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【往年の名車を振り返る】日本初のミッドシップ「MR2」の歴代モデル

【往年の名車を振り返る】日本初のミッドシップ「MR2」の歴代モデル

MR2(エムアールツー)は、1984年に登場し、1999年までの約16年間販売されていたトヨタのクーペです。

日本車史上初のミッドシップ車としても広く知られ、販売終了から20年以上が経過した現在でもなお、根強い人気を誇ります。

そんなMR2の名称は、ミドシップ方式の2人乗り小型車を意味する「Midship Runabout 2seater」の略称。小回りが利き、走りを楽しむスポーツカーを想起させる、まさにMR2に相応しいネーミングと言えるでしょう。

今回は初代から2代目まで、トヨタの歴代MR2を振り返ります。

1 初代 AW10/11型

初代 AW10/11型

1984年6月、日本車史上初の市販ミッドシップ車両としてリリースされたMR2。足回り、エンジン、トランスアクスルはE80型カローラの物が流用され、量産の低コスト化に貢献しています。

そんなMR2の始まりは1979年にまで遡ります。

当時のトヨタ自動車社長「豊田 英二」氏が主査らに放った「常識では考えられないひと味違ったクルマがあってもいいのではないか」という発言の元、開発がスタート。

そして1983年の東京モーターショーで、コンセプトカー「SV-3」を発表し、翌年にはMR2として市販化されました。

このようにして誕生したMR2は、日本車初のミッドシップ車としても名高いモデル。当時の日本市場でミッドシップを採用したモデルと言えば、フェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーが挙げられます。

そこに新車で139万5,000円から購入できるMR2が登場したことによって、ミッドシップのスポーツカーが身近な存在になりました。MR2は日本のミッドシップを象徴するモデルと言えるでしょう。

1984年度に日本カー・オブ・ザ・イヤーを、翌年には北米のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことでも知られています。

1986年8月には後期型が登場。スーパーチャージャーや、Tバールーフなどの装備が設定された点が特徴です。1988年の改良では、電動格納ドアミラーやハイマウントストップランプが設定され、内装生地が変更されました。

2 4度のマイナーチェンジが実施された2代目 SW20/21型

2代目 SW20/21型

2-1 初のモデルチェンジを実施し登場したSW20(通称I型)

初代の発売から約5年後の1989年10月、初のモデルチェンジが行われ、SW20/21型2代目MR2が登場。そんな2代目MR2は、4度にわたるマイナーチェンジが行われたのが特徴です。

初代が最軽量のグレードで車両重量960kgだったのに対し、2代目はベース車両がより大型なセリカ/コロナ/カリーナとなり、最軽量のグレードで1,210kgと大幅にサイズアップ。

エンジンもセリカと同様の直列4気筒の2000ccにターボチャージャーを追加した3S-GTE型と、自然吸気(NA)仕様のスポーツツインカムの3S-GE型が搭載されました。

ステアリングの切れ角に応じて左右に可動する、世界初のステアリング連動のフォグランプが搭載されたのも特徴です。

しかしながら、初代と比較して大幅に車両重量が増加したことや、エンジンに対して足回りとブレーキの貧弱さが指摘されました。それによって前輪の接地圧不足からくるハンドリングレスポンスの悪さや、オプションにLSD(リミテッド・スリップ・デフ)が設定されていないなど、スポーツ走行時における数々の問題点を抱えていたのも事実です。

中でも、リアが滑ってスピンが起きやすいことに関しては危険視されていました。

2-2 先代の酷評を受け登場した通称Ⅱ型MR2

初期型の登場から約3年後の1991年12月には、足回りを中心に初のマイナーチェンジにより、通称Ⅱ型MR2が登場します。

この改良では、タイヤサイズを前195/60R14、後205/60R14から、前205/55R15、後225/50R15に大径・扁平化することによりグリップ性能が向上はもちろんのこと、ブレーキローター大型化やブレーキブースター強化を実施。

さらに、GT系にはビスカス式LSDが標準装備され、ビルシュタイン製ショックアブソーバーの採用、トランスミッションの2速にはトリプルコーンシンクロが採用されました。

