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ブレーキフルードの役割や交換の重要性について

ブレーキフルードの役割や交換の重要性について

車を運転する際に、エンジン同様にブレーキも欠かせない機能の一つ。そこで重要になるのがブレーキフルードで、自動車の油圧式ブレーキをスムーズに作動させるためのオイルです。

自動車の状態を維持するには交換をしなければいけませんが、適切な交換時期を知らない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はブレーキフルードの役割から、交換すべきタイミングや交換費用などについて触れていきます。

1 ブレーキフルードとは

ブレーキフルードは、油圧式ブレーキの内部に使用されているオイルのことで、ブレーキオイルとも呼ばれています。

圧力による体積変化の少なさや、粘性の低さが特徴です。また、200度の高温で沸騰せず、マイナス50度の低温で凝固しない性質を持っています。

ここでは、ブレーキフルードの概要を紹介します。

1-1 油圧式ブレーキの仕組み

ブレーキフルードの理解を深めるうえでは、油圧式ブレーキの仕組みを把握しておかなければなりません。油圧式ブレーキは、以下の順番で力が伝達されます。

  1. ブレーキを踏む
  2. マスターシリンダーが油圧に変換される
  3. ブレーキラインのブレーキフルードに伝達する
  4. ブレーキキャリパーのピストンが作動する

ブレーキを踏むと倍力装置であるブースターによって、増幅されたペダル踏力がマスターシリンダーへと伝達されます。その後マスターシリンダーが増幅された踏力を油圧へ変換し、ブレーキラインに満たされているブレーキフルードへと伝わる仕組みです。

最終的に、ブレーキキャリパーのピストンを押し込む形で作動させ、ブレーキローターを挟み込んで制動力が発生します。

後ほど触れるブレーキフルードの役割を把握する際は、まずは油圧式ブレーキの仕組みを理解しておくことが必要不可欠です。

1-2 ブレーキフルードの役割

ブレーキフルードは、車を停止させるための「制動力」をスムーズに発生させる役割をもちます。車のブレーキを踏むと、車を停止させようと制動力が働きます。しかし、この制動力は、ブレーキフルードによる油圧でペダルの踏力を増幅させることで実現するものです。

車は重量や構造の都合上、人力のみでは確実なコントロールができません。油圧によるサポートが必須であることから、ブレーキフルードが重要な役割を果たします。

1-3 ブレーキフルードの種類

ブレーキフルードの主な種類は、以下の通りです。

  • グリコール系
  • シリコーン系
  • 鉱物油系

上記の中でも、安定性が高く車に使用されるゴム製素材との相性も良いことから、グリコール系が一般的です。

またブレーキフルードは、JISのような規格として「DOT」が設定されています。DOTには3・4・5の規格があり、それぞれの特徴は以下の通り。

DOT3 ●      成分→グリコール

●      ドライ沸点→205度以上

●      ウェット沸点→140度以上

●      搭載車→排気量が少ない軽量車

DOT4 ●      成分→グリコール

●      ドライ沸点→230度以上

●      ウェット沸点→155度以上

●      搭載車→排気量が多い重量車

DOT5 ●      成分→シリコン(グリコール性の「5.1」規格もあり)

●      ドライ沸点→260度以上

●      ウェット沸点→180度以上

●      搭載車→スポーツ用・寒冷地用など

※ドライ沸点とは吸湿率0%の沸点(新品時の沸点)で、ウエット沸点とは吸湿率3.7%の沸点(1〜2年使用程度の沸点)

1-4 エンジンオイルとの違い

ブレーキに関連する油脂類であるブレーキフルードと異なり、エンジンオイルはエンジンを正常に動作させるためのオイルを指します。

いずれも同じ「オイル」ではあるものの、動作させるべき部品が異なる点で違いがあることを覚えておきましょう。

2 ブレーキフルードの交換について

自動車の油圧式ブレーキを、スムーズに作動させるために重要なブレーキフレード。

ここではブレーキフレードの交換すべき理由や適切なタイミング、どのように見分けるべきかを説明します。

2-1 ブレーキフルードを交換する必要性

ブレーキフルードはエンジンオイルと同様、時間経過で劣化するものです。そのため、劣化した段階で交換しておかないと性能が低下し、ペダル踏力の伝達がスムーズにできなくなります。

ブレーキフルードは吸湿性が高いため、空気中の水分を取り込むことで劣化が進んでしまうことを覚えておきましょう。

2-2 ブレーキフルードを交換しないとどうなるのか

ブレーキフルードを交換しないままでいると、ブレーキの効きが悪くなります。空気中の水分を吸い込んだブレーキフルードは、沸点が低い状態となっています。

沸点が低い状態のまま放置してしまうと、ブレーキをかけた際に発生する気泡が油圧を吸収し、オイルによる伝達効率が低下してしまうのです。結果「ペーパーロック」という、ブレーキペダルのレスポンスが低下する現象を引き起こし、最悪の場合ブレーキが効かなくなります。

