2020年9月4日
鉄仮面の愛称で知られているR30スカイラインの魅力とその歴史
リリース当初はプリンス自動車の主力車種として誕生し、1966年の合併に伴い日産自動車が製造、販売している「スカイライン」。
まさにスポーツカーの代名詞と言っても大袈裟ではないでしょう。
長い歴史をもつスカイラインシリーズですが、今もなおシリーズの人気を牽引している「ニューマンスカイライン」「鉄仮面」「史上最強のスカイライン」など、多くの愛称で親しまれているR30スカイライン。
前期型はニューマンスカイライン、後期型は鉄仮面と呼ばれます。
先鋭的なデザインに加えて国産車で初めて「ある壁」を破った鉄仮面は未だに人気のある車種。
今回は様々な愛称がついたR30スカイラインについて概要から愛称の由来、現在の相場まで詳しく解説していきます。
目次
1 R30 スカイラインとは
スカイラインといえば様々な愛称で親しまれる偉大な先輩達がいました。
2代目「羊の皮をかぶった狼」、3代目「ハコスカ」、4代目「ケンメリ」、5代目「ジャパン」。錚々たる面々です。
車好きなら誰もが知る先輩達からバトンを受け継いだのが今回の主人公、6代目「ニューマンスカイライン」「鉄仮面」と呼ばれるR30 スカイライン。
1981年8月に発売となったR30型。このR30 スカイラインは1981年〜1990年まで生産され、現在でも不動の人気を誇るスカイラインシリーズの6代目のモデル。イメージキャラクターにアメリカ人俳優のポール・ニューマン氏を起用したことでも話題を集めました。
愛称も多く「ニューマンスカイライン」「鉄仮面」「New愛のスカイライン」「史上最強のスカイライン」など多くの愛称で親しまれている一台。
グレード体系はこれまでの直列6気筒エンジンを搭載する「GTシリーズ」、直列4気筒エンジンを搭載する「TIシリーズ」の2系列が用意されました。
ボディタイプは4ドアセダン、2ドアハードトップ、5ドアハッチバックが用意され、1985年以降に、ライトバンが追加され幅広いニーズに応えた計4種類が存在しています。
先代まで続いたサーフィンラインを廃止し、思い切ったウエッジシェイプなデザインに仕上がっているのもポイントでしょう。ボディサイズも抑えて、スポーツイメージや軽快感を全面的に打ち出しています。
さらに5ドアハッチバックはスカイライン史上初となる仕様で、現在では常識とも言えるテンパータイヤの採用やスペアタイヤに空気圧減圧警告灯なども装備されたことが特徴。
累計販売台数は40万台を記録しており、歴代シリーズの中で3番目の記録です。
2 R30 スカイラインの主要モデル
2-1 ニューマン・スカイラインの愛称で知られている「R30 スカイライン前期型」
R30 スカイライン前期型は1981〜1983年まで生産されたモデル。
先代まで続いたサーフィンラインを廃止し、ウエッジシェイプなデザインに仕上がっている一台。スポーツイメージや軽快感を全面的に打ち出したモデルです。
前述した通り、アメリカ人俳優のポール・ニューマン氏をイメージキャラクターとして起用しています。俳優だけではなくレーサーとして1979年のル・マン24時間レースで準優勝を飾る実力の持ち主です。これにより「ニューマン・スカイライン」の愛称で親しまれました。
後に15インチアルミホイールやブロンズガラス、ポール・ニューマンのサインステッカーを装備する「2000ターボGT-E・S ポール・ニューマン・バージョン」をリリースしています。
3代目スカイラインのキャッチフレーズだった「愛のスカイライン」に続いたことで、キャッチコピーは「New愛のスカイライン」でした。
その後直列4気筒4バルブDOHC FJ20型エンジンを搭載した、2000RSを追加します。
これには直列6気筒ではないエンジンを採用していることから、このモデルにはRSという新たな名前が付けられました。
2-2 スポーツカーファンを熱狂させた「スカイライン2000ターボRS」
スカイライン2000ターボRSは1983年に誕生し、日本初のターボ付4バルブDOHCエンジンを搭載した一台です。このエンジンは最高出力205馬力は発揮し、2代目スカイラインGT-Rを凌ぐエンジン性能だったことから「史上最強のスカイライン」と謳われた程。
当時開催されていたスーパーシルエットレースに参戦。スカイラインとしてはPGC10以来の復活ということもあり、多くのスポーツカーファンを熱狂させました。
スカイライン2000ターボRSは史上最強と呼ばれた一台ですが、登場からわずか半年でマイナーチェンジが行われその幕を閉じます。
