縁の下の力持ち「スタビライザー」の役割・セッティング・交換費用について

縁の下の力持ち「スタビライザー」の役割・セッティング・交換費用について

みなさんは「スタビライザー」と呼ばれるパーツをご存知でしょうか?

スタビライザーはロッド・リンク・ブッシュと呼ばれる3つの部品で構成され、主に車のコーナー時の揺れを抑え、車体を安定させる役割を担っています。

サスペンションやエンジンといったメジャーな部品と比べると注目される機会こそ少ないですが、セッティング方法次第ではアンダーステアをはじめとしたステアリングの問題を改善できる可能性も秘めています。

本記事では、スタビライザーという部品の基本をおさらいしつつ、代表的なセッティングパターンや交換時期の目安、費用に至るまで詳しく解説いたします。

愛車のチューニングを行う際には、ぜひスタビライザーの導入・交換も検討してみてくださいね。

1 スタビライザーとは?

スタビライザーとは、左右のサスペンション同士を繋ぐコの字型やU字型のバネ棒状パーツのこと。独立懸架式のサスペンションを採用している場合は、アンチロールバーやスウェイバーと呼ばれることも。

英語で「stabilizer(安定化させるもの)」という意味の通り、揺れを抑え車体が安定するようサポートするのが、スタビライザーの役割です。

スタビライザーが最もその力を発揮するのは、コーナーを曲がる時(カーブの時)やレーンチェンジ時など左右のサスペンションの動きが不規則になる時。この時に発生するローリング(横揺れ)を防ぐことができるのです。

2 スタビライザーを構成する3つの部品

スタビライザーは、主にロッド・リンク・ブッシュと呼ばれる3つの部品に分解することができます。それぞれのパーツの担う役割について詳しく見ていきましょう。

2-1 左右のサスペンション同士を繋ぐ「ロッド」

ロッドとは、左右のサスペンションを結ぶ棒状のパーツのこと。

スタビライザーを構成する最も重要なメインパーツの1つです。このロッドが左右のサスペンションの動きを制限することで、車体の安定性を向上させる役割を担っています。

一般的に「スタビライザー」と表現するときは、このロッドのことを指す場合がほとんどです。

2-2 ロッドとサスペンションを繋ぐ「リンク」

スタビライザーとセットで知っておくべきなのがリンク。

「スタビライザーリンク」や「スタビリンク」と呼ばれることもあります。

実はスタビライザーはサスペンションに直接繋がれているわけではありません。ロッドとサスペンションをつなぐリンクと呼ばれるパーツで、スタビライザーを車体に固定しているわけです。

中でもポイントとなるのが「ボールジョイント」という機構。この機構が人間の関節のような柔軟性を与え、コーナーや段差で生じる上下の動きへの対応を可能にしています。

2-3 リンクに付属している「ブッシュ」

ブッシュとは、前述したリンクに付属している円筒状の形をしたゴム製のパーツです。スタビリンクブッシュやスタビライザーリンクブーツと呼ばれることもあります。

金属製のスタビライザーとボディが直接触れることによって生じる摩耗や異音を防ぐ役割を担っています。

ただし他のパーツとは異なりゴム製であるため、経年劣化にも注意が必要です。とはいえ車を構成する数ある部品の中では比較的安価であるため、整備のタイミングで定期的に交換した方が良いでしょう。

3 あえて装着せず路面追従性を優先する場合も

スタビライザーは、サスペンションやエンジンのように車の走行にとって必要不可欠なパーツではありません。なくても車は走れるわけです。

そもそもスタビライザーはあくまで走行安定性の確保が役割。そのため、走行シーンによってはあえて装着せず、スタビライザーレスの車を選択するケースも。

例えば、山道をはじめとした悪路ではスタビライザーが車体を水平に保とうとすることで、かえって乗り心地が悪くなってしまうこともあるのです。

他にもオフロードでタイムアタックを行う自動車競技の1つとして知られる「ラリー」では、安定性よりも路面追従性を優先する目的から、あえてスタビライザーを外すこともあります。どういったシーンで車を使うのかに応じて、スタビライザーの有無を選択することもあるわけです。

