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豆知識

2021.01.22ラジエーターとは?その構造や仕組みに迫る。

車のエンジン付近にはラジエーターと呼ばれる機器が装備されています。これはエンジンが正常に作動することをサポートし、車を問題なく走行させるための重要な役割を持つパーツ。

車にとって欠かすことができない部品ですが、その重要性を理解している方は多くないかもしれません。

今回は車における大切なラジエーターについてその構造や仕組みから、故障してしまった場合の対処方法に至るまで解説していきます。

1 そもそもラジエーターとは

ラジエーターは車のエンジンを冷却するための部品。

走行中の車のエンジンは大量の熱を発するため、冷却しないまま走行を続けるとやがてオーバーヒートをこ起こしてしまいます。これによりエンジンオイルが焼きついてしまい交換しなければいけなくなったり、エンジン内の損傷に繋がり最悪の場合、エンジン自体が焼きつき全損することも…。

このようにオーバーヒートは車にとって致命的なトラブルとなることを理解しておきましょう。ラジエーターを備えつけることで熱の蓄積を軽減させることができるわけです。

ラジエーターの取り付け位置は車のフロント内部のエンジン近くや、ナンバープレートの裏あたりがほとんど。この中には冷却水が入っており、車が走行すると風がラジエーターにあたり冷却水を冷やします。

走行中にこの循環を繰り返すことでエンジンの極端な温度上昇を防いでくれているわけです。

2 ラジエーターを構成する4つのパーツ

ラジエーターの構造は冷却液を上から下へ流す「縦流れ式ラジエーター」と「冷却液を水平に流す横流れ式ラジエーター」の2種類があります。

横流れ式のほうが効率よく冷却ができることがメリット。しかしながら必要以上に冷却されてオーバークールを発生させることも。

一方縦流れ式ラジエーターは現在の国産車で多く採用されており、「ラジエーターアッパー・ロアタンク」「ラジエーターコア」「ラジエーターホース」「ラジエーターキャップ」の4つで構成されています。

ラジエーター内で冷却液を貯蔵しているのがタンク。

ラジエーター液とも呼ばれる冷却液はエンジン周辺を循環する際に温度の上下を繰り返すため、高い耐久性が求められます。

アッパータンクが冷却液の入り口でエンジン側の出口はウォーターアウトレット。これはアッパーラジエーターホースで繋がれています。ロアタンクは冷却液の出口であり、エンジン側の入り口でもあるウォーターインレットとロアラジエーターホースで繋がれています。

ホースはラジエーター内の冷却液が通るもので、こちらもラジエーターを構成する重要なパーツの一つ。内部に高熱を帯びたラジエーター液が通るため高い耐久性が要求されるもの。

ラジエーターコアは薄いフィンで構成され、放熱効率を高めるためのもの。ラジエーター内部に小石や虫が入り込むことを防ぐ役割があります。フィンの種類はパイプとパイプの間に波状のフィンを配置するコルゲート型フィンと、全てのパイプを繋ぐ板を多数配置するプレート型フィンの2タイプ。一般的にはコルゲート型フィンが主流です。

ラジエーターは放熱性に優れ軽量なアルミニウム合金製ですが、更なる軽量化のためタンクを樹脂製にしたものも。アッパータンクには注水口があり、ラジエーターキャップが備えられています。これは冷却水のフタという役割だけではなく、ラジエーターを密封し圧力をかけるもの。水温が100℃以上になっても冷却水が沸騰し、気化するのを防ぎ、冷却水が液体の状態を保つ働きをしています。また加圧した冷却水の沸点が超えてしまう場合は圧力調整弁が作動し、水温によって変化するラジエーター内の圧力を調整しオーバーヒートを防いでくれるわけです。

3 ラジエーターにとって大切な冷却水とは

前述した通り、冷却水はラジエーター同様にエンジンを冷やすために欠かせないもの。ラジエーター液やクーラント液とも呼ばれています。

冷却水はただの水ではなく、主成分はエチレングリコールと呼ばれる物質。寒冷地では凍結を防ぐために不凍液が混ぜられていたり、エンジンなどの機器を損傷させないために防錆剤が添加されていることも。

