
2023年11月24日
ウォッシャー液の基礎知識とトラブル対処法
車の窓にこびりついた汚れを落とす役割がある、ウォッシャー液。撥水作用が含まれていることから、雨の運転時でも視界を良好にするために役立ちます。
普段何気なく使用しているウォッシャー液ですが、なくなったときにどうすべきか、または交換方法について知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は、ウォッシャー液の主な役割や種類を深掘りしつつ、選び方や交換方法について解説します。
また、ウォッシャー液が出なくなった場合にチェックすべきポイントも紹介しているので、愛車のウォッシャー液を交換するうえでお役立てください。
目次
1 ウォッシャー液とは
ウォッシャー液は、車のフロントガラスやリアガラスの汚れを落とす液体を指します。
車種や使用頻度によって異なるものの、半年に1回ほど交換・補充するのが一般的。ワイパーやエンジンオイルの交換時、もしくは定期点検時にあわせて交換することも。
また寒冷地の場合はウォッシャー液が凍結しないよう、外気温にあわせて寒冷地用のウォッシャー液に交換することもあります。
ここでは、ウォッシャー液の基本的な役割や種類についてお伝えします。
1-1 ウォッシャー液の役割
ウォッシャー液には、フロントガラスやリアガラスに付着した汚れを落とす役割があります。ガラス面にウォッシャー液を噴出し、ワイパーを動かすことでガラス面に付着した汚れを落とせます。
また、ガラス面を傷つけず汚れを落とすのも、ウォッシャー液の役割です。仮にウォッシャー液を使用せずワイパーを動かしてしまうと、窓に付着した小さな砂や石がガラス面を傷つけてしまいます。
ウォッシャー液を噴出することで、ワイパーとガラス面の摩擦を軽減できるため、傷を防止できます。
1-2 ウォッシャー液の種類
ウォッシャー液には、以下の種類があります。重視したい性能から、愛車に補充するウォッシャー液を選択しましょう。
種類 | 特徴 |
標準タイプ |
|
撥水タイプ |
|
油膜除去タイプ |
|
2 ウォッシャー液を選ぶ際の基準
ここでは、ウォッシャー液を選ぶ際の基準になる、以下4つの効果について解説します。
- 撥水効果
- 凍結防止効果
- 害虫除去効果
- 油膜除去効果
2-1 撥水効果
撥水効果のあるウォッシャー液を使用することで、ガラス面の雨水を弾くことができます。
クリアな視界をキープし、安全に運転できるようになるため、頻繁に車に乗る方は撥水効果のあるウォッシャー液がおすすめです。
ガラス面に撥水加工を施す方法もありますが、ウォッシャー液であればより安価で撥水効果が発揮されるでしょう。
2-2 凍結防止効果
寒冷地に在住の場合は、凍結防止効果のあるウォッシャー液を選択しましょう。
標準タイプのウォッシャー液は、外気温が下がると凍結してしまう恐れがあります。ウォッシャー液には「凍結温度」が記載されているため、気温の傾向と照らし合わせたうえで最適なものを選んでください。
また、ウィンタースポーツなどで一時的に寒冷地へ向かう場合も、凍結防止効果のあるウォッシャー液に交換すると安心です。
2-3 害虫除去効果
山道や夜間の走行が多い方や、キャンプなどのレジャーで車を使用する際は、害虫除去効果のあるウォッシャー液がおすすめです。
夏場の夜間などは、ライト付近に虫が集まりやすく、フロントガラスにこびりついてしまうことがあります。虫の死骸は標準タイプのウォッシャー液では落としにくいため、害虫除去効果の含まれたウォッシャー液を使用しましょう。
2-4 油膜除去効果
油膜除去効果の含まれたウォッシャー液は、交通量の多い道を走行することの多い方におすすめです。
都市部などは排気ガスやアスファルトが油分となり、ガラス面に付着してしまいます。ガラス面に付着した油分は雨の日にライトが当たると乱反射するため、視界が悪くなり思わぬトラブルにつながることも。
油分は通常のウォッシャー液では落とせないため、ガラス面に汚れが付着していることが多いと感じる方は油膜除去効果のあるものを選択しましょう。
3 ウォッシャー液を交換する方法
ウォッシャー液を新しいタイプに交換する際は、ウォッシャータンクの蓋を開けて、以下の方法で古いウォッシャー液を排出する必要があります。
- ホースを用意する(地面に届くほどの長さ)
- ウォッシャータンクに水を入れて満タンにする
- 水抜きができるようホースの先端をタンクの奥に入れる
- ホースの反対側から水を流し入れる
- タンクより低い位置にホースを移動させる
- 水がある程度抜けたタイミングで運転席のウォッシャーボタンを押す
- 古くなったウォッシャー液が抜けたら新しいウォッシャー液を入れる
- 補充したウォッシャー液が問題なく噴出されるかチェックする
上記の手順を行うことで、ウォッシャータンクにある古いウォッシャー液を排出できます。既存のウォッシャー液と同じ種類のものを入れる際は、古いウォッシャー液を排出する1〜6の作業は不要です。
4 ウォッシャー液に関する注意点
ここでは、ウォッシャー液に関する以下2つの注意点について解説します。
