2021年3月5日
改造車を車検に通すための構造変更や公認車検とは?
車好きな方であれば自分の愛車をよりかっこよくするために、あちこちに手を加えたくなることも多いのでは。
しかし改造された車は、車検を通すことができないことも。では改造車を所有しているドライバーはどのようにして車検を通しているのか疑問になりますよね。
そこで今回は改造車の車検方法について、必要な手続き方法や注意点などについて解説していきます。
目次
1 改造車の車検を通すために必要な構造変更申請と公認車検
1-1 構造変更申請の概要と注意点
改造車を車検に通すためには「構造変更申請」が必要です。これは車の安全基準を満たす範囲でボディ外寸や乗車定員の変更を行う場合の手続き。
例えば 後部座席を取り外して荷室を拡大するケースや、4輪駆動車で車高を上げるリフトアップというカスタムを行った場合などが該当します。 構造変更は申請をして検査を受けなければ違法改造になるので必ず行うようにしましょう。
構造変更申請を行うタイミングは車検の時期に合わせることがおすすめ。構造変更を申請することで車にかかる税金や自賠責保険料、車検の有効期間などが変わるためです。
特に車検の残期間がポイントで既に重量税を支払っている場合に構造変更を行うと、再び改造した車の分の重量税を支払うことになり大きな負担になってしまいます。さらには車の用途が変わってしまえば、自賠責保険料を変更することにも。
バラバラの時期に行うと変更手続きに無駄な時間がかかってしまうこともあるので、構造変更申請と車検のタイミングを同時期にすることがポイントです。
1-2 構造変更申請の手続き方法
構造変更申請の手続きを行う際は、管轄の陸運局や自動車検査登録事務所に必要な書類を提出しなければいけません。
必要書類は以下の通り。
・車検証
・自動車検査票
・点検整備記録簿
・自賠責保険証明書
・自動車重量納付書
の5つの基本的な書類と以下の申請書関連が必要です。
・改造自動車等届出書
・改造等概要説明書
・改造箇所の添付書類
・手数料納付書
場合によっては使用者や所有者の委任状が必要なケースもあります。改造変更申請に必要な書類は様々なので、申請する場合にはどんな書類が必要になってくるのか事前に確認しておきましょう。
構造変更申請の際にかかる費用は小型車で2,000円。それ以外は一律で2,100円が必要です。また構造変更の検査は車検などとは違い、かなり厳しいものに。審査結果も10日前後の日数がかかってしまうので、あらかじめ計画を立てておくことがおすすめ。その後は実車検査を受けて合格すれば、公認の改造車として扱われるわけです。その場合、構造変更申請済みだと分かるように車検証の型式欄に「改」の文字が入れられます。
1-3 違法改造車から合法車両に申請登録を行う公認車検
構造変更を行うだけではまだ終わりではありません。改造車には公認車検が必要で、これは一言で言うと違法改造車から合法車両に申請登録を行うこと。
車検時期が近づくと、憂鬱になるチューニングカーオーナーも多いのではないでしょうか。どうせ改造車に乗るなら、堂々と乗れる公認車両の方がいいですよね。
では公認車検が必要な改造車はどこを改造した場合に必要なのでしょうか。それは大きく「エンジン」「駆動系」「走行装置」「操縦装置」「制御装置」「緩衝装置」の6つ。
エンジンであれば「型式の異なるエンジンの乗せ換え」や「エンジンの総排気量を変更」の2つ。駆動系は「プロペラシャフトの変更」「ドライブシャフトの変更」「トランスミッションの変更を伴う改造」「駆動軸数の変更」の4つです。
次に走行装置は「フロントアクスル又はリヤアスクルの変更を伴うもの」「軸数の変更を伴うもの」の2つ。操縦装置の場合は「ハンドルの位置の変更」「操舵軸数の変更」「リンク装置の変更」の3つとなります。
また制御装置であれば、ドラムブレーキからディスクブレーキに変更する「ブレーキ構造の変更」でその逆も然り。最後に緩衝装置は「サスペンション種類の変更」「緩衝装置の懸架方式の変更」の2つです。
2 車を改造したら構造変更しないとダメなの?
