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ミッション車とは?AT時代の今こそ知りたいMT車の特徴と魅力

ミッション車とは?AT時代の今こそ知りたいMT車の特徴と魅力

今や絶滅危惧種とも呼ばれているミッション車。若者が免許を取得する際は、オートマ限定免許を取得することがほとんど。

これにより、ミッション車の魅力や特徴を語れるかたが少なくなってきたことも事実。しかしながらミッション車ならではの魅力から、現在でも根強いファンがいることも忘れてはいけません。

今回は減少傾向にあるミッション車についてメリットやデメリット、運転する際のポイントについてまで説明していきます。

1 ミッション車とは

ミッションはマニュアルトランスミッションが正式名称で、その略語として用いられています。MT車やマニュアル車と表記されることも。手動変速機のことでドライバーがギアを手動で入れ替えて操作するもの。

主に自動車やオートバイ、農業機械などの内燃機関が原動機となっているものに装備されています。

現在ではギアを自動で切り替えてくれるオートマチックトランスミッション車(AT車)が主流で、流通している車の98%がオートマ車で占めています。

ミッション車は業務用の大型車や作業用車両、スポーツカーなどに搭載されているものがほとんどです。

2 ミッション車の4つのメリット

2-1 ドライバーの意志をダイレクトに応えてくれる操作性

ミッション車は、ドライバーの加速したいや減速したいなどの意志をダイレクトに応えてくれることが醍醐味。ギアを自動で変更してくれるオートマ車とは違い、ミッション車はシフト操作を行う際にクラッチ操作を行って速度に合わせたギアを選択する必要があります。オートマ車に比べ車を操縦・操作している実感を得られることが魅力。

例えばカーブを曲がる際にオートマ車であれば普通に曲がることしかできません。しかしミッション車はギアチェンジを行うことで、減速や加速のメリハリを利かせることができます。これによりコーナーリング時に鋭く曲がるなど、スポーティな走行が可能になるわけです。

またアクセルを戻した際のレスポンスに優れており、エンジンブレーキが利きやすいという特徴も。前方に走行している車に追いつきそうになった場合でも、アクセルを微妙に戻すことでブレーキを踏む必要がありません。その他にも長い下り坂を走行する際もブレーキを使用せず、アクセルワークのみで走行することができます。

2-2 事故の発生率を抑えられる?

ミッション車は事故の発生率が低いこともポイントです。

「追突」「出会い頭衝突」「右左折時の衝突」の3項目では、オートマ車の事故率はミッション車のおよそ2倍にも膨れ上がるというデータがあるほど。

またニュースでブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故がたびたび取り上げられており、印象に残っているかたも多いのでは。ミッション車であればクラッチ操作が必要になるため、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる急発進を防ぐことができ、事故に繋がりにくいこともメリットの一つ。つまり誤作動による暴走を起こしにくいということです。

2-3 魅力的なデザインに加えシンプルで丈夫な構造

ミッション車はシンプルな構造で、オートマ車と比べるとパーツ点数が少なく基本的に故障のリスクが少ないことが魅力。年式が古い旧車でも修理が可能な場合も多く、オーバーホールなどの手のかかる作業でもコストを抑えられることもメリットです。

一方オートマ車であれば構造が複雑でデリケートな部分が多いため、ディーラーや町工場では修理ができないなんてこともしばしば。またミッション車はスポーツカーに多く採用されており、外観のよさが特徴的で周りとの差をつけられるところもポイントです。

2-4 スポーツカーであればコストがかかりにくい

前述した通りミッション車は走行状況やエンジンの回転数に合わせてギアを自分で調整できるため、燃費の向上性が高まりやすいこともメリット。

またミッション車は車種にもよりますが、オートマ車に比べ車体の本体価格が安い傾向にあります。特に男性にとっては憧れの存在であることが多いスポーツカーは、価格も維持費も高いというイメージはいだきがちでは。

しかしながらスポーツカーの国産車であれば、普通乗用車と価格はあまり変わりません。車種によってはそれ以下のコストで購入できることも。もちろん車種やメーカーによって価格はピンからキリまでありますが、中古車であれば80万~100万円が相場です。

しかし購入後に改造を考えているのであれば、コストがかかってしまうことを理解しておきましょう。

3 ミッション車のデメリット

ミッション車は操作性がオートマ車に比べ複雑なため、免許取り立てのドライバーにとっては苦戦してしまうシーンがいくつかあります。教習所であれば教官が助手席でサポートしてくれますが、坂道発進や渋滞時など慣れないうちは異様な緊張感を感じてしまうもの。

クラッチ操作は特に注意が必要で、発進時の半クラッチ状態からのスムーズな発進が求められます。これができないとエンジンが止まってしまうことも。

これはギアとギアをつなぐ変速を手動で行うため、操作を誤ると低速走行時は安全防止なども考慮してエンジンがストップする仕組みとなっているわけです。

またミッション車はブレーキを緩めるだけで進みだすクリープ現象がありません。渋滞時には頻繁にクラッチ操作が必要で、坂道発進ではサイドブレーキを使用するなど運転技術が求められます。このように運転技術が求められ、様々な部分に神経を使うため慣れるまでが大変なことがネックと言えるでしょう。

反面、扱いになれてしまえばAT車よりも「意のままに操作している感覚」を味わうことができるはず。操作難易度の高さもまたミッション車の持つ愛嬌の1つです。

4 運転には「普通自動車免許(MT車免許)」が必要に

ミッション車の運転には、普通自動車免許(MT車免許)が必要です。

通常の普通自動車免許を取得している場合は、ミッション車(MT車)・AT車問わず運転できます。一方、「AT限定」で免許を取得している場合はミッション車には乗れません。

