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ツインカムエンジンとは?シングルカムとの違いや搭載車について紹介

ツインカムエンジンとは?シングルカムとの違いや搭載車について紹介

ツインカムエンジンが1990年代に普及され、その性能の良さから高性能車であることのポイントとしてアピールされました。

排気量が少ないにもかかわらず高回転を実現できるということで、軽自動車にも導入されたことがポイント。これによりツインカムエンジンは多くの方に認知され市民権を得ました。

しかしながらツインカムエンジンの構造や、メリットやデメリットなどまでは知らないなんて方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ツインカムエンジンの仕組みや、構造からメリットやデメリットまたツインカムエンジンを搭載した人気モデルについても紹介していきます。

1 ツインカムエンジンとは

1-1 ツインカムエンジンの主な特徴

ツインカムエンジンは、エンジンのシリンダーの上部にある排気バルブと吸気バルブを動かす「カムシャフト」が、2つ備わっているエンジンのこと。

バルブそれぞれがシャフトを持っていることが、ツインカムと呼ばれる理由です。別名「ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト」とも呼ばれていますが、分かりやすさなどを配慮してツインカムエンジンと呼ばれることが一般的。

カムシャフトが1つの場合はシングルカムエンジンと呼ばれており、その違いについては後述していきます。

ツインカムエンジンは、エンジン作動時に発生するカムシャフトとバルブのタイムラグを軽減できることがポイント。排気バルブ・吸気バルブがそれぞれシャフトを所持しているため、このような効果が期待できます。

ツインカムエンジンは、吸気バルブの数を増やすことで吸気効率を向上させた画期的なエンジン構造です。

1-2 動弁系について

動弁系とは、排気バルブや吸気バルブを作動させる仕組みのことです。エンジンに備わっている動弁系の軽量化により、高回転時におけるバルブの開閉が追従可能になります。

動弁系にはいくつか種類がありますが、現在の主流は「オーバーヘッドバルブ」と呼ばれるものがほとんど。

オーバーヘッドバルブは2つに分類され、エンジン全高を抑える効果や耐久性の高さが期待できる「OHV式(オーバーヘッドバルブ式)」が一つ。またOHV式よりも高回転な追従が可能な「OHC式(オーバーヘッドカム式)」の2種類です。

2 ツインカムエンジンのメリットやデメリット

ツインカムエンジン最大の特徴である排気バルブ・吸気バルブに独立したシャフトにより、大量の排気と吸気が可能になることがメリット。

さらに回転時の開閉がより正確になることで、最大出力の向上も期待できます。またツインカムエンジンには、排気バルブと吸気バルブの「バルブ挟み角」や、燃焼室形状の設計自由度が高いこともメリットの一つ。

その反面でツインカムエンジンは、エンジン内部の部品が多くなることにより、エンジンそのものが重くなってしまうことがネック。

重量が上がることで、燃費が悪くなってしまうことも把握しておかなければなりません。また、単純な部品数が多いことにより、製作コストが高額になってしまうこともデメリットとして挙げられます。

3 シングルカムエンジンとの違い

ツインカムエンジンとシングルカムエンジンの最も大きな違いは、前述した通り排気バルブ・吸気バルブそれぞれを動かすカムシャフトの数。

シングルカムエンジンの場合は、シリンダーヘッドを真上に設置し、左右にある排気・吸気それぞれのバルブをロッカーアームを活用して1本のカムシャフトで動かします。

対してツインカムエンジンは、2つのバルブごとに1本ずつカムシャフトが設置されています。これにより、排気バルブ・吸気バルブそれぞれの直接的な作動が可能です。

一概にどちらがより優れているとは断言できませんが、現代では整備のしやすさや部品の少なさによるコストカットの観点から、シングルカムエンジンが採用されていることが主流です。

一方で、点火タイミングの自由度や、高回転のエンジンを実現する目的がある場合であれば、ツインカムエンジンを選択することが近道になるでしょう。

4 ツインカムエンジンを搭載した車種3選

4-1 日本初の“フルチョイスシステム”を採用した「初代セリカ1600GT」

セリカ1600GTは「未来の国からやってきたセリカ」をコンセプトに、1970年にリリース。

4種類の外装・9種類の内装・3種類のトランスミッション・4種類のエンジンからなる、日本初の「フルチョイスシステム」を採用していることがポイント。

ふくよかな形状のボディから“ダルマ”の愛称で親しまれ、現在に至るまで愛され続けているモデル。

アメ車を彷彿とさせるデザインから、当時の若い世代から高い支持を得た一台です。ヤマハ製の2T-G型DOHCエンジンを搭載されている最上級モデルが人気を集めていました。

4-2 軽量構造にこだわった「スポーツ800」

スポーツ800は1965年にトヨタから発売された小型のスポーツカー。

800ccのエンジンが搭載されたスポーツクーペだったことが車名の由来です。コンパクトなサイズ感や空気抵抗の少なさ、軽量構造といったことが特徴。非力ではありながら優れた性能を実現していることでも知られている一台です。

エンジンには「空冷2気筒水平対向式ツインキャブ」を採用。これは最高出力45馬力と、決してパワフルとは言えませんが、優れた空気抵抗を実現したボディの効果により、最高速度155km/hを記録しました。

また、タルガトップと呼ばれる前席のオープンパネル脱着機能を導入しながら、横転の被害を軽減する車体剛性にも優れていることが特徴です。

4-3 当時の最高峰エンジンを搭載した「初代NSX」

初代NSXは、ホンダから1990年から2005年にかけて販売されたモデル。

エンジンは国産車におけるトップクラスの走行性能を誇る「3LV型6気筒DOHCミッドシップエンジン」を搭載。このエンジンの最高馬力はなんと280馬力で、これは発売当時のポルシェ911を上回る性能です。

その後2016年にフルモデルチェンジを実施し、ハイブリット化して登場。3LV型6気筒DOHCミッドシップエンジンにモーター出力が掛け合わされ、合計581馬力ものパワーを生み出したことで話題を集めた一台です。

まとめ

今回は、ツインカムエンジンの特徴について、メリットやデメリットといった観点で解説しました。

最近はシングルカムエンジンを搭載していることが主流ですが、ツインカムエンジンならではの魅力を感じる方も多いのではないでしょうか。

一概にどちらのエンジン設計が優れているとは断言ができませんが、車を購入する際は一つの判断材料として覚えておくのもいいかもしれません。

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