2022年10月21日
車のヘッドライトを交換する際に知っておくべきポイントを解説
ヘッドライトは前方を明るく照らすだけでなく、周囲に自身の車の存在を知らせるためにも重要なパーツです。
走行中に突然球切れを起こしてしまうと事故につながる危険もあるため、定期的なチェックが必要です。
今回はヘッドライト交換前に知っておきたいポイント、交換費用の目安、交換の仕方などの「ヘッドライト交換の基本」をご紹介していきます。
車のヘッドライトに使用されているランプの種類から、交換するタイミングなどについてはコチラ。
目次
1 ヘッドライト交換は「バルブ交換」と「ヘッドライト自体の交換」の2種類
ヘッドライトの交換は、主に下記の2種類に分けられることを知っておきましょう。
1-1 バルブ交換
ヘッドライトの中に入っているバルブ、すなわち電球のみを交換する方法です。ほとんどの場合はこのバルブ交換で解決するはず。
片方のヘッドライトが点灯しなくなった、もしくは点灯したりしなかったりするという場合は、バルブが寿命を迎えている可能性が高いためです。
1-2 ヘッドライト自体の交換
ヘッドライトごと取り外し、新しいヘッドライトを取り付けるという方法です。
事故などでヘッドライトが損傷してしまい、点灯しなくなった場合などはこの方法で交換を行います。
また、ヘッドライトにLEDを埋め込んだ「LEDヘッドライト」が純正で装備されている場合はヘッドライトごと交換を行います。
LEDヘッドライトはヘッドライト自体にLEDを埋め込んでいるので、基本的にバルブだけ交換することができないのです。
2 ヘッドライト交換・バルブ交換費用の相場
自分で交換することもできますが、安全なのは業者への依頼。
ヘッドライトの交換を行っている業者と、それぞれの相場をまとめました。
ヘッドライト自体の交換 | バルブ交換 | |
---|---|---|
ディーラー | 約50,000円~ | 約4,000円~ |
整備工場 | 約20,000円~ | 約2,500円~ |
ガソリンスタンド | 約25,000円~ | 約2,500円~ |
カー用品店 | 約25,000円~ | 約2,000円~ |
金額は業者や作業内容によっても変化するためあくまでイメージとしてお考えください。
ここからはそれぞれの業者の特徴を記載していきます。
2-1 ディーラー
ディーラーはメーカーの正規取引店なので、純正パーツを使った交換が可能。
工場の設備や整備士の技術の質が高いというのもメリットでしょう。
デメリットとするならば費用が高い傾向にある点。
コストがかかっても安心できるところへ依頼したい方に適している選択肢と言えるでしょう。
2-2 整備工場
整備工場は地方運輸局長の認証を得た工場のこと。自動車整備士が所属しているため、技術力のあるスタッフに対応してもらうことが可能です。
工賃はディーラーで交換するよりも安め。
車検や定期点検などで長年利用している場合などは交換費用を融通してもらえる可能性もあり、コストを抑えたい場合にも適しています。
ただし、車のメーカーや車種によっては、バルブの在庫がない可能性があるため、純正パーツへのこだわりが強い場合はディーラーへの依頼が適切かもしれません。
2-3 カー用品店
全国に多くの拠点があるチェーン店であれば、メニューや工賃が明確。かつ自宅近くの店舗で気軽に依頼できるというメリットもあります。
カー用品店でのバルブ交換の工賃は、安いと500円台のところも存在しています。
安価な反面、スタッフ全員が車に精通しているとは限らないのが注意点です。
2-4 ガソリンスタンド
カー用品店と同様に全国に店舗があり、24時間営業の店などは比較的遅い時間まで対応してくれることも多いため、自宅近くのガソリンスタンドですぐに交換してもらえるのが最大のメリットと言えるでしょう。
しかしながらカー用品店同様に、店舗によって技術力に差がある可能性は否めません。
3 ヘッドライトの種類と特徴
まず、ヘッドライトには以下の3種類があります。
- ハロゲン
- HID
- LED
ハロゲンとHIDであれば、バルブ交換が可能。
LEDの場合は前述のようにヘッドライトにLEDが埋め込まれている可能性があります。そうなると基本的にバルブ交換はできないため、ヘッドライトごと交換することになることを覚えておきましょう。
