2022年3月25日
旧車好き大注目!現在も人気のリトラクタブルライト搭載車ご紹介!
スポーツカーやスペシャリティカーには欠かせない「リトラクタブルライト」。これは1970年後半から1990年代にかけて人気を博しました。
スポーツカーの代名詞のようなデザインだったことから、当時の自動車ファンにとっては憧れの存在でした。しかしながら徐々にリトラクタブルヘッドライトはその姿を見せなくなってしまいます。
そんなリトラクタブルヘッドライトについての概要や搭載車について触れながら、その変遷をご紹介します。
目次
1 リトラクタブルヘッドライトとは
格納式のヘッドライトをリトラクタブルライトと呼び、車好きの間では「リトラ」の愛称で親しまれています。ヘッドライトが格納されていることで、車体の先端部分を低くできるので、シャープな印象を演出できるのが特徴。
最大の自動車市場であるアメリカでは、ヘッドライトの高さや形状が厳しく規制されています。その背景から、ボディ内に格納できるリトラクタブルライトが注目されたことで採用されました。
リトラクタブルライトは他のヘッドライトとは異なり、普段はボディ内に格納されています。そのため、走行中の空気抵抗を軽減できるメリットがあります。リトラクタブルライト普及時は、スポーツカーの代名詞のようなデザインであったため、当時の自動車ファンにとっては憧れの存在でした。
一方でリトラクタブルライトには、車体の総重量が増加するデメリットがあります。また、ライトが突出しているため事故の危険性が高く、事故時には展開しない危険性もあります。設置自体にコストがかかり、信頼性の観点で不利になるのもデメリットです。
リトラクタブルライトにはメリット以上に多くのデメリットがあるため、徐々に搭載されている車が減少します。その後完全に廃止となるのですが、次の項目ではリトラクタブルライトの変遷について詳しく解説します。
2 リトラクタブルヘッドライトの変遷
上記で紹介した各種デメリットが背景にあり、リトラクタブルライトは完全に廃止されます。現在では、リトラクタブルライトの製造自体が行われていません。正確には、スーパーカーの復刻を目指す「パンサー・プロジェクト」では採用されていますが、いわゆる自家用車として流通する車には搭載されていません。
リトラクタブルライトが廃止された理由としては、先ほども触れた空気抵抗や車体の総重量が増加すること、設置のコストなどが挙げられます。突出したライトが事故時の問題を大きくしてしまうことも理由です。
また、1990年代に北米でヘッドライトに関する規制が緩和されたこともあり、リトラクタブルライトの必要性が少なくなったことも理由の一つ。国や地域によってはヘッドライトの終日点灯が義務付けられているので、そもそもヘッドライトの格納が不要なことがあるのも理由です。
このようにリトラクタブルライトは、メリット以上に多くのデメリットがあります。時代を追いながらモデルチェンジを繰り返す中で、リトラクタブルライトは姿を消していきます。
3 リトラクタブルヘッドライトを採用していた名車
3-1 RX-7
マツダにより製造されていたRX-7は、初代SA22Cから3代目FD3Sに至るまで、リトラクタブルライトを一貫して採用し続けていました。
国産車で初めてリトラクタブルライトが採用された2000GT同様、多くの車ファンに注目されていた車種です。個性的なリアルスポーツの証として、ロータリーエンジンと共に注目されていました。
3-2 180SX
180SXは、日産が提供していたクーペ型の乗用車で「初期型」「中期型」「後期型」の3つに分類。
1989〜1998年まで続いたシリーズで、シルビアの姉妹車です。固定式ヘッドライトを採用していたシルビアでしたが、180SXはリトラクタブルライトが搭載されています。
3-3 MR2
MR2はトヨタが開発した、リトラクタブルライトを採用した一台。日本の自動車メーカーで初の市販ミッドシップ車で、初代が登場したのは1984年のこと。
2代目は1989年に販売をスタートし、1999年まで提供されました。
3-4 スプリンタートレノ
スプリンタートレノは、カローラレビンの姉妹車として1983年〜1987年に製造されました。レビンは固定式ライトですが、こちらはリトラクタブルライト搭載車です。漫画「頭文字D」の影響で、人気の車種にはプレミアが付く程。
人気が高い車種であるため、市場には社外パーツ含めて豊富に出回っているというメリットがあります。
3-5 セリカXX
1981年に発売されたセリカXXもリトラクタブルライトを搭載しています。ヘッドライトを格納することで没個性的になるという懸念を、バンパーにターンシグナル・ウインカーレンズを埋め込む形で解決。
イギリスの人気スポーツカー「タスミン」や「ロータス」を連想させるとして、当時の車ファンを熱狂させた一台です。
3-6 ロードスター
ロードスターは、マツダより販売されたオープンタイプのライトウェイトスポーツカー。現在でも人気の高い車種で、ライトウエイトスポーツを復興させたことでも知られています。
現行車は4代目で、初代が登場したのは1989年のこと。リトラクタブルライトを採用しているのは初代のモデルのみです。
まとめ
今回は、格納式ヘッドライトのリトラクタブルライトについて紹介しました。現在は廃止され、新車として製造されることはほとんどなくなりました。
過去には多くの自動車メーカーよりリトラクタブルライトを採用したモデルがリリースされており、多くのファンを熱狂させました。
今回の記事を読んでリトラクタブルライトに興味を持った方は、搭載されている車種について調べてみてはいかがでしょうか。