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車の傷やヘコミ、どう直す?板金塗装の基礎知識と失敗しない業者の選び方

車の傷やヘコミ、どう直す?板金塗装の基礎知識と失敗しない業者の選び方

愛車にできた擦り傷やヘコミを修理したい。そんなときに登場するのが「板金塗装(鈑金塗装)」です。

板金塗装とは、事故や接触などによって傷ついた自動車のボディ外板を、板金作業(変形箇所の修正)と塗装作業(再塗装)によって、元の状態に近づける修理方法のことを指します。

具体的には、凹んだパネルを工具で整形したり、表面の傷を補修材で埋めて研磨した後、車体と同じ色の塗装を施し、さらに仕上げとしてクリア塗装を重ねることで、新車同様の美しさと耐久性を回復させます。

この作業は専門的な技術と設備を必要とするため、街の修理工場やディーラーで日常的に行われている、非常に一般的かつ重要な自動車修理のひとつです。

「板金塗装」という言葉に馴染みのない方も多いかもしれませんが、車を長く大切に乗るためには避けて通れない修理工程でもあります。特に日本ではわずかなキズやへこみでも気にするユーザーが多く、美観を保つための板金塗装は多くの需要があります。

本記事では、板金塗装の必要性や流れ、費用感、業者選びのコツなど、初めての方にもわかりやすく解説していきます。

目次

1 板金塗装が必要になるケースとは?

日常的に車に乗っていると、ちょっとした不注意や思わぬ事故で、擦り傷やへこみといったボディの損傷が生じることがあります。そうしたキズや変形を放置してしまうと、見た目の悪化はもちろん、錆びの発生や腐食といった深刻なダメージにつながる恐れもあります。

以下のようなケースでは、早めに板金塗装による修理を検討するのがおすすめです。

1-1 擦り傷・引っかき傷

  • 狭い駐車場で壁やポールに擦った
  • イタズラによるひっかき傷
  • 小石の飛び石でできた塗装ハゲ など

こうした表面的なキズでも、塗装の下地(サフェーサーや鉄板)まで傷が及んでいる場合は要注意です。放置するとそこから錆が発生し、周囲に広がってしまいます。浅いキズであればコンパウンドなどで目立たなくできることもありますが、下地が露出している場合は板金塗装修理が必要です。

1-2 ヘコミ(ドアパンチなど)

  • 隣の車のドアがぶつかる「ドアパンチ」
  • 縁石にバンパーを擦った
  • 買い物カートがぶつかった
  • フェンダーが小さな事故で凹んだ

こうした凹みは、板金工具で元の形状に整形可能です。凹みの深さや場所によっては「デントリペア」と呼ばれる塗装不要の修理法で対応できる場合もありますが、塗装表面が割れている場合は板金塗装が必要になります。

1-3 事故による大きな損傷

  • 追突や接触事故によるパネルの変形
  • 車体骨格(フレーム)まで歪んだケース

こうした損傷では、フレーム修正機などの専門設備を使った高度な修正が必要となります。ダメージの程度によっては、変形したパネルを新品部品に交換し、塗装を施すことで対応します。

このレベルの修理では、費用も日数もかかることがありますが、安全性と走行性能を取り戻すためには欠かせない工程です。

どのようなケースでも、早めに信頼できる修理工場へ相談することで、損傷の拡大を防ぎ、車の価値と美観を維持することができます。「これくらいなら大丈夫」と自己判断せず、専門家に診断してもらうことが、長く安心して車に乗り続けるための第一歩です。

2 板金塗装の修理工程

板金塗装の作業は、大きく分けて「板金作業(形を整える工程)」と「塗装作業(色を再現する工程)」の2つで構成されます。これらは高度な専門技術と専用設備を要し、熟練の職人が慎重に一つひとつの工程を進めることで、美しい仕上がりを実現します。

以下に、一般的な板金塗装の作業の流れを解説します。

2-1 損傷箇所の確認・下準備

まずは、車体の傷やヘコミの範囲・深さ・素材を確認します。その後、修理箇所の汚れや油分を除去し、必要に応じてバンパーやモールなどのパーツを取り外します。塗装作業時に他の部位にミスト(塗料の霧)がかからないよう、マスキングと呼ばれる養生作業を丁寧に行います。

