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80年代に人気を博した旧車をピックアップ

80年代に人気を博した旧車をピックアップ

1970年代頃からの高度経済成長の影響により、80年代は日本全体が好景気に見舞われていました。

自動車産業も例外でなく、日本の自動車生産台数は1,000万台を超え、自動車製造の分野で世界一に輝いていた程です。

当時の自動車メーカーは、革新的なモデルやユニークなモデルなど、現在でも高い人気を誇るモデルを多数排出しました。

今回は、自動車業界が盛り上がりをみせていた1980年代にスポットをあて、代表的なモデルを見ていきましょう。

1 三菱:走るシーラカンスの異名を持つ初代デボネア

デボネアは三菱が開発したモデルで、1964年にデビューを果たします。その後、1986年まで22年間生産され、当時の日本車としては画期的な技術やデザインを採用した、日本の自動車史に残る名車です。

車名の由来は、英語で「愛想の良い、礼儀正しい、陽気な優雅な」という意味。その名にふさわしく、堂々とした風格と優雅な佇まいを持つ車でした。

デボネアはモデルチェンジされるまで、マイナーチェンジを繰り返し基本構造やデザインを変えることなく製造されました。これだけの長寿モデルは珍しかったことから、「走るシーラカンス」と呼ばれています。

アメ車を彷彿とさせるスタイリングが特徴的で、三菱の高級車として君臨した一台です。

2 日産:国産車初のターボエンジン搭載車が登場した5代目セドリック

1979年に販売を開始したのが5代目セドリック。国内初のターボエンジン搭載車を発表したことでも大きな話題を集めた一台です。

先代のアメリカンスタイルから、直線基調でクリーンなイメージのものへと変更されました。

ボディタイプは4ドアセダンと4ドアハードトップ、そして5ドアステーションワゴンが2世代ぶりに復活。その代わりに2ドアハードトップは廃止となりました。

エンジンは2L直6SOHCキャブレター仕様のL20型、同EGI仕様のL20E型、2.8L直6SOHC EGI仕様のL28E型のガソリン3タイプ。また国産車初の直列6気筒ディーゼルエンジン、国内初のターボエンジンL20ET型エンジンを搭載したモデルをラインナップしています。

3 日産:27ヶ月販売台数1位を記録した6代目ブルーバード

1980年にリリースされた6代目ダットサン・ブルーバード。ボディタイプは4ドアセダン、バン、ワゴンタイプの3種類をラインナップ。往年のロングホイールベース型や直列6気筒モデルを廃止するなど、ブルーバードのイメージを一新したモデルです。

このモデルはブルーバードにおける最後のFR車としても有名。外観は510型を彷彿させる直線基調の機能的かつ、クリーンでボクシーなスタイル。エンジンは4気筒を搭載しています。

イメージキャラクターには、当時ジュリーの愛称で人気絶頂だった沢田研二氏を採用。TVや雑誌、カタログなどありとあらゆるメディアに登場し、27ヶ月連続新車登録台数第1位を記録しています。

リリースからわずか4ヶ月後にはターボエンジンを搭載したSSSターボを発表。ボディタイプは4ドアセダンと2ドアハードトップの2種類を用意していました。

このモデルは最高出力の向上と同時に、排出ガスの清浄化や燃費の向上、さらには騒音の低減までを実現させた一台です。

ブレーキは4輪ディスクを採用し、ハードな走りにも十分対応できるようサスペンションのセッティングも、ターボ用にアレンジし直されていることが特徴。エンジンはZ18ET型を搭載し、最高出力は135ps/6000rpm。最大トルクは20kg/3600rpmという高性能な一台です。

4 トヨタ:マークⅡ3兄弟を牽引した4代目マークⅡ

1980年に登場した4代目マークⅡは、先代がもつ柔らかな曲線のイメージから直線を意識したデザインに変更になったモデルです。

セダンからドアの窓枠がない「ラードハードトップ」に主力が変更されたのも4代目から。このモデルから取り入れられたラードハードトップは、以降のマークIIにおける特徴となりました。

また、4代目以降クレスタが登場し、チェイサーとあわせて「マークII3兄弟」と呼ばれるようになり、中型高級セダンとして親しまれます。

5 日産:それまでのスタイリングを一新した4代目ローレル

4代目ローレルが誕生したのは1980年のこと。ボディタイプは4ドアセダンと4ドアハードトップの2種類。それまでラインナップされていた2ドアハードトップが廃止されています。

デザインは、スカイラインの設計を手掛けていたことでも有名な桜井 真一郎氏が担当。静粛性や居住性、安全性などの車の基本性能を全て満足することを目指して開発されたモデルです。欧州調の流線型スタイルに生まれ変わったデザインが特徴。

エンジンは4気筒モデルに「Z18型」「Z20型」を採用。6気筒モデルには「L20型」「L20E型」「L20ET型」「L28E型」を用意しており、ローレルとしては初となるターボエンジンが搭載された一台でもあります。またディーゼルエンジンは「LD20型」「LD28型」の2種類を加え、計8種類のエンジンをラインナップ。

内装部分もローレルらしく豪華に仕上がっていることも魅力の一つ。世界初となるタイマー付パワーウィンドウを装備したり、車速検知式オートドアロックなどさまざまな新機構が採用されました。

翌年の1981年にはL20型エンジンを搭載した「GX」シリーズとL20ET型エンジンを装備した「ターボメダリスト」を新グレードとしてリリース。

累計販売台数は、約4年間で21万台を記録した一台です。

6 トヨタ:技術を集結させデビューを果たした初代ソアラ

1981年に登場した初代ソアラ。キャッチコピーは「未体験ゾーンへ」「SUPER GRAN TURISMO」。

当時のトヨタの技術を集結させ完成した一台で、それまで国産車にはなかった、高級かつ高性能車として話題となりました。それまで高級車では重要視されていなかった高速走行性能をポイントに、設計されたモデルでもあります。

ボディタイプは2ドアクーペのみをラインナップ。エンジンはDOHC6気筒を搭載し、当時の国産車の中でも最高レベルの170psを発生する程。そのパワーは凄まじく、ロードテストでの最高速度は202km/hをマーク。これは200km/hを超えた国産車として初めての一台でもあります。

トップグレードの2800GTエクストラの外装はミシュランXVSを装備し、フェンダーミラーを装備していました。

内装は実にゴージャスで日本初となるエア式のランバーサポートを装備。その仕組みは背もたれの腰の部分に横3列のエアバッグが内蔵されており、シートの間にあるエアポンプで空気を満たします。その後シート横にあるスイッチで、好みの張り具合まで減圧する仕組み。

その他にも目を引くインパネ周りや、灰皿の上にはタッチ操作式のマイコン制御式オートエアコンのパネルが装着されていました。

提供をスタートした年に日本カーオブザイヤーを受賞するなど華々しくデビューした一台。初代ソアラの新車登録販売台数は約8万台を記録しています。

7 日産:パワフルな走りを実現した6代目スカイライン

6代目スカイラインがリリースされたのは1981年で、キャッチコピーは「New愛のスカイライン」。

ボディタイプは4ドアセダン、2ドアハードトップ、5ドアハッチバックが用意されていました。1985年以降に、ライトバンが追加され幅広いニーズに応えた計4種類がラインナップ。

先代まで続いた特徴的なサーフィンラインを廃止し、ウエッジシェイプなデザインに仕上がっている一台。スポーツイメージや軽快感を全面的に打ち出したモデルです。

5ドアハッチバックはスカイライン史上初となる仕様で、現在では常識とも言えるテンパータイヤの採用やスペアタイヤに空気圧減圧警告灯なども装備されたことが特徴的な一台です。グレードは直列6気筒エンジンを装備する「GT」、また直列4気筒エンジンを搭載する「TI」の2種類があります。累計販売台数は40万台を記録しており、スカイラインシリーズの中では3番目の記録です。

リリースされてから2年後の1983年に、スカイライン2000ターボRSが誕生します。国内初となるターボ付4バルブDOHCエンジンを搭載。最高出力205馬力を発揮し、それまでスカイライン史上最高と言われた2代目スカイラインGT-Rを凌ぐエンジン性能です。

8 トヨタ:ハイソカーブームを牽引した3代目チェイサー

3代目チェイサーが販売を開始したのは1984年のこと。ボディタイプは、4ドアハードトップのみをラインナップ。

エンジンは、160PS/18.5kgmを発生する2リッター直列6気筒DOHCエンジン(1G-GEU、1G-EU)、2リッター・ターボ(M-TEU)、1.8リッター4気筒(1S-U)の4種類。ディーゼルは2.4リッターの自然吸気とターボ付の2種類をラインナップ。

