2023年10月13日
自宅でタイヤ保管をする際の注意点や対策方法
車の基本性能を支える重要なパーツはいくつかありますが、タイヤもその内の一つ。
季節が変わるタイミングでタイヤ交換をする際に、頭を悩ませるのがタイヤの保管方法ではないでしょうか。
タイヤはゴム製でデリケートなため、誤った保管方法をしてしまうと劣化の原因に繋がります。
そこで今回はタイヤの正しい保管方法などについて解説します。
目次
1 タイヤを保管する際の事前準備
タイヤを保管する際に、無造作に保管してしまうと劣化の原因に繋がってしまいます。
リスクを回避するためにも事前準備が大切なポイント。
ここでは保管前に事前にやっておくべきポイントを紹介します。
1-1 水洗いで汚れを落とす
タイヤを保管する際は、事前にタイヤに付着した汚れを落としておくことがポイント。
車は走行時に砂や泥、油分、または化学物質を含んだ汚れなどがタイヤに付着します。
また冬であれば凍結防止に道にまかれた融雪剤がタイヤに付着することもあり、そのままの状態で保管をしてしまうとタイヤの劣化を進めてしまうことに。
タイヤに付着した汚れを落とす際は、水洗いが基本です。
その際にタイヤ用のブラシもしくはスポンジ、水をかけるホースまたは高圧洗浄機、水分を拭き取るためのタオルを準備しましょう。
汚れがひどい場合は洗剤を使用しますが、すすぎ残しがあるとタイヤを傷めてしまう原因になることを覚えておきましょう。
水洗いを行なった後は、濡れたまま保管することはNGです。しっかりとタイヤを乾かしてから保管をしましょう。
タイヤを保管する際に、ホイールを付けたままのケースもあります。その際も汚れが付着したまま保管してしまうと、ホイールに錆が発生する可能性もあるため、保管前にしっかりと汚れを落としておくことが大切です。
またタイヤを保管する際に、ワックスを使用するのは避けましょう。ワックスに含まれる化学物質がタイヤに浸透し、劣化やヒビ割れの原因に繋がります。
ワックスを使用するのであれば保管前ではなく、日頃のメンテナンス時に使用することをおすすめします。
1-2 空気圧の減圧
タイヤを長期保管する場合、タイヤの空気圧を調整する必要があります。
保管する際は、規定の空気圧の半分程度まで減圧しておくことがポイント。
タイヤの空気を抜かずに保管してしまうと、タイヤの内圧によるゴムへの負担に繋がり、ひび割れやタイヤの変形が起きかねません。
空気圧の調整はエアゲージで行いましょう。エアーゲージはカー用品店などで購入できますし、ガソリンスタンドや洗車場にも備えつけられています。
最適な空気圧は自動車メーカーによって車種ごとに設定されており、「車両指定空気圧」と呼んでいます。
一般的に運転席ドアの開口部にシールが貼られており、以下のような情報が記載されているのでチェックをしましょう。
例:タイヤサイズ195/65R15 91S
前・後輪 230{2.3}
この場合、230が空気圧の適正値になるので、保管をする際は空気圧を115程度まで減圧することが理想です。タイヤの種類やサイズが同じ場合でも、空気圧の適正値は異なるので注意しましょう。
2 保管場所
タイヤを長期保管する際に重要になるのが保管場所。
タイヤは一見頑丈に見えますが、実はとてもデリケートなものです。保管する際に、ちょっとした配慮を心掛けるとタイヤを長持ちすることができます。
ここでは屋内、屋外の保管方法について、それぞれの注意点やポイントなどをお伝えします。
2-1 屋内保管
タイヤはゴム製品で、直射日光や雨などの水分、または油分に弱い性質を持っています。
そのためタイヤを保管する際は、風通しが良く、直射日光や雨風を凌げる屋内保管が効果的です。
ただし、ジメジメとした湿気が多い所での保管は避けましょう。タイヤに使用されているスチール素材が錆びてしまう原因になります。
物置などに密閉された屋内に保管するのであれば、定期的に空気を入れ替えることをおすすめします。
またタイヤを直接地面に置いたりすることも避けた方がいいです。段ボールの上に置いたり、すのこの上に置いたりするなど風通しをよくして保管することがポイント。
2-2 屋外保管
前述した通り、タイヤを保管する場合は屋外保管は不向きです。
