2022年8月19日
旧車を長期保管する際にやっておくべき対策9選
旧車への憧れや魅力に惹かれ、旧車を購入した方もいるのではないでしょうか。
しかしライフスタイルの変化によって車を長期間、乗車できないなんてこともあるでしょう。そのような場合、車を長期保管したいけれど具体的に何をしたらいいのか分からない方も少なくありません。
車は長期間動かさないと、様々な部分に不具合がでてしまうので注意が必要です。
そこで今回は旧車の長期保管方法についてポイントを解説していきます。
目次
1 旧車を長持ちさせるベストな保管方法9選
1-1 自動車の天敵“サビ”対策
旧車を保管する際に、旧車の天敵である“サビ”をいかに排除できるかが大切なポイント。
車のボディや下回りは鉄鋼材料を使用しており、サビが生じることがあるので防錆能力の低い旧車は特に気を付けなければいけません。サビが進行していくと機械の強度を低下させ、外観や機能を損ねることになるため注意が必要です。
車庫やガレージで保管することが一番の理想ですが、車庫をお持ちでない場合は下回りの防錆を実施しましょう。雨風に晒されることはよくないことですが、実は地面から蒸発してくる水蒸気が一番サビを起きやすくする原因なんです。
下回りの防錆はコーティング、もしくは塗装で対応します。自分での対応は難しいため専門業者に依頼するといいでしょう。作業自体はおよそ30分程度で完了しますが、車種やサビの状態によっては作業時間が延びてしまうこともあります。
一度施工してしまえば、コーティングで半年から1年間。塗装の場合は3年〜6年程度の防錆期間が見込めます。費用については車種によって異なったりすることもあるので、事前に業者に確認しておくことをおすすめします。
1-2 燃料タンクや冷却水のサビ対策
旧車を長期保管する際はガソリンを満タンの状態にしておきましょう。
その理由は大きく2つ。
まずガソリンの残量が少ない状態で長期保管すると、ガソリンタンク内で外気温の変化によって水分が発生してしまい、タンク内のサビの原因になるためです。
最近の車のガソリンタンクであれば樹脂製がほとんどなので、サビは出にくいです。一方旧車の場合は金属製のガソリンタンクが採用されていることが多いので、ガソリンを満タンの状態にしておく必要があります。
次にガソリンは空気に触れている状態で約3ヶ月で劣化し、1年以上経過すると腐ってしまいます。
劣化が進行するとガソリンに含まれる「アルケン」と呼ばれる物質が空気中の酸素に触れて酸化し、ギ酸や酢酸という酸性の物質に変化します。酸は金属を溶かす性質があるので、そのまま放置してしまうとガソリンタンクやポンプ、インジェクションなどの金属パーツの腐食に繋がり、最悪の場合にエンジンがかからなくなることも。
ガソリンの酸化を防ぐにはガソリンタンク内の酸素を少なくする必要があるので、車を長期保管する際はガソリンを満タンにすることで対策を講じましょう。
1-3 定期的にエンジンをかける
旧車を長期保管する際に、定期的にエンジンをかけることも対策の一つ。
ただエンジンをかけてすぐに止めてしまっては意味がないため、水温計が動くまで待つようにしましょう。理想としては近所を軽くドライブするといいですが、無理な場合はその場でエンジンを始動させます。
MTなのであれば各段に入れ、ATでもすべての段にシフトしましょう。これによりミッション内のオイルが多少動くので、ギヤやクラッチが固着するなどのトラブルを防ぐことができます。
1-4 タイヤの空気圧の調整
停車した状態の車は同じ位置から動かないため、タイヤと地面との設置部分に負荷がかかり変形やヒビ割れが発生してしまいます。また車体の重量から、サスペンションなどの足回りに負担がかかってしまうことも覚えておきましょう。
車を長期保管する場合、タイヤの空気圧を調整する必要があります。対応方法としては2つ。
まずリジッドラックなどでジャッキアップして保管する方法です。
この場合はタイヤの変形を気にする必要がないので、空気圧は低めに設定してタイヤのヒビ割れを防ぎましょう。
逆に車を停車させて保管するのであれば、タイヤの空気圧は高めに設定しておきます。これによりタイヤの変形量を低減させ、変形を防ぐことができます。
車の保管方法によって対応方法が異なるため、自分にあった対策を検討しましょう。
1-5 バッテリーの端子を外す
自動車を長期保管する際は、バッテリーケーブルを外しておくことでバッテリー上がりを防ぐことができます。
車はエンジンをかけなくても暗電流と呼ばれる僅かな電流がバッテリーから放出されているからです。基本的にはマイナス側(黒色)のバッテリーケーブルを外しておけば、この暗電流をカットできることを覚えておきましょう。
ただバッテリーは車に接続されていなくても、自己放電してしまう性質があり保管場所の温度が高ければ、自己放電が増加する傾向があります。
バッテリーの自己放電も予防したい場合は、バッテリーを車から取り外してなるべく涼しい環境で保管しておくといいでしょう。