先代まで最上級グレードとして用意されていた「アバンテ」は、ラグジュアリー系のグレードに変更されました。

販売台数は、約19万台を記録した一台です。

9 トヨタ:シリーズ初のFF式を採用した3代目スターレット

2代目が1984年にフルモデルチェンジされ、デビューしたのが3代目スターレット。先代までFR式だった駆動方式が「FF式」に変更されたことがポイント。

1986年には、ターボ搭載モデルが発売されるなど、短期間での変遷が目立つモデルでもあります。その翌年にはマイナーチェンジ版の「ソレイユL」が発売されたこともトピックの一つ。このモデルは、エアコンとカラーバンパーを装備した特別仕様車としてラインナップされました。

2代目同様、女性向けの「リセ」がラインナップされており、ボディがよりコンパクトになったのが特徴。モデルとしては末期にあたる1988年には、電動キャンパストップモデルが追加されたことでも注目を浴びました。

先代までのスターレットはサーキット向けでしたが、3代目はファミリー層からの支持を得たことで人気を集めた一台です。

10 日産:トラッドサニーの愛称で親しまれている6代目サニー

1985年に誕生したのが6代目サニー。「トラッド・サニー」の愛称で呼ばれ、ユーザー層の若返りに成功したモデルです。

ボディタイプは4ドアセダンと5ドアワゴンの2タイプのみ。スタイリングはシャープな印象を与えたもので、駆動方式は先代を踏襲したFF方式を採用。エンジンは直4SOHCのE型ユニットで「E13S型」「E15S型」「E15ET型」の3種類をラインナップ。

提供を開始した翌年には、先代後期に廃止された3ドアハッチバッククーペが派生モデル「サニーRZ-1」として復活したことでも話題となりました。さらに同年には、CA16DE型エンジンを搭載したモデルをリリースしたこともトピックの一つ。また1987年にはフルオート・フルタイム4WDが追加されました。

11 三菱:最先端技術を装備したサバンナRX-7

1985年にフルモデルチェンジし、誕生したのがサバンナRX-7。キャッチコピーは「4WS感覚」で、操縦のしやすさが魅力の一台です。

ボディはスッキリとした印象で、ボンネットに空いたエアインテークも特徴。これは圧縮され熱くなったエンジンの空気を冷やすため、外の空気を入れて冷やすインタークーラーが装備されているんです。スポーツカーらしいスリムでありながらも無骨なデザインが多くのファンを魅了しました。

初代サバンナRX-7から一新され、リアサスペンションは独立懸架化され、セミトレーリングアーム マルチリンクへと変更。またインタークーラー付きターボ13B型エンジンを搭載していました。 当初の最高出力は185psをマークし、マイナーチェンジを繰り返し最終的には215psまで向上したことがポイント。

当時のポルシェ944と似ていると揶揄されていましたが、その性能は引けを取らない一台です。最高速度がメーカーテストで238.5km/hをマークするなど初代より大きく向上しました。フロントブレーキには日本車初の対向4ピストンのアルミキャリパーを採用していることも特徴の一つ。グレードは「GT」「GT-R」「GT-X」「GT-Limited」「GT-Limited・スペシャルエディション」の5種類をラインナップ。

2代目サバンナRX-7がリリースされた翌年に特別仕様車の“アンフィニ”を、300台限定で発売。アンフィニは2シーター仕様でBBS社製の鍛造アルミホイール、専用ダンパー、アルミ製ボンネットフードなどを装備。これまでのサバンナRX-7よりもスポーツ色を強めたモデル。その後、数度のマイナーチェンジを実施しながら提供されました。

1978年にはロータリーエンジン生誕20周年を記念しカブリオレ仕様をリリース。カブリオレ仕様のロータリーエンジンを搭載した一台はマツダが発表した唯一のモデルです。屋根の仕様は「フルオープン」「タルガトップ」「クローズド」を気分に応じて選ぶことができ、座席後方にはオープンの際に風の巻き込みを抑えるエアロボードを装備していました。

2代目誕生から7年後の1992年に生産終了を向かえ、累計販売台数は27万台を記録しました。

12 トヨタ:セリカシリーズの転換期となった4代目セリカ

1985年には駆動方式をFRからFFに変更し4代目セリカが登場。見た目は流面形のボディが特徴で、それまでのセリカとは異なる印象を与えたモデル。

ボディタイプは先代まで用意されていたクーペタイプを廃止し、3ドアリフトバックのみをラインナップ。

駆動方式を変更するなど、パワートレインを一新したことがトピックの一つ。トランスミッションは、5速MTと4速トルコン式ATが設定されています。エンジンは「1.6L直4DOHCの4A-GE型」「1.8L直4SOHCの1S-i型」「2L直4DOHCの3S-GE型」の3タイプをラインナップ。いずれも先代には搭載されていたものとは異なり、LASRE(レーザー)エンジンと呼ばれるトヨタで開発されたエンジンです。

