2024年1月26日
車をスクラップする方法とは?手続きの流れや費用について
自動車は気づかぬ内に劣化していくもの。
長年、愛用している車の故障が増えてくると、スクラップを検討される方も少なくありません。
しかしながら、いざ車のスクラップを依頼しようとしても、どこに依頼しどのような手続きを踏めばいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
今回はスクラップと廃車の違いから、不要な車をスクラップする際の依頼場所や費用感などについて触れていきます。
目次
1 スクラップと廃車との違い
車におけるスクラップと廃車は、意味合いが混同されがちですが異なるものです。
スクラップは自動車を解体することで、廃車は車を手放すための手続きを意味します。つまりスクラップと廃車手続きはセットで行われるということ。
車をスクラップすることで、ゴミとして処分されると思われがちですが、実はその逆なんです。スクラップする自動車のうち、まだ使える部品は取り出してリサイクルし、アルミや鉄などの資源は再利用されます。
つまり車を粉砕し、鉄くずにすることではなく、自動車を解体し分別する作業のことをスクラップといいます。
廃車手続きは、「一時抹消登録」と「永久抹消登録」の2つの種類があります。
一時抹消登録は、車の使用を一時的に止める廃車手続きのことを指します。引っ越しや転勤など、車に一定の期間乗らない場合に取る手続きです。
一方、対象となる車に二度と乗らない場合に、実施する手続きのことを永久抹消登録といいます。主に解体済みの車や走行できない車を対象に実施されます。何らかの事情で運転自体しなくなる場合も対象です。
廃車手続きについてさらに詳しく知りたい方はコチラも併せてご覧ください。
2 車のスクラップを依頼する場所
2-1 廃車買取業者
廃車買取業者であれば、スクラップの依頼はもちろんですが、数万〜十数万円の買取価格が付くことがあります。
また、車を持ち込む際にレッカー業者に依頼する必要がありますが、廃車買取業者のほとんどは無料で引き取ってくれることも嬉しいポイント。
面倒な手続きなども代行してくれるため、時間や手間をかけずに車をスクラップできるのが廃車買取業者です。
2-2 ディーラー
ディーラーでも車のスクラップを依頼することができます。
前述した廃車買取業者と異なり、ディーラーでは買取価格がつかないことが多く、レッカー代や廃車手続き代行などの費用も必要です。費用は1万〜8万円程度かかります。
ただし、ディーラーに依頼する場合は、廃車買取業者と同様に手続きは簡単です。ディーラーに問い合わせて車を引き取ってもらうだけです。
また、新車への乗り換えが前提であれば、下取り扱いになる場合もあります。新車購入時の際に値引きをしてもらえることが、他の依頼場所との大きな違いです。
新車への乗り換えが前提で、面倒な手続きを省きたい方は、ディーラーへの依頼を検討してみてはいかがでしょう。
2-3 解体業者
解体業者は、車を買い取ってくれる場合もありますが、廃車手続きは自分で行う必要があります。そのため、時間と手間を省きたい方は、解体業者への依頼は避けたほうがいいでしょう。
解体業者に依頼した場合の費用は、普通自動車で25,000円~45,000円、軽自動車で23,000円~40,000円が相場です。
ただし、個人間とのトラブルを避けるために、依頼を受け付けないケースも少なくありません。
全ての解体業者が受け付けていない訳ではありませんが、依頼する場合は複数の業者に問い合わせる必要があり、手間がかかることは頭に入れておきましょう。
3 業者が車をスクラップする手順
前述した通り、車のスクラップは車を粉砕し、鉄くずにするのではなく、自動車を解体し分別する作業です。
たとえ一見使えなくなったホイールでも、使用されている鉛を取り除いて、アルミや鉄を取り扱う専門業者に引き渡すことで、また別の製品として生まれ変わります。
これは、2005年に施行された自動車リサイクル法によって、まだ使用できる部品を取り出して再利用することが義務付けられているためです。
解体して部品を取り出したら、次に行うのが破砕処理。
廃車ガラをプレス機に投入することでコンパクトに圧縮します。圧縮されたものをシュレッダーマシンにかけ、車は10〜20cmほどに砕かれるのです。
その後、プラスチック類と金属類に分別し、磁力によって細かい鉄類を除去することで、シュレッダーダストが完成します。シュレッダーダストは、破砕くずのことで、産廃として捨てられる破片の混合物です。
自動車シュレッダーダストの処分方法は、自動車リサイクル法により管理型処分場にて埋め立て処分することが義務付けられています。
このようにスクラップには「解体して部品を取り外す」工程と「破砕処理」の2つの工程が行われているのです。
4 自分で手続きする場合の手順
4-1 業者への問い合わせ
まずはスクラップ業者に問い合わせをしましょう。
業者に連絡する際に、車を持ち込む際の条件や手順を確認しておくことが大切です。また、現在の鉄の単価と車の重さに対する鉄スクラップの割合を質問し、買取価格をある程度把握しておくといいでしょう。
4-2 一時抹消登録
スクラップ業者が決まったら、車を持ち込む前に一時抹消登録を行います。
申請する際は、以下の書類を準備しましょう。
- 実印
- 印鑑証明書
- 自動車検査証
- ナンバープレート2枚
- 手数料350円
印鑑証明書は発行から3ヶ月以内のものに限ります。上記の書類が準備できたら、普通車の場合は管轄の運輸支局。軽自動車であれば軽自動車検査協会の事務所で手続きを行なってください。
4-3 解体業者に車を引き渡す
スクラップにする車を業者へ持ち込みましょう。
その際にスクラップする自動車は、自走で持ち込むことはできません。一時抹消登録によりナンバーを返却しているためです。そのため、レッカー業者を利用して該当車両を移動させましょう。
解体が済んだら、業者より「移動報告番号」と「解体記録日」が記載された書類を受け取ります。自動車を業者に持ち込んだ日から、およそ1〜2週間後に連絡もしくは通知がきます。
4-4 永久抹消登録の手続き
スクラップが済んだら永久抹消登録の手続きを行います。
一時抹消同様に、普通自動車であれば管轄の運輸支局へ。軽自動車は軽自動車検査協会に向かいましょう。
その際の必要書類は以下の通りです。
- 登録識別情報通知書
- 「移動報告番号」と「解体記録日」が記載されている書類
- 通帳(自動車重量税などの還付金振込用)
- 印鑑
- 手数料(350円または150円)
上記書類を窓口に提出し、手数料を納付すれば完了です。
車のスクラップを検討する際はよく考えてから
スクラップは車を解体して、まだ使える部品はリサイクルし、使えなくなった部品は破砕処理する作業のことです。
依頼できる場所は、大きく分けて3つあります。
- 廃車買取業者:廃車手続きなどを代行し、車を買い取ってくれる場合もある
- ディーラー:新車購入時に下取り扱いになるケースもある
- 解体業者:車を買い取ってくれる場合もあるが、手続きは自分で行う必要がある
車をスクラップする場合は、依頼する場所や手続きの方法をよく確認しましょう。
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