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免許返納の基本を知り、車のない生活を考える

免許返納の基本を知り、車のない生活を考える

高齢の運転免許保有者による交通事故は決して少なくありません。

このような高齢者による自動車事故のニュースと併せて議題に挙がるのが「運転免許の自主返納」。しかしながら、車がなければ生活が不便な地域も多いことも事実。

高齢者の交通事故のニュースを見て迷っている、家族から免許返納を勧められたが迷っているという方も多いかもしれません。

そこで当記事では、免許返納制度や方法、そのメリットなどについて記載していきます。

1 運転免許の自主返納とは?

「運転免許の自主返納(運転免許の申請取り消し)」とは、有効期限が残っている運転免許を本人の意思で返納すること。

しかし免許停止処分や免許取消処分を受けている最中、有効期限が切れている場合などは自主返納を行うことができないため注意が必要です。

運転免許証は身分証として使用されることも多く、返納すると「免許返納すると身分証がなくなってしまうのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし現在では免許返納後に身分証として使用できる「運転経歴証明書」を申請することが可能です(返納後5年以内)。

この運転経歴証明書を提示することで自治体や様々な民間企業で割引などの特典を受けることができます。

ちなみに、運転免許の自主返納は年齢による制限はありません。ただし、自治体や民間企業による特典は65歳以上などの高齢者限定となっていることも多いため、65歳以下での返納を検討されている方は注意しましょう。

2 高齢運転者による死亡事故の増加

死亡事故件数全体に占める高齢運転者は高い割合を占めています。

警察庁交通局「平成29年における交通死亡事故の特徴等について」によると、免許人口10万人当たりの死亡事故件数において、最も事故率の高い年齢層は85歳以上に。

70歳以降、年齢を経るごとに死亡事故率が増加しています。

高齢運転者による交通死亡事故の人的要因を見るに、75歳以上の運転者はハンドルなどの操作不適による事故が最も多く、安全不確認、内在的前方不注意(漫然運転など)がそれに続いています。

また、ハンドルなどの操作不適による事故のうちブレーキとアクセルの踏み間違いによる死亡事故は75歳未満では死亡事故全体の0.8%程であるのに対し、75歳以上では6.2%と実に高い割合に。

3 加齢による身体機能の衰えは自動車運転における大きなリスクに

高齢者は加齢による身体機能の衰えにより、ハンドルやブレーキ操作に遅れが出る可能性があります。

動体視力の低下や複数の情報を同時に処理することが苦手になったり、瞬時に判断する力が低下したりするなど、身体機能の変化に起因します。

警視庁のウェブサイトに、身体の衰えを自らチェックできる「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」が公開されています。

リストの内容は下記です。

  1. 車のキーや免許証などを探し回ることがある。
  2. 今までできていたカーステレオやカーナビの操作ができなくなった。
  3. トリップメーターの戻し方や時計の合わせ方がわからなくなった。
  4. 機器や装置(アクセル、ブレーキ、ウィンカーなど)の名前を思い出せないことがある。
  5. 道路標識の意味が思い出せないことがある。
  6. スーパーなどの駐車場で自分の車を停めた位置が分からなくなることがある。
  7. 何度も行っている場所への道順がすぐに思い出せないことがある。
  8. 運転している途中で行き先を忘れてしまったことがある。
  9. 良く通る道なのに曲がる場所を間違えることがある。
  10. 車で出かけたのに他の交通手段で帰ってきたことがある。
  11. 運転中にバックミラー(ルーム、サイド)をあまり見なくなった。
  12. アクセルとブレーキを間違えることがある。
  13. 曲がる際にウインカーを出し忘れることがある。
  14. 反対車線を走ってしまった(走りそうになった)。
  15. 右折時に対向車の速度と距離の感覚がつかみにくくなった。
  16. 気がつくと自分が先頭を走っていて、後ろに車列が連なっていることがよくある。
  17. 車間距離を一定に保つことが苦手になった。
  18. 高速道路を利用することが怖く(苦手に)なった。
  19. 合流が怖く(苦手に)なった。
  20. 車庫入れで壁やフェンスに車体をこすることが増えた。
  21. 駐車場所のラインや、枠内に合わせて車を停めることが難しくなった。
  22. 日時を間違えて目的地に行くことが多くなった。
  23. 急発進や急ブレーキ、急ハンドルなど、運転が荒くなった(と言われるようになった)。
  24. 交差点での右左折時に歩行者や自転車が急に現れて驚くことが多くなった。
  25. 運転している時にミスをしたり危険な目にあったりすると頭の中が真っ白になる。
  26. 好きだったドライブに行く回数が減った。
  27. 同乗者と会話しながらの運転がしづらくなった。
  28. 以前ほど車の汚れが気にならず、あまり洗車をしなくなった。
  29. 運転自体に興味がなくなった。
  30. 運転すると妙に疲れるようになった。

