2022年5月27日
あなたのお気に入りは?マツダ変遷から名車をまとめてみた
広島県に拠点を置く、自動車メーカー「マツダ」。現在に至るまで多くの名車を輩出し、世界中のファンを魅了してきました。
自動車メーカーとして確固たる地位を築いているマツダですが、その歴史は古く1920年よりスタート。現在に至るまで多くの危機を乗り越え発展を遂げてきました。
その中でコスモスポーツやロードスターなどの名車を発表しており、現在でも多くのファンを魅了しています。
今回は、マツダの変遷と名車と謳われるモデルを一部ご紹介します。
目次
1 マツダの変遷
1-1 コルクを生産する会社から機械事業、三輪トラックへの開発
元々はコルクを生産する会社として1920年に東洋コルク工業株式会社を設立。しかしながら、経営が悪化したことで機械事業へ1927年に進出し、そのタイミングで社名を東洋工業株式会社に改称しています。
機械事業のみでは経営が難しいと判断し、オートバイを製造し1930年には30台と少数ながら販売を開始。その後、三輪トラックの開発に着手し徐々にシェアを拡大していきます。しかし1937年に日中戦争が勃発したことをきっかけに、三輪トラックの生産は一時中止に追い込まれ、最終的には1945年の終戦まで機能を停止することに。
戦争が終わり、東洋工業の存続をかけ三輪トラックの生産を再開。輸送手段として急速に需要が高まり、大手メーカーが相次いで参入していきます。
1-2 四輪トラック市場への参入
東洋工業は新たな一手にでます。それが四輪車市場への参入でした。1950年に東洋工業初となる小型四輪トラックを発売に漕ぎ着けます。
当時の車は事業用として扱われていましたが、1960年以降になると個人用へと需要が移行しつつありました。その一連の流れを受け、他社からは次々と大衆車が販売されていきます。
東洋工業でも大衆車を開発・販売し、1960年からの三年間に渡り自動車生産台数で国内トップを走り続けたのです。
1-3 マツダの代名詞「ロータリーエンジン」の登場
そして1967年にはマツダの代名詞とも言えるロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツが登場。
このまま経営が順調に進むと思われていましたが、1973年に発生した第一次オイルショックをきっかけに販売不振に陥ります。この状況を打破することができず、同業他社からは倒産するとの談話が出るなど、東洋工業を取り巻く環境は厳しさを増していきます。
1977年に当時の社長だった松田耕平氏が会長に退き、山﨑芳樹氏が後継者として就任することを決定。それから車種ごとに開発や生産、販売を統括する主査室を新設。これにより経営トップの意向を反映する従来の車作りから部署の垣根を越えて意見を出し合う体制を構築していきます。
その甲斐もあり1978年にはサバンナRX-7をリリースし、国内に留まらずアメリカでも大ヒットを記録しました。
1-4 フォード傘下になり再建へ
1984年に東洋工業はマツダ株式会社に改称。その後、円高の影響やバブル崩壊などマツダにとって逆風が続いたことで販売台数は減少していきます。
このままでは経営が難しいと判断した結果、資本提携を交わしていたフォードへ望みをかけます。これを受けたフォードは4人の社員をマツダに派遣することを決定。その後4人の社員は役員に就任したことで、実質的にマツダの経営をフォードが掌握した瞬間でもありました。
そしてフォードのマツダに対する出資比率が高まったことで、マツダは正式にフォードの傘下に入ることとなります。
当時のマツダの生産台数は全盛期の約半分にまで落ち込んでいた状況でした。マツダ再建に向け、まず着手したのは経営陣の保有株式や不要な施設などの資産を売却。また、それまで資金面で優遇されていた開発部門に対しコストダウンを要求していきます。
その結果、1996年に販売をスタートしたデミオが大ヒットを記録し、翌年には5年ぶりに営業利益が黒字に転じました。
1-5 リーマンショックによる販売不振
その後も順調に業績を伸ばしていきますが、またもやマツダを危機が襲います。それが2008年に起きたリーマンショック。
世界の経済・産業界は混乱に陥り、当然ながら自動車産業も深刻な打撃を受けることになります。これにより経営が悪化したフォードは、マツダ株の一部を売却。その結果、経営陣をマツダ出身者主体に刷新しますが、リーマンショックのダメージは大きく赤字へと転落。その後も震災などの影響を受けたことで4年連続の赤字に陥ります。
1-6 逆境に打ち勝つための一手
赤字が続く中、マツダは新世代の「エンジン」「トランスミッション」「ボディ」「シャーシ」といった一連の新技術を総称した「スカイアクティブ・テクノロジー」を2010年に発表。
2012年にはスカイアクティブ技術を全面的に採用した車種の第一弾であるCX-5の販売をスタート。ディーゼルエンジンを搭載したSKYACTIV-Dを中心に大ヒットを記録し黒字へのきっかけとなります。また2015年にリリースされた4代目ロードスターは、日本車としては初めての「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」を受賞。
それまでフォードに資本提携を結んでいましたが、2015年にマツダ株を全て売却。これによりフォードとマツダの36年間に及ぶ資本提携は終了を迎えます。