2-2 板金作業(形状の復元)

凹んだ箇所は、裏側から押し出したり、表面からスタッド(溶接ピン)と専用工具を使って引き出すことで、元の形状に近づけます。

歪みや出っ張りがある場合は、板金ハンマーと当て板(ドルリー)を使って、繊細に叩いて調整し、滑らかな面へと整形します。

2-3 パテ埋めと研磨

板金作業では完全に平らにならない微細な凹凸を、パテ(補修用の樹脂系充填材)で埋めて整えます。パテはヘラで丁寧に塗布され、硬化後にサンドペーパーで研磨します。

この研磨工程を必要に応じて複数回繰り返すことで、塗装面に段差が生じない滑らかな下地が仕上がります。
この工程は塗装の仕上がりを大きく左右する、極めて重要なプロセスです。

2-4 下地処理(下塗り)

研磨後の面にプライマー(塗装の密着性を高める下塗り剤)やサフェーサー(中塗り用下地塗料)を吹き付け、再び乾燥・研磨します。

この工程では、防錆処理も同時に行われ、補修箇所が将来的に劣化しないよう丁寧に保護します。

2-5 塗装(上塗り)

車体のカラーコードに合わせて調色された自動車用塗料を、スプレーガンで均一に吹き付けます。

色ムラを防ぐために、周囲のパネルとの色のつながりを意識した「ボカシ塗装」という技術を使うことが一般的です。

通常は複数回に分けて塗装し、発色・厚み・均一性を確保しながら、しっかりと乾燥させます。

2-6 仕上げ(クリアコート・磨き)

最後にクリア塗料(透明な保護膜)を塗布することで、艶やかな光沢と高い耐候性を持たせます。

乾燥後、ポリッシャーとコンパウンドで磨き上げることで、塗装面の肌をなめらかに整え、修理前と変わらない、あるいはそれ以上の見た目に仕上げていきます。

これが一般的な板金塗装の基本ステップです。

小さな擦り傷程度であれば一部の工程を省略して簡易的に補修することもありますが、基本的には「整形 → 下地処理 → 塗装 → 仕上げ」という流れをたどります。

作業の精度が最終的な仕上がりに直結するため、技術力のある職人に依頼することが大切です。

3 板金塗装で使われる技術と材料

板金塗装は専門性の高い作業です。そのため、熟練した技術と、目的に応じた専用の工具・材料が欠かせません。
ここでは、プロの現場で使用されている代表的な道具や材料、そしてそれぞれが果たす役割をご紹介します。

3-1 板金用ツール(形状修正のための道具)

大きく凹んだパネルを修正する際は、状況に応じて以下のようなツールが使われます。

  • フレーム修正機:車体の骨格(フレーム)に歪みが生じた場合に使用。ミリ単位で元の形に近づけるための大型機械です。
  • スタッド溶接機:パネルの外側からピンを溶着し、専用工具で引き出すことで凹みを直します。裏側に手が入らない場所の修正に効果的。
  • 板金ハンマー・当て板(ドルリー):金属面を少しずつ叩いて均しながら整形する伝統的かつ繊細な技術。微調整が可能で、職人の腕の見せどころです。

これらのツールを使って、できる限り元の状態に近いボディラインを再現するのが板金作業の目的です。

3-2 パテ・研磨機材(下地整形用)

凹みや変形を戻した後の表面には、目には見えにくい細かい凹凸が残ります。これを埋めるのがパテと呼ばれる補修材です。

  • パテ(補修用充填剤):主にポリエステル系の材料で、硬化剤を混ぜて使用。柔らかいうちにヘラ(パテナイフ)で塗布し、数十分で硬化します。
  • 研磨ツール:硬化後のパテを滑らかにするために、手作業や電動サンダー(研磨機)でサンディングを行います。

この工程は塗装の美しさに直結するため、プロの現場では何度も繰り返し、極めて平滑な面を目指します。

3-3 塗装用機材(上塗り・仕上げ)

