スカイラインの伝説的一台ケンメリ、その魅力やラインナップについて

スカイラインの伝説的一台ケンメリ、その魅力やラインナップについて

日産の中でも特に人気を集めているのがスカイラインシリーズ。

その中でも旧車好きから絶大な人気を集めているのが、ケンメリの愛称で親しまれている4代目スカイライン。

社会現象を巻き起こしたCM、希少性の高い幻と呼ばれたGTRの登場、今なお受け継がれる印象的なテールランプなど、エピソードが豊富な一台でもあります。

今回はスカイラインの歴史に様々な伝説を残したケンメリについて、その愛称の由来からスカイラインシリーズの中でもよく比較されるハコスカとの違いや、現在の相場まで詳しく解説していきます。

1 4代目C110型スカイライン、通称「ケンメリ」とその歩み

1972年に登場した4代目C110型スカイライン、このスカイラインが「ケンメリ」と呼ばれるモデルです。「ケンとメリーのスカイライン」のCMは一世を風靡し、社会現象を巻き起こしたことでも知られていますね。

発売から販売終了までの約5年間ので約67万台を販売するという凄まじい販売台数を記録。これは歴代スカイラインの中で最多です。ちなみに今なお人気を博しているハコスカであっても総販売台数約31万台と、いかにケンメリが人気だったかが分かります。

そんな4代目C110型スカイライン、ケンメリにはGLとGT、そしてGT-Rの3種類のグレードが存在しています。

ラインナップは4ドアセダン、2ドアハードトップ、そしてワゴンとバン。セダンとハードトップはホイールベースを延長し6気筒エンジンを搭載したGT系です。

4ドアセダンは「4枚ドアのケンメリ」の略として「ヨンメリ」なんて呼ばれたりしていますね。

さらに4ドアセダンのGT系、2ドアハードトップの全グレードのテールライトが丸型4灯となったのはなんとケンメリから。

ハコスカからケンメリにモデルチェンジする際、大きな変更が施されたのですが、その中の一つがこの丸型4灯テールランプ。ここで採用されたテールランプは一部例外はありながらも現行のR35GT-Rに至るまで採用されており、スカイラインのシンボルとも言えるでしょう。

発売開始から1年後の1973年には、ハードトップ2000GT-R(KPGC110型)がデビューします。

このGTRに搭載されている2000cc S20型エンジンは、160馬力を発生させ、専用ラジエータグリル、前後オーバーフェンダー、リアスポイラーなどを装備、240km/hのメータースケールが特徴。排出ガス規制の影響により生産台数は197台のみで、そのうち195台が市販されたと言われていますが、これには諸説あるようです。

ケンメリはデザイン性の高さはもちろん、多様なラインナップが幅広いユーザーに受け入れられ、ケンメリは歴史に残る大ヒットとなりました。

2 「ケンメリ」の名前の由来、社会現象となったCMシリーズ「ケンとメリーのスカイライン」

ケンメリを語る上で前述したCMでの成功は重要なトピックでしょう。

ケンメリの由来は、それこそ今や多くの方が知るところでしょう。1972年にフルモデルチェンジして発売された4代目スカイラインは、当初から宣伝用として「ケンとメリーのスカイライン」というキャンペーンが展開されました。

今なお知られるこのCMは当時社会現象を引き起こすほどのインパクトでした。その内容はケンとメリーがスカイラインに乗り日本各地を旅するというもの(現在は動画配信サービスでその一部を見ることができます)。

外国人を思わせる男女のモデル2名を起用して、テレビを始め新聞や雑誌など、幅広くケンとメリーが露出。クルマそっちのけで男女のデートシーンをクローズアップしたプロモーションでした。

ケンとメリーのこの2人が全国をC110スカイラインで旅をするロマンチックなストーリー性が話題となり、なんと16作が制作されています。

このCMソングに起用されたBUZZの「ケンとメリー〜愛と風のように」は瞬く間にヒットチャートを駆け上がり、実に30万枚を超える大ヒットとなりました。

本来は販売促進用のノベルティとして製作されたケンとメリーのTシャツも存在していますが、あまりの人気のため一般向けにも販売され、一説には32万枚以上が生産されたとも。

