2022年11月25日
ハンドルとステアリングの違いや交換時のメリットデメリットを知ろう
車の運転に欠かせないハンドル。
ハンドルは車の進行方向を変えるのに必要不可欠な装置であることは今更言うまでもありません。
一方で「ステアリング」という表現も存在しており、何度か耳にされた方も多いはず。
ではハンドルとステアリングの違いは何なのでしょうか?今回はハンドルとステアリングについて、掘り下げていきたいと思います。
目次
1 「ハンドル」と「ステアリング」の違いは?
「ハンドル」と「ステアリング」、そのどちらも運転席にある、円形を基本とした形状のものを意味します。これは一般的にはハンドルと呼ばれていますね。
実は「ハンドル」とはいわゆる和製英語。そのため英語圏では意味が通じないんです。英語圏ではハンドルのことを「ステアリング」と呼びます。
自動車開発や整備に関わるエンジニアなどは、
- ハンドルはドライバーが手を触れる円形の部分そのもの
- ステアリングはハンドルの奥にあるシャフトや制御機構などを含んだシステム全体
と考えることも。
2 装置全体を指す「ステアリング」と、その中の一部分を指す「ハンドル」
ステアリングとは「ステアリングホイール」の略。実際に手で握る丸い部分から先に延びるステアリングシャフトやギアなどを含めた操舵装置全体の事を指しています。
対してハンドルとは「取っ手」の意味。実際に手で握る丸い部分の事と考えてください。
多くの車はハンドルの操作をステアリングシャフトを経由して物理的に前輪を動かしていました。
近年では、ハンドル操作を電子信号に変換し、それを伝えることによって操舵する「ステアリング・バイ・ワイヤ」という技術を搭載する車が増加してきています。
そのため、かつてに比べるとステアリングシステムは非常に高度で複雑なものとなっており、ドライバーが実際に触れる「ハンドル」と操舵システム全体を意味する「ステアリング」を分けて考える必要が生まれたと言われています。
3 ステアリングは「乗り物の進行方向を変えるための操舵装置」
ステアリングとは一般的に「乗り物の進行方向を変えるための操舵装置」のことを指します。
自由に進行方向を変えることが出来る乗り物には基本的にはステアリングが取り付けられています。
自動車を運転する場合、ハンドル(ステアリングホイール)を操作することで操舵装置を制御し、車輪の方向を変更する仕組みになっています。ただし、自動車の車輪の向きを変えるためには大きな力が求められます。
昔の車は車輪重量が現在と比較すると軽量でした。そのため運転者の腕力だけで車輪の向きを変えていたのです。対して現代の乗用車は操舵に大きな力が必要です。
そのため油圧や電動モーターの力でハンドルを軽くするためのパワステ(パワーステアリング)を搭載しています。
4 大小さまざまなハンドルの特徴
言わずもがな運転に欠かせないハンドルですが、形、大きさ、使用されている素材など、実に様々です。
例としてバスやトラックなどの大型車両のハンドルを思い浮かべてみてください。一般的な乗用車と比較してサイズが大きいハンドルを思い浮かべたのではないでしょうか。
もちろんこの大きさには理由があります。
大型車両の重たい車体や大きなタイヤは通常のハンドルでは操作が難しいため、「てこの原理」を利用して極力小さな力で操作出来るように考えられています。
外周の大きなハンドルにすれば、小さな力で操作しやすくなるということです。
逆に外周の小さなハンドルも存在します。回転量は少なく済みますが、反面回転に必要な力は大きくなります。
このような小さなハンドルが搭載されている例としてはレーシングカーやスポーツタイプの車など。
このような車種は瞬時に最小限の回転量でハンドル操作ができるよう、小さなハンドルが採用されていルことが多いのです。
余談ですがハンドルに使用されている素材も、通常のウレタン素材に加え、上質な触り心地の革巻きタイプ、高級感のある木目調、スポーツモデルではよりグリップしやすいアルカンターラ素材など、さまざまな素材が使用されています。
普段何気なく扱っているハンドルも、実は奥が深い世界なのです。
5 ステアリングの交換のメリット、デメリット
ステアリングホイールは、運転のしやすさや車内のインテリアに大きな影響を及ぼすパーツの一つ。
ドレスアップをしたり使い勝手を良くしたい場合は、純正品のハンドルを社外品に交換するなどの対応も効果的です。
社外品に交換することで、車内の雰囲気を変えたり、よりスポーティに見えるようにしたり、スポークの角度を変更して持ちやすくすることが出来たりとさまざまな効果があります。
5-1 ステアリング交換のメリット
代表的なメリットとしては、純正品よりも見栄えが良くなることでしょう。
純正品は無難なデザインであることも多いため、ステアリングを交換することでドレスアップが可能なのです。
また、操作性や持ちやすさの向上もメリットとして考えられます。
手の大きさやハンドルの持ち方は人それぞれなため、持ちやすい商品に交換することで操作性を改善することができます。
例えば樹脂製の純正品を本革製の社外品に交換し、しっくりと手に馴染む感触に変更することも可能です。
さらに、ステアリングホイールを外径の小さなものに交換することで、素早い操舵が出来るようにすることも。軽いステアリングに交換すれば純正品よりも軽い力で操作をすることができるようになります。
5-2 ステアリング交換のデメリット
メリットがあればもちろんデメリットも存在します。
社外品のステアリングのデザインやサイズによっては、ドライビングポジションが悪くなってしまうことも。これは純正品のステアリングはシートやメーターの配置を考慮して設計されているためです。
小さなステアリングに交換すると機敏な運転が可能になりますが、リングの直径が小さくなることで回転させるために力が必要となり、重く感じてしまうかもしれません。
また、社外品のステアリングホイールに交換することで、エアバッグや便利な機能の切り替えスイッチの使用が出来なくなってしまう可能性も考慮しなくてはなりません。
6 ステアリング交換をしても車検は通るの?
一定の基準を満たしていれば、車検は通過できます。車検の基準をクリアするために確認されるのは、
- 操作性(直径)
- ホーンマーク
- エアバッグ
の3点。
6-1 操作性
ハンドルを交換して操作性が著しく悪くなったと判断された場合、車検を通すことが出来なくなります。
小径タイプのハンドルに交換してハンドル操作が重くなりすぎるなどのケースがこれに該当します。
小さなハンドルに交換してももちろん一定の操作性が確保出来れば問題はありません。
6-2 ホーンマーク
車検を通過させるためには、ホーンボタンにホーンマークが付けられている必要があります。
ホーンマークが付いていない海外製のハンドルを使用する場合は、シールを貼り付けましょう。
6-3 エアバッグ
平成29年2月以降はエアバッグの警告灯が点灯・点滅していると車検が通らないため、注意が必要。社外品のハンドルに交換してエアバッグを取り外した場合は、警告灯を消しておきましょう。
また、メーターや警告灯などがハンドルで隠れてしまうと、車検を通らない場合が。社外品のステアリングに交換した場合は、公道に出る前にメーター類が見えるかどうか確認しておきましょう。
メリットデメリットを考慮したステアリングを選びを
インテリア性や操作性などを大きく向上させてくれるステアリングですが、その反面デメリットも存在します。
安易な気持ちでステアリングを交換してしまうと思いがけないデメリットに遭遇してしまう可能性もあるため、交換を検討している場合は一度プロに相談してみることをおすすめします。
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