ちなみにエチレングリコールは毒性を持つ液体なので、決して誤飲しないようにしましょう。

つまり真水などは適していなく、基本的には代用できないことを覚えておきましょう。仮に真水を使用した場合、寒い時期に水が凍ってしまい体積が膨張しラジエーターが破裂する恐れがあります。またエンジンや車のほとんどは金属でできているため、真水だと錆びてしまう可能性も。

冷却水は定期的なメンテナンスが必要です。これは使用するうちに蒸発し、だんだんと減ってくるため。少量になると冷却効果が期待できなくなり、熱でエンジンが痛んでしまい最悪の場合、オーバーヒートを発生させてしまうかもしれません。

またエチレングリコールの成分の変質が挙げられます。これは時間の経過とともに次第に酸化し、腐食性能を持つようになります。

そのため足りなくなれば継ぎ足しが必要ですし、定期的に交換することもポイント。一般的には2年程度が交換のタイミングとされているので車検時に確認するといいでしょう。

4 故障してしまった場合の対処法

4-1 故障の最も多い原因の液漏れの確認方法と対処法

ラジエーター周りの故障の原因の一つに液漏れが考えられます。これはラジエーターや配管に傷がついたり、ゴム部品が劣化することで中の冷却水が漏れ出してしまうこと。

冷却水は時間の経過とともに腐食性をあらわし、長期間使用することで経年劣化し損傷することも。ラジエーターは部品の大半がプラスチックでできているので、一度劣化してしまうとあっけなく傷がついてしまうことがネック。

普通自動車であれば8〜12年程度で、軽自動車の場合が6〜10年ほどで交換することが一般的です。ただ使い始めの場合でも事故などの外的要因による損傷で、液漏れが発生することがあるので注意しましょう。冷却水は腐食を防ぐために定期的に交換するなどメンテナンスが必要です。交換のタイミングは一般的に約2年程度と言われています。使用状況にもよりますが、酸化や腐食が発生する前に定期的に交換しましょう。

定期点検を行う際は、冷却水の水位が大きく減少していないかを確認することが大切です。

4-2 オーバーヒートと感じたら確認すべき場所と対処方法

ラジエーターの故障の主な原因はオーバーヒートが挙げられます。これは冷却水の不足や劣化によって発生するもの。万が一ラジエーターが故障しオーバーヒート状態になると運転席のメーターパネルにある水温計の針がHマーク近くまで振れたり、運転中に異常音が発生しアクセルを踏んでもエンジンの回転数が不安定になることも。

オーバーヒートかなと感じたら、まずは安全な場所に車を停車させましょう。そのまま走行を続けてしまうとエンジンに深刻なダメージを与える危険性があります。状況によってはエンジンの取り替えが必要になることもあるため注意が必要です。

故障しているかどうかの確認方法はラジエーターから蒸気や冷却水が漏れ出している音がしていないか確認しましょう。また冷却水の温度が下がったらラジエーターとラジエーターホースの冷却水が漏れていないか、ラジエーター本体の冷却水の量を確認します。冷却水の量はタンク側面の上下のラインの間に液体が収まっていれば問題ありません。

もし冷却水の減りが激しい場合、ラジエーターの破損による水漏れなどが考えられます。このケースは冷却水が不足している状態なので、ロードサービスに依頼したり早急に整備工場に連絡し対応してもらいましょう。

5 ラジエーター修理や交換費用の相場

ラジエーターが故障した場合、交換は大掛かりな作業になるので整備工場に任せることが一般的。異常を感じた際は自分で修理は難しいため、必ずディーラーや整備工場などに点検依頼をしましょう。

ラジエーターの交換費用はどの部品を取り替えるかによって異なります。ラジエーター全体を交換するのであれば20,000〜50,000円程度の部品代がかかることを覚えておきましょう。

ホースやタンクの交換だけで済むのであれば10,000〜20,000円が一般的。さらに部品代に加え工賃が別途発生し、その相場は10,000円以上かかることが相場です。

6 液漏れしていた場合の対処方法

6-1 液漏れと感じた場合の対処方法

もし液漏れを起こしていた場合は、速やかに車を安全な場所に停車させることが大切です。

まずは車外に出て被害状況を確認しましょう。この時に注意すべき点は車から液体が滴っていた場合でも、必ずしもラジエーターの冷却水が漏れているとは限りません。エアコンの水漏れなどがあるので注意が必要です。見極める方法としては色と香りの有無で判別します。エアコンの水漏れであれば無色無臭ですが、冷却水であれば着色されており甘い匂いが漂うことが特徴です。