これらの改良により、これまでの酷評は一転。ユーザーからは高い評価を得ています。

また、GTグレードからABSと電動格納式ドアミラー、部分本革シート、などの仕様を省略・変更した廉価版となる「GT-S」グレードがラインナップに追加されたのも特徴です。

このグレードでは、車重がGTより20kg程度軽量な1,270kgであったことから、スポーツ走行を期待する層から支持され、ターボグレードの9割以上をGT-Sが占めていました。

さらにGTグレードでは、トラクションコントロールが装着可能となり、GT-SでもABSとセットの場合に限りメーカーオプションとして設定されました。

2-3 1993年11月に登場した通称Ⅲ型MR2

1993年11月には、2度目のマイナーチェンジが行われ、通称Ⅲ型MR2が登場。

Lジェトロ方式からDジェトロ方式に変更がなされ、燃料ポンプの大型化、インジェクターの容量アップ、ターボチャージャーの改良、インタークーラーの変更、オイルフィルター取付位置の変更や容量増加など、エンジンを中心とした動力系が強化されたことがポイント。

これらの変更により、最高出力はGT系のターボモデルで225馬力から245馬力、G系のNAモデルで165馬力からATで170馬力、MTで180馬力へとパワーアップしています。

GT-Sのみに装着できるメーカーオプションとして前後左右のGセンサーで車両の状態を感知し、ABSを制御するスポーツABSが新たに設定されたのもポイントです。

ボディに関しては、ストラットタワー部に金属プレートなどによる補強が行われ、剛性がさらに向上。フロントのキャスタ角にも変更が加えられました。

そして、リアスポイラーやリアコンビネーションランプのデザインに変更が加えられ、サイドモールとフロントリップスポイラー、サイドシル下部がボディと同色塗装されるなど、外観からも歴代モデルと区別できる変更が加えられました。

このように様々な変更が加えられたにもかかわらず、バブル崩壊やクーペ・スポーツカーの人気低迷などの煽りを受け販売台数が低下し、受注生産モデルとなりました。

2-4 先代より一部改良を加えデビューを飾った通称Ⅳ型MR2

受注生産へと切り替わってから約4年が経過した1996年6月、3度目のマイナーチェンジが行われ、通称Ⅳ型MR2がリリース。

Ⅳ型では全グレードにスポーツABSが装備され、SRSエアバッグが運転席・助手席共に標準装備となったことが変更点です。

2-5 MR2シリーズ最後のモデルとなった通称Ⅴ型MR2

Ⅳ型が登場した1年半後の1997年12月には、4度目にして最後のマイナーチェンジが行われ、通称Ⅴ型MR2が登場。

NAエンジン搭載のG系は、BEAMS仕様の3S-GEを搭載し、吸気側には新たにVVT-iが採用され、吸気側はDジェトロ方式から再びLジェトロ方式へ変更されました。

加えて、サージタンクの形状見直しやエキゾーストマニホールドの形状最適化、ダイレクトイグニッションの採用などにより最高出力200馬力を実現しています。

最後のマイナーチェンジから約1年後の1999年8月、オーダーストップに伴いMR2の生産が終了。1999年10月には、後継モデルとなる「MR-S」が登場に伴い販売終了となり、16年の歴史に幕を下ろします。

日本で誕生した最初の市販ミッドシップ車「MR2」

今回は1984年に登場し、1999年までの約16年間販売されていたトヨタのクーペMR2についてお伝えしました。

MR2は1979年、当時のトヨタ社長の豊田 英二氏の発想から開発がスタートしたモデルです。

1983年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカー「SV-3」が発表され、それを元に1984年に発売されたMR2の市販モデルは、ほとんど変わらない状態だったそうです。

これは当時のトヨタの設計・技術力やモノづくりへのこだわりを象徴する出来事の1つと言えるでしょう。

このようにして誕生した日本車史上初の市販ミッドシップ車MR2は、1999年には惜しまれつつも生産・販売終了となってしまいます。

しかしながら、2021年には後継車となるモデルのプロジェクトがスタートしたとの情報もあり、2025年から2026年頃に新型MR2がリリースされるのではないかとの噂もちらほら。

このような話題は、販売終了から20年以上が経過した現在でもなお、根強い人気を維持し続けていることの証明とも言えるでしょう。

MR2は、現在もなお語り継がれる古き良きトヨタの輝かしい歴史を象徴する1台です。

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