2020年10月11日
旧車ファンなら見逃せない!日産ブルーバードの歴代10車種を振り返る!
日産自動車を語る上で欠かすことができない「日産ブルーバード」。
様々な名車を世に送り出しており、ファンの間では今もなお根強い人気を誇るシリーズです。
現在では生産が終了しブルーバードの名前は消滅していますが、どのような変遷を辿り名車を誕生させてきたのか気になるところ。
今回は日産ブルーバードの初代から最終モデルまでを振り返り、特徴やスペックについて詳しく紹介していきます。
目次
1 昭和の名車ブルーバードとは
日産のブルーバードは昭和の時代に一世風靡したロングセラーシリーズ。初代は1959年にリリースされ、その歴史は2001年まで続いていきます。
かつて日産自動車はダットサン系とプリンス系に分類され、ブルーバードはダットサン系の主力モデル。ダットサンは1986年まで日産の自動車ブランドとして製造されました。これはブランドでありながらも商標としても扱われていたため、車名などにも使用されていました。主力モデルはダットサン・トラックなどが有名です。
乗用車としての人気が高く、一時期はモータースポーツに参戦し数々の好成績を収めるスポーツカーの一面も。
ブルーバードの名前の由来は童話「青い鳥」が関係しています。古くから欧米での青い鳥は「幸せの青い鳥」として幸福の象徴だったことから、当時の社長を務めていた川又氏によって命名されました。
「柿の種」や「サメブル」などのユニークな愛称で親しまれているモデルやスポーツモデル「SSS」が有名。現在では車好きの間でプレミア価格がつくほどの人気ぶりです。
2 柿の種の愛称で親しまれている310型
310型は1959年に発売され、ダットサン・ブルーバードという名前で販売されました。キャッチコピーは「幸せを運ぶ青い鳥」で、独特なテールランプの形からファンの間では「柿の種」の愛称で現在でも親しまれています。
ボディタイプは、4ドアセダンと日本初となるエステートワゴンタイプの2種類をリリース。女性仕様など当時としては画期的なモデルバリエーションも特徴の一つです。
エンジンは直列4気筒OHVを搭載し、1ℓと1.2ℓを用意していました。主要部品はダットサン・トラックと共用しており、セミモノコックボディやラダーフレームを低床式にすることで、軽量化や剛性アップが図られていることが特徴です。フロントサスペンションは独立懸架を採用し、乗り心地と走行性能を確保した一台です。
3 ブルーバードの代名詞「SSS」が誕生した410型
410型は1963年に発売された2代目ダットサン・ブルーバード。後にブルーバードの代名詞とも言えるスポーツモデル「SSS」がリリースされた初めてのモデルでもあります。
ボディタイプは日産初となるフル・モノコック構造を採用し、4ドアセダンとステートワゴンの2種類を用意していました。
フル・モノコックを採用したことで先代よりボディ剛性や乗り心地、ハンドリング、静粛性などあらゆる面において性能確保に貢献しています。エンジンは初代同様に直列4気筒OHVを搭載したモデル。
デザインはイタリアのピニンファリーナ社が手掛け、欧州調の尻下がりラインが特徴的な一台です。しかし国内では受け入れられず、後のマイナーチェンジで改良することに。そのタイミングにスポーツモデル「1200SS」を追加し、人気を集めたことで「1600SSS」も登場します。
ちなみにSSSは「スーパー スポーツ セダン」の略で、SSは「スポーツ セダン」の略です。
1600SSSは1.6L 直列4気筒OHVのエンジンを搭載し、4速MTを組み合わせたモデル。モータースポーツにも参戦し1966年のサファリラリーではクラス優勝を果たす程です。
4 ブルーバード史で最も成功を収めた510型
510型は1967年にリリースされ、歴代の中でも大成功を収めた3代目ブルーバード。このモデルから1300cc以上へと移行したことで、車体は大型化されたことが特徴の一つ。
外観は直線的で彫りの深いシャープなデザインで、ロングノーズ・ショートデッキを融合させた均整の取れたシルエットです。