このチェックリストは「軽度認知障害」や「認知症」の早期発見のため、車の運転などに現れやすい状態をリストアップしたもの。チェックリストを確認し、もし当てはまるものがあったら注意が必要です。

4 免許返納は年齢以上に運動能力で判断することが大切

免許返納を行う人の年齢は70歳〜79歳が全体の49%ほどと、約半数を占めています。

しかし運動能力は人によって異なります。「何歳になったら」というよりも、自身の運動能力で判断することが重要です。

高齢の方でも身体能力や判断能力に全く問題のない方もいれば、若い世代でも身体能力や判断能力に自信がない方もいらっしゃいます。

前述のチェックリストを参考に、運動能力に疑問がある場合は免許返納の検討も大切です。

5 自主返納した場合にはどのようなメリットがあるのか

運転免許の自主返納を行なった後、運転経歴証明書を申請して受け取ることで実に様々な特典を享受することが可能です。

代表的な特典内容をご紹介していきましょう。

5-1 公共交通機関の割引

自主返納を行った際、最も大きな問題となるのは移動手段でしょう。

そこで、自動車を手放した後でも移動手段に困らないよう、公共交通機関の割引が特典として用意されているケースも。

市営や県営のバス、電車の割引及び優待や、指定のタクシー業者の運賃の割引などの特典があります。

5-2 生活用品の代金や配送料の割引

生活用品や配送料の割引サービスを行う企業も。

メガネや補聴器、電動車椅子など、老後必要となる生活用品の割引や、遺言・相続など、終活に関わる相談費用の割引を行なっていることも。

5-3 車の査定で特典を受けられる場合がある

免許返納後、乗らなくなった車を譲る人がいない場合、中古車販売店に査定に出す選択も考えられます。

業者によっては、免許返納による売却の場合に査定金額の割増やプレゼント特典を受けられるケースがあります。

5-4 各都道府県のごとに異なる特典

免許返納による特典は各都道府県警や都道府県のWebサイトにおいて紹介されています。

各都道府県の特典の紹介ページへのリンクを紹介します。

6 返納しない場合のデメリットとして、70歳以降の免許更新手続きが煩雑になることも

70歳を超えると免許証の更新時に高齢者講習の受講が義務付けられます。

さらに、75歳以上になると、認知機能検査が行われ、認知症と診断された場合には運転免許の取消しなどの行政処分に。

また、70歳を超えると以下のように免許の更新頻度も変わります。

運転者区分 年齢 有効期間の末日
優良運転者
および一般運転者
70歳未満 満了日後5回目の誕生日から起算して1か月を経過する日
70歳 満了日後4回目の誕生日から起算して1か月を経過する日
71歳以上 満了日後3回目の誕生日から起算して1か月を経過する日
違反運転者 満了日後3回目の誕生日から起算して1か月を経過する日

高齢者講習や認知機能検査は予約制ということもあり、いつでも自由に受けられるわけではありません。

6-1 70歳以上になると必須の高齢者講習とは

高齢者講習は約2時間の講習時間に加え、受講には手数料が必要です。高齢者講習の内容は、座学と運転適性検査、さらに実車講習があります。

高齢者講習は5種類あり、以下のように時間と費用が異なります。

講習の名称 講習内容 所要時間 講習手数料
高齢者講習 ・70歳以上が受けられる一般的な講習 75歳未満
認知機能検査第3分類
2時間

 

5,100円
認知機能検査第2分類
認知機能検査第1分類
3時間

 

