2023年5月26日
優れた走行性能を実現するミッドシップ車とは
旧車を購入する際、エンジンレイアウトにこだわりたいという方も少なくありません。スポーツカーを中心に採用されてきたレイアウトに「ミッドシップ」が挙げられます。ミッドシップとは、車体中心部にエンジンを配置するレイアウトのことです。
今回は、ミッドシップの特徴やリアエンジンとの違い、ミッドシップのメリット・デメリットを紹介します。現在の日本で購入できる、ミッドシップ搭載車も紹介しているのでぜひ参考にしてください。
目次
1 そもそもミッドシップとは
ここでは、ミッドシップの基本情報や種類について解説します。
1-1 ミッドシップとは
ミッドシップとは、自動車の車体中心部にエンジンが配置されているレイアウトのことです。
前輪駆動を示す「フロントエンジン・フロントドライブ(FF)」や、後輪駆動を示す「フロントエンジン・リヤドライブ(FR)」と比較し、ちょうど中間の位置にエンジンが配置されるレイアウトを指します。
ミッドシップは主に、スポーツカーやスーパーカーなど、走行性能を優先させた車に多く採用されているエンジンレイアウトです。ほかにも、ホンダの軽トラ「アクティ」や、アクティをベースにした「Z」など、軽自動車にも取り入れられたことで知られています。
1-2 種類
ミッドシップには「リア・ミッドシップ」と「フロント・ミッドシップ」の2種類があります。それぞれの特徴を以下にまとめているので、ミッドシップ車を購入するうえでの参考にしてください。
リア・ミッドシップ | フロント・ミッドシップ |
● 運転席・助手席後方にエンジンを搭載するレイアウト
● フォーミュラーカーを起源としている ● スポーツカーやスーパーカーに多く採用 ● 一般的には後輪駆動のMRを指す ● ミッドシップ特有の高い走行性能を維持しつつハイパワーを路面へ的確に伝える最新手法も導入 |
● エンジンを前輪の後ろ部分に運転席との間に配置するレイアウトを指す
● FRと機構的には大きく変わらない ● BMWなどが採用している ● 運転席がリア側にセットバック ● 重量バランスが良くコーナリングやステアリング性能を向上させられる ● フロント足回りにおける設計の自由度が高い ● リアタイヤにトラクションがかかりやすくプロペラシャフトもないため軽量化できる |
上記2種類のほかに、四輪駆動式のミッドシップ車もあります。タイヤ4本でエンジンパワーを受け止めることにより、エンジンパワーを高める効果が期待できます。
またトラクションが四輪全てに伝わるため、段違いの加速を実現できるのも特徴。ただし、四輪全てを駆動させるためのパーツが必要になることから、重量が大きくなってしまいます。
2 リアエンジン(RR)とミッドシップ(MR)との違い
ミッドシップ(MR)と混在しやすいレイアウトに「リアエンジン(RR)」があります。リアエンジンとは、後輪の真上、もしくはそれよりも後部にエンジンを配置し、後輪を駆動する形式のことです。
ミッドシップがエンジンを後輪車軸よりも前方に配置し、後輪を駆動させるのに対し、リアエンジンは後輪車軸よりも後方にエンジンを配置します。したがって、リアエンジンとミッドシップは、それぞれの「車軸の位置」に違いがあるといえます。
ちなみにリアエンジンが取り入れられている車種は、ポルシェ911やルノー・トゥインゴなどです。
ミッドシップとは走行面での明確な違いはなく、いずれも立ち上がりのトラクション性能は高い傾向にあります。あくまで、車軸の位置に違いがあるとして比べられます。
3 ミッドシップのメリット
ミッドシップ車のメリットは、以下3点です。それぞれのメリットについて詳しく解説しているので、ミッドシップ車購入前にご覧ください。
- 理想の車高を実現できる
- コーナリングがスムーズになる
- 優れた加速性能
3-1 理想の車高を実現できる
ミッドシップ車は、全体的に車高が高い傾向にあります。車高だけでなく、全高も高いのがミッドシップ車の特徴です。
運転席や助手席の後方が盛り上がり、ストンと下がるような特徴的なボディデザインの車種が多くあります。まるでレーシングカーのようなビジュアルであるため、車高にこだわりたい方にとってミッドシップ車は非常に魅力的です。
3-2 コーナリングがスムーズになる
ミッドシップ車は高重量のエンジンを車両中心部に配置しているため、フロントエンジン車・リアエンジン車よりもコーナリングがスムーズです。
車両の旋回姿勢も安定するため、旋回性能もアップします。
3-3 優れた加速性能
重量物であるエンジンを車体中心部に配置しているミッドシップ車は、加速性能がとりわけ高いのも特徴です。スポーツカーに多く採用されていることからも、加速性能は疑いようがないでしょう。