ボディタイプは2ドアセダン、4ドアセダン、ワゴン、バンの4種類。エンジンは新開発の水冷直列4気筒SOHCに刷新しています。またスポーツモデルの1600SSSには日産初となる四輪独立懸架を採用し、走行性能を大幅に向上させました。その後、1970年には直列4気筒SOHCを搭載した1800SSSをリリース。
先代同様にモータースポーツにも参戦し、サファリラリーでは総合優勝とチーム優勝の2冠を達成するなど輝かしい功績を収めたことでも有名です。
5 現在では高値で取引されている610型
610型は1971年に発売された4代目ダットサン・ブルーバードU。先代の510型と併売されていたことで型式に「U」をつけることで差別化を図りました。
スポーツ志向の510型に比べ、610型はファミリー向けとして開発され大型・高級化にシフトチェンジ。しかしファンの間では、ブルーバードらしくないと発売当初は支持を得られない結果に…。
ボディタイプは4ドアセダン、2ドアハードトップ、ワゴン、バンの4種類をラインナップ。ブルーバードとしては、初めて2ドアハードトップがラインナップされたことでも話題を集めました。
エンジンは直列4気筒を搭載しています。1973年にはマイナーチェンジが行われ、L20型直列6気筒を積んだ2000GTシリーズが追加されました。
リリース当初は不人気でしたが、あまり出回ってなくその希少価値から現在では高値で取引がされているモデル。ウィンカー付近のくぼみがサメのエラに似ていたことから「サメブル」の愛称で親しまれています。
6 「ヘビーデューティ」810型
810型は1976年にリリースされた5代目ダットサン・ブルーバード。キャッチコピーは「ヘビーデューティ」でイメージキャラクターは加山雄三氏です。ファンの間で高い支持を得られなかった610型のデザインを見直し、外観はシンプルなスタイルに原点回帰。居住性の向上が図られている一台です。
ボディタイプは4ドアセダン、2ドアハードトップ、バンの3種類を用意しています。エンジンは直列4気筒と直列6気筒の2種類をラインナップ。オイルショックの影響や排ガス規制に対応する必要があり、販売期間は約3年というブルーバード史上最も短い期間で生産終了したモデルです。
7 27ヶ月販売台数1位を記録した名車!910型
910型は1980年にリリースされた6代目ダットサン・ブルーバード。ボディタイプは4ドアセダン、バン、ワゴンタイプの3種類をラインナップ。往年のロングホイールベース型や直列6気筒モデルを廃止するなど、ブルーバードのイメージを一新したモデルです。
このモデルはブルーバードにおける最後のFR車としても有名。外観は510型を彷彿させる直線基調の機能的かつ、クリーンでボクシーなスタイル。エンジンは4気筒を搭載しています。
イメージキャラクターには、当時ジュリーの愛称で人気絶頂だった沢田研二氏を採用。TVや雑誌、カタログなどありとあらゆるメディアに登場し、910型ブルーバードは27ヶ月連続新車登録台数第1位を記録する程。
リリースからわずか4ヶ月後にはターボエンジンを搭載したSSSターボを発表します。ボディタイプは4ドアセダンと2ドアハードトップの2種類を用意していました。
このモデルは最高出力の向上と同時に、排出ガスの清浄化や燃費の向上、さらには騒音の低減までを実現させた一台です。
ブレーキは4輪ディスクを採用し、ハードな走りにも十分対応できるようサスペンションのセッティングも、ターボ用にアレンジし直されていることが特徴。エンジンはZ18ET型を搭載し、最高出力は135ps/6000rpm。最大トルクは20kg/3600rpmという高性能な一台です。
8 車名が日産ブルーバードに変更されたU11型
U11型は1983年にリリースされた7代目日産・ブルーバード。それまで車名にダットサンがついていましたが、日産ブルーバードへ変更しています。
歴代の車種にはFR車を採用していましたが、ブルーバードとしては初となるFF車を採用したことが特徴の一つ。ボディを拡幅することで、コーナーリングにおけるトルクステアを軽減するデザインにしFF車のデメリットを解消しています。
外観は910型を彷彿させる直線的なデザインで、ボディタイプは4ドアハードトップ、4ドアセダン、ワゴン、バンの4種類をラインナップ。ガソリンエンジンは全てCA型に統一され、ディーゼルエンジンはノンターボのLD20型を搭載しているモデルです。