塗装作業には、正確な色合わせと均一な吹き付け技術が求められます。

  • 塗料(自動車用ウレタン塗料等):メーカーごとのカラーナンバーに基づいて調合します。パールやメタリックカラーは特に高度な色合わせが必要です。
  • スプレーガン:塗料を均一に吹き付ける道具。空気圧で霧状に噴射され、層を重ねることで発色と耐久性を確保します。
  • 塗装ブース:ホコリや湿気の混入を防ぐため、密閉された専用の空間で塗装。温度管理や換気システムが整っており、仕上がり品質に大きな影響を与えます。

3-4 仕上げと保護(クリア・コンパウンドなど)

  • クリアコート:塗装の最後に透明なクリア塗料を吹き付け、光沢を出すと同時に紫外線や傷から塗膜を守ります。
  • コンパウンド・ポリッシャー:表面を磨くための研磨剤と回転機材。光沢を均一にし、境目の違和感をなくす「なじませ」も行います。

3-5 その他の資材・安全対策

  • プライマー・サフェーサー:下地処理用の塗料で、塗装の密着性を高める役割を果たします。
  • マスキング資材:マスキングテープやビニールシートで、塗装しない箇所を保護します。
  • 安全装備:塗料には有機溶剤が含まれるため、防毒マスク・手袋・ゴーグルなども必須です。

こうした工具と資材を駆使し、職人の手によって一台一台ていねいに修理されることで、「損傷があったとは思えない仕上がり」が実現されます。市販の補修用品でDIYも不可能ではありませんが、耐久性・安全性・美観を重視するなら、やはりプロの手に委ねるのが安心です。

4 板金塗装の費用相場と価格が決まる要因

板金塗装を検討するとき、最も気になるのが「費用はいくらかかるのか?」という点ではないでしょうか。

実際の修理費用は損傷の大きさや部位、作業内容、車種などによって大きく変動しますが、ここでは一般的な相場感と、価格を左右する主な要因について解説します。

4-1 板金塗装の費用相場(目安)

損傷の程度や箇所によって差はありますが、以下が一般的な修理費用の目安です(あくまで参考価格です)。

修理部位
軽度の傷・凹みの修理費用目安
バンパー 約20,000~40,000円
ドア1枚 約40,000~60,000円
フェンダー 約30,000~50,000円
ボンネット 約30,000~50,000円
リアゲート 約40,000~70,000円

小さな擦り傷であれば1〜2万円台で収まることもありますが、パネル全体に広がる凹みや、部品交換を伴う修理では10万円以上かかるケースもあります。

4-2 価格が決まる主な要因

価格が決まる要因には複数あります。あくまで基本的な項目を列挙していきます。

4-2-1 損傷の規模と深さ

キズの面積が大きいほど研磨や塗装範囲が広がり、作業量も増えます。

凹みが深く、鉄板の歪みが激しい場合は整形やパテ付けの回数が増えるため、費用が上がる傾向にあります。

内部の骨格(フレーム)まで歪んでいる場合は、フレーム修正機による作業が必要となり、高額化します。

4-2-2 修理か部品交換か

パネルを板金作業で再生可能ならコストを抑えられますが、変形や損傷が激しい場合はパネル交換+塗装となり、部品代・作業費が上乗せされます。

逆に小さな凹みで塗装が無傷なら、「デントリペア」という塗装不要の手法で1万円台程度に抑えられるケースもあります。

4-2-3 修理依頼先(ディーラーか専門工場か)

ディーラーは純正部品や高水準の品質保証があり、価格はやや高め(ドア1枚の板金塗装で10万円以上の見積もりが出ることも)。

対して街の板金塗装専門工場は柔軟な対応や社外部品の活用により、比較的リーズナブルな料金で同等レベルの修理が可能な場合も多くあります。

ただし、相場より極端に安い場合は、仕上がり品質や保証体制をしっかり確認することが重要です。

4-2-4 車種・塗装色の違い

高級車や輸入車は、構造が複雑だったり、部品代や塗料代が高いため、修理費も高額になりがちです。

特殊なカラー(例:3コートパール、メタリック、マット塗装)は色合わせや塗装工程が増えるため、費用に反映されます。

4-3 費用を抑えるコツ

板金塗装は「高そう」というイメージを持たれがちですが、損傷の程度と修理方法によっては想定より手ごろに直せることも多いものです。費用を抑えるために以下の項目を検討してみてください。

