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車の一時抹消を検討する際に。利点と必要書類や手順、費用を知っておこう

車の一時抹消を検討する際に。利点と必要書類や手順、費用を知っておこう

思い入れがある自動車であっても、長期的に乗らなくなった場合に売却や廃車を検討される方は多くいらっしゃいます。

しかし申請を行えば車を手元に残すことができ、さらに自動車に関係する税金がかからなくなるという「一時抹消」をご存知でしょうか?

将来的に再びその車に乗る可能性があるのであれば検討したい選択肢です。

そこで今回は一時抹消について実施するメリットやデメリット、それに伴う手順と注意点などについて解説していきます。

1 一時抹消とは「一時的に自動車の使用を中止する場合に行う手続き」のこと

一時抹消は、一時的に自動車の使用を中止する場合に行う手続き。正式名称は一時抹消登録で、手続場所は現住所を管轄する運輸支局です。

一時的に自動車の登録を抹消するため、手続きを行なった車は公道を走行することはできません

が、自動車税をはじめとする税金が非課税になり、自賠責保険を支払う義務もなくなります。

年間で数万円以上の節約になるため、車に乗車する機会が減っているのであれば有効な手段と言えるでしょう。

もちろん、二度と乗れなくなる訳ではありません。いつかまた車検を通して車に乗りたい場合や、乗りたい方が見つかるまで廃車にしないで保管しておきたい場合に使われる方法です。

2 一時抹消と永久抹消の違い

抹消手続きにはもうひとつ「永久抹消」というものも存在します。

自動車の一時抹消と永久抹消の違いは、その車に乗る可能性の有無。簡単に言えば永久抹消を行うと二度とその車は使えません。

そのため永久抹消は車を解体して処分したり、中古車として販売したりする場合に行う手続きとして使用されます。

一時抹消とは違い、自動車重量税の還付も行われることもメリットです。一度手続きをしてしまうと原則として再登録することは不可能になるため注意が必要です。

3 一時抹消のメリット

一時抹消は前述した通り、自動車税をはじめとする税金が非課税になるなどのメリットがあります。これにより年間にかかるコストを大幅に減らせる点と、車自体は手元に残ることがポイント。

一時抹消を行なった後でも再登録することができるので、再び公道を走行することだって可能です。

加えて、払い過ぎた税金は還付金として戻ってくることもメリットの一つとして挙げられるでしょう。

ただ還付金が戻ってくるのは乗用車限定だということを覚えておきましょう。軽自動車の場合、対象外になっているので戻ってくることはありません。

4 一時抹消のデメリット

一時抹消はメリットばかりではなく、デメリットがあることも覚えておきましょう。

一時抹消後は車が手元に残るため、当然ながら車を自分で保管しなければいけません。そのため駐車場やガレージの契約が必要になり、それに伴う費用は支払う必要があります。

メリットで税金が非課税になると記述しましたが、自動車重量税は還付がありません。これは自動車を解体した場合に限り還付される仕組みのためです。

5 一時抹消登録の手続きに必要な書類

一時抹消を実施する場合に必要書類を準備したり、それにかかる費用が発生してしまいます。

必要書類は以下の通り。

  • 車検証
  • 前後2枚のナンバープレート
  • 印鑑登録証明書
  • 名義人の実印
  • 一時抹消登録申請書(申請日に陸運支局で購入)
  • 手数料納付書(申請日に陸運支局で購入)
  • 自動車税、自動車取得税申告書(申請日に陸運支局で購入)
  • 委任状(代理人が申請する場合のみ)

一時抹消登録には「車検証」「廃車にする車の前後2枚のナンバープレート」「所有者の印鑑登録証明書」「名義人の実印」が必要です。印鑑登録証明書は発行から3ヶ月以内のものに限られるので、準備を急ぎ過ぎないようにしましょう。

車検証と印鑑登録証明書の住所が異なる場合は、住民票変更などの履歴が確認できる書類が必要です。また代理人が行う際、所有者の印鑑証明印の押印がされた委任状を準備しましょう。

書類を揃えたら、普通車であれば管轄の陸運支局で手続きとなります。ただ軽自動車の場合は、軽自動車検査協会で実施するので注意が必要です。

6 一時抹消登録の手続きの流れと費用

窓口の受付時間は地方により異なる場合がありますが、おおむね午前は8時45分~11時45分、午後は13~16時頃が受付時間です。土日祝日や年末年始は休業なので注意が必要です。

