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水平対向エンジンとは?その特徴は?他のエンジンとの違いは?

水平対向エンジンとは?その特徴は?他のエンジンとの違いは?

水平対向エンジンはレシプロエンジンの一つの形式で、クランクシャフトを挟んで対になるピストンが向かい合うように作動するエンジンのこと。ボクサーエンジンやフラットエンジンと呼ばれることもあります。

水平対向エンジンが誕生したのは1897年まで遡ります。現在では自動車の高級ブランドとして有名な、メルセデス・ベンツの創業者であるカール・ベンツ氏によって生産されました。

自動車に搭載されているエンジンは直列エンジンが主流になっており、水平対向エンジンを採用している自動車メーカーは少ないのが現状です。しかしながら水平対向エンジンだからこそ可能になるメリットも多く存在します。

そこで今回は水平対向エンジンの概要から、搭載することでのメリットやデメリット、他のエンジンとの違いなどについて説明していきます。

1 他のエンジンとの違い

自動車に搭載されるエンジンには様々な種類が存在しており、水平対向エンジンもその内の一つ。

ここでは直列エンジンとV型エンジンを例に、水平対向エンジンとの違いを見ていきましょう。

1-1 流通しているエンジンの中で最もポピュラーな直列エンジン

直列エンジンは一本のクランクシャフトに対してシリンダーが一直線に並ぶ設計になっています。自動車だけではなく、オートバイや船舶、飛行機など幅広く活用されているエンジンです。

シリンダーが一直線に並ぶことで、カムシャフトを駆動するために機構が一つで足りるなど、必要部品が少なくコストを抑えられることがメリット。また重量も軽く、排気系の取り回しも単純なのでメンテナンス性が高いことも特徴です。

デメリットとしてはエンジンが縦方向に長くなってしまうためスペースが必要になり、他のエンジンに比べ剛性面が劣ってしまいます。

1-2 排気量が大きなV型エンジン

他のエンジンと比べコンパクトにまとめられた設計になっているのがV型エンジン。

水平対向エンジンもV型エンジンも、シリンダーを2つに分けて配置されていますがクランクシャフトのデザインに違いがあります。

気筒数が増えるほど剛性面が高くなり、スペース効率に優れているので縦置きだけではなく横置きができることがメリット。

その反面、横置きにした場合にスパークプラグの交換が難しくなるのでメンテナンス性が劣ります。また排気量の大きなエンジンで採用されることが多いV型エンジンですが、構成されるパーツが多くなるので重量が重くなりがちです。

2 水平対向エンジンを採用することでのメリット

水平対向エンジンは、他のエンジンと比べコンパクトな設計になっているため全長は短く全高は低くすることができます。

一般的な直列エンジンやV型エンジンであれば、マンションのように上へ上へとパーツが積み重なる設計になるため、当然ながら重心も高くなりがち。

しかしながら水平対向エンジンであれば横に平らな設計になっているので、重心を低くすることができる訳です。これにより旋回時のロールが軽減され、切り返しやステアリングのレスポンスが向上します。

またクランