2023年12月29日
車検に通らないウインカーの保安基準や特徴
車の進行方向を示すうえで必要不可欠な設備である、ウインカー。
運転に直接関係する部分ではないものの、ウインカーが故障していることは車検におけるリスクがあります。
ウインカーには保安基準があり、保安基準を満たしていないウインカーは車検には通りません。 また、点滅スピードやウインカーの位置、光量などの条件によって車検に通らなくなることも。
今回は、ウインカーと車検の関連性について解説します。
目次
1 【項目別】ウインカーの保安基準
愛車のウインカーが車検に通る状態か判断したい場合は、保安基準を確認しておく必要があります。
ここでは、ウインカーの保安基準を項目別に解説します。
1-1 点滅回数
ウインカーの保安基準には、点滅回数が設定されています。
規定とされている点滅回数は以下のとおりです。
- 毎分60回以上
- 毎分120回以下
上記の数字を上回っている場合はもちろん、下回っていても車検に通らなくなります。
1-2 位置
保安基準においては、ウインカーの位置も定められています。
位置に関するウインカーの保安基準は、以下を参考にしてください。
- 上縁の高さ→2.1m以下
- 下縁の高さ→0.35m以上
- 前方・後方に対する指示部の最縁内の間隔→600mm以上
- 指示部の最外縁→400mm以下(車の最外側から)
1-3 色
車検に通るウインカーは、保安基準に則った色にする必要があります。
保安基準に該当するウインカーの色は、オレンジ系です。
改造によりオレンジ系以外の色を発するウインカーは、車検に通らない可能性が高いので注意してください。
1-4 面積
車検に通す際は、ウインカーに規定の面積があることも認識しておかなければなりません。
ウインカーの面積は、前後とも20㎠以上あることと規定されています。
車の全長が6m以上であれば、40㎠以上の面積が必要です。
2 車検に通らないウインカーの特徴
上述した保安基準に則っていないウインカーは、車検には通りません。
あわせて、以下に当てはまるウインカーは、車検に通らない可能性があります。
保安基準と同じ視点の特徴もあれば、それ以外の特徴もあるため、愛車のウインカーに当てはまっている部分がないか確認するうえで役立ててください。
- 点滅しない
- 点滅スピードが早い
- 規定外の位置にある
- 明かりがオレンジ色以外になっている
- 面積が極端に大きい
- レンズにヒビがある
- 光量が多い
2-1 点滅しない
ウインカーは歩行者や他の車に進行方向を伝える重要な装備です。
電球切れなどで点滅しないウインカーは、当然ながら車検には通りません。
2-2 点滅スピードが早い
保安基準におけるウインカーの点滅スピードは、毎分60回以上・120回以下です。
電球切れなどで消費電力が変化したウインカーは、点滅が極端に早くなってしまいます。
寿命・破損が原因でウインカーの点滅スピードが早くなると、車検に通らないため注意してください。
2-3 規定外の位置にある
保安基準の項目で記載した位置に取り付けられていないウインカーは、車検には通りません。
車検の時期に近づいたら、上縁・下縁の高さや、最縁内の間隔などが保安基準になっているか、ウインカーを確認してみましょう。
2-4 明かりがオレンジ色以外になっている
日本の車の多くはオレンジ色のウインカーが搭載されていますが、アメリカ車などは赤色のウインカーのものがあります。
アメリカ車に乗っている場合でも、日本の車検に通す際は日本の保安基準に則り、オレンジ系の色に変えなければ車検には通りません。
2-5 面積が極端に大きい
保安基準におけるウインカーの面積は、一般的なものであれば20㎠以上、大型車であれば40㎠以上とされています。
規定の面積を大きく超えるウインカーは、車検に通らないため注意してください。
2-6 レンズにヒビがある
ウインカーは車の端に設置されているため、ぶつけやすい場所です。
気づかないうちにヒビが入ってしまい、車検に通らなかったというケースもあります。
ヒビ割れにより電球の色が見える、ヒビ割れ箇所から水が入る恐れのあるウインカーは、車検に通らないため覚えておきましょう。
小さなヒビ割れであれば、接着剤などで補修すれば問題ありません。
2-7 光量が多い
極端に光量が多いウインカーは、車検に通らない可能性が高くなります。
光量に関する明確な基準はないものの、日中に100m離れた位置からウインカーの点灯が確認でき、かつ周囲の迷惑にならない光量であることが目安です。
また、前後のウインカーは15〜60W、サイドは10〜60W以下とあらかじめ決まっているため、ウインカーの電球を交換する際の目安にしましょう。
3 シーケンシャルウインカーは車検に通らない?
近年、いわゆる「流れるウインカー」と呼ばれるシーケンシャルウインカーを設置する車も増えてきました。
極端にドレスアップしているウインカーは車検には通らないものの、規定さえクリアしていればシーケンシャルウインカーでも車検に通すことが可能です。
3-1 シーケンシャルウインカーとは
ウインカーの内側から外側に向かって、流れるように発光するウインカーをシーケンシャルウインカーと呼びます。
レクサス・トヨタの高級車に多く採用されていましたが、近年では軽自動車にも取り入れられるようになりました。
2014年に道路交通法が改正されたことで、シーケンシャルウインカーが合法的な設備となっています。
3-2 シーケンシャルウインカーを車検に通す方法
シーケンシャルウインカーは、以下の条件に当てはまっていないと車検に通すことができません。
- ウインカーの内側から外側に向かって順番に点灯する
- 点灯の流れが左右対称になっている
- 点灯回数が毎分60回以上・120回以下
- 他のウインカーと動きがシンクロしている
- すべての電球が同時に消灯する
- 点灯後、すべての電球が点灯するまで点灯し続ける
なお、純正のシーケンシャルウインカーであれば問題なく車検に通せます。
しかし、自作・改造したシーケンシャルウインカーはここで紹介した条件に当てはまるものでないと車検には通りません。
車検に通すにはウインカー以外にも配慮が必要
ウインカーは、歩行者や他の車に自身の進行方向を伝えるために必要な装備です。
故障により点滅しないなどの状態になると、車検に通らないのはもちろん重大な事故を引き起こす原因になります。
ウインカーが原因で車検に通せないということがないよう、保安基準やウインカーの状態をしっかりチェックしておくことが大切です。
なお車検に関しては、ウインカー以外にも以下の項目がクリアできているか確認する必要があります。
- タイヤの劣化
- ガラスの破損・ヒビ割れ
- メーターパネルの点灯
- シートベルトなど内装の破損
- 車検証の内容と実際の車の同一性
- ウィンドウォッシャーやワイパーの使用・劣化具合
- クラクションの音量
- ブーツの状態
愛車の車検が近い方は、ウインカーの状態と合わせて上記の項目における不備がないか、しっかりチェックしておきましょう。
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