2021年7月9日
旧車好きなら知っておきたい「エンジンスワップ」について解説
大切な愛車が突然、エンジンが故障してしまうなんて経験をされた方も少なくないのでは。エンジンは車の心臓部分でもあるため、故障した場合は廃車を検討される方も多いでしょう。
しかし、大切な愛車に乗り続けたい方には、エンジンスワップと呼ばれる手法がおすすめ。これは新しいエンジン、もしくは全く別のエンジンに載せ替えるカスタム方法の一つ。
エンジン載せ替えは修理の中でもハードルが高いため、故障した際にはどのように対処すべきか考えておくことが大切です。
そこで今回はエンジンを載せ替える「エンジンスワップ」について、実施する上での注意点やメリット・デメリットなどについて解説していきます。
目次
1 エンジンスワップとは
エンジンスワップは自動車に搭載されているエンジンを取り外し、別のエンジンに載せ替えること。車の性能向上や修理、環境対応を目的に行われるものです。
基本的には排気量の大きいエンジンに載せ替えることがほとんど。これにより年式が古い車両などでもパワー不足を感じることなく、快適なカーライフを楽しむことができる訳です。また同系車種でのエンジンの載せ替えが行われることが一般的ですが、メーカー違いでの変更など根本的に形式を変更するなんてことも。
基本的にエンジンスワップを行うのは、現在では旧車が主流です。70年代や80年代の車に搭載されているエンジンは、簡単な仕組みになっていることが特徴。また日本車の多くはエンジンやシャーシーなどの一部のパーツを共有することが多く、エンジンスワップが比較的容易にできたんです。
例えば2リッターのL型エンジンを搭載していた場合に、共有パーツがあるので2.8リッターに転換されるなんてことも。80年代などはエンジンスワップは盛んに行われていました。
その後、時代の変化に伴い自動車も進化を遂げることに。現在ではインジェクションシステムやECUを採用するメーカーがほとんど。エンジン部分の構造は複雑化しており、全く同じ車種の同型エンジンを換装する以外にはエンジンを載せ替えるということはほとんどできなくなっています。
しかし旧車であれば共有のパーツが存在すれば可能なので、旧車ファンにとっては魅力的なカスタム手法と言えます。
2 エンジンスワップを検討する際の注意点
2-1 エンジンだけではなく他のパーツの確認も大切
前述した通りエンジンスワップを実施することで、車にとって性能を大きく向上できることがメリット。
しかしながら注意点もあることを覚えておきましょう。まず、異なるメーカーや車種間でエンジンスワップを実施する際は、パワーユニットがエンジンルームに収まるかを確認する必要があります。またエンジンスワップを実施することで性能は向上しますが、それに合わせて駆動系の見直しが必要です。その他にも足回りやブレーキの強化など車全体の劣化具合を確認しましょう。それに見合ったパーツ
例え高性能エンジンを搭載しても、別のパーツの劣化によって性能がダウンするなんてこともしばしば。エンジンは車にとって重要なパーツですが、それだけでは性能は決まる訳ではありません。その他のパーツの状態も性能に大きく影響していることを覚えておきましょう。
2-2 実施するには費用が高額になることも
当然ながら、エンジンスワップは簡単に行えるものではありません。そのためコストは必然的に高額になることがほとんど。
エンジンスワップにかかる費用は、車種や搭載されているエンジンによって金額は変動します。同じエンジンに載せ替えるのであれば工賃は一般的に8〜20万円程度が相場です。
当然ながら新しいエンジンに載せ替えるので、購入費用がかかることも覚えておきましょう。またその際に中古のエンジンなのか、新品のエンジンを購入するのかによっても価格が変動します。中古のエンジンであれば安価なものもありますが、物によっては流通数の関係から価格が上昇しているなんてことも。新品のエンジンを購入する場合は、70〜100万円程度が一般的です。
搭載するエンジンによってコストは変わってくるので、あらかじめ確認しておきましょう。
2-3 構造変更申請や公認車検が必要
エンジンスワップを実施した車両は車検が通るケースと通らない場合があります。
まず車検が通るケースは、同じ型のエンジンをそのまま載せ替えた場合です。車検証に記載されているエンジンの形式名と排気量が同じであれば、他の車両からのエンジンを換装したとしても車検には問題はありません。ただ、形式が一致していても車検に通らないなんてことも。載せ替えるエンジンの排ガス記号より、車両に搭載されているエンジンの排ガス記号が古くなる場合は公認車検を通す必要があります。