ただ、どうしても保管する場所が無い場合は、ベランダなどの屋外保管となりますが、注意すべきポイントがあります。
ベランダで保管をする際、まずはサイズを確認しましょう。場合によってはタイヤサイズが大きく、ベランダでは保管することができないことも考えられます。
またエアコン室外機の付近では保管をできるだけ避けましょう。これはエアコン室外機から排出される“オゾン”が関係しており、タイヤにひび割れが生じてしまう可能性があるためです。
ベランダでの保管は直射日光に晒される可能性も高くなるので、遮光性の高いタイヤカバーなどを使用してタイヤを保護することがポイント。
タイヤラックの活用や、すのこをタイヤの下に敷くなどの対応も効果的です。
3 タイヤ保管をする際の効果的な置き方
タイヤを保管する際に、置き方にも注意する必要があります。
横置きもしくは縦置きの2通りがありますが、タイヤを保管する際はホイールが付いているか否かで異なります。そのためタイヤの状況に応じて保管方法を決定しましょう。
ここでは縦置き。横置きのポイントなどについて説明します。
3-1 タイヤ単体での保管であれば縦置き
ホイールが付いていないタイヤ単体の場合は、縦置きで保管をしましょう。
タイヤ単体を横置きで保管してしまうと、側面部分に過度の負荷がかかってしまうためです。縦置き保管にすることで、タイヤにかかる負荷を軽減し劣化を防ぐことができます。
ただ、半年程度の保管であれば横置きでも問題はないので、状況に応じて選択しましょう。
3-2 ホイール付きのタイヤ保管であれば横置き
ホイール付きのタイヤの場合は横置きが理想的です。
縦置きにして保管をするとホイールの重さがタイヤの地面との接地部分にかかり、接地部分のタイヤが変形することがあるためです。
また横置きにする場合は、空気圧を適正値の半分程度に減圧し保管をしましょう。これにより保管時のタイヤへの負担を軽減することができます。
3-3 定期的なローテーションも効果的
前述した縦置き、横置きどちらも、保管時のタイヤへの負担が考えられます。
半年を超える長期保管をする場合は、タイヤの位置や順番を入れ替えましょう。
特に横置きの場合、一番下に置くタイヤには大きな負担がかかってしまいます。そのため定期的に上下を入れ替えるとタイヤへの負担が軽減します。
またタイヤの下にダンボールや、すのこなどを敷いておくと、接着面のゴムの変質や床面の変色などのトラブルも防ぐことができるので併せて実施をしましょう。
4 タイヤを保管する際の便利グッズ
タイヤを保管する際に活躍する便利グッズを紹介します。
タイヤへの負担も軽減することができ、管理もしやすくなることがメリット。
ここでは「タイヤラック」「タイヤカバー」「タイヤ盗難防止ワイヤー」のアイテムを紹介します。
4-1 タイヤラック
タイヤを保管する際にタイヤラックがあると重宝します。
限られたスペースでも安定した状態でタイヤを保管することが可能です。
提供されている種類はさまざまで、横置き・縦置きどちらのタイプもあり、収納本数が4本もしくは8本で選ぶことができます。
前述したようにホイール付きタイヤであれば横置きタイプを。タイヤ単体であれば縦置きタイプのラックがいいでしょう。
購入時の注意点としては、タイヤのサイズを確認しタイヤラックに収まるかどうかをチェックしておくことが大切です。
またタイヤラックの耐荷重も併せて確認しておきましょう。特にホイール付きのタイヤになると重くなるので、余裕を持ったタイヤラックを選ぶ必要があります。
車一台分のタイヤを保管する際は4本タイプで事足りますが、2台以上所有している場合などは収納本数にも注意が必要です。
大きさや仕様によって異なりますが、値段は5,000~10,000円程度が一般的です。あくまでも目安なので、実際にカー用品店などで確認し検討しましょう。
4-2 タイヤカバー
タイヤを保管する際に便利なのがタイヤカバー。
タイヤの天敵でもある直射日光や雨風、ホコリなどから守ってくれることがメリット。
ただタイヤは湿気にも弱いので、タイヤカバーを定期的に外して湿気対策を行う必要があります。
カー用品店やネット通販で購入ができ、1,000~4,000円が相場です。
製品によっては洗える素材を使用していたり、撥水素材を使用しているなどさまざまなタイプがあるので、状況に応じて選択をしましょう。