ネーミングは以下の頭文字から決定しました。

  • 【L】:「ライトウェイト」軽量
  • 【A】:「アドバンスト」進歩的な
  • 【S】:「スーパー」凄い、高いなど
  • 【R】:「レスポンス」応答性
  • 【E】:「エンジン」

低燃費と高性能を両立させた新世代のユニットです。

翌年には、フルタイム4WDのセリカGT-FOURも誕生。これはトヨタ初となるベベルギア式センターデフを装備した一台で、ターボチャージャーを備えることで最高出力185PSを発揮するパワーユニットが特徴的なモデルです。WRCへ本格的に参戦し、ラリーの世界でも活躍を重ねることで新しい時代のセリカが確立されていくことに。

またマイナーチェンジが実施された1987年にはトランクルームを持つ専用ボディの「セリカ コンバーチブル」を国内限定でラインナップに追加。これは6代目セリカまで継続されています。

13 トヨタ:上級スポーツカーとしての地位を築き上げた3代目スープラ

それまで日本での車名をセリカXXで提供してきましたが、1986年にフルモデルチェンジされたタイミングで、世界共通の名称で統一されたのが3代目スープラ。

キャッチコピーは「TOYOTA 3000 GT」を掲げ、トヨタの往年の名車として人気の2000GTを意識したモデルです。

インタークーラー付きターボを追加設定された3Lエンジンをラインナップ。トランスミッションは5速MTと電子制御4速ATの選択が可能でした。

足回りは4輪ダブルウィッシュボーンを導入し、減衰力を変化させる電子制御式サスペンションTEMSや、先進挙動安定制御システムを採用しています。

これによりモータースポーツの分野でも活躍し、全日本ツーリングカーレースでは優勝を飾るなど上級スポーツカーとしての地位を築き上げました。

14 トヨタ:シリーズ史上最大のヒットを記録した8代目クラウン

8代目クラウンは、シリーズ史上最大のヒット作となったモデル。トヨタ自動車が創立50周年を迎えた1987年にリリースされました。当時の日本はバブルに沸く時代で、高級車路線のクラウンが月間販売台数で1位を獲得するほどでした。

ボディタイプは「4ドアハードトップ」「4ドアセダン」「ステーションワゴン」「ライトバン」の4種類。

3Lエンジンを搭載した4ハードトップに3ナンバー専用幅広ボディを採用。この他にエンジンは、2L直列6気筒やスーパーチャージャー付きなどバリエーション豊富にラインナップ。1989年には、4LV8エンジンを搭載したグレード「4000ロイヤルサルーンG」が追加されました。

また電子制御エアサスペンションや、エレクトロマルチビジョンを採用しています。世界初となるナビゲーションシステムの前身にあたる「CDインフォメーション」や、日本初となるTRCと呼ばれる「トラクションコントロール」などのハイテク装備を搭載していることもポイント。

最先端の電子デバイスを積極的に取り入れた挑戦的なモデルです。

15 日産:デートカーとして人気を博した5代目シルビア

1988年にデビューを果たした5代目シルビア。デートカーとしても人気を博し、新車登録台数は約30万台を記録したモデルです。

先代まで設定されていたハッチバックを廃止し、クーペのみをラインナップ。リトラクタブルヘッドライトも廃止され、通常の固定ライトを採用しています。

スタイリングは流麗かつワイド&ローなボディ。また当時の高級車に多く取り入れられていた、マルチリンク式サスペンションをリヤに採用することで、乗り心地も抜群です。

グレードはJ’s・Q’s・K’sの3種類。J’s及びQ’sに搭載されたのは、自然吸気エンジンのCA18DE型。K’sにはターボエンジンのCA18DET型を採用。

流麗なスタイリングと、優れた操縦安定性を実現した一台です。

80年代を彩った旧車に触れる

今回は、自動車業界が盛んだった1980年代にスポットをあて、特徴的なモデルを振り返りました。

国産車初となる技術を採用した車種や、ユニークなデザインなど魅力が詰まったモデルなどさまざま。

現在でも、高い人気を誇り旧車市場でも注目されています。旧車の購入を検討する際は、当記事が参考になれば幸いです。

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