- 水での代用はできない
- 異なる種類のウォッシャー液を混ぜない
4-1 水での代用はできない
外出先などで補充用のウォッシャー液を入手できない場合以外は、水で代用するのは避けましょう。
ウォッシャータンクに水を入れてしまうと、水に含まれるカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分がガラスに付着し、跡になってしまいます。
特にミネラルウォーターは、殺菌成分である「カルキ」が含まれておらず、保存が効かないためNGです。また、殺菌成分のないミネラルウォーターは、ウォッシャータンク内にカビや雑菌を繁殖させてしまいます。
そのため、ウォッシャー液は水で代用せず、外出先で補充が必要になってもいいよう予備のウォッシャー液を用意しておきましょう。
4-2 異なる種類のウォッシャー液を混ぜない
ウォッシャー液には、前述したように撥水効果のあるものや凍結防止効果のあるものなど、さまざまな種類があります。
異なる種類のウォッシャー液を混ぜてしまうと、それぞれの効果を打ち消しあってしまうことがあるため、混ぜることは避けてください。
さらに、異なるウォッシャー液が混ざり合うことで化学反応を起こし、ノズルが詰まってしまう可能性もあるので注意が必要です。
5 ウォッシャー液が出ないときにチェックすべきポイント
運転時にウォッシャー液が出なくなる現象には、さまざまな原因があります。ここでは、ウォッシャー液が出なくなった際にチェックしたい以下4つのポイントについて解説します。
- ウォッシャー液が切れていないか
- ホースが外れていないか
- ノズルが詰まっていないか
- ウォッシャー液が凍結していないか
5-1 ウォッシャー液が切れていないか
ウォッシャー液が出なくなる原因に、タンク内の残量がなくなっていることが挙げられます。
また、完全に切れていなくても、残量が少なくなった段階でウォッシャー液が出なくなることもあります。運転中にウォッシャー液が出てこなくなった場合は、エンジンルームにあるウォッシャータンクをチェックしてみましょう。
5-2 ホースが外れていないか
ウォッシャー液の残量が十分であるにもかかわらず出にくくなっている場合は、ホースの状態をチェックしてください。
ホースが外れていたり、傷・穴ができていたりすると、ウォッシャー液は出なくなります。外れている場合であれば、付け直すだけで修復可能です。ただし、ホースが破損している場合は修理・交換が必要です。
5-3 ノズルが詰まっていないか
ウォッシャーノズルに砂やホコリ、ワックスや雪が詰まることで、ウォッシャー液が出なくなることもあります。
残量やホースに問題がない場合は、ノズルをチェックしてください。ノズルの詰まりを除去する際は、数百円で購入できる専用クリーナーを使用しましょう。
クリーナーが用意できない場合は、歯ブラシや安全ピンなどで代用することも可能です。
5-4 ウォッシャー液が凍結していないか
寒冷地などは外気温が原因でウォッシャー液が凍結し、噴出されなくなることがあります。
凍結したウォッシャー液は暖めることで元に戻るので、エンジンを始動させて待機することで解決できるケースもあります。
もしくは、ウォッシャー液を水で薄めず補充することで、凍結温度が下がる場合もあります。これらの方法はあくまで応急処置のようなものなので、あらかじめ凍結防止効果のあるウォッシャー液を補充しておくと安心です。
6 ウォッシャー液が出ない場合の修理について
ウォッシャー液のトラブルが自己解決できない場合は、モーターやポンプ、チェックバルブが故障している可能性があります。また、ヒューズが飛んでいるなど、配線トラブルでウォッシャー液がでなくなることも。
これらが原因の場合は自身で修理するのは困難であるため、カーディーラーや修理工場に車を持ち込み、修理を依頼する必要があります。
ウォッシャー液が出なくなる原因別に、修理費用の目安をまとめているので参考にしてください。
- モーターの故障:4,000〜8,000円程度
- ポンプの故障:13,000円程度
- チェックバルブの故障:数百〜1,000円程度
- 配線トラブル:1,000〜2,000円程度
ウォッシャー液が出ない場合は適切な方法で対処することが重要
ウォッシャー液は、車のフロントガラスやリアガラスの汚れを落とす役割を持っています。
撥水効果や凍結防止効果など、種類によって発揮できる効果はさまざま。そのため運転の頻度や場所に応じて最適なものを補充・交換するようにしましょう。
また、ウォッシャー液の交換方法、出なくなる原因や対処法を把握しておくことも大切。
車種や使用頻度によって異なるものの、半年に1回ほど交換・補充するのが一般的です。定期的にセルフチェックを実施することで、万が一のトラブルに備えておくといいでしょう。
ウォッシャー液が出なくなった際に自分でもチェックは可能です。ただ、交換や修復が難しい場合はカーディーラーなどの専門業者に依頼しましょう。
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