ブレーキに不備があると大事故につながるリスクが増すため、ブレーキフルードの劣化具合を定期的にチェックし、交換しなければなりません。

2-3 ブレーキフルードを交換すべきタイミングの見分け方

ブレーキフルードを交換すべき時期は、さまざまな視点で「変化」を見ることで判別できます。例えば、新品のブレーキフルードが無色透明に近い色であるのに対し、劣化しているブレーキフルードは茶色か黒になっています。目視で「濁った色になっている」と判断できれば交換をしましょう。

また、ブレーキを踏んだ際、ペダルが奥まで入り込んでしまうようになったらブレーキフルードが劣化しているサインです。ブレーキフルードの寿命といわれる、2〜4年周期を目安に交換するのも判断すべきタイミング。

ブレーキフルードを交換すべき時期は、車に詳しくなければなかなか判断がつきません。使用頻度や走行距離によって変動するため把握しにくい側面もあることから、車検の際に交換するのが一般的です。

ちなみに、ブレーキフルードは運転していなくても劣化する性質があるため、普段車に乗らないからといって交換を怠ってしまわないよう注意してください。

3 ブレーキフルードの交換費用

ブレーキフルードの交換を業者に依頼する際の費用相場は、およそ4,000〜5,000円が一般的。主に、カー用品店・自動車整備工場・ガソリンスタンドで交換が可能です。

より費用を抑えて交換したい場合は、業者への依頼ではなくブレーキフルードのみを購入し、自分で交換することもできます。純正品の場合は2,000円程度、より性能の高いものであれば3,000〜5,000円程度で購入できます(いずれも1リットル缶の相場)。

業者に依頼する際は工賃である4,000〜5,000円と、ブレーキフルードの購入代を合わせた金額が発生します。そのため費用を抑えたいのであれば、自分で交換することを検討しましょう。

自分でブレーキフルードを交換するうえで必要な情報については、次章で説明します。

4 ブレーキフルードは自分で交換できる?

ブレーキフルードは、交換手順や選び方を把握しておけば、自分でも交換することが可能です。

4-1 ブレーキフルードの適切な量

ブレーキフルードは、およそ800〜1,000mlが交換料の目安です。全量ではなく、部分的に交換するのであれば、300〜400ml程度で問題ありません。ただし、劣化したブレーキフルードにオイルを継ぎ足す形はおすすめできません。

ブレーキフルードの仕組み上、新しいものと古いものとでは、性能の低い古いものが効果を発揮してしまうためです。そのため、できれば全量交換してください。

4-2 ブレーキフルードを交換する手順

ブレーキフルードを自分で交換する際は、まず以下のアイテムを準備してください。

  • ジャッキ
  • メガネレンチ・スパナ(8〜10mm)
  • ホイールを取り外すための工具
  • 新品のブレーキフルード
  • 透明のビニールホース(直径5mm・長さ1cm程度)
  • ワンウェイバルブ
  • 劣化したブレーキフルードを溜める容器
  • 耐油性のある手袋
  • 水の入ったバケツ
  • スポンジ

上記が用意できたら、以下の手順でブレーキフルードを交換してください。

  1. ビニールホースにワンウェイバルブ(逆流防止弁)を取り付ける(針金などでしっかり締めておく)
  2. タイヤを外してブレーキキャリパのゴムキャップを外してレンチと「1」のホースを取り付ける
  3. ビニールホースに劣化したブレーキフルードを溜める容器をつける
  4. レンチを緩めながらブレーキを何度か踏み込む(劣化したブレーキフルードが抜けていく)
  5. ボンネット内にあるブレーキフルードのリザーブタンクの液面が下がってきたら、新しいブレーキフルードを補充する
  6. ホースの色が透明になった段階でブレーキを踏み込み、レンチを締めてホースを外す
  7. レンチを締めたら再度ブレーキを踏み込み、異常がないことを確認したら終了
  8. 1〜7までの作業を4輪分繰り返す
  9. 4輪分の作業を終えたらエンジンを切った状態でブレーキを踏み込んで異常がないか確認
  10. エンジンをかけて車を発進させ、ブレーキが問題なく機能するか確認する

ブレーキフルードは吸湿性が高いため、交換する日はできるだけ湿度が少ない日を選択しましょう。また、ブレーキフルードは塗装に浸透しやすいため、塗装に触れないよう注意しながら作業することも大切です。

4-3 ブレーキフルードを選ぶポイント

ブレーキフルードを選ぶ際は、できるだけ車種と同様の純正品を使用します。社外品を使用するのであれば、先ほども紹介した規格表示と同じものを使用しなければなりません。

規格外のブレーキフルードを使用してしまうと、ブレーキに何らかのトラブルが発生する危険があることを覚えておきましょう。

ブレーキフルードは車を安全かつ正常に動作させるために必須

今回は、車を正常に停止させる役割を果たすブレーキフルードについて説明しました。油圧式ブレーキによる停止のサポートが必要な車の構造上、ブレーキフルードの劣化具合や交換時期を見極めることは非常に重要です。

ブレーキフルードは交換を放置してしまうと、ブレーキの効きが悪くなり事故の危険性を高めてしまいます。

交換する際は業者に依頼することも、自分で交換することも可能です。愛車を大切に乗り続けるためにもブレーキフルードの重要性を把握していただければ幸いです。

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