その反面、排気量の変わるエンジンやそもそも形式名が違うケースは、車検を通すことはできません。合法的に公道を走行するには構造変更審査を受け、公認車検を通す必要があります。当然ながら、この手続きを実施しないと罰せられるので注意が必要です。
申請に必要な書類は様々。エンジンだけではなくマフラーやステアリングなども交換した際は、申請が必要になるため覚えておきましょう。構造変更申請の手続きを行う際は、管轄の陸運局や自動車検査登録事務所に必要な書類を提出しなければいけません。
必要書類は以下の通り。
・車検証
・自動車検査票
・点検整備記録簿
・自賠責保険証明書
・自動車重量税納付書
の5つの基本的な書類と以下の申請書関連が必要です。
・改造自動車等届出書
・改造等概要説明書
・改造箇所の添付書類
・手数料納付書
また全く違う車種や異なる排気量のエンジンなどにスワップするケースは、強度計算書や排ガス規制の適合書類などを準備する必要があります。申請をする際はどのような書類が必要になるのかを事前に確認しておきましょう。
構造変更や公認車検について詳しく知りたい方はコチラも併せてご覧ください。
3 エンジンスワップを行うメリット・デメリット
3-1 愛車を乗り続けたい方にとって魅力的なカスタム
前述した通り、エンジンスワップを実施することでのメリットは実に様々。
まずエンジンスワップを実施することでの最大のポイントは、大幅なパワーアップを実現することができること。形状にもよりますが、軽自動車に普通車のエンジンを搭載するなんてことも可能です。車好きであれば、一度は考えたことがある方も多いのでは。
エンジンスワップは、特に旧車ファンの方に利用されています。年式が古い車だとトラブルは付き物。走行中にエンジンが止まってしまったなんてことも珍しくありません。そこで新しいエンジンに載せ替えてしまえば、安心して快適なカーライフを送ることが可能になります。
このようにエンジンスワップは車好きにとって魅力的なカスタムという訳です。
3-2 エンジンスワップを行う上でのデメリット
エンジンスワップにはメリットばかりではなく、当然ながらデメリットも存在します。
まず非常に費用がかかってしまう点です。別のエンジン一式を購入し、尚且つ載せ替える訳なのでコストがかかってしまいます。それに伴い、ミッションや電装周りなどの他のパーツも購入しなければいけません。業者によって金額は変動するので、予め確認しておくことをおすすめします。
費用を抑えようと自分でエンジンの交換を行う方もいますが、非常に危険なのでおすすめはしません。エンジンスワップは難易度が高いため技術力が必要です。素人が行うことで状態を悪くしてしまう危険性もあることを覚えておきましょう。例え見栄え上は載せ替えができていたとしても、正しく取り付けられているかは分かりません。エンジンは車の心臓部分でもあるため、専門知識を持った業者に依頼することをおすすめします。
またエンジンを載せ替えたとしても、予期せぬトラブルが起きるなんてことも。車のボディは当然ながら、当初の搭載するエンジンにあわせて設計されています。そこに別のエンジンを搭載するので、本来は予定していなかった負荷を与えてしまうことに。これによりエンジン以外の部分が故障してしまうこともあるので、注意が必要です。
4 エンジンスワップを依頼するなら
現在ではエンジンスワップなどの重整備を実施してくれる業者は多くはありません。また、依頼を受けてくれても仕上がりに疑問が残るなんてことも。せっかく大切な愛車を預ける訳なので失敗は避けたいもの。
そのような場合は是非、ヴァベーネにご相談ください。
業歴30年以上の実績と信頼があり、国土交通省認定の認証を取得している自社工場を完備しています。エンジンスワップやフルレストア、車検に至るまで幅広く対応が可能です。他社で断られた場合でも諦めず、お問い合わせください。乗り続けたい方を全力でサポートします。
まとめ
今回はカスタム手法の一つでもあるエンジンスワップについて解説してきました。
エンジンを新しく載せ替えることで、基本性能が向上することがメリットで、快適なカーライフを楽しめることができます。
その反面、コストは高くなる傾向にあり、載せ替えが完了しても後々トラブルになることも。また全く別のエンジンに載せ替えた場合は、構造変更申請や公認車検などの手続きを実施する必要があります。エンジンスワップは費用や手間がかかってしまいますが、思い出が詰まった大切な愛車に乗り続けたい方にとっては魅力的なカスタム方法です。
興味のある方は検討してみてはいかがでしょう。
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