走行中に液漏れに気づけばいいのですが、なかなか気づけないもの。そのような場合に水温計を手掛かりにしましょう。冷却水の液漏れが起こるといつもより水温計の針が振れることがポイント。また液漏れによって冷却水が減少すれば、水温計は上側のHに向けて次第に上がっていきます。

このような状態になれば路肩に停車しアイドリング状態にしましょう。この時に水温計の針が下がるようなことがあればそのまま待機することでエンジンの熱を取り除きます。

6-2 異常を感じたら行うべきポイント

エンジンの温度が上がってくると出力が上がらなくなったり、ボンネットから煙が立ち込めるなどの異常がみられることも。少しでも違和感を感じれば走行を中断しましょう。

車を停車させたら、まずはボンネットを開けてラジエーター周りを確認します。この時にラジエーターキャップと冷却水の水位に注目しましょう。もし冷却水が溢れ出た形跡が確認できればラジエーターキャップが損傷している可能性があります。

冷却水の水位は適正位置に達していなければ液漏れが起こっている証拠。液漏れの程度にもよりますが、水を継ぎ足しながら走行することも可能です。

この時に水道水をラジエーターの中に入れても問題なく走行することは可能ですが、前述した通り機器を損傷してしまうことを理解しておきましょう。応急処置として水道水を使用するのであれば、ドレンをゆるめて水道水を少し抜き、希釈するタイプの冷却水を注ぎ入れれば問題なく使い続けられます。くれぐれも水道水だけを入れたままにしてはいけません。

もし液漏れしている穴が小さければ冷却水の漏れ止め剤を使用することも対策の一つ。これは薬剤の中に含まれている固化する繊維質が含まれているので穴を防ぐ性質を持っていることが特徴。あまりにも大きな穴には使用できませんが小さな穴であれば塞ぐことも可能です。カー用品店やホームセンターに置いてあるので購入しておくこともおすすめ。また漏れ止め剤をあらかじめラジエーターの中に混ぜ込んでおくことも選択肢の一つ。

いずれにせよ車に異常を感じたら原因を確認し、自走できるのか最寄りの整備工場などに連絡し対応してもらうのかを判断することが大切です。

7 故障を防ぐメンテナンス方法

普段からメンテナンスを実施することで、修理や交換回数を減らせることも。ラジエーター自体の寿命は約10年程度なので、車自体の寿命と変わらないくらい長くもつ部品の一つ。

ただ、ラジエーターの中に入れて使われているLLCなどの冷却水は2年程度が寿命と言われています。冷却水の劣化がラジエーター本体の故障につながることもあるので、日頃から点検しておくことが大切。

現代の車であればほとんどがリザーバータンクが装備されているので、ラジエーターの水が減少してもそこから供給できるような仕組みになっています。点検する際はこのリザーバータンクの水量を定期的に確認することが重要です。リザーバータンクであればエンジンの稼働中でも目視で確認することができます。

ラジエーター関連部品の中で最も劣化しやすいのがラジエーターキャップです。これが劣化してしまうと冷却効果が低減し、温度が高くなることがあるため5年をめどに交換することがおすすめ。

また一般的なラジエーターであれば金属の細かい網のようになっている部分があります。この部分にホコリやゴミが詰まっているとエンジンの冷却効果が低下してしまうわけです。目詰まりがおこらないよう定期的に清掃することがおすすめ。

ラジエーター以外の、車のメンテナンス方法を知りたいかたはこちらをご覧ください。

まとめ

今回は車にとって大切なパーツでもあるラジエーターについて解説してきました。

ラジエーターはエンジンを冷やすというシンプルな役割ですが、故障が原因でオーバーヒートして走行できなくなってしまうことも。

車にとっては非常に重要な装置であり、オーバーヒートでエンジンを新しく交換することになれば交換するコストも高額になるので日常のメンテナンスが大切です。

大事な愛車を快適に長い期間乗るためにもラジエーターの清掃、冷却水の場所や点検方法など一度見直してみることをお勧めします。

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