4 スタビライザーの代表的なセッティングパターン

理想的なコーナリングは「ニュートラルステア」とも呼ばれ、膨らみもや切り込みのない安定した状態のことを指します。

実はスタビライザーのセッティング方法次第では、ニュートラルステアに近づけることも可能です。セッティング方法は至ってシンプル。基本的にはフロント、リアのいずれか又は両方の強弱を調整することで行われます。

以下では、コーナリング時の悩みとして挙げられる「アンダーステア」「オーバーステア」「プッシュアンダー」のそれぞれに対する最適なセッティング方法を見てきましょう。

※下記のセッティング方法はあくまで一例です。セッティング時の参考としてご覧ください。

4-1 アンダーステアを修正したい場合

アンダーステアとは、コーナーへ入るときにうまく曲がりきることができず、車体が円の外側に向かって膨らんでしまう挙動のこと言います。

アンダーステアは、フロント側の接地摩擦力が遠心力に負けたときに起こる現象です。

なので、フロント側のスタビライザーを弱くしてあげることで改善できる可能性があります。

4-2 オーバーステアを修正したい場合

オーバーステアとは、コーナーに入る際に切ったハンドルよりも内側に曲がってしまう(切れ込んでしまう)挙動のことを言います。

コーナーに入る時に起こるオーバーステアは、フロント側よりも先にリア側のタイヤがグリップを失ってしまうことが原因です。なのでコーナー進入時のオーバーステアを解消したい場合には、フロント側のスタビライザーを強めにセッティングしてあげましょう。

逆にコーナーから出る時にオーバーステアが起こる場合は、フロント側ではなくリア側のスタビライザーを強くしてあげるのがポイント。オーバーステアが発生するのが、コーナー進入時なのかそれとも出口なのかによってセッティング方法が全く変わるため要注意です。

オーバーステアが起こるタイミング セッティング例
コーナーに入る時 フロント側のスタビライザーを強めに
コーナーから出る時 リア側のスタビライザーを強めに

4-3 プッシュアンダーを修正したい場合

プッシュアンダーとは、前述したアンダーステアの一種。

主に後輪駆動車や4WD車を始めとした駆動力の高い車がコーナーに入る際、アクセルを踏み足したときに発生するアンダーステアのこと。プッシングアンダーと呼ばれることも。

主な原因は、フロント側のタイヤが曲がろうとする力よりも、駆動輪が前に押し出そうとする力の方が大きいことによるもの。

この場合は、フロントとリア両方のスタビライザーを弱くすることで改善できる可能性があります。

5 スタビライザーの交換時期と費用

5-1 交換時期の目安となる兆候・サイン

スタビライザーは、定期的な整備を行わずに放置していると本体がひび割れを起こすこともあります。当然ながらこの状態では車検にも通りませんので、速やかな交換が必要です。

とはいっても毎回スタビライザーの状態を逐一自分でチェックするのも大変です。

そんな時は、普段の運転時に以下のような兆候がないかどうかを確認してみましょう。「そろそろスタビライザーを交換した方が良いかもしれないよ」という愛車からのアラートかもしれません。

【こんな兆候が出始めたら交換時期かも?】

  • カーブをするときのロール(揺れ)が大きく感じる
  • 高速走行時になんとなく揺れが気になる(不安定な気がする)
  • 車線を変更したときにフラつくような感覚がある

この兆候だけが全てではありませんが、総じて走行時の揺れが大きくなり始めたらスタビライザー交換のタイミングと言えるでしょう。

また前述した経年劣化とは異なりますが、サスペンションのスプリング等を硬めにチューニングしたときも併せてスタビライザーを交換することをお勧めします。強化したサスペンションの硬さに対応できない可能性があるためです。

サスペンションを強化するときは、スタビライザーもセットで強化してあげましょう。

5-2 交換の費用相場

スタビライザーの交換にかかる費用の相場は、概ねロッド1つ当たり15,000〜20,000円前後。専門業者に依頼する場合には、本体費用に加えて作業工賃が発生します。

作業工賃は大体5,000円〜が相場。つまり本体代 + 作業工賃で、ロッド1本あたり最低20,000円〜はかかるとみておいた方が良いでしょう。フロントとリア両方の交換する場合は、単純計算で2倍の費用がかかります。

さらにリンクやブッシュの交換が必要になる場合は、数千〜10,000円前後の部品代が発生します。

費用項目 相場
ロッドの本体代金 15,000〜20,000円前後
リンクの本体代金 10,000円前後
ブッシュの本体代金 500〜1000円前後
作業工賃 5000円〜

5-3 自力で交換すれば費用が抑えられる?

