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コーナリングで重要なデフって?4種類のLSDや寿命などを知ろう

コーナリングで重要なデフって?4種類のLSDや寿命などを知ろう

皆さんは車を選ばれる際、どこをポイントとしていますか?

エクステリアやインテリアは目に留まるので、車を選ぶポイントとしては優先度が高いでしょう。ですが目に触れる機会が少ないものの、車を支えている大切なパーツはたくさんあります。

普段運転をされる際に当たり前のように直進させ、カーブを曲がっていますよね。実は、車がコーナリングを行う時に「デフ」と呼ばれるパーツがとても重要な働きをしているのをご存知でしょうか?このデフが車に備わっていることにより、カーブをスムーズに曲がることができるわけです。

しかし、このデフは車体の下を覗き込まないと見えないため、車好きの方以外は馴染みの薄いパーツなのでは。

そこで今回は、車の走行に欠かすことのできないパーツであるデフについて触れてみましょう。デフの役割から、種類、トラブル、交換時期まで幅広く解説します。

1 そもそもデフとは何か?

デフと聞いて皆さんはどこのパーツを思い浮かべますか?

的確にこのパーツであると答えられる方は少ないのではないかと。そもそもデフとは何のことを指すのか。ここではデフの役割について解説していきます。

1-1 車の走行に重要なデフの役割とは?

デフとは、「デファレンシャルギア」のことを指し、日本語では差動装置と呼びます。この言葉は聞き慣れないかもしれませんが、車にとってとても重要な働きをするパーツの1つ。

車がコーナーを曲がる時に左右のタイヤで移動距離が異なります。カーブの外側の車輪は内側の車輪と比較すると移動距離が長くなり、左右の車輪に速度差が発生してしまいますよね。この左右の回転数の調整を担うのがデフというパーツ。

仮にデフが付いていないと左右の車輪の回転数が同じになってしまい、スムーズにコーナーを曲がることができなくなってしまうわけです。

1-2 デフの機能が裏目に出ることも!?

デフはスムーズにコーナリングをするために必要なパーツですが、弱点もあります。

雪道などで車輪がハマってしまったとしましょう。その時ハマってしまっている車輪はデフの仕組み上、空転してしまいます。逆にハマっていない車輪には駆動力が伝わらなくなり車を進めることができなくなってしまうんです。

2 デフの弱点を補うデフロック

デフの弱点を補う機能がデフロック。デフロックは全ての車輪にトラクションをかけることができるので、地面にエンジンパワーを効率的に伝えることを可能としています。

雪道などで車輪がハマってしまったとしましょう。その時ハマってしまっている車輪はデフの仕組み上、空転してしまいます。逆にハマっていない車輪には動力が伝わらなくなり車を進めることができなくなってしまうんです。

デフはスムーズにコーナリングをするためには必要なパーツ。しかしながら弱点もあることを覚えておきましょう。

3 旋回機能の低下をカバーする「LSD」

デフロックは車輪にトラクションをかけることにより、デフの弱点を補っています。しかし、デフロックを行うと旋回機能が低下してしまうデメリットも。

この旋回機能の低下をカバーすべく、必要に応じて差動制限を行うLSD(リミテッド・スリップ・デファレンシャルギア)というパーツが考案されています。

LSDを装備することにより、路面環境の悪い状況でも自動で差動制限を行い、左右輪の抵抗に関係なく同じトルクを供給することが可能に。

差動制限の方法によってLSDには多くの種類がありますが、ここでは4種類のLSDを紹介します。

3-1 一般的なビスカス式

デフの中でも多くの自動車に採用されているものがビスカス式LSDです。

ビスカスカップリングというパーツを使用し、デフ内を粘度の高いシリコンオイルで満たしています。車輪が空転した場合は、シリコンオイルのせん断力(シリコンオイルの抵抗力)を発生させることで空転していない車輪にもトルクを配分させて回転さることが可能に。

