭載していることが特徴です。

初代では国産車初の電動サンルーフが標準装備され、1982年に販売をスタートした2代目プレリュードには国内初の4輪ABSを採用。

1987年に発表された3代目プレリュードでは量産乗用車では世界初の機械式4WSを搭載。1996年に登場した5代目の一部のモデルには、新開発されたATTSやSマチックが搭載されました。

また2代目・3代目プレリュードはデートカーとして多くの若者の人気を集めたモデルでもあります。

次章より3代目プレリュードにフォーカスし、特徴について説明していきます。

2 デートカーとして人気を博した3代目プレリュード

1987年にフルモデルチェンジを実施し、登場したのが3代目プレリュード。

前述したように量販車として世界初となる4WSを採用した他、走行性能を追求する為サスペンション形式を変更するなど、意欲的なモデルとなりました。またマイナーチェンジにより、充実した装備を搭載した派生モデルも登場しています。

プレリュードシリーズの中でも最も成功を収めた一台で、新車登録台数は17万台越えを記録した一台です。

3 先進的な技術4WSを搭載

デートカーとしても人気を博した3代目プレリュードですが、量産車初となる機械式4WSが搭載されていることが最大のポイント。

4WSとは4 Wheel Steeringの略で、日本語では四輪操舵と呼ばれています。多くの自動車は前輪のみに操舵機構を持つのが一般的ですが、前輪・後輪の四輪全てに操舵の仕組みが搭載されているのが4WSです。

これにより、高速度域での車両の挙動を安定させられることがメリット。自動車は高速で曲がろうとすると、どうしても遠心力が働いてしまいますが、4WSによって前輪と同じ向きに後輪の舵角がつけられることで、車の不安定な動きを解消することができるのです。

機械式4WSが登場したことで、他の自動車メーカーからも搭載モデルがリリースされました。機械式だけに留まらず、電子制御式や機械式と電子制御式を組み合わせたものなどがあります。

電子制御式を採用している代表的なモデルは、日産が手掛けた7代目スカイライン。1985年に登場したモデルでHICAS(電子制御油圧作動式)が採用されている一台です。

機械式と電子制御式を組み合わせた4WSはマツダが提供していたカペラなどに取り入れられていました。

3代目以降のプレリュードにも4WSが採用されていますが、4代目については機械式から電動モーター駆動の電子制御式に変更されています。

4 先代を踏襲しながらも拘りが詰まった一台

3代目プレリュードのスタイリングは、先代同様にワイド&ローなプロポーションを持つノッチバックボディで、リトラクタブルヘッドランプを踏襲しています。ボディサイズは全長と全幅が先代より拡大され、ホイールベースについても延長されました。

サスペンションは先代に対しリアの形式が変更され、4輪ダブルウイッシュボーンを採用。これにより操縦安定性が向上しています。

ブレーキは、ベンチレーテッド型の4輪ディスク式を採用。その他にも当時としては先進的な機能だった4輪ABSを先代より踏襲しています。

基本的には2代目プレリュードを踏襲していますが、拘りが光る一台です。

5 エンジンレイアウトを変更することで先代よりパワーアップ

エンジンはB20A型のみをラインナップ。先代より搭載されていた16バルブ電子燃料噴射仕様と、新しく設定されたSOHC 12バルブツインキャブレター仕様の2種類が用意されました。

エンジンのパワーアップやレスポンスを先代より向上させるために、重心を後ろ側に傾けるエンジンレイアウトを採用。これにより、吸排気系を抵抗の少ないストレートな形状にすることで効率アップを可能にしました。また各部分の軽量化と、フリクションロスの低減も図っています。

トランスミッションは5速MTと、走行モード切替機能とロックアップ機構が備わった電子制御2ウェイ4速トルコン式ATをラインナップ。4速トルコン式ATはドライバーの好みでノーマルとスポーツの2タイプの変速パターンを選択することができ、当時としては先進的な技術でした。

6 マイナーチェンジにより装備を充実した派生モデル

3代目プレリュードが発表された2年後には「PRELUDE inx(インクス)」が登場。

こちらのモデルはシックな内外装で、光軸を上げた固定式ヘッドライトを採用した派生車種です。

またスポーツ走行に適したビスカスLSDを採用した「Si TCV」。乗員の頭部にかかる衝撃を緩和する運転席SRSエアバッグを搭載した「inx Si SRS」が登場。

その翌年には3,000台限定でSi 4WSをベースに、3ナンバー化した特別仕様車のSi States(BA7)をリリースしています。

デートカーとして一世を風靡した3代目プレリュード

デートカーとして人気を博し、その代表格だったのが3代目プレリュード。また先進的な技術を搭載した一台でもあり、単にデートカーというジャンルだけではなく走行性能を追求したモデルでもあります。

3代目プレリュードが登場し40年の月日が経ちましたが、現在でもその魅力は衰えることはありません。

当記事を通して当時のことを思い出していただけると幸いです。

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