2022年3月4日
廃車手続きには種類がある?自分で実施する場合の手順・注意点
車の廃車を検討する際に、専門業車などに手続きを依頼することが一般的です。
手続きを代行する費用として数万円が請求されることも珍しくなく、廃車手続きは自分で行おうと考える人も多いはず。しかしながら、廃車手続きの方法や手順についてを詳しく理解している方は少ないのではないでしょうか。
そこで本記事では自分で廃車手続きをするために知っておきたい知識について、廃車手続きの際に準備すべきものや手順について解説していきます。
目次
1 廃車手続きとは
廃車手続きには大きく「一時抹消登録」と「永久抹消登録」の2種類があります。ここではそれぞれの概要について説明していきます。
1-1 一時抹消登録
一時抹消登録は、車の使用を一時的に止める廃車手続きのことを指します。引っ越しや転勤など、車に一定の期間乗らない場合に取る手続きです。
一時抹消登録の特徴は、手続きを行えば再度車に乗れるようになる点です。保険料や税金は乗らない期間にも発生するので、少しでも節約したい方は一時抹消登録がおすすめ。ちなみに一時抹消登録は、保険料や税金の還付を受けられます。しかし、重量税の還付は受けられないので注意しましょう。
また抹消期間に期限は設けられていないので、車を再度使い始めるタイミングで運輸支局に問い合わせて手続きをしましょう。
1-2 永久抹消登録
対象となる車に二度と乗らない場合に、実施する手続きのことを永久抹消登録といいます。主に解体済みの車や走行できない車を対象に実施されます。何らかの事情で運転自体しなくなる場合も対象です。
一時抹消登録とは異なり再手続きができないので、永久抹消登録を実施する際はよく検討する必要があります。
永久抹消登録も一時抹消登録と同様に、保険料や税金が還付されます。一時抹消登録では還付されない重量税が還付されるのも特徴です。
2 自分で行う一時抹消登録に必要な書類と手順
一時抹消登録には、以下の書類が必要です。
- 車検証
- 発行から3ヶ月以内の印鑑証明書
- 実印が押印された委任状
- 前後のナンバープレート
- 一時抹消登録申請書
- 手数料納付書
- 自動車税申告書
普通自動車の一時抹消登録を実施する手順は以下の通りです。
- 手数料納付書に収入印紙(350円分)を貼る
- ナンバープレートを窓口に返却する
- 車検証・印鑑証明書・一時抹消登録申請書を窓口に提出する
- 税申告の窓口に自動車税申告書を提出する
普通自動車の一時抹消登録は、取り外したナンバープレートと上記の必要書類を運輸支局へ返却するだけで完結します。
なお軽自動車の場合も、同様の手順で一時抹消登録を申請できます。ただし普通自動車が「運輸支局」に依頼するのに対し、軽自動車は「軽自動車検査協会」に依頼しなければならないので注意してください。
理由としては、普通自動車と軽自動車とでは法律上の位置付けが異なることが挙げられます。軽自動車は軽自動車検査協会に届出を提出してナンバーが交付されるので、一時抹消登録も軽自動車検査協会で行う必要があります。なお軽自動車の場合は、一時抹消登録を「自動車検査証返納」と呼称されることもあるので、覚えておきましょう。
3 自分で行う永久抹消登録に必要な書類と手順
永久抹消登録を自分で実施する場合は、以下の書類を用意してください。
- 解体通知書
- 車検証
- 発行から3ヶ月以内の印鑑証明書
- 実印が押印された委任状
- 前後のナンバープレート
- 永久抹消登録申請書
- 手数料納付書
- 自動車税申告書
- 解体報告記録された日・移動報告番号が記載されたメモ
普通自動車を永久抹消登録する場合は、以下の手順で実施しましょう。
- 解体業者へ依頼して車を解体する
- 解体時に受け取れる「解体通知書」と「ナンバープレート」を運輸支局に提出する
- 押印された手数料納付書と合わせて必要書類を提出する
- 税申告の窓口に自動車税申告書を提出する
上記は「普通自動車」を永久抹消登録する場合の手順です。軽自動車の場合は一時抹消登録と同様に、運輸支局ではなく「軽自動車検査協会」に依頼しましょう。ちなみに軽自動車の場合は、永久登録抹消にあたる手続きとして「解体返納」が実施されます。
4 自分で行う解体届出に必要な書類と手順
廃車を自分で実施する場合は、解体届出も自分で行わなければなりません。解体届出に必要な書類は、以下の通りです。
- 実印が押印された委任状
- 手数料納付書
- 一時抹消登録証明書(もしくは登録識別情報等通知書)
- 永久抹消登録申請書(もしくは解体届出書)
- 解体報告記録された日・移動報告番号が記載されたメモ
また解体届出は、以下の流れで実施されます。
- 上記で紹介した必要書類を準備する
- 書類や用紙が足りていない場合は運輸支局で入手する
- 窓口に必要書類を提出する
手順としてはこれだけですが、一時抹消登録・永久抹消登録と同様、軽自動車の場合は「軽自動車検査協会」に依頼しなければならないことを覚えておきましょう。
5 自分で廃車手続きを実施する際の注意点
廃車手続きを業者に依頼する場合は費用がかかるので、自分で手続きをしたいと考える方も多いでしょう。しかし自分で廃車手続きを実施すると、書類の用意や手続きなどで時間を取られるリスクがあります。抹消登録を漏れずに実施しておかないと、税金の還付が受けられないのも注意点です。
また廃車手続きにはナンバープレートの提出が必要ですが、取り外しは業者に依頼しなければなりません。自分で外すと法律違反の対象となり、50万円以下の罰金が科せられるので注意してください。
レッカー代や解体費用も自己負担となることも覚えておきましょう。運輸支局などに手数料を支払う必要もあるため、場合によっては業者に依頼する方がかえって費用と時間を節約できるかもしれません。
まとめ
今回は、自分で廃車手続きを行う際のポイントについて紹介しました。これには一時抹消登録と永久抹消登録の2種類があり、それぞれ用意する書類や実施の手順が異なります。また、普通自動車と軽自動車とでは手続きを実施する場所が異なるので、注意しましょう。
自分での廃車手続きは、主に節約などを理由にして実施されます。ただし、場合によってはかえって高い費用と長い時間を要するため、業者に依頼するのもおすすめ。
自分で実施する廃車手続きについて知りたいという方にとって、本記事が少しでも参考になれば幸いです。