軽量かつシンプルな構造であるため、コストが抑えられ最も多く採用されているデフでもあります。

3-2 スポーツカーに多く採用されているトルセン式

「トルセン式LSD」はトルクセンシング(トルク感応式)LSDの略語で、スポーツカーなどに多く使用されているLSDです。

構造がとても複雑で多くのパーツによって構成されていて、メカニカルな印象を持ち合わせています。

性能の特徴としては、ウォーム・ギヤ歯面摩擦とスラスト・ワッシャの板間摩擦を利用。これらのパーツにより、強いトラクションを与え、コーナリング時やアクセルワークにおいて車両姿勢を安定させることができることがポイント。

またトルセン式の一種にヘリカル式があり、採用する自動車メーカーの宣伝により慣習上分けて扱われているもの。

トルセン式LSDは差動制限力が強く、タイプAと呼ばれています。一方で、ヘリカル式LSDはタイプBに分類。これはヘリカルギアというパーツを使用し、差動制限力を幅広く設定することが可能である特徴があります。

3-4 レーシングカーやオフロード車に採用されている機械式

2輪車などに使用されている多板クラッチを使用して差動制限を行うデフを「機械式LSD」と呼びます。

内部の圧着力を調整することにより大きな差動制限力を発揮することが可能です。

差動制限力が大きい分、定期的なメンテナンスを必要とするデメリットも。公道ではオーバースペックとなるため、主にレーシングカーやオフロード車に採用されています。

3-5 左右輪に伝えるトルクの最適化してくれる電子制御式・アクティブLSD

前述した通り、LSDは左右輪の差動制限を行うパーツ。この機能の他にも、左右輪の駆動力のバランスや応答性を制御する機能を備えたLSDを「電子制御式LSD」または「アクティブLSD」と呼びます。

デフに備わっている制御コンピューターが、市街地から雪道など都度変化する道路環境や走行環境、またはドライバーの操作を詳細に読み取り、左右輪に伝えるトルクの最適化を自動で行っているんです。

4 デフに起こりやすいトラブル

デフは車体の下に設置されているため、メンテナンスのしづらい構造になっています。しかし、デフは故障してしまうとコーナリングに支障をきたし、最悪の場合走行不能になることも。

デフに起こりやすいトラブルや、寿命などを予め把握しておきましょう。

4-1 異音がする

デフのトラブルで多いのが異音がするトラブルです。

正常なデフはギアが噛み合うことにより左右輪の回転差を吸収しているのですが、デフが破損することによりデフ内のギアがうまく噛み合わなくなり異音が発生します。

4-2 デフオイルの交換

エンジンオイルを交換するように、デフもオイル交換が必要です。

デフのギアをうまく噛み合わせ、スムーズに動かすためにはデフオイルが重要な働きをします。

デフオイルの劣化は異音の発生などのトラブルの原因に繋がるため、定期的なオイル交換が重要。デフオイルの交換目安は20,000km前後です。ご自身の車の走行距離と照らし合わせて適正にオイル交換を行いましょう。

またデフオイルを交換したにもかかわらず、まだ異音が発生している場合はオイル漏れの可能性があります。デフを構成するパーツの劣化によりオイルが漏れることもありますので、オイル漏れのチェックも欠かさず行いましょう。

5 デフの寿命・交換するには

デフに明確な寿命は設定されていません。

デフは頑丈なパーツであるため、適正にオイル交換やメンテナンスを行うことにより長期間使用可能です。しかし、万が一破損し使用不可能となった場合は交換の必要あり。

前述のとおり、デフは車体の下に設置され交換にはジャッキアップを行います。取り外しがとても困難で、かなり重量のあるパーツであるため、デフの交換は販売店や修理工場に依頼すると安心です。

まとめ

デフはコーナリングを行うときはもちろんのこと、走行状況に合わせてスムーズな走行を手助けしてくれる重要なパーツです。

また、デフロック機能を搭載したLSDは変化する道路状況にも対応可能とさせる優れもの。デフの不具合は安全な走行に影響を及ぼすため、異変に気がついた際の早急な点検が大切です。

トラブルを引き起こさないためにも、日頃のメンテナンスをしっかりと行いましょう。

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