  • 複数の工場で見積もりを取る(相見積もり):価格と提案内容を比較することで、納得感のある選択ができます。
  • 見積もりの内訳を確認する:部品代・作業工賃・塗装費・雑費など、細かい明細があると安心です。
  • 必要最小限の修理で済むか相談する:全体塗装せず「部分補修+ぼかし塗装」で対応できる場合もあります。

まずは信頼できる工場に相談してみることが第一歩です。

5 信頼できる板金塗装業者の選び方

板金塗装は、仕上がりの美しさや耐久性に直結する繊細な作業です。だからこそ、安心して任せられる信頼性の高い修理工場を選ぶことがとても重要です。

ここでは、後悔しない依頼先選びのためのチェックポイントをご紹介します。

5-1 口コミや評判を確認

インターネットのレビューサイトやSNS、Googleマップの評価などを活用し、実際に利用した人の体験談をチェックしましょう。

「高評価だけど値段も高い」「安かったけど仕上がりにムラがあった」など、リアルな声を複数見ることで、お店の姿勢や技術力が見えてきます。

可能であれば、知人・友人からの紹介や、直接工場に足を運んで、スタッフの対応や工場の清潔さ・設備状況を見るのもおすすめです。

5-2 修理実績・事例の豊富さ

これまでに対応した板金修理の実績台数が多い工場は、それだけ経験に裏打ちされた技術力があります。公式サイトや店頭で過去の修理事例の写真を見せてもらえるなら、仕上がりの品質を把握しやすいでしょう。自分の車と同じメーカー・車種の修理経験が豊富かどうかもポイントです。

塗装ブースやフレーム修正機、最新の塗料調色システムなど専用設備が整っている工場は、高精度で効率的な作業が可能です。

自社工場で一貫して作業しているところなら、中間マージンが発生せず比較的良心的な価格で品質管理もしやすい傾向にあります。

5-3 見積もりの明朗さ

修理に出す前に必ず見積もりを取りましょう。信頼できる業者であれば、損傷箇所を確認したうえで適切な項目を算出し、相場から極端にかけ離れない金額を提示してくれるはずです。

提示額が不明瞭だったり不当に高額に感じる場合は、他店の意見も聞いて比較するのが安心です。見積もり段階で丁寧に説明してくれるお店は、施工も誠実である可能性が高いでしょう。

6 板金塗装の修理にはどれくらい時間がかかるか

修理を検討する際、費用と同じくらい気になるのが「修理にかかる時間(納期)」です。通勤や生活に車が欠かせない方にとっては、修理期間の長さが判断材料になることも少なくありません。

ここでは、板金塗装の一般的な作業日数の目安と、期間が変動する理由について解説します。

6-1 修理日数の目安(例)

あくまで目安ですが、軽微な補修であれば2~3日以内、大きな損傷や部品交換が必要な場合は1週間前後〜それ以上かかると考えておくと安心です。

損傷の程度 修理にかかる期間の目安
軽い擦り傷のみ 即日〜1日程度
バンパーの軽度なヘコミ 2〜3日程度
ドアパネルの中程度の凹み 3〜5日程度
複数箇所・広範囲の修理 5日〜1週間以上
フレーム修正を含む大破事故 1週間〜2週間以上かかることも

6-2 修理期間が長くなる要因

修理期間が長くなってしまうケースとしては以下が考えられます。

  • 損傷範囲が広い場合:塗装範囲が増え、乾燥や磨きなどの工程も追加されるため時間がかかります。
  • 部品の取り寄せが必要な場合:特に輸入車や旧型車では納品まで日数を要することがあります。
  • 混雑時期・繁忙期:年末年始や長期休暇前後は入庫が集中し、通常より納期が延びることがあります。
  • 天候・気温:湿度や気温によって塗料の乾燥時間が影響を受けることもあり、予備日が設けられることがあります。