当時の人気ぶりが垣間見えるエピソードですね。

余談ですがまた、第15作目のロケ地に選ばれた北海道美瑛にはCMに登場した「ケンメリの木」があり、現在は観光名所になっています。

誰もが知る名前になればなるほど、「ケンとメリー」という呼び名では長くなってしまいます。

これを略して「ケンメリ」という言葉が生まれました。ちなみにケンメリ・スカイラインという呼び方が普及したため、それより前の「箱型のスカイライン」をハコスカと呼んで区別するようになりました。

3 ケンメリの主要グレードGL、GT、GTR

ケンメリには前述した通り、3種類のグレードが存在しています。

それぞれの特徴を紹介していきましょう。

3-1 ケンメリGL

タイヤの横に1本の白いストライプがあしらわれているホワイトリボンなど、上質な演出が特徴的です。

スカイラインといえば、2L 6気筒エンジン搭載のGT系が花形。そんな中でケンメリGLはグレードとしては一番下になります。しかしG16型とG18型の4気筒エンジンを搭載したいわゆる「ふつう」のグレードも、乗用車として使い勝手がよく、バランスの取れた好モデルとして親しまれました。

GLはこのボディサイドのサーフラインと言われるリアタイヤ上方にエッジを効かせたスカイライン独特のアイデンティティを感じるスタイルが魅力の一つです。

このエンジンは日産と統合する前のプリンス自動車工業が開発した歴史のあるもので、排ガス規制によるマイナーチェンジまで使い続けられました。

3-2 ヨンメリの愛称で親しまれるケンメリGT

ケンメリGTはマイナーチェンジが実施され、フロントグリルが上品なイメージに変更されました。当時の流行だったハードトップスタイルが特徴的な一台です。

ゆったりと大柄で長いボンネットと前方の窓と後方の窓の境に骨のないスタイルが、ハードトップという優雅なスタイルを作り出していました。現代の車では見ないフェンダーミラーなども当時を感じさせるスタイル。

テールライトが丸型4灯になっていることが最大の特徴です。これはスカイラインの象徴として、10代目のR34型スカイラインまで受け継がれている程。

GTには日産自動車が開発した、6気筒モデルの2.0LのエンジンL20型が使われています。最高出力88.3kW(120PS)/6000rpm、最大トルク166.7Nm(17.0kgm)/4000rpmのスペックです。

また4ドアセダンタイプもリリースされており、当時の警察庁へパトロールカーとして導入されました。

ちなみに「ケンメリGT」は「ヨンメリ」の愛称で親しまれており、「4枚ドアのケンメリ」から略されたことでこの愛称が誕生しています。

その他にワゴンやバンタイプのスタイルもあり、フロントグリルはGLと同じスタイルです。荷室サイドに窓の設定はなく、当時の車としてはモダンなスタイルに仕上がっていました。内装部分は7連メーターは省略されており、ラジオなどが見やすい位置に配置されている仕様です。

3-3 希少性の高さから幻と呼ばれたケンメリGT-R

ケンメリGT-R KPGC110型は1973年にリリース。高速走行を想定した上級グレードです。サーキットでの走りを期待されていましたが、レースに一度も出場することはありませんでした。

幻のGT-Rと呼ばれており、この車が“幻”と言われる理由はその希少性の高さです。

当時日に日に厳しさを増す排出ガス規制に対して日産は全社的に開発原資を集中させる必要があり、営業からも「高性能よりも売れるクルマが欲しい」というリクエストがあったようです。しかしケンメリが発売されるとディーラーはもちろん、メーカーにまで「GT-Rを作ってほしい」というオーダーが殺到したとのこと。

その声に応えるべく、補修用やレースカーのスペア用として残っていたS20型DOHCエンジンを搭載したケンメリのGT-Rを限定生産する決定を下します。

生産期間は1973年1月から4月までのおよそ4ヵ月。

その総生産台数は試作車やショーモデルを含めわずか197台というのがファンのあいだで長らく定説となっていました。市販されたケンメリGT-Rの車台番号はKPGC110-000051から000245までの195台、これに日産自動車が保有する車体番号000011番の赤い試作車と1972年の東京モーターショーに展示された車体番号000013番レーシング仕様の2台を合わせて197台になる、というのが197台説の論拠です。

