2021年1月29日
車の走行に欠かせない部品「ギア」!その必要性や仕組みを理解する
車におけるギアはタイヤに動力を伝えるために欠かすことができません。
そんな車にとって大切な部品の一つですが、その必要性や仕組みについて理解する機会は意外と少ないはず。
自動車にはAT車とMT車があり、ギアの特徴や仕組みは異なります。特にMT車の場合、流通している台数も少ないためあまり触れることが少ないことも事実。
今回は車における「ギア」についてその役割から、AT車とMT車の違いや特徴について説明していきます。
目次
1 車のギアの必要性と仕組み
車を動かすために必要なギアは、どの車種にも搭載されているトランスミッションを構成する主要パーツ。トランスミッションはギアとシャフトで構成され、エンジンから出力される駆動力をタイヤに伝えることが役割。
ギアを変更することでエンジンから伝わる動力のトルクや回転数、回転方向を調整することが可能です。低速ギアに入れると回転数は低下しますが、小さな力でより大きな力を生み出すことができるので発進時や急な坂の走行に適しています。
一方、平地であれば走行している間に勢いがついてくるのでギアを上げることで回転率が向上し効率よく走行できます。このようにギアを変更することで、その瞬間の走行状況に適した駆動力を生み出せるわけです。
現在では走行状況に応じて自動的にギアをチェンジしてくれる、オートマチックトランスミッション車が主流でAT車と表記されることも。一方ギアを手動で入れ替えるマニュアルトランスミッション車も存在しMT車と表記されています。
2 AT車とMT車の違いと特徴
前述した通り、現在の車の主流は走行状況に応じて自動的にギアチェンジを行ってくれるAT車が主流ですが、手動でギアチェンジを行うMT車を好むかたも多いです。
AT車とMT車のどちらを選ぶか迷っているのであれば、運転の習熟度や車の用途から選択するといいでしょう。
AT車であれば操作が簡単で気楽に運転ができることがメリット。運転技術に自信がないかたや通勤など車を移動手段として多く利用するこのであればおすすめです。車を選ぶ際もほとんどの車種がAT車をリリースしているので、様々な自動車から好みの一台を探すことができます。
一方MT車はスポーツカーに乗ってみたいかたや運転を楽しみたい場合や、燃費のいい走りを追求したいかたにおすすめ。操作が複雑なので自分の操作通りに車を動かせる楽しみがあります。しかしある程度の運転技術がなければ乗りこなすことができないので、初心者には向いていないと言えるでしょう。
MT車についてメリットやデメリット、運転する際のポイントについて知りたいかたはこちらをご覧ください。
3 AT車のギアの種類と特徴
普段からAT車を利用している場合、ギア毎の役割について深く考える機会は多くないかもしれません。
AT車のギアには「パーキング(P)」「リバース(R)」「ドライブ(D)」「ニュートラル(N)」「セカンド(2)」「ロー(L)」「オーバードライブ(OD)」の7種類が存在します。
それぞれのギアの持つ役割について掘り下げてみましょう。
3-1 パーキング(P)
パーキング(P)は主に駐車時に使用するギア。
ギアをパーキングレンジに入れることでトランスミッションの内部にロックがかかります。そのため、たとえば誤ってアクセルを踏み込んだ際も車が急発進することはありません。
ただし、パーキング(P)は「パーキングロックポール」と呼ばれる棒状の留め具で押さえている状態です。厳密には安全性が確保されている状態とは言い切れないため、必ずサイドブレーキ(パーキングブレーキ)を併用するのがルール。
ちなみにパーキングとサイドブレーキの併用は、道路交通法「運転者が車を離れるときの義務」として明記されています。
3-2 リバース(R)
リバース(R)は車両を後退(バック)させる際に使用するギアです。
駐車時に使用されることも多いことから、バックギアと呼ばれることもあります。ほとんどの車はリバースにギアを変更すると音が鳴り、他のギアと区別がつきやすいことが特徴です。
3-3 ドライブ(D)
ドライブ(D)は自動車を走行させる場合に使用するギア。
最も使用頻度の高いギアであることは言うまでもありません。ドライブレンジに入っている場合、アクセルを踏まなくても一定の速度で車が進んでいきます。
AT車であれば自動でギアチェンジを行ってくれるので、走行時のギアは基本的にドライブに入れたままでOK。
3-4 ニュートラル(N)
ニュートラル(N)はエンジンとタイヤを一時的に切り離し動力が伝わらないようにするギアです。
AT車はアクセルペダルを踏んでいなくても、低速度で車が前進する「クリープ現象」が発生します。しかしギアをニュートラルに入れておけば車を停止することができるわけです。
パーキングとは異なり、ニュートラルではギアにロックはかかっていません。
なので、愛車が自力で走行できなくなった時にギアをニュートラルにして後ろから数人で手押しする、といった具合に緊急時にも対応できます。
3-5 セカンド(2)
セカンド(2)はギアを2速に固定する時に使用します。
ちなみに2速とは、20km前後の低速域のこと。坂道を上がっている際や、長めの下り坂でスピードを抑えたい場合にセカンドに変更するのがベストです。
