2023年8月21日
車を売却する際に抑えておくべき税金のお話
我々が納めている税金は、毎日の生活に深く関係しており欠かすことができないものです。
そもそも税金は、誰が納めるかによって種類が異なります。
所得税や住民税など、納める人と税金を負担している人が同一人物の場合は直接税。逆に税金を納める人と税金を負担している人が異なる場合は間接税にあたります。
車を売却する際に直接税に分類される所得税や、間接税にあたる消費税がかかるのかどうかを疑問に感じられている方も多いのではないでしょうか。
今回は車を手放す際に関係する「消費税」「所得税」「自動車税」について、どのようなケースであれば税金がかかるのか、または確定申告の有無についてもお伝えします。
目次
1 車を売却する際の消費税について
車を手放す際の税金の制度は使用用途によって異なることがポイント。
3つの区分があり「通勤用」「レジャー用」「業務用」に分類され、所有車がどのような目的で使用されていたかで消費税の扱いも変わります。
ここでは使用目的別に、消費税の扱いについてお伝えします。
1-1 通勤用
車の使用目的は通勤用だった場合、車を売却しても消費税はかかることはありません。
一般的な個人の用途の範囲内で使用していた車の売却では、課税対象にはならないと国税庁が定めています。通勤用の場合は、業務のための移動ですが通勤自体は業務には関係していないとの理由から非課税となります。
車を手放した際に得た金額はそのまま利益になるということです。
1-2 レジャー用
使用目的がレージャー用だった場合、消費税の課税対象ではありません。家族でのお出かけやドライブが目的になるので、プライベートの範疇と判断されるためです。
消費税は、事業として物品販売やサービスを提供する際に収める必要があります。そのため個人が車の買い替えや処分をする場合は該当しません。
1-3 業務用
業務用の車の場合は、売却する際に消費税を支払わなければいけません。事業で荷物や人の運搬に使用される場合の車であれば、これに該当します。
個人で自動車を売却する場合でも、その個人が事業主で事業目的の売り渡しであれば消費税の納税義務があることを覚えておきましょう。
2 車を売却した場合の所得税について
自動車を手放す際に関係してくる税金の一つが所得税。
これは、その年の所得や取得利益にかかる税金ですが、車を手放した際に入るお金は課税されるのか悩ましい所。所得税がかかるかどうかの判断は、消費税で触れたように3つの区分で扱いが異なります。
ここでは、それぞれの使用目的別に所得税が必要なのかどうかを説明します。
2-1 通勤用
自動車の使用目的が通勤用だった場合、消費税同様に所得税もかかることはありません。
そもそも所得税とは、生活に通常必要な動産に分類されるかどうかで判断されます。
つまり、日々の生活に必要な自動車を利用していた場合は、その車を売却したとしても非課税になるということになります。
2-2 レジャー用
レジャー用の車であれば、原則所得税がかかります。
前述したように所得税は、生活に通常必要な動産に分類されるかどうかが判断基準となるので、純粋なレジャー目的であれば所得税の課税対象です。
ただ、課税対象となるのは売却益が50万円を超えている場合に限ります。
売却益は購入した際の金額と売却する際の価格の差を意味しており、購入金額よりも売却価格の方が下回っていれば所得税はかかることはありません。
ルール上、レジャー用であれば所得税を支払う必要がありますが、売却益が上回ることは少ないため所得税がかかるケースは稀です。
2-3 業務用
車の使用目的が業務用だった場合は、レジャー用と同様に原則所得税がかかります。
ただ、こちらも売却益を得た場合のみ所得税の課税対象になることがポイント。
つまり、よほどの状況でなければ所得税を支払わなくて済むケースがほとんどです。
3 個人で自動車を手放す場合の確定申告の有無
個人で車を売却した際に気になるのが確定申告。
こちらも車の使用目的と売却益があるかどうかで異なります。
使用目的が通勤用だった場合は、課税対象ではないので確定申告を行う必要はありません。レジャー用のケースは売却益が関係し、上回れば必要で下回れば確定申告は不要です。最後に使用目的が業務用だった場合は、売却益の有無に関わらず確定申告を行う必要があります。
車の使用目的によって確定申告を行うケースもあれば、不要な場合もあるのであらかじめ確認しておきましょう。
4 車を手放す際にリサイクル料に消費税はかかるのか
車を売却する際や廃棄処分を行う際にかかるリサイクル料。
自動車を購入する際に事前に支払うもので、リサイクル預託金とも呼ばれています。
車を手放すタイミングで、リサイクル料に消費税が必要かどうかを「売却時」と「廃棄時」に分けてお伝えします。
まず車を売却する場合は、リサイクル券の譲渡は非課税売上となり消費税は課税されることはありません。リサイクル料の譲渡自体は金銭債権の譲渡と同等の扱いです。そのため非課税対象で、車を手放す際は消費税は不要になります。
次に廃棄処分を行う際は、課税対象となることを覚えておきましょう。
消費税がかかる理由は支払った料金に対するサービスを受けることになるため、課税仕入れとして扱われるためです。
また注意すべき点が税率。リサイクル料を事前に支払うことになりますが、当時の税率と廃棄処分を行う際の税率が異なっていた場合、廃車にするタイミングでの税率が適用されることがポイントです。
5 自動車税について
自動車税は車を所有する上で、納めるべき税金の一つです。
しかし、車を手放す際にも自動車税は深く関係しており、手放す時期によっては支払った一部の自動車税が還付されるケースがあります。
自動車税の納税は、4月1日から翌年の3月31日分までです。4月1日に車を所有している場合、自動車税の納税が義務付けられています。
そのため普通自動車の場合に限りますが、3月31日までに名義変更を含め売却手続きが完了していれば、前年に支払った自動車税のうち、残りの期間に応じた金額が還付されます。
つまり4月1日以降に車の売却をすると自動車税を納めなければいけません。また売却手続きを進めていても、4月1日以降に名義変更を行なってしまうと、所有者は変わっていないので納税義務が発生します。
買取業者によっては後日、全額を負担してくれることもありますが、依頼する業者によって対応が異なるので注意が必要です。
可能な限り4月1日より前に名義変更の手続きを完了させておくのに越したことはありませんが、難しい場合はあらかじめ買取業者に確認しておくとスムーズです。
軽自動車の場合は、軽自動車税の還付は対象外となっているので注意しましょう。
車を売却する際は使用目的や手放すタイミングに注意
車を売却する際に関係してくる税金についてお伝えしました。
「消費税」「所得税」「自動車税」の3つの税金が関係してくることがあり、ケースによって課税されることがポイント。税金はどこか難しく敬遠されがちですが、知っておくことで税金が還付されることもあります。
当記事を通して車を手放す際の一助になれば幸いです。
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