ヘッドライトの種類と特徴は下記を参考にしてみてください。
ハロゲン | HID | LED | |
---|---|---|---|
コストパフォーマンス | ◎ | 〇 | 〇 |
寿命 | △ | 〇 | ◎ |
発熱量 | ◎ | 〇 | △ |
ハイビームに適しているか | 〇 | △ | ◎ |
ここからはそれぞれのバルブについての特徴を記載していきます。
3-1 ハロゲンランプ
1990年代にHIDが登場するまで、ヘッドライトのほとんどに使用されていたハロゲンランプ。
フィラメントと呼ばれる電球の中にある細い線が発光する、いわゆる電球らしいタイプ。対向車に優しい淡い暖色系の光を放つのが特徴と言えます。
雨や霧の中でも前方を明るく照らすことが可能で、比較的安く入手でき、自分で交換することができるのもメリットといえるでしょう。
一方で、HIDやLEDほどの明るさはありません。かつ消費電力が多い上に寿命が短いというデメリットも。
3-2 HID(High Intensity Discharge lamp)
HIDは別名「高輝度放電ランプ」と呼ばれています。1990年代から普及がスタートしています。
ハロゲンランプのようにフィラメントがなく、空中放電を起こすことで発光する仕組みとなっているため、比較的寿命が長いのが特徴です。
HIDはヘッドライトのバルブの中で最も明るい光を発し、消費電力も35〜55Wと省電力。さらに、カラーバリエーションが豊富な点も魅力と言えるでしょう。
一方で、点灯してから最大の光量に達するまで5〜10秒ほどかかってしまうため、ハイビームを多用する場合には適さないかもしれません。
また、HIDは電圧の負荷が大きいために交換作業を誤るとほかの電気系パーツが焦げたり、スパークして火災を引き起こしたりする危険性があるバルブでもあります。
交換には専門知識や技術が必要なため、交換に慣れていない際は必ずプロに依頼してください。
3-3 LED(Light Emitting Diode)
LEDとは、発光ダイオードを使ったライトを指します。
特筆すべきはその寿命の長さ。なんと最大で15年ほども発光し続けるため、車を購入してから手放すまで一度も交換する機会がない可能性すらあります。
消費電力は約20Wと少なめ。そのため発熱もほとんどありません。
明るさはHIDには劣りますが、最大の光量に達する速度も早く、実用性にも優れています。
しかしLEDは本体と一体化しているタイプが多くいためにバルブのみの交換ができないことも。
もしもヘッドライト本体をハロゲンランプからLEDに交換する場合、配線などがそのまま使用できる可能性もあるため、LEDを使用したい場合は一度業者に相談してみるのも手です。
4 ヘッドライトが故障したまま車を運転するのは違反行為に
ヘッドライトが故障したまま運転することは、道路交通法第62条により禁止されています。
7,000円の罰金と違反点数1点の減点が科せられてしまいます。そのため、ヘッドライトが故障したら、安全のためにもすぐに交換しなければなりません。
日頃からヘッドライトが点灯するか、十分な明るさを保っているかなどのチェックを行うとともに、球切れを起こす前にバルブ交換を行ってください。
5 ヘッドライトを交換する前に確認しておきたい球切れ以外の原因と対処法
ヘッドライトのバルブ交換を検討するのは、ヘッドライトをつけても暗かったり、明かりがつかなくなったりするタイミングなはず。
しかし同じ症状でもバルブ以外に原因がある場合があるんです。
バルブを交換する前に間違えやすい原因と対処法を確認しておきましょう。
5-1 ヘッドライトが両方つかなくなった場合、ヒューズに原因がある可能性も
もしも左右両方のヘッドライトが点灯しなくなった場合、電装部品を過電流から保護する「ヒューズ」が原因の可能性も考えられます。
ヒューズの状態を調べるには、ヒューズボックスの中の銅線を確認しましょう。
もしも動線が切れてしまっているような場合はヒューズが原因でライトが点灯しなくなっているため、ヒューズを交換することで解決します。
ヒューズボックスの位置は車によって異なりますが、ダッシュボードの裏やエンジンルームにあるケースが大半。
事前に取扱説明書を読んで場所を確認しておくのをおすすめします。