4-3 タイヤ盗難防止ワイヤー
タイヤ保管をする際に気をつけたいのは盗難対策。
屋内での保管であれば、気にする必要は少ないかもしれませんが、屋外での保管では準備しておくといいでしょう。
タイヤ4本を結束し施錠ができるタイプや、無理に動かそうとするとセキュリティアラームが鳴るタイプなどさまざまです。
5 自宅で保管ができないケース
タイヤを自宅で保管する際に、保管場所が重要になることをお伝えしました。
しかしながら、スペースの関係で自宅でタイヤを保管できないケースも少なくありません。そのような場合、タイヤ保管サービスやオールシーズン用のタイヤへの変更などを検討しましょう。
ここでは、それぞれのメリットなどをお伝えします。
5-1 タイヤ保管サービス
自宅でタイヤの保管が難しい場合は、タイヤ保管サービスがおすすめ。ディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなどで受けられるサービスです。
依頼するにあたって費用はかかってしまうものの、タイヤの管理や盗難対策にも繋がることがメリット。自宅で保管する場合に必要な、定期的なローテーションなどの手間を省けることも嬉しいポイント。
またタイヤを交換した際に、タイヤの溝の確認やホイール点検なども併せて行なってくれるため、タイヤに不備があっても安心です。
保管費用は場所によってさまざま。タイヤ保管サービスを検討する際は、あらかじめ確認しておくといいでしょう。
5-2 オールシーズンタイヤへの変更を検討
お住まいの地域によっては、タイヤをオールシーズン用への変更を検討してみてもいいでしょう。
オールシーズンタイヤは夏用と冬用の性能を両立させた全天候型のものです。晴れた日の乾いた路面から、雨のシーンやちょっとした雪が積もった路面でも安心して運転ができます。
しかしながら夏用や冬用に比べ性能は低下することを忘れてはいけません。積雪の多い地域や路面凍結の起きやすい地域では不向きなタイヤです。
タイヤの保管場所に悩むこともなくなりますし、季節に応じてタイヤを交換する手間も省くことができます。
6 タイヤ交換時のチェック
タイヤを交換する際は、タイヤのコンディションをチェックしておきましょう。特にタイヤの溝の深さや、傷やひび割れがないかを確認しておくことが大切です。
ここでは、タイヤのコンディションをチェックする際のポイントについてお伝えします。
6-1 タイヤの溝の深さ
タイヤの交換時期を判断する際に目安となるのがスリップサイン。これはタイヤの溝が1.6mm以下になるとスリップサインが出てくるため目視で確認することができます。
スリップサインはタイヤの溝の底部にある盛り上がった部分を指します。トレッド全周の4〜9箇所に設置されています。
1箇所でもスリップサインが見えたら即座にタイヤを交換しましょう。この場合、車検に通すこともできなくなります。またタイヤの溝が1.6mm以下で走行していると道路交通違反になるので注意が必要です。
溝の深さが浅いタイヤは、雨天時などにスリップやハイドロプレーニング現象を誘発しやすくなります。そのためタイヤの確認時に溝が少なくなっていれば、新しいタイヤへの交換を検討しましょう。
6-2 傷やひび割れなどがないかをチェック
タイヤ交換時に確認しておくべきなのが、傷や亀裂またはひび割れがないかをチェックすることも大切なポイント。
タイヤは路面に接する部分なので、気づかない間にダメージを受けてしまいます。特に傷や亀裂、ひび割れは最悪の場合、タイヤのバーストに繋がりかねません。
タイヤの状態を確認した際に、異常が見られれば早めの対応を心掛けましょう。
タイヤを長持ちさせるには適切な保管方法で
タイヤはゴム製品なので、直射日光や雨風、湿気などのダメージに弱い性質があります。
そのためタイヤを自宅で保管する際は、事前準備や場所、置き方などに注意しなければいけません。また自宅での保管が難しい場合は、タイヤ保管サービスなどを検討するのもいいでしょう。
タイヤを保管する際は当記事を参考にしていただけると幸いです。
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