もしAT限定で免許を取得した方がミッション車を運転したい場合は、AT限定解除を行う必要があります。AT限定解除には主に以下の2パターンがあるので覚えておきましょう。

  1. 教習所で技能教習を修了後に技能審査を受ける
  2. 教習所に通うことなく、直接運転免許試験場に赴いて技能審査を受ける。

教習所に通うことなく運転免許試験場で技能審査を受ける場合は、費用が安く済む反面、一発勝負のため難易度は高めです。

MTのイロハを押さえて着実にAT限定解除を目指したい場合は教習所に通うことをお勧めいたします。費用は4万円前後かかってしまうものの、基本をしっかりと押さえることができるので安心です。

5 ミッション車をスムーズに運転するポイント

前述した通りミッション車はオートマ車に比べ運転技術が求められます。運転時にあたふたしないためにも、スムーズな操作をマスターしておきたいところ。

ここではミッション車を運転する上でマスターしておきたい3つのポイントを説明していきます。

5-1 ドライビングポジションの確認

ミッション車の操作はクラッチを正確に切ること、力まないことが基本です。まずはドライビングポジションを見直すことが大切。

シートに奥深く腰かけクラッチを床まで踏んだ際に膝が伸びきらず、少し曲がるくらいまで座面を前進させましょう。シートバックはなるべく立て首が真っ直ぐ立つようにし、ステアリングの上端を握ったときに肩がシートから離れず、肘が伸びきらない位置がベスト。

通常の運転時であれば最大トルクの手前くらいでシフトアップしましょう。次のギアに入れクラッチを繋いだ時に回転数が1,000回転程度ドロップすると、スムーズな加速に繋がります。

もちろん運転技術はすぐには身につかないものなので、少しづつ慣れていきましょう。

5-2 加速する際のスムーズなギアチェンジ

マニュアル車をスムーズに運転するにはギアチェンジがポイント。加速する際のギアチェンジは3つのコツがあります。

1つ目のコツは次のギアにチェンジした際にスムーズに繋がるようなスピードまで加速しておくことが大切。この時にスピードが不十分だとシフトチェンジを行ってもノッキングを起こしてしまいます。逆にスピードが出過ぎるとエンジンの回転数が高くなり大きな負荷をかけてしまうことに。そのためスピードメーターを見ながら、ちょうどいい速度に合わせることが重要です。

2つ目はクラッチを切るのと同時にアクセルを離すこと。クラッチを切るのが早すぎるとエンジンがニュートラル状態となり、空ぶかしになってしまいます。アクセルを離すのが早い場合、エンジンブレーキが作動し減速してしまうのでタイミングよく同時に操作することが求められます。

3つ目のコツはクラッチの戻し方です。現代のミッション車にはシンクロナイザーと呼ばれる機構が組み込まれています。これは異なる回転数で回転しているものを摩擦力により同期させるもの。そのため空ぶかしなどを行わなくても優しくクラッチを繋ぐだけで問題ありません。1速から3速までの低いギアチェンジの場合、クラッチはゆっくり戻しましょう。4速以降の高いギアのシフトチェンジは、すぐに繋いでしまってもショックは起きにくくなっています。

5-3 減速させる際のスムーズなギアチェンジ

減速させる場合のスムーズなギアチェンジには3つのコツがあります。

1つ目は十分に速度を落とすこと。シフトアップとは異なり変速ショックが出やすいため、ギアチェンジを行う前にスピードを十分に落としておくことがポイント。速度を落としきれずギアを繋いでしまうと、回転数が上がりすぎてしまいショックが大きくなるので注意が必要です。

2つ目のコツは変速先のギアの選び方。加速時であれば基本的に1つづつギアを上げていきますが、減速時であれば状況によっては4速から2速への場合も考えられます。例えば減速し車のスピードが落ち過ぎていた場合、4速から3速に繋いでしまうとノッキングを起こすことがあることを覚えておきましょう。

3つ目はクラッチの戻し方です。加速時のギアチェンジで説明した通り、低いギアの時はクラッチをゆっくり戻しましょう。

6 マニュアル変速時に起こるガリガリ音の正体

ミッション車を運転する際にシフトアップ、もしくはシフトダウンする必要があります。この操作を行う時に「ガリガリ」と違和感のある音を体験したかたも多いはず。

これは「ギア鳴り」と呼ばれるもので、クラッチの踏み込みが浅く十分にクラッチが切れていない時にシフトバーを動かすと起こる現象です。その他にもシフト操作中にクラッチペダルを離してしまった場合でも生じてしまいます。

このようにシフトミスを起こした際に知らせてくれるアラート的な役割を果たしているわけです。

ミッション車は常時噛み合い式なので、ギア自体は全てフルタイムで噛み合っているもの。しかし噛み合っているギアとギアの回転差が生じてしまい、シフトレバーを動かしてしまうことでギア鳴りが発生してしまいます。

普段からシフトチェンジが荒いかたや、ギア鳴りを何度も繰り返してしまうとシンクロコーンとギアコーンの突起部分が摩耗し能力が低下してしまいます。これによりますますギア鳴りがしやすくなり、故障してしまうとミッションをオーバーホールするしかありません。そうなるとそれなりのコストがかかることを覚悟しておきましょう。

まとめ

今回はミッション車についてメリットやデメリットから、スムーズに運転するポイントに至るまで説明してきました。

主流のオートマ車とは異なり運転技術が求められますが、車を操縦・操作している実感を得られることが最大の魅力です。操作難易度の高さは、こうしたMT車特有の魅力の裏返しと言えるでしょう。

ミッション車の流通が減少していますが、オートマ車との違いを体験し魅力を感じてみるのもおすすめです。

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