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ターボチャージャーと双璧をなすスーパーチャージャーに迫る

ターボチャージャーと双璧をなすスーパーチャージャーに迫る

スーパーチャージャーは車のパワーを向上させるための過給機のことで、圧縮した空気をインテークマニホールドに送り込み、通常より多くの空気を一度に送る装置を指します。

スーパーチャージャー同様に、過給機として導入されているのがターボチャージャーです。

通常のエンジンと比較すると性能が高くなることはなんとなく知っているけれども、どのような仕組みでどのようなメリット、デメリットがあるのかまでは知らない方も多いのではないでしょうか。

今回はスーパーチャージャーについての仕組みや構造、搭載することでのメリットやデメリットなどについて解説していきます。

1 スーパーチャージャーの仕組みや構造

スーパーチャージャーは、エンジンからの動力を利用して空気を圧縮し、エンジン内に過給を行う仕組みになっています。

複数の圧縮方法があり、代表的なのが「ルーツ式」「リショルム式」の2つ。

ここでは、それぞれの圧縮方法について説明していきます。

1-1 ルーツ式

ルーツ式は、ドライブローターとドリブンローターの一対のローターが、互いに逆回転しながら「吸入」「圧縮」「吐出」を繰り返す方法。

ローターの形は様々で三つ葉型や繭型など複雑な形状をしていることが特徴です。2個で1セットとなっており、互いに回転しながら空気を送りこみます。

容積型コンプレッサーなので一定の過給圧を得ることができ、低速でも過給できることからターボラグもほとんどないことがメリットです。

1-2 リショルム式

リショルム式はスクリュー式とも呼ばれており、螺旋状の溝を持つ2つのローターを組み合わせ、それぞれのローターを回転させながら空気を圧縮する方式です。

内部圧縮があり高圧過給でも効率が低下しにくく、振動が少ないことが特徴。

このことから、幅広い使用用途で採用される圧縮方法となっています。

2 ターボチャージャーとの違い

ターボチャージャーはスパーチャージャーと同様で、自動車のパワーを上げるための過給機。現代の多くの自動車で採用されており、最近では軽自動車へ搭載したモデルも登場しています。

ここではスーパーチャージャーとターボチャージャーとの違いを説明していきます。

2-1 過給方法の違い

スーパーチャージャーとターボチャージャーとの違いの一つに動力源が挙げられます。

エンジンから直接動力を得ているスーパーチャージャーに対し、ターボチャージャーは排気ガスの流れが動力源です。

この違いにより作動する回転数にも大きく関係しており、ターボチャージャーはある程度回転数が上がらなければ最大限の性能を発揮することができません。

パワーロスを軽減できることがメリットですが、ターボラグが発生しやすくなることがデメリットです。

2-2 設置場所の違い

ターボチャージャーとスーパーチャージャーは設置する場所も異なります。

これは動力源による違いが影響しており、スーパーチャージャーはクランクのベルトを動力としているため、駆動ベルト付近に設置しなければいけません。

一方、ターボチャージャーは排気ガスを動力源としているため、エキゾーストマニホールドの一部として設置します。

どちらも設置箇所は限定されているので、自由度は低いと言えるでしょう。

3 スーパーチャージャーのメリット・デメリット

3-1 メリット

スーパーチャージャーは低回転時でも過給が可能な点と、アクセルレスポンスに優れていることがメリット。

まずスーパーチャージャーはエンジンの回転力を利用するため、低回転でも過給することができます。このことから、エンジンの回転数で直接コンプレッサーを駆動するのでアクセルレスポンスに優れていることもメリット。

エンジンを始動させると同時にコンプレッサーが回転するため、素早く過給することが可能です。

過給するまでのタイムラグが少なく、低速から加速までのレスポンスに優れているのがスーパーチャージャーです。

3-2 デメリット

スーパーチャージャーはターボチャージャーに比べ、サイズ自体が大きく部品数も多いのでエンジン重量が増加してしまうことがデメリット。

また、スーパーチャージャーは低回転域で作動することがメリットではありますが、高回転時の対応が難しく物理的損失が増えてしまうので最大出力に限界があることも覚えておきましょう。

最近は電磁クラッチが設けられているスーパーチャージャーもあり、走行状況に応じて過給する設定になっています。必要以上の燃費の悪化を防ぎ、高回転時にはクランクシャフトとの接続を遮断してくれる仕組みになっています。

4 スーパーチャージャーを後付けする場合

スーパーチャージャーは車のパワーを向上してくれることから、後付けを検討される方も少なくありません。しかしながら、後付けにかかる費用や車への影響を心配される方も多いでしょう。

ここではスーパーチャージャーを後付けする際のポイントを説明していきます。

4-1 スーパーチャージャーを後付けする際に必要な部品

スーパーチャージャーを後付けする際、メーカーが提供するキットを装着することが一般的。

基本的にはスーパーチャージャーと吸気管に接続するホースのクリップがセットになったものです。しかし、これだけではスーパーチャージャーは成立しません。

スーパーチャージャーを後付けするには以下の部品を準備する必要があります。

  • スーパーチャージャー本体
  • エアホース・クリップ
  • プーリー
  • ベルト
  • トラクションオイル
  • オイルクーラー
  • オイルホース
  • サクションパイプ
  • 固定ブラケット
  • インタークーラー

提供されているキットによって最低限の部品が揃ったものから、全て揃った状態のセットも存在します。

スーパーチャージャーはエンジン部分に装着しますが、その際にブラケットと呼ばれる金属部品を使用します。このブラケットは車種やエンジンごとに形を変える必要があり、場合によっては専用ブラケットを製作しなければいけません。

4-2 スーパーチャージャーを後付けする際の費用

スーパーチャージャーを後付けする場合、取り付け用キットを購入する必要があります。キットは多くのメーカーが提供しており、価格設定は様々。

中型車用で40万〜60万円程度。大型車用になると80万円が相場です。また、キットを購入して終了ではなく、取り付け費用が必要になることも覚えておきましょう。

取り付け費用についても依頼する場所によって異なりますが、一般的には20万〜30万円です。

つまりスーパーチャージャーを後付けする際は、トータルで50万〜100万円程度は必要になることを覚えておきましょう。

スーパーチャージャーの取り付けは専門的な知識と技術が必要になります。専門業者や自動車整備工場に依頼し取り付けを行いましょう。

Va bene(ヴァ・ベーネ)はこ国土交通省の認証工場を完備しています。エンジン載せ替えや簡単な修理、車検に至るまで幅広く対応します。

30年以上の業歴があり、自動車におけるノウハウが自慢です。些細なことでも構いませんので、お気軽にお問合せください。

5 後付けする際の注意点

スーパーチャージャーの後付けを行う際は、いくつか注意点があります。

ここでは各注意点について説明していきます。

5-1 取り付け時の燃料系の調整

スーパーチャージャーの後付けをした場合、取り付け後の燃料噴射系の調整を行いましょう。

旧車であればキャブレターという機械式噴射装置、現代の車では電子制御の燃料噴射装置が対象で、これらを調整して燃料噴射量を増やす必要があります。電子制御の燃料噴射装置だった場合は、エンジンをコントロールしているコンピューター(ECM)の書き換えが必要です。

燃料噴射系の調整が適切でなければ、出力が上がらなかったり、燃料が濃すぎてエンジンの失火に繋がるため専門業者などに依頼し対応してもらいましょう。

5-2 エンジンへの影響

スーパーチャージャーを後付けすることで、エンジンパワーを向上することができます。

しかしながら、元々のエンジンはパワーアップを想定した設計になっていないので悪影響が出る可能性も忘れてはいけません。

その中でも注意すべきなのはエンジン本体のシリンダー。

過給による爆発時の圧力が高まることで不具合が生じる可能性があることを覚えておきましょう。

エンジンが耐えられない程の過給を行ってしまうと、最悪の場合エンジンブローになることも。当然ながら、修理費用なども余分にかかってしまうため、後付けを行う際は慎重に実施を検討しましょう。

5-3 強化が必要な部位

前述した通り、後付けを行うことでパーツによっては不具合が生じてしまうことも少なくありません。

スーパーチャージャーを取り付けるのであれば、各部の強化を行なっておくと安心です。

例えばエンジン部分であればガスケットやピストンリングなどの強化、バルブを始めとする動弁系の強化、吸気管、排気管の変更などが挙げられます。

しかし、その分コストは高くなってしまうことも覚えておきましょう。

その他にもどこまで出力を増やすかなどによって、カスタムが必要になる場合もあります。

依頼する場所によっては、チューニングの知識が無いこともあるので予め確認しておくとスムーズです。

6 後付けしたエンジンの寿命

過給機を取り付けることでエンジンに負荷がかかりやすくなり、故障してしまうリスクも高くなってしまいます。

エンジン自体は10年程度もつと言われており、走行距離に換算すると10万kmが想定されています。またエンジンに関係するパーツの寿命は15年程度で、走行距離だと20万km。

スーパーチャージャーを後付けした場合、どうしても耐久性は低下してしまうため前述したような年数や走行距離以前に故障してしまうこともあるでしょう。

またエンジン自体への負荷が高まるため、オーバーホールを検討する必要もあります。

7 スーパーチャージャーを搭載したモデル

7-1 クラウン・ロイヤルサルーン・スーパーチャージャー

クラウンはトヨタがリリースしているシリーズで、提供をスタートしたのは1955年のこと。

今では国産車の中で高級セダンの定番車種としても支持を集めている人気モデルです。

スーパーチャージャー仕様がラインナップされたのは、7代目クラウン。

1985年にマイナーチェンジが実施され、1G-GZEU型エンジン搭載の「2000ロイヤルサルーン・スーパーチャージャー」を発表。このモデルが国産車初のスーパーチャージャー搭載モデルです。

7-2 MR-2スーパーチャージャーAW11

MR2はトヨタが開発したクーペ型小型乗用車。

初代が登場したのは1984年のことで、2世代に渡り1999年まで提供されたシリーズ。

スーパーチャージャーが搭載されていたのは、初代後期型で1986年に発表されました。4A-GZE型1,600 ccエンジンを搭載し、カートのような軽快さと力強い走りが魅力な一台です。

7-3 AE92 スプリンタートレノ

トヨタが製造・販売していたスプリンタートレノ。

1972年に初代が登場し7世代に渡り2000年まで提供されたモデル。

歴代シリーズの中で初めてスーパーチャージャーを搭載したのは、「キューニー」の愛称でも親しまれた5代目AE92型。1989年にスーパーチャージャー付き4A-GZE型エンジンを搭載したグレード「GT-Z」が登場します。

スーパーチャージャーの仕組みを知り、自分に合った車選びを

自動車の性能を上げてくれるスーパーチャージャー。

エンジンの重量が重くなるなどの観点から、国産車にはあまり採用されておらずターボチャージャーの方が主流です。しかしながら低回転時でも過給が可能な点と、アクセルレスポンスに優れていることがメリット。

後付けする際はコスト面やエンジンへの影響などを検討した上で実施しましょう。

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