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「エンジンの心臓」スパークプラグの種類、交換方法など

「エンジンの心臓」スパークプラグの種類、交換方法など

スパークプラグはガソリンを燃焼させるために着火の役割を果たす重要なパーツ。

そのためガソリン車には必ず付いている部品です。このスパークプラグが劣化すると加速や燃費にも大きな影響が出てしまったり、エンジンがかかりにくくなってしまうこともしばしば。

エンジンは「クルマの心臓」に例えられますが、スパークプラグは「エンジンの心臓」ともいえる重要な役割を担っています。

今回はそんなスパークプラグに関しての基礎知識をご紹介していきます。

1 スパークプラグの役割としくみ

車のエンジンが動くために必要な「点火」の役割を持つのがスパークプラグ。ガソリンを着火させるライターの役目を担っているパーツで、点火プラグとも呼ばれます。

そのため劣化すると最悪エンジンがかからなくなってしまいます。

車のエンジンは、ガソリンと空気を混ぜた「混合気」が爆発することで作動しますが、混合気はそれ自体で発火することができません。そこでスパークプラグが火花を飛ばしガソリンと混合気を発火させエンジンを動かすというわけです。

このプラグの性能の良し悪しがエンジン全体の性能を左右するということにもつながります。スパークプラグのコンディションが健康な状態を保てているかは非常に重要です。

2 スパークプラグは3種類に分けられる

スパークプラグは電極に使用されている素材ごとに大きく分けることができ、およそ3種類に分類できます。それぞれの特徴を解説していきましょう。

2-1 安価で購入できる一般プラグ(レジスタープラグ)

最も安価なものが「一般プラグ」や「レジスタープラグ」と呼ばれるスパークプラグ。

このプラグは電極にニッケル合金を使用しているのが特徴です。価格が安い代わりにほかのプラグよりも耐久性や着火性能も低いのがデメリット。

2-2 耐久性に優れる白金プラグ

「白金プラグ」はその名のとおり電極にプラチナを使ったスパークプラグ。

白金は融点が1,769度と高く、酸に対する高い耐食性を有しています。そのため一般プラグに比べて耐久性が高い傾向に。また、着火性能が高いのも魅力です。3種類の中でも中間的な価格帯です。

2-3 スパーク性能が高いイリジウムプラグ

融点が2,466度のイリジウムを使った「イリジウムプラグ」はさらに耐久性、着火性能が高いのが特徴です。

ただし、イリジウム自体は非常に硬く、加工が難しいため、白金にイリジウムを混ぜる形で利用されています。価格は3種類のなかで最も高価格帯と言えるでしょう。

3 スパークプラグの寿命、交換時期に関して

スパークプラグは車のエンジン内で点火の作業を1分間に何千回も行っています。ということは非常に負荷がかかっているということ。

当然ながらスパークプラグは消耗品なので、劣化すると火花の飛び方が弱くなり、ガソリンと混合気を安定して燃焼することができなくなります。結果として各方面に支障が出てくるので新しいスパークプラグに交換する必要があります。

3-1 一般的なスパークプラグは2万kmが目安

一般プラグの場合は2万km程度が交換の目安と考えてください。車の寿命は走行距離で10万km程度なので廃車までに5回程度は交換する計算です。

3-2 白金/イリジウムプラグは10万kmが目安

長寿命が特徴の白金プラグやイリジウムプラグは10万kmが交換の目安です。車の走行距離による寿命とほぼ同様であるため、車を手放すまでに交換を経験しないという可能性もあります。

ただし、白金プラグやイリジウムプラグには短寿命のものも存在しています。

電極のなかでも中心電極と呼ばれる部分にのみ白金やイリジウムを使ったプラグの場合、一般プラグと同じ2万km程度で交換が必要になってきます。

3-3 軽自動車は普通車よりも短寿命

普通車に比べて軽自動車はスパークプラグの寿命が短いという点には要注意。

軽自動車には一般的に常用回転数が高いエンジンが使われていることがこの理由です。

エンジンの回転数はスパークプラグが動作する回数と比例することは前述したとおり。そのためエンジンの回転数が高い傾向にある軽自動車ほどスパークプラグの劣化は早いと言えるでしょう。