前述した費用相場のうち、作業工賃というものをなんとか抑えられないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。結論から言うと、専門業社に依頼した方がコストパフォーマンスが高いと言えます。

確かにスタビライザーは自力でも何とか交換可能な部品です。一般的には概ね以下のような手順で交換作業を行います。

【一般的なスタビライザーの交換作業手順】

  1. ガレージジャッキでジャッキアップする(筐体を浮かせる)
  2. リジットラックを車体下部入れて支える
  3. タイヤの両輪を外す
  4. スタビライザーを外して、各種パーツを交換し装着する
  5. ジャッキダウンする(筐体を地面に下ろす)

交換にかかる時間は、ロッド1本につき30分〜1時間程度。ただし、フロントとリアの両方を交換したいと考えている場合は、最短でも数時間はかかると見た方が良いでしょう。部品の交換に慣れていない方の場合は、もっと時間がかかることもあります。

さらに交換の際には交換パーツに加え、専用の工具を複数揃えなければなりません。

例えば、車体を浮かせる際に用いるガレージジャッキ、ジャッキアップした車を支えるリジットラック、他にもメガネレンチ(ボックスエンドレンチ)、ラチェットレンチ、六角レンチナットなど各種専門用具も必須です。これだけでも作業工賃相場(5000円〜)を大きく超えてしまいます。

どうしても愛車を自分の手でメンテナンスしたいというマニアな方を除き、トータルで考えると専門の業者に依頼して作業工賃を支払った方がパフォーマンスが高いと言えるでしょう。

6 元から装着してあるスタビライザーを外す場合

スタビライザーは取り外すことのできる部品です。

ただし、元からスタビライザーが装着されている車の場合は要注意。走行性能のバランスを取るためにサスペンション等も予め調整されている可能性が高いからです。

そのため、無調整のままスタビライザーだけを取り外すことでかえって走行が不安定になることも。取り外す際には、サスペンション等のチューニングも併せて行う必要があります。

取り外しを検討している方は、まず業者のメカニック担当に相談してみましょう。

ちなみに取り外したからといって車検に通らなくなる、なんてことは起こりませんのでご安心を。ただし既に装着しているスタビライザーが劣化している場合は整備の際に指摘を受けてしまいます。

装着したからにはしっかりとメンテナンスをして安全性を確保しましょうというのが、車検における保安基準の考え方です。

装着の有無は好み次第!快適なカーライフの一助に

本記事では、車体のロールを抑え安定させるスタビライザーというパーツについて解説しました。

スタビライザーはサスペンションを始めとした各種主要部品とは異なり、装着していなくても問題はありません。人によってはスタビライザーを装着しているときの方がステアリングに違和感を覚えることもあるようです。

もちろんセッティング方法次第では、ロールを低減するだけでなく、ステアリングの初期レスポンスやコーナーの操舵に関する悩みを解消できる可能性もあります。

ただし自力で交換・メンテナンスを行うのは中々骨の折れる作業です。もしスタビライザーの導入・交換・メンテナンスを検討している方は、ぜひ一度ヴァ・ベーネにご相談ください。

熟練のプロフェッショナルが、カーライフに寄り添う最適なご提案をいたします。

WEBでカンタン無料査定!

旧車の買取なら、ヴァ・ベーネにお任せ!
他社査定額よりも、5~50万円UP!お急ぎの方はお電話でも承っております。

豆知識一覧へ戻る
カンタン30秒!カンタン
無料査定
担当者が丁寧に対応03-3742-3255