7,950円
シニア運転者講習 ・70歳以上が受けられる
・高齢者講習と同じ内容
・住所地以外でも受講可能
75歳未満
認知機能検査第3分類
2時間 5,100円
認知機能検査第2分類
認知機能検査第1分類
3時間 7,950円
チャレンジ講習 ・身体能力低下による運転への影響を確認する講習
・75歳以上は事前の認知機能検査の結果が、「記憶力・判断力に心配ありません」と判定になった人のみ受講可能
・合格後、簡易講習を受ける必要がある
1人約30分 2,650円
特定任意高齢者講習
(簡易講習)
・チャレンジ講習受講後に受ける簡易講習
・高齢者講習の代わりとなる
60分以上 1,800円
運転免許取得者教育 ・高齢者講習と同等の運転技術の向上を目的とした講習 75歳未満
認知機能検査第3分類
2時間以上 教習所により異なる
認知機能検査第2分類
認知機能検査第1分類
3時間以上 教習所により異なる

免許更新の際は、高齢者講習受講後に交付される「終了証明書」が必要に。

そのため必然的に免許更新の前に高齢者講習を受講することになります。免許更新時は講習手数料のほか更新手数料2,500円が必要です。

6-2 75歳以上になると必須となる認知機能検査とは

75歳以上になると、高齢者講習に加えて、認知機能検査も必須。この検査で判断力や記憶力が安全運転が可能なレベルと判断されない場合、免許更新を行えない仕組みになっています。

認知機能検査とは、記憶力や判断力の低下があるかどうかを簡単な質問で測定する検査のことを指します。

認知機能検査の所要時間は30分、手数料は1,050円です。

大まかな検査内容は次のとおりです。

  1. 手がかり再生…16種類の絵を記憶し、何が描かれていたかを回答する検査
  2. 時間の見当識…検査時の年月日、曜日及び時間を回答する検査

認知機能検査で認知症のおそれの有無が判定され、その結果によって、受けるべき高齢者講習の分類(時間)が決定されます。

もしも認知機能検査で認知症の可能性があると判定され、さらに医師からも認知症と診断された場合には、運転免許の取り消し、もしくは停止となります。

7 自主返納の手続き方法

返納手続きは、警察署や各運転免許センターで手続きを行います。

この場合、基本的に持参するものは運転免許証だけ。手数料も無料です。しかし自治体によっては印鑑も必要な場合があります。事前にお住まいの地域の警察署のWebサイトなどで確認してから返納の申請に行きましょう。

運転免許の自主返納と同時に運転経歴証明書の発行の申請を行う場合は、写真(6か月以内に撮影した無帽・正面・上三分身・無背景のもの。サイズは縦3cm×横2.4cm)や交付手数料(1,100円)が必要となります。

自主返納とは別の日に申請を行う場合は住民票や健康保険証などの氏名、住所、生年月日が確認できる書類も必要です。

警察署で交付申請をすると運転経歴証明書の交付までに時間がかかることがあるので、即日交付を希望の場合は運転免許センターで手続きを行いましょう。

紛失などで運転免許証が手元にない場合は、住民票やマイナンバーカードなど、住所・氏名・生年月日が確認できるものを用意してください。

また、運転経歴証明書は運転免許証の自主返納と同じタイミングで交付を受けることができ、自主返納した日から5年以内であれば、後日でも交付を受けることができます。

8 自主返納を代理任意で行う場合の申請方法と必要な書類

もしも本人が病気などで申請できない場合、代理人による申請も可能です。

本人の3親等以内の親族、成年後見人、施設に入居している場合は施設の管理者などが代理で申請することが可能です。

本人が申請する場合に必要な書類に加えて、代理人の身分証明書、運転免許センターや警察署に用意してある委任状が必要となります。

本当に大切なことは、免許返納後の生活をイメージすること

免許を返納して運転経歴証明書を取得すると様々な支援が受けられるため、免許返納を前向きに検討する理由となるでしょう。

しかし車のない生活がどのようなものになるのか、事前にシミュレーションしておくことは非常に大事です。車がないことによって「医療・食事・住まい・友人・仕事や役割」がどのように変化するのかを考えておきましょう。

例えば、

  • 病院にかかっているのか
  • 食事や生活に必要な物資はどう確保しているのか
  • 安心できる住まいはあるか
  • 頼れる友人、知人はいるか
  • ボランティアや地域活動など社会の中の役割

また、車そのものをどうするのかの検討も必要です。ご家族がそのまま乗るのか、廃車にするのか、買取に出すのかも考えておきましょう。

車がなくなることで生活のあり方は大きく変化する可能性があります。免許返納を行う本人の生きる気力にも繋がるため、必ず車のない生活をシミレーションしてみてください。

可能な場合はご家族や周りの方と話し合いを行った上で免許返納の選択肢を検討するのが望ましいでしょう。

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