そしてマツダは2021年に「ロードスター」「ロードスターRF」を改良し発表。この新モデルには新技術である「キネマティック・ポスチャー・コントロール」を初採用しています。マツダの今後の動向にも目が離せませんが、次章よりこれまでリリースされたマツダの名車を紹介していきます。
2 初代から大胆な路線変更!2代目ルーチェ
2代目ルーチェは1972年に登場。抑揚が効いたボディラインや特徴的なデコレーションが印象的で、低公害車であることも注目されていた一台です。
FRを踏襲した駆動方式や、排ガスのクリーン化に着目したAP仕様も2代目ルーチェの特徴。また、全てのモデルにロータリーエンジンが搭載されていることもポイントの一つ。
どちらかというとヨーロッパ調だった初代から、アメリカ調にイメージチェンジしたことも、当時の車ファンにとっては記憶に残る出来事として認知されているのではないでしょうか。
3 ロータリーエンジンの先駆者!コスモスポーツ
コスモスポーツは、ロータリーエンジンが搭載された世界初の車としてその名を馳せています。マツダにより1961年からはじまったロータリーエンジンの開発から6年の時を経て、満を辞してデビューを果たした一台。
コスモスポーツのスペックは最高出力が110PS、185kmを超える最高速度や流線形のスタイリングから「走るというより飛ぶ」車として人気を集めていました。
現在まで続いているロータリーエンジンの歴史を作ったのが、まさにコスモスポーツです。
4 排ガス規制の歴史を変えた!サバンナRX-7 SA22C型
サバンナの初代モデルとして知られているSA22C型は、かつてのスポーツカーにはなかったガラスハッチのスタイリングで注目を集めました。また当時では珍しかった、リトラクタブルヘッドライトの洗練されたデザインも話題に。
吸気ポートの形状を変更した仕様の12A型エンジンも、SA22C型を語るうえでは欠かせない要素です。当時の日本は排ガス規制の対応に終われ、スポーツカーに冷ややかな視線が送られていました。排ガス規制をクリアした12A型エンジン搭載のSA22C型が登場したことで、スポーツカーのイメージや歴史が大きく変わりました。
またSA22C型は、5速MT版が用意されていたことでも知られています。個性的なデザインも相まって、今なお魅力のある車種として人気です。
5 スタイリッシュな外装が印象的なファミリア・アスティナ
ファミリア・アスティナは、1989〜94年まで販売されたモデル。
スタイリッシュな外装で、リトラクタブルヘッドライトや特徴的なCピラーを採用したアスティナならではのデザインも魅力です。
搭載エンジンは1.5L直4SOHC、1.5L、1.6Lの直4DOHCの3種類をラインナップ。ミッションは5MTと4ATで駆動方式はFFのみを設定。エンジン回転数感応式パワーステアリングを全車に標準装備し、一部モデルには電動式パワーシートを採用しているモデルです。
6 ギネス記録にも認定!ロードスター
ロードスターは「人馬一体」をコンセプトに生産・販売されていた小型オープンカーモデル。洗練されたデザインと小型化と軽量化にこだわった一台です。
ロードスターシリーズは、世界一売れた小型オープンカーとしてギネスに認定された実績を持っている程。
また、2016年には電動格納式のルーフを装備したRFというラインナップもスタート。RFの中でも特に人気なのが、スポーティーグレードで、小型ながら大人2人ほどであれば旅行などの長距離走行にも適しています。
7 様々な変遷を繰り返す歴史あるスポーツカー!アンフィニRX-7 FD3S型
本格派スポーツカーとして知られるアンフィニRX-7 FD3S型は、初代から6代目までと数多くのマイナーチェンジが繰り返されてきたモデルです。
ロータリーエンジンを搭載したスポーツカーモデルとして知られ、今なお根強い人気と知名度を誇ります。
8 希少価値が高いスポーツモデル!MX-6
MX-6は1987年に初代が登場し、アメリカで販売をスタート。
その後1992年に発表された2代目MX-6は、アンフィニやユーノスなど複数のチャネル戦略が取られていたバブル当時に、マツダ専売モデルとしてリリース。
発売当初は全車に4WDを標準装備し、内装のスイッチや計器類はドライバー側に向けられている仕様になっていました。
またオートエアコンの標準装備やリアスポイラーが全車に装備されているなど、充実した装備がMX-6の特徴です。
9 軽快な走りが魅力のRX-8
RX-8は、2003年にデビューしたスポーツモデルの一つ。軽快な走りが特徴で、モデルチェンジをすることなく10年もの長い間多くのファンを魅了しました。
後部座席への搭乗をスムーズにするフリースタイルドアが特徴で、ロータリーエンジンが搭載されたマツダ最後のモデルとしても知られています。前期型と後期型に分かれており、それぞれエクステリアなどの印象が大きく異なります。
まとめ
今回は、確固たる人気を誇る自動車メーカー「マツダ」の名車を一部紹介しました。
マツダの歴史を振り返ると、企業の存続自体が危ぶまれるなど決して順風満帆なものではありませんでした。様々な時代背景の中で多くのチャレンジをしてきたマツダだからこそ、誕生した名車も少なくありません。
当記事を通してマツダの魅力が伝われば幸いです。