車高やコーナリング性能と合わせて加速性能も優れていることから、他のモデルとは異なる爽快な走行を実現できるのはミッドシップ車ならではのメリットです。
4 ミッドシップのデメリット
メリットの多いミッドシップ車ですが、以下3つのデメリットがあることも把握しておくべきです。
- 車両価格が高くなる
- 後部座席をつけられない
- エンジン音が気になりやすい
4-1 車両価格が高くなる
ミッドシップ車はスポーツカーやスーパーカーが多いため、必然的に車両価格が高くなってしまいます。搭載されているエンジンやサスペンションも同系統であることから、部品代も加味すると非常に高額になるといえるでしょう。
車検整備や消耗品の交換にも費用がかかるため、整備費も含めてお金に余裕がないと所有できない車です。
4-2 後部座席をつけられない
ミッドシップ車は、二人乗り使用がほとんど。そのため後部座席をつけられず、大人数でドライブを楽しみたい方には不向きなモデルです。
特にリア・ミッドシップ車の場合は、運転席や助手席の後方にエンジンが搭載されるため後部座席を設置することは難しいでしょう。
4-3 エンジン音が気になりやすい
ミッドシップ車はエンジン音が真後ろから聞こえてくるのが特徴です。
機械的な音を好む人にとってはデメリットにはなりませんが、静かなドライブを好む人にとってはデメリットに感じるでしょう。
5 ミッドシップを採用している名車
これまで、国内の自動車メーカーがミッドシップ車をリリースしてきました。
ここでは、主なミッドシップ車を紹介します。
5-1 初代MR2(トヨタ)
トヨタから発売された初代MR2は、日本初のミッドシップ車として知られています。ミッドシップの国産車といえば、MR2をイメージする方も多いのではないでしょうか。
1984年の発売後、軽量さゆえのハンドリングや、車両重量が1t前後のライトウェイトスポーツカーである点が注目されます。中古市場にも初代MR2は多く流通しているので、旧車デビューをミッドシップ車で飾りたい方必見です。
5-2 MR-S(トヨタ )
1984年に発売された初代MR2を受け継ぎ、1999年から後継車としてトヨタから販売されたのがMR-Sです。
MR2同様、車重1t前後のライトウェイトスポーツカーで、かつ軽量さゆえのハンドリングに定評があります。またエンジン排気量が小さめで、エンジンオイルの量も少なく済むため普通の2Lクラスとメンテナンス費用が変わらないことも魅力です。
5-3 S2000(ホンダ)
現代の日本におけるミッドシップ車は、外国産のスーパーカーが主流といわれています。しかし、国内でスポーツカーが台頭していた時代、手の届きやすい価格帯のミッドシップ車として注目されていたのがホンダS2000です。
1999年に発売された最初のモデルであるAP1型と、2005年にマイナーチェンジされたAP2型の2種類があります。
優れた走行性はもちろん、シビアな動きをするのもホンダS2000の特徴です。最高出力250馬力・最大トルクが218N・mと、優れたエンジンスペックを有しています。ホンダS2000は今でも人気の高い車種で、中古車市場も価格が高騰しています。
5-4 NSX(ホンダ)
ホンダNSXは、国産ミッドシップスポーツの代表ともいわれている有名車種です。1990年に初代がデビュー後、2005年まで販売され続けていました。
発売から30年以上経過した現在において、高年式かつ走行距離が少ない車であれば1,000万円以上の価格が付くモデルもあります。
5-5 オートザム AZ-1(マツダ)
オートザム AZ-1は、マツダのミッドシップ軽スポーツ車です。「660cc直列3気筒DOHCインタークーラーターボ」を、ミッドシップに搭載しています。
軽量化を意識し、アウターパネルの素材はプラスチック製なのもオートザム AZ-1の特徴です。
ミッドシップ車の今後
ミッドシップ車は、居住空間や収納スペースの少なさから、優位性としては下火になっているといえます。しかし、技術の革新により小型のハイパワーエンジンが開発されて以降、スペースを十分に確保できる「フロントミッドシップ」が注目されています。
現在でも、フロントミッドシップ車を選択すれば、ミッドシップならではの走行性を利便性とともに所有することが可能です。
また、技術革新で新たなミッドシップ車が生まれる中で、従来のミッドシップ車における「特別感」も高まっています。燃費などの利便性を重視する車が増えている中で、走行性能に特化したミッドシップ車を、あえて選択したいという方も少なくありません。
中古市場も賑わっているため、この機会にこれからの相棒となるミッドシップ車を探してみてはいかがでしょうか。
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