しかし日産記念庫や2000年前後にガレージ石坂から新規登録された車両の車台番号などをもとに調べてみると、なんと200台のケンメリGT-Rが確認されているんだとか。

おそらくまだ数台のケンメリGT-Rが存在しているのではないでしょうか。

ケンメリGT-Rは2代目となっており、初代GT-Rとの違いはホイールベースを70mm短縮し、車重も20kg以上軽量化されていること。

性能に関しても触れておきましょう。

外装はタイヤ周りをふちどるオーバーフェンダーやリアハッチ上のリアスポイラー、フロントグリルも大胆なデザインで速さをイメージした作りの一台。タイヤは175HR14ラジアルタイヤを装備しおり、スカイライン初の4輪ディスクブレーキを採用しています。

また最大の特徴であるエンジンは初代GT-R同様に2000cc S20型を搭載。160馬力を発生させ、240km/hのメータースケールが特徴的です。そのスペックは最高出力117.7kW(160ps)/7000rpm、最大トルク176.5Nm(18.0kgm)/5600rpmを誇ります。

ハコスカを含むS20エンジン搭載車は、通算2142台で生産を中止しその幕を閉じました。

4 比較されがちなハコスカとの違い

スカイラインシリーズの中で人気な車種といえばハコスカの名を挙げる方も多いはず。3代目スカイライン通称ハコスカは今なおスカイラインブランドの人気を牽引する車種の一つ。

ケンメリとハコスカの大きな違いとしては、その風貌ではないでしょうか。「ハコスカ」という名前は実は現役当時に付いた愛称ではありません。ケンメリの登場により、ケンメリと区別するために「箱型のスカイライン」を略してハコスカと呼ばれるようになりました。

このハコスカ、日産とプリンスが合併後初のフルチェンジモデルとしても知られています。

そんなハコスカは1968年から1972年まで生産され、ケンメリは1972年から1977年まで生産されました。ハコスカは4年ほど先輩です。

ハコスカは角張ったボディラインが特徴ですが、ケンメリはサーフィンラインも印象深く、折り目のついたシャープなデザインが印象的な一台です。

またハコスカのボディバリエーションは3種類に対し、ケンメリは4ドアGTや2ドアハードトップ、さらにはワゴンやバンも存在し4種類をラインナップ。

ハコスカについて詳しく知りたい方は是非、こちらも合わせてご覧ください。

5 個体数が減ることでますます高騰するケンメリの相場

旧車好きの間で人気を集めているケンメリ。その取引価格は通常のケンメリでも約600万円台です。

ケンメリGT-Rだと、その高い希少性から多くの場合応相談になっています。安くても1000万円ほどすると言われており、あるオークションサイトでは4000万円を超えた極上車もある程。

高級車を購入できるほどの価格で取引されているケンメリとケンメリGT-R。この名車は多くの車好きの人気を集めており、結果として高値の取引が多くなっています。

このようにその希少性と人気の高さから中古車市場でも高値で取引されています。状態が悪いケンメリをレストアして楽しむというのも手です。

一時代を築き上げ、個体数が減ることでますます希少性が高まるケンメリ

今回は日産のスカイラインの中で、様々な伝説を残したケンメリについて解説してきました。

伝説的なエピソード、希少性、革新性など様々な魅力が詰まった一台です。ケンメリの登場でスカイラインブランドは大きく躍進したと言ってもいいでしょう。

しかしケンメリは時代を経てどんどん個体が減ってきてしまっています。海外輸出などもあり国内では値段が横ばいから高騰が予測され、手に入れることすら困難です。

もしかしたら現在が状態のいいケンメリを手に入れるラストチャンスかもしれません。昔ながらの無骨な佇まいにロマンが詰まった一台、機会があればぜひ体験してみてください。

WEBでカンタン無料査定!

旧車の買取なら、ヴァ・ベーネにお任せ!
他社査定額よりも、5~50万円UP!お急ぎの方はお電話でも承っております。

豆知識一覧へ戻る
カンタン30秒!カンタン
無料査定
担当者が丁寧に対応03-3742-3255