4 スパークプラグが劣化したときに発生する症状

スパークプラグが劣化すると、車に大きな影響が発生します。下記に紹介するような症状が確認できたらスパークプラグの交換時期かもしれません。ぜひ参考にしてみてください。

4-1 燃費、CO2排出量の悪化

スパークプラグが劣化すると、ガソリンと空気の混合気の着火が正しく実行できなくなります。結果として、燃費の悪化につながります。

また、きちんと燃料が燃焼しないことからCO2の排出量も悪化してしまいます。

4-2 加速性の悪化、エンジン停止

スパークプラグの劣化がさらに進むと、車の加速性能にも悪影響が。

アイドリングが安定しない、エンジン寿命が短くなるなどの影響もあり、放置しておくとエンジンが掛からなくなってしまうことも。

疑わしい症状が出たら必ず整備工場などで原因を調べてもらい、スパークプラグを交換するようにしてください。

5 スパークプラグを交換するための手順

車のエンジンの動作が悪くなったり、加速しにくくなるなど、上述のような症状が確認できたらスパークプラグの交換時期かもしれません。ここではスパークプラグの交換方法について解説していきましょう。

5-1 まずは使用中の車のスパークプラグを確認する

スパークプラグには一般的な交換時期がありますが、あくまで目安です。

交換時期の見極めは実際にスパークプラグを目視で確認する必要があります。

燃費や加速、エンジンのかかり具合が悪くなるなどエンジンの不調を感じたら、スパークプラグの状態を確認します。電極が消耗していたりオイルやカーボンが付着していたりなど劣化しているようならすぐに取り換えましょう。

できれば車検時にスパークプラグの状態を確認、点検してもらうのがおすすめです。スパークプラグはエンジンの中にあり、比較的簡単に取り出すことができる車種もあります。

5-2 プラグレンチなどの工具を用意

スパークプラグを自分で取り換える場合はプラグレンチを用意してください。

プラグレンチはホームセンターなどで簡単に購入することができますが、サイズに注意しましょう。スパークプラグには16ミリと22ミリのものがあるため、自分の車のスパークプラグがどちらのサイズかを調べてから購入する必要があります。

スパークプラグの適合表はプラグメーカーであるデンソー社やNGK社のウェブサイトに掲載されているため、そこで自分の車のスパークプラグのサイズを調べて購入するようにしましょう。

他にもマイナスドライバーやラチェットレンチを準備しておくと安心です。

5-3 スパークプラグを取り外す

まずはエンジンのカバーを外してください。

ここからの手順を大まかに記載すると下記のようになります。

  • マイナスドライバーを使って留め具を外し、引き上げる
  • イグニッションコイル部分の埃や油を取り除く
  • きれいになったらイグニッションコイルをラチェットレンチを使用して取り外す
  • 奥に見えるスパークプラグの中にプラグレンチを垂直に入れ、しっかりとはめ込む
  • ラチェットレンチをプラグレンチに接続して回し、スパークプラグをゆるめる
  • ボルトを取り外す要領でゆっくりと取り外す

5-4 スパークプラグを取り付ける

最後に新しいスパークプラグをプラグレンチにセットして、コイルの穴に入れます。そしてプラグレンチでしっかりと締め付けてください。

その後イグニッションコイルを元に戻せば完了です。スパークプラグの交換が一つ終了したら、必ず他のスパークプラグも交換しましょう。

スパークプラグの交換方法に自信がない場合は必ずプロに依頼を

スパークプラグは車にとって非常に大切な部品。そのため交換はプロにお願いすることもおすすめです。

スパークプラグにたどり着くまでに様々な部品を取り外す必要のある車も多いのが実情です。何よりもスパークプラグは取り付けが不十分だとエンジンに多くの不具合が生じてくるので、自分で取り付けすることに不安のある方は迷わず整備工場などプロにお願いしてください。

スパークプラグが劣化すると燃費や加速などエンジンに様々な支障が発生し、安定した走行をすることができなくなってしまいます。

最悪の場合エンジンがかからなくなったり、事故に巻き込まれたりする危険性も考えられます。必ず定期的に確認をし、劣化しているときは迷わず交換してくださいね。

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