6-3 納期の確認と代車の利用

修理工場に依頼する際は、必ず納期の目安を確認し、必要に応じて代車の貸し出しが可能かも聞いておきましょう。

街の工場では「無料で代車を貸し出し」しているケースもあります。納期と代車サービスの有無で、工場を比較検討するのも有効です。

板金塗装は「急げば雑になる」作業でもあります。大切な愛車だからこそ、無理に急がず丁寧な仕上がりを優先することが結果的に満足度の高い修理につながります。

7 板金塗装の費用に車両保険は使えるか

板金塗装の費用が高額になるケースでは、「保険でカバーできるのか?」と疑問に思う方も多いはずです。
結論から言うと、条件を満たせば車両保険で板金塗装の修理費用を補償してもらうことが可能です。

ただし、保険の種類や契約内容によって適用範囲は異なるため、注意が必要です。

7-1 車両保険が適用される主なケース

  • 自損事故(壁やガードレールへの接触など)
  • 他車との接触事故(過失割合により一部補償)
  • 当て逃げやイタズラによる損傷(契約内容による)
  • 落下物との衝突、飛び石による傷など

これらは基本的に車両保険の補償対象となります。ただし、加入している保険の補償タイプ(一般型 or エコノミー型)によっては、補償されないケースもあります。

7-2 適用されない or 限定されるケース

例えばエコノミー型(限定補償型)。盗難や飛び石には対応しますが、単独事故(自損)や当て逃げは対象外の場合が多いです。

あるいは経年劣化や自然消耗による傷。これは基本的に保険適用の対象外です。

7-3 保険を使う際の注意点

まず考えられるのが翌年以降の等級ダウン。保険を使うと、翌年からの等級が下がり、保険料が上がるのが一般的です(1等級〜3等級のダウン)。

そのため、修理費が数万円程度で済む場合は、保険を使わず自己負担で支払った方がトータルで安く済むケースもあります。

免責金額(自己負担)が設定されている場合も注意が必要です。契約時に「免責5万円」などの設定があると、その金額までは自己負担となり、差額分のみが補償対象になります。

7-4 保険を使うか迷ったら?

修理工場と保険会社の両方に相談し、損得を比較しましょう。

見積もりの段階で「保険を使うか迷っている」と伝えておけば、保険対応の可否やメリット・デメリットも丁寧に説明してもらえるはずです。

保険は「使えるかどうか」だけでなく、「使った方が得かどうか」の判断も重要です。板金塗装の見積もりを取ったら、必ず保険の補償内容と併せて検討しましょう。

8 板金塗装で車の下取り価値は元に戻るか

板金塗装を検討している方の多くが気になるのが、「修理したとしても、車の価値は下がってしまうのでは?」ということ。すなわち下取り価格や中古車査定への影響です。

結論から言えば、小〜中程度の板金塗装であれば、見た目や機能面の価値はしっかり回復します。
ただし、査定上での影響には注意点があります。

8-1 見た目と機能性は元通りになる

傷や凹みをプロの手で板金塗装すれば、肉眼ではほとんどわからないレベルまで美しく仕上がります。防錆処理や塗膜の保護機能も再び整うため、実用的な価値=見た目・機能性・安全性は十分回復するといえます。

日常使用や次のユーザーにとっても支障がないため、査定担当者が現車を見て気づかない程度に収まっていれば、実質的なマイナス評価は小さいこともあります。

8-2 「修復歴あり」は大幅減点されることも

一方で、以下のようなケースでは査定額が下がる可能性があります。

  • ボディの骨格(フレーム)まで修正を要した大きな事故
  • パネルを丸ごと交換している
  • 修理歴が明らかに記録として残っている(ディーラー修理など)