また1984年にブルーバードシリーズの最高グレードに位置するモデルとして、「ブルーバード・マキシマ」をリリース。マキシマとは「最大の」や「最高」を意味しています。元々輸出用として販売されており、特にアメリカ市場では人気を集めていた一台。
これに新型のV型6気筒OHCエンジンの搭載や前輪駆動方式を導入するなど、これまでのブルーバードとは異なるイメージを強調し国内向けに販売されました。
9 ブルーバード初となる四輪駆動を発表したU12型
U12型は1987年にリリースされた8代目日産・ブルーバード。
先代に比べ少し丸みを帯びたデザインへと変更されており、ボディタイプは4ドアセダンと4ドアハードトップのみのラインナップ。またブルーバードで初となる、四輪駆動が初めて登場したことでも話題を集めました。
最上級グレードには1.8Lツインカムターボを搭載し、日産自動車が開発したフルタイム4WDシステム「ATTESA」を採用。これにより前後輪直結で発生していた急旋回時に起こるピッチングを防いでくれます。また「STS-Sub」も初搭載されていることが特徴。後輪用のサスペンションのことで高速走行時の車線変更などに発生する、ヨーイングと呼ばれる車体が揺れる現象を抑えることでコーナーリング性能も向上しています。
雨や雪などあらゆる天候、路面で最適な「走る」「曲がる」「止まる」を実現させた一台です。
またラリー競技用のセダンSSS-Rがリリースされたこともトピックの一つ。ボディタイプは4ドアセダンのみで、エンジンはCA18DET-Rを搭載しています。その他にもステンレスエキゾーストマニホールドやコスワース製アルミピストンなどを装備したモデルです。
10 ユニークな機能を採用したU13型
U13型は1991年に発売された9代目日産・ブルーバード。大きな特徴は国内向けにハードトップボディのARXシリーズを提供し、アメリカ市場に向けたSSSの名を冠したセダンを用意したこと。
ハードトップは国内でデザインされ、ブルーバードとして初めてセンターピラーのあるピラードハードトップが採用。一方セダンの外観は北米の日産でデザインされ、410型に似た日本車では珍しい尻下がりのデザインに。車体の全高を高く設定することで居住性を高めているモデルです。
車内騒音を軽減させるアクティブノイズコントロールや、フロントウィンドウに速度や警告灯を表示する独特な機能を採用したことも特徴の一つです。
ボディタイプは4ドアセダンと4ドアハードトップの2種類。エンジンは2LのSR20DEとSR20DET、1.8LのSR18DE型の3種類がラインナップされました。
11 ブルーバード最後のモデルU14型
U14型は1996年にリリースされ、歴代最終モデルとなった10代目日産・ブルーバード。
外観は一新されオーソドックスな箱型へとデザインを変更。ボディタイプは4ドアセダンのみを用意し、スポーツグレードの「SSS」とラグジュアリーグレードの「ルグラン」の2種類をラインナップしています。
ガソリンエンジンは2.0LのSR20VE、SR20De、1.8LのQG18DD、QG18DE、SR18DEを搭載。またディーゼルは2,000ccのCD20、CD20Eが用意されました。
装備面では運転席と助手席のデュアルSRSエアバックを標準装備し、警察の覆面パトカーしても導入されているモデル。
2001年に惜しまれつつも生産終了を迎えましたが、現在では日産シルフィが後継車として活躍しています。
まとめ
今回は昭和の名車とも言われている、日産ブルーバードについて歴代車種を紹介してきました。
40年という長い歴史を持つシリーズで、日産自動車を語る上で欠かせない存在と言えます。初代から6代目までが車名にダットサンが入っており、7代目以降は日産ブルーバードに変更しています。
またそれぞれの時代の流行や、当時の最新技術を搭載していることも特徴の一つ。最近では車種によっては、プレミア価格が付く程です。日産の歴史が詰まったスポーティさとラグジュアリーさを兼ね備えたブルーバードに、一度は試してみることをおすすめしたい一台です。
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