スピードを抑制するためにブレーキを何度も踏まなくて済むため、運転者はもちろんブレーキ自体への負担も軽減できます。
3-6 ロー(L)
ロー(L)は1速で走行する際に使用するギアです。
急な坂を下る場合や坂道発進をする際、セカンドギアよりも強くエンジンブレーキをかける時はローに入れます。ただし、基本的にはセカンドで十分事足りるため、ローを使う機会はそう多くありません。
3-7 オーバードライブ(OD)
オーバードライブ(OD)は最速ギアのことで、例えば5速AT車であれば最高の5速に該当します。
一般的にはシフトノブの横についているスイッチを押すことでオン・オフを切り替えることが可能です。
オンにしたまま走行するとエンジンの回転数を抑えながら走行できるため、燃費や運転時の静粛性を高められることが魅力。一般道での運転時に向いています。
一方で、山道などの道路状況が悪い場所の運転には不向きなギアです。
4 MT車のギアの種類と特徴
MT車のギアは「ローギア(L)」「セカンドギア(2)」「サードギア(3)」「トップギア(4)」「オーバートップギア(5)」「リバース・バックギア(R)」の6種類。
MT車の場合、走行状況にあわせて手動でギアチェンジを行わなければいけません。
4-1 ローギア(L)
車の発進時や急な坂を上る際に用いるギアです。AT車では使用頻度の少なかったローギアですが、MT車では車の発進時に毎回使用します。
4-2 セカンドギア(2)
長い坂道を下る場合やエンジンブレーキを効かせたい時に用いるギアです。
特に発進時は、ローギアでゆっくりと加速し途中からセカンドギアにシフトすることで加速にグラデーションをつけます。
4-3 サードギア(3)
セカンドギアの次に使用するギアです。
ローギアでゆっくりと加速→セカンドギアで加速→サードギアでさらに加速、といった順序で徐々にシフトすることで段階的にスピードを上げることができます。
4-4 トップギア(4)
走行時に60km程度のスピードを出す場合に用いられるギアです。
ローギア→セカンドギア→サードギア→トップギアの順で切り替えます。一般道ではトップギアで走行することがほとんとです。
そのため前述したローギア、セカンドギア、サードギアはほとんどの場合、トップギアに至るまでの段階的な加速・減速のためだけに用いられます。
4-5 オーバートップギア(5)
トップギアよりもさらにスピードを出す場合に用いられるギアです。
トップギアでは60km前後でしたが、オーバートップギアではそれ以上のスピードを出せます。そのため高速道路で使用がほとんどです。
また車によってはトップギアが5速でオーバートップギアが6速の場合もありますが、基本的な役割は同じなので覚えておきましょう。
4-6 リバース・バックギア(R)
車をバックさせる時に用いられるギアです。
AT車のリバースギアと同様の役割を担っていますが、扱う際の難易度はAT車とは比べ物になりません。半クラッチで速度調整をしながらバックするのが非常に難しく、慣れないうちは毎回エンストしてしまうことも。
5 ギアが故障する原因と対応方法
万が一車のギアが故障してしまった場合、どのように対応すべきなのでしょう?
故障の原因を理解しておくことでスムーズに対応できるよう準備をしておくことが求められます。
どんな部品でも走行距離が伸びれば伸びるほど経年劣化してきます。運転方法や車の使用頻度などでも劣化が早く進むことも。またATF(オートマチックトランスミッションフルード)の不具合も、故障の原因です。ATFはギアの潤滑に必要なため、オイルの漏れなどがあるとギア自体の故障の原因となることを覚えておきましょう。
MT車であればギアの回転数が合っていないのにギアチェンジを行ったり、AT車の場合はキックダウンを頻繁に行うなどもギアに大きな負担をかけてしまうことを忘れてはいけません。
ギアが故障してしまったら、当然ながら修理を行う必要があります。ギアの修理の場合、簡単にできるものではありません。
多くの場合、オートマの交換やオーバーホールになることがほとんど。車の中でも重要な部品であり、大きな部品ですので交換費用も高くなります。オーバーオールでも20万円以上、載せ替えであれば更に費用がかかるなんてことも。このことからギアが故障したら、廃車にすることを選択されるかたが多いのも事実。
ギアが故障してしまったら不動車の扱いになるので、買取を依頼した場合に査定額が低くなる傾向や業者によっては買取不可なんてことも…。
「ヴァベーネ」であれば不動車や事故車などでも買取が可能です。また自社工場を完備しているので車の修理や整備、車検なども対応できます。車のことで何かお困りなことがあれば相談大歓迎です。
まとめ
今回は車におけるギアについて説明してきました。
自動車を運転する際にギアを上手に使い分けることがポイント。
車にはAT車とMT車があるので、適切なギアチェンジを行わないと車への負担が大きくなります。これにより故障や不具合の原因となり最悪の場合、動かなくなってしまうことも。
ギアチェンジを正しく行うことで、安全で快適なカーライフを楽しみましょう。
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