記入漏れや誤りがなく、窓口が混雑していなければ数十分程度で手続きが終了します。

手順としてはまず書類販売窓口で「申請書」を購入し、車検証を確認しながら必要項目を記入。次にナンバープレート2枚を返納窓口に返納します。

手数料納付書の必要項目を記入し、一時抹消登録手数料350円の印紙を貼り付けましょう。登録にかかる費用は実はこれだけです(その他の書類を取り寄せるための費用は別途必要です)。

最後に必要書類を陸運支局の窓口に提出し、記入漏れや誤記入などがなければ登録識別情報通知書が発行されます。

これは基本的には再発行ができない書類ですので、大切に保管しましょう。

車検が残っている場合、一時抹消登録の手続き完了後に保険会社で自賠責保険の解約も忘れてはいけないポイント。

管轄の税事務所より抹消登録手続き完了の1、2ヶ月後に還付通知書が発送されます。還付通知が到着したら指定の金融機関で還付金を受け取りましょう。

ちなみにナンバープレートは基本的に回収されますが、保存を希望する場合は穴を開けるなどの処理を行えば記念に持ち帰ることも可能です。

7 「名義変更」「証明書の紛失」など自動車の一時抹消に関するその他の手続き方法

一時抹消登録の手続きは通常と異なる「名義変更」「証明書を紛失した場合」があります。

ここでは、それぞれの手続き方法についてポイントを説明していきます。

7-1 名義変更をする場合

一時抹消済み車の名義変更を実施する際は、「登録識別情報通知書」と「譲渡証明書」「新しい所有者の住民票」と「認印」が必要です。

注意点は譲渡証明書には、元々の所有者の実印が押されていなければいけません。また、住民票は発行から3ヶ月以内のものでなければ認められないため、手続きの直前に取得することをおすすめします。手続きを本人ではなく代理人が行う場合は、所有者の認印が押印された委任状が必要になることを覚えておきましょう。

手続き場所は一時抹消同様に、乗用車の場合は陸運支局で実施。軽自動車のケースは軽自動車検査協会で行います。申請書を購入し必要情報を記入後、準備した書類と一緒に提出しましょう。書類に不備がなければ、その場で書類が渡され完了です。

7-2 証明書を紛失した場合

登録識別情報通知書を紛失してしまった場合、前述した通り再発行することは原則できません。しかし、万が一紛失してしまっても「顛末書」を用意すれば対応してくれることも。

手順は最寄りの警察署に、登録識別情報通知書の紛失届を提出。その場で受理番号が交付されますので、この番号を顛末書に記入します。顛末書自体には、書類を紛失した事実やその理由、事情をできる限り詳細に記述しましょう。

記入した顛末書が認められるかどうかは、陸運局の判断によって変わります。認められた場合は通常通りに手続きを進められますが、紛失しないように注意することがポイントです。

8 一時抹消後に車を再登録するには

一時抹消登録後に車を再登録する場合、「中古新規」と呼ばれる手続きを行う必要があります。

必要な書類は以下の通り。

  • 登録識別情報通知書
  • 保安基準に適合していることを証明できる書面
  • 印鑑証明書
  • 実印
  • 車庫証明書
  • 委任状(代理人が申請する場合のみ)

保安基準に適合していることを証明できる書面は、有効な「自動車検査票」「自動車予備検査証」「保安基準適合証」のいずれかを準備する必要があります。検査を受ける場所により書類の名称や形式が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

印鑑証明書は発行から3ヶ月以内のもの、また車庫証明書は40日以内のものに限られます。車の所有者と使用者が異なる際は、使用者の住民票と委任状、車庫証明書を追加で準備することを覚えておきましょう。

再登録には700円の登録手数料がかかります。それに加え、検査手数料と交付手数料がそれぞれ必要です。

検査手数料は持ち込みで乗用車2,100円、保安基準適合証の提出で1,200円。交付手数料は一般ナンバーの場合1,760円、字光式であれば3,520円。希望ナンバーは4,030円、字光式の場合は5,490円が必要です。

再登録の実施場所は必要書類を準備し、乗用車は陸運支局、軽自動車は軽自動車検査協会で申請を行いましょう。

再登録の条件は車検に合格することなので、これを通過することができれば登録完了です。車検に合格すれば、その場で新しいナンバープレートを受け取れます。当然ながら自賠責保険への再加入や、自動車税の納税も必要になるので忘れずに実施しましょう。

一時抹消のメリットデメリットを理解して最善の選択を

今回は、一時的に自動車の使用を中止する場合に行う一時抹消について解説してきました。

一時抹消にはメリット・デメリットが存在しているため、あらかじめ確認しておく必要があります。また手続きに必要な書類は様々で、申請内容によっては必要書類が異なることも覚えておきましょう。

将来的に、再びその車に乗る可能性がある方にとっては魅力的な方法です。もし一時抹消を行う際の参考になれば幸いです。

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