1-6 ゴム部品に保護剤
車にはエンジンルーム内のゴムホースやドア周りのウェザーストリップ類、ドライブシャフトブーツなど、ゴム製パーツが使用されています。
ゴム製品は経年劣化しやすいため、普段から乗車していても気をつけなければいけないポイントの一つ。旧車であれば当然ながら年式が古いため、ゴム製パーツは油分が抜けてしまいヒビが発生してしまうこともしばしば。
定期的にシリコンオイルスプレーなどを使用することで対策をしていきましょう。
1-7 窓を開けて換気
車を長期保管する場合、洗車や車内の掃除を実施しましょう。
汚れが付着したまま長期間放置してしまうと、劣化スピードを加速させてしまう原因になってしまうためです。
例えばボディであれば鳥の糞や虫がついているとボディが傷んでしまいます。また車内であれば、ホコリや食べカスなどが残ったままであればカビの発生の原因になるので注意が必要です。
車の掃除をする際の8つの手順とポイントを説明していますので、コチラもご覧ください。
保管する前に掃除を行なっていても、車内がカビだらけになってしまう可能性が高くなります。長期間閉め切られた車内は湿気が溜まりやすく、ホコリや皮脂汚れなどからカビの繁殖を助長してしまう訳です。
定期的に車のドアを開け閉めして車内の空気を喚起してあげれば問題ありませんが、難しいのであれば除湿剤を数個設置しておくだけでもカビの抑制効果に繋がります。除湿剤はホームセンターなどに販売されている、クローゼットなどに使用する一般的なもので構いません。
当然ながら湿度が高い時期であれば、除湿剤を交換する頻度も高くなるため準備しておくべき個数も増えますし定期的なチェックも忘れないでおきましょう。
車内がカビだらけになってしまうと、車内クリーニングを依頼しなければいけません。それなりのコストがかかってしまいますので、長期保管する際は注意が必要です。
1-8 屋内保管が難しい場合はカバーシート
車のボディや内装部分にもダメージを与えないために、車庫やガレージなどの屋内保管がベストです。
車庫などでの保管が難しい場合は、カバーシートを車にかけておきましょう。
直射日光や雨風によるボディや内装の損傷を和らげられることができます。
風などでカバーシートとボディが擦れてしまい傷になってしまうことがあるので、カバーシートは裏起毛のものを使用することで対策していきましょう。
またカバーシートは1年程度で紫外線などの影響で、表面がボロボロになってしまいます。
軽度の破れなどであればテープで補修することができますが、状況によっては買い替えを検討する必要があるので定期的にチェックしておきましょう。
1-9 サイドブレーキの解除
サイドブレーキをかけたまま車を長期保管すると、ブレーキがかかったままブレーキ周りの部品が固着してしまうことがあります。
いざ運転しようとエンジンをかけてもサイドブレーキが解除されず、アクセルを踏んでも発進しない状態になりかねません。
このような状態になってしまうと、サイドブレーキを分解しオーバーホールなどの整備が必要になります。
当然ながら費用がかかってしまうことになるため、ギヤはパーキングにし、車止めをするなどして車のサイドブレーキを解除したままで保管するといいでしょう。
2 一時抹消登録の選択肢も
車を長期間使用しないのであれば、一時抹消登録を検討してみてはいかがでしょうか。
一時抹消登録は、一時的に自動車の使用を中止する場合に行う手続きのこと。
手続きを行なった車は公道を走行することはできませんが、自動車税などの税金が非課税になり、自賠責保険を支払う義務もなくなります。これにより年間にかかるコストを大幅に軽減できることが大きなメリット。
手続場所は現住所を管轄する運輸支局です。一時抹消登録に必要な書類は以下の通り。
- 車検証
- 前後2枚のナンバープレート
- 印鑑登録証明書
- 名義人の実印
- 一時抹消登録申請書(申請日に運輸支局で購入)
- 手数料納付書(申請日に運輸支局で購入)
- 自動車税、自動車取得税申告書(申請日に運輸支局で購入)
- 委任状(代理人が申請する場合のみ)
運輸支局で申請日当日に購入する一時抹消登録申請書や手数料納付書の必要項目に記入し、窓口に提出して完了です。
年間で数万円以上の節約になるため長期間、車に乗車する機会がないのであれば有効な手段と言えるでしょう。
車の一時抹消登録について手順や費用を詳しく知りたい方はコチラも併せてご覧ください。
旧車に少しでも長く乗り続けるために
旧車を長期保管する際は、保管前の準備や保管中の状態によって左右されます。場合によっては車が動かなくなってしまうなんてケースも考えられます。
今回、紹介した保管する際のポイントを全て実施することは難しいかもしれませんが、できることを実施することで愛車と付き合っていけるといいですね。
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