車を改造した場合、「構造変更が必要な場合」と「記載変更で済む場合」があります。
構造変更が必要なケースは、「外寸」や「重量」「乗車定員」「形状」「排気量」などが変更になった場合です。構造変更申請が必要な場合は以下の通り。
・大幅な外寸の変更した場合:車の長さや高さが4センチ以上、幅が2センチ以上の変更となる改造
・乗車定員の変更を伴うもの:オーディオカスタムでリアシートをなくした場合など
・形状の変更を伴うもの:箱型の車の屋根を切って、オープンカーにした等、車検証の「形状」の変更をともなうケース
・原動機の変更、総排気量の変更:エンジン載せ替えやボアアップによる総排気量の変更など
当然ながら、構造変更を申請せずに乗り続けてしまうと違法になります。また、構造変更の手続きをする場合に車検直後であったとしても車検の残りの期間が無効になるデメリットがあることを覚えておきましょう。
一方、軽微な改造であれば構造変更ではなく記載変更で済むことも。これは基本的には外寸や重量の変化が一定範囲内であり、該当部品を恒久的に取り付けていないことなどが条件。前述した構造変更との違いは、車検の残期間が有効になることです。
3 改造が許可されている指定部品
指定部品とは、保安基準の範囲内であれば構造変更申請を行う必要がない部品のこと。改造が許可されているパーツは以下の通りです。
指定部品 | |
外装部分 | エア・スポイラー、デフレクター、ルーフラック、フォグライト、エアロパーツ類など |
内装部分 | オーディオ、空気清浄機、カーナビゲーション、無線機など |
操作装置 | 変速レバー、ステアリングホイール、シフトノブなど |
走行装置 | タイヤ・ホイール |
緩衝装置 | ストラット、コイル・スプリングなど |
排気系 | マフラーカッター、エギゾースト・パイプなど |
その他 | ミラー、火器類、身体障害者用操作装置など |
指定部品を使った改造であれば、メーカー純正の部品でなくても車検に通ることができます。例えばステアリングホイールを自分好みのデザインの物に替えて使用しても問題ありません。
また改造することで、車のサイズや重量が代わってしまうこともあるでしょう。その場合には、指定部品を使った改造でも車検に通らない場合があります。その他にもタイヤやホイールも車種ごとにサイズが設定されており、適合しないサイズのものを装着していると車検に通りません。
改造車で車検に通るか心配な場合は、専門業者に問い合わせてみることをおすすめします。
4 小さなオプション変更でも改造車扱いに
改造車と言っても車高を低くした車両や見た目を大きく変更している車だけではありません。車内の装飾やパーツを取り換えるなどの小さなオプション変更でも、車検時に改造車扱いとなることを覚えておきましょう。
例えば、フロントガラスやサイドウィンドウ。フロントガラスなら車検標章と定期検査のステッカー以外は何も貼ってはいけません。サイドウィンドウは運転席側と助手席側の窓に遮光フィルムを貼っている場合、指摘される可能性があります。これは透明度が80%を下回ってしまうと不合格と判断されてしまうもので、三角窓も該当するので注意が必要です。
またヘッドライトは設定されている光量の基準値があります。たとえ新しいライトにしても光の質によっては合格基準の光量を下回っていれば不合格になることも覚えておきましょう。明るさにも基準があり、スモークフィルムなどをヘッドライトに貼っていると暗すぎて車検に通らない場合もあります。光の色についても黄色か白色で設定されているので、それ以外は車検に通りません。
その他にも、座席数が車検証に記載されている通りの数が無い場合も不合格になってしまいます。もともと3列シートが搭載されているにも関わらず、座席を取り外してしまっている場合は元に戻しておくことが必要です。その他にもヘッドレストやシートベルトも同様に車検証に記載されている数が無ければいけません。
後部座席やヘッドレストにテレビモニターを搭載している場合やはめ込んでいると強度検査に通らないことも。このように小さなオプション変更でも車検に通らないケースもあるのであらかじめ確認しておきましょう。
5 車検が通らない改造車の売却を検討されている方
車検のタイミングで車を保安基準に対応するために直す方や、売却を検討されるなんて方も多いのでは
車検に通らない保安基準不適合の改造車を、車検に通る状態に直すのは当然ながら簡単なことではありません。交換するパーツが多ければ多いほど、それにかかるコストも大きくなってしまいます。また旧車などの年式が古い車であれば、部品自体が劣化しているので交換となるケースも覚えておきましょう。
一方、高い費用をかけて車検に通る状態に戻すよりも、車を売却し買い替えを検討されるなんて方も。しかしながら、改造車だと中古車としての売却は難しいです。業者によっては改造車であれば買取ができないなんてこともしばしば。
そのような場合はヴァベーネにご相談ください。例え他社で断られた場合や、非公認で車検が切れている改造車でも買取が可能です。
全国どこでも無料出張しますので、遠方の方でもお気軽にお問い合わせください。また、国土交通省の認証を取得した自社工場を完備しているので、大切な愛車のレストア・修理・車検なども対応しています。
まとめ
今回は改造車の車検方法について解説してきました。改造車を車検を通すためには構造変更申請と公認車検が必要です。
しかし構造変更申請や公認車検を行っている業者は数少ないですよね。顔見知りであればいいですが、初めて依頼するのであれば技術力や費用面なども気になる所。
ヴァベーネでは構造変更から公認車検まで対応可能です。不調で悩んでいる改造車には、パフォーマンスを下げることなく100%出し切るだけの修理やセッティングが自社で可能です。
改造車のことで何かお困りのことがあればいつでもご相談ください。
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