こうした場合、中古車業界では「修復歴あり車」として分類され、査定額が大幅に下がる可能性があります。

8-3 放置はさらにマイナスになる

重要なのは、修理歴があること以上に「修理をしていないこと」そのものが大きなマイナスになる点です。

  • ボディに目立つキズやサビが残ったまま
  • 凹みや塗装剥がれが放置されている
  • 手入れされていない印象を与える

このような状態では「大切に扱われていない車」と判断され、査定はさらに下がります。

8-4 売却予定があるなら、軽度の傷は修理しておくのが得

査定に出す前に小傷やヘコミを数千〜数万円程度で補修することで、トータルで10万円近い査定アップにつながるケースもあります。

どの程度修理すべきか、中古車買取業者に相談してから判断するのも有効です。

板金塗装は「価値を取り戻すための投資」として非常に有効です。プロの手によってきれいに仕上げられた車は、見た目だけでなく次のユーザーにも安心感を与え、中古市場でも良い印象を与えることができます。

9 修理工場によって仕上がりに差はあるのか

板金塗装は、高度な手作業と精密な設備を要する職人的な作業です。そのため、依頼する修理工場によって仕上がりに大きな差が出ることは珍しくありません。

ここでは、仕上がりを左右する主な要因について解説します。

9-1 職人の技術力

板金塗装は「どこまで形状を復元できるか」「どれだけ色を自然に再現できるか」によって、仕上がりの美しさが決まります。

職人の経験年数や修理実績によって、ボカシ塗装のなじみ具合や磨きの丁寧さに差が出るのは避けられません。

同じ損傷でも、「まったくわからないレベル」に仕上げる職人と、「違和感が残る」職人がいるのが現実です。

9-2 使用する塗料・材料・設備

工場によって使用する塗料の品質や調色機材、塗装ブースの性能も異なります。

塗装ブースのない環境では、ホコリや湿気が混入しやすく、仕上がりにムラが出る可能性があります。

高品質な塗料や3コートパールなどに対応できるかも、工場の設備と知識の差に関わってきます。

9-3 外注作業が多いかどうか

一部の修理工場では、自社で対応できない作業を外注に出していることも珍しくありません。

外注先の技術力や納期管理が不明確な場合、仕上がり品質にバラつきが出たり、納期が遅れることもあります。

可能であれば「すべて自社工場で一貫対応しているか」を確認するのがおすすめです。

9-4 ヒアリングと対応力

良い修理工場は、依頼者の要望を正確に把握し、仕上がりのイメージを共有しようとしてくれます。

「どの程度まで直したいか」「費用を抑えたいか」など、ニーズに応じた提案をしてくれる業者は信頼していいでしょう。

9-5 安さ重視での失敗例も

「とにかく安い業者」に依頼した結果、色が合っていない・塗装が剥がれてきた・すぐに錆びたなどのトラブルも少なくありません。

価格と品質のバランスを見極め、「なぜその価格なのか」を説明できる工場を選びましょう。

同じ「板金塗装」という言葉でも、仕上がりにはプロの姿勢と設備力が色濃く反映されます。大切な愛車だからこそ、信頼できる工場かどうかを見極めてから依頼することが、後悔しない修理への近道です。

後悔しないためには板金塗装を「知ってから」依頼しよう

板金塗装は、単なるキズ隠しではなく、愛車の価値と安全性を回復させるための大切な技術です。小さな擦り傷ひとつでも、放置すればやがて錆や腐食を引き起こし、見た目だけでなく走行性能や資産価値にも影響を及ぼしかねません。だからこそ、早めの修理と、信頼できる工場選びが何より重要になります。

修理費用が気になる方も多いかもしれませんが、状況によっては保険の活用や部分補修で費用を抑えることも可能です。また、適切な修理を行えば、将来的な下取り価格の維持や、次のオーナーへの安心感にもつながります。

もし今、ボディのキズやヘコミを気にされているなら、それは車からの「メンテナンスのサイン」かもしれません。まずは専門の修理工場に相談し、状態を見てもらうことから始めてみてください。

見積もりや相談は無料で対応してくれる工場も多くあります。

大切な車と長く付き合うために。板金塗装は、車を守り、あなたの安心と美しさを取り戻す一歩となるはずです。

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