5-2 光量の減少はヘッドライトの黄ばみ、汚れが原因の可能性も
HIDやLEDなど明るいライトを使用しても十分な明るさが得られないときは、ヘッドライトカバーの黄ばみや汚れが原因かもしれません。
ヘッドライトは、紫外線を浴びたり細かな傷がついたりすると、徐々に黄ばみが目立つようになります。このような黄ばみが確認できた場合は、
- ヘッドライト表面の汚れやほこりを水で流す
- マスキングテープでヘッドライトの周りを保護する
- 耐水ペーパーに水分を含ませてヘッドライトの表面を磨く
このとき、耐水ペーパーは目が粗いものから細かいものに段階的に変えていく - コンパウンドを使って研磨する
などの手順で清掃することができます。
注意点としてはヘッドライトに泥や砂、ほこりなどが付いている状態で磨くとさらに表面を傷つけてしまう恐れがある点。必ず最初に水洗いをしてから作業を行ってくだださい。
6 ヘッドライトのバルブを自分で交換する際の手順
ヘッドライト本体ではなく、バルブだけを交換したい場合、ハロゲンランプであれば自身で行うことができます。
バルブ交換の手順について記載します。
- ボンネットを開け、ヘッドライトの後ろにあるヘッドライトコードを確認
- ヘッドライトコード先端のコネクターを取り外す
- バルブの位置を確認
- バルブ裏のゴムカバーを取り外す
- バルブを固定しているストッパーを取り外す
- バルブ本体を外す
- ガラス管に触れないよう、新しいバルブを取り付ける
- ストッパーを取り付けて固定
- バルブ裏のゴムカバーを取り付ける
- コネクターを取り付け、ライトが点灯することを確認
上記の手順を行う際は、安全のためにも消灯直後は避けてください。かつ、手袋を着用して行いましょう。
また、ヘッドランプのスイッチが切れていることを事前に確認しておくのも忘れずに。
バルブの交換は、ハロゲン、HID、LEDいずれも作業内容は基本的には変わりません。
しかしハロゲンからHIDに変更する場合、バラストやイグナイターなどのパーツ取り付けの手順も加わります。
ハロゲン球の交換は比較的容易ですが、HIDライトは高圧電流をともなうので非常に危険です。
正しく配線しないとショートしてしまい、愛車にダメージを与えてしまうかもしれません。
少しでも不安がある方は、専門店にお願いしてください。
7 DIYでバルブ交換する際の3つの注意点
DIYで交換する際の注意点は2つ。
予期せぬ事故につながる場合があるため、正しく準備を行ってから交換してください。
7-1 車(ヘッドライト)の使用直後に交換しない
ハロゲンやHIDのバルブは、使用直後は高温。そのため触ると非常に危険です。
また、エンジンルーム内も非常に高温です。作業中に思わぬところに触れてしまい、やけどしてしまう可能性があります。
作業をする際は、十分にエンジンが冷えてから、すなわち車の使用から時間が経過した段階で行ってください。
7-2 バルブを触る際は必ずゴム手袋などを着用する
バルブのガラス部分を素手で触ると、手の油分がガラスに付着してしまいます。
そのまま使用すると、油分が付着しているところに熱が集中してしまい、最悪の場合ガラスが割れてしまうこともあり得ます。
万が一ヘッドライトの内部で割れてしまうと、その破片を取り出すのは非常に困難。そのため作業の際は、滑り止めの付いたゴム手袋などを使用するようにしてくださいね。
7-3 感電には最大限注意する
HIDバルブは、高電圧を発生させるバラストに繋がるコネクターにセッティングされています。
もしコネクターに触れているときに車のライトスイッチが入ると感電の恐れがあります。
そのため、作業の際はバッテリーのマイナス端子を外しておくのがおすすめ。
交換作業中は車をロックし、キーを外しておくなどの対策も有効でしょう。
ヘッドライトのチェックは定期的に行い、交換は早めに行う
ヘッドライトは前方を明るく照らすだけでなく、周囲に存在を知らせるためにも重要なパーツ。
走行中に突然球切れを起こすなどのリスクを防ぐためにも、定期的なチェックが必要です。
明るさが落ちてきたら、交換時期が近いと判断しましょう。
自分自身で明るさの違いがわからない場合は、ディーラーや整備業者の点検を受けるのもおすすめです。
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