当時の国産車を代表するパワーを誇りましたが、最後までGTの名前を車名に冠することはありませでした。それには搭載しているエンジンが深く関係しています。
スカイライン2000ターボRSには4気筒のFJ型エンジンを搭載していましたが、スカイラインにとってGTモデルは6気筒エンジンであることが条件の一つ。パワーだけであれば十分にGT-Rを名乗ることができる実力がありながらも、4気筒エンジンだったことがスカイラインの代名詞“GT”を名乗ることができなかった理由です。
史上最強のスカイラインと言われながらも、他のスカイラインGT-Rとは違う運命を辿ることに…。
またTVドラマ「西部警察PART3」の作中に、スカイライン2000ターボRSをベースにした車両が登場します。これにより幅広い世代にますます人気が広がります。
ちなみに作中に登場した車両の公称スペックは、最高出力280psで最高時速250km以上でした。まさに夢のようなスパーパトカーだったことが分かるのではないでしょうか。
2-3 「鉄仮面」の愛称で知られている「R30 スカイライン後期型」
R30 スカイライン後期型は1983年以降に、マイナーチェンジされリリースされたモデル。
外装は大型バンパーが採用され、薄型ヘッドランプ、ラジエーターグリルレスのデザインへと変貌します。この風貌から「鉄仮面」という愛称で親しまれました。その見た目が騎士の鉄仮面に似ている事から、鉄仮面という愛称が付いたと言われています。
上級グレードには2000ターボRS-Xが用意され、クルーズコントロールや8種類の調整機構を持つシートやパワーウィンドウ、カセットコンポなど快適装備を充実させています。
3 リッターあたり100psの壁を国産車で初めて破ったFJ20ET型エンジン
スカイラインに求める高い動力性能を実現したFJ20E型エンジンですが前期型の販売終了間際にはターボを搭載してFJ20ET型に進化します。最高出力はなんと190psまで高められます。
これが「史上最強のスカイライン」と呼ばれる所以です。
そして、後期型登場から半年後には、空冷インタークーラーを装備し205psにも到達。2Lエンジンで200ps以上を発生し、ついに国産で初めて1Lあたり100psの壁を打ち破った車となりました。
しかし6気筒エンジンでなかったため「GT-R」の称号は与えられることはありませんでした。
しかし、後期型の「2000ターボインタークーラーRS/RS-X」は、ユーザーがスカイラインに求める性能を十分に満足させるモデルであったと言えます。
4 間違えられやすいR31 スカイラインとの違い
R30 スカイラインはR31 スカイラインとよく間違えられます。原因はその見た目ではないでしょうか。
R31 スカイラインはスカイラインシリーズの7代目モデル。R30 スカイラインの次のモデルで「セブンス」の愛称で親しまれている一台。もちろん全くの別物ですが見分け方はテールランプが平面的で、ピラーが細いのがR30 スカイラインです。
全長が長く純正で大きめのフロントスポイラーがあるのが、R31 スカイラインの特徴の一つ。
アンテナの位置がR30であれば屋根についており、R31はトランクの脇についていることが見きわめるポイントです。
5 気になるR30 スカイラインの現在の相場
R30 スカイラインの現在の相場は高値で100万円程度。これがRSターボになると買取相場価格は高値で150万円程度です。
このようにスポーツセダンとしての性能をフルに引き出している、ターボチャージャーを搭載されている車に関しては現在でも高価格で取引されています。
もちろんエクステリアの装備状態や、シートなどの内装部分の状態によって価格が変動することを忘れてはいけません。
またボディカラーでも価格が変動します。R30 スカイラインといえば赤×黒のツートンカラーが人気で、TVドラマ「西部警察」でも採用されていることから需要が高いモデルと言えます。
まとめ
今回は人気のスカイラインシリーズの中でも、様々な愛称で親しまれているR30 スカイラインについて解説してきました。
R30 スカイラインの主要モデルは大きく「前期型」「2000ターボRS」「後期型」の3種類に分類され、それぞれに特徴があります。
史上最強のスカイラインと謳われたモデルも存在しており、累計販売台数は40万台を叩き出しシリーズの中でも3番目の記録を保持。
そんなR30 スカイライン、もし機会があればその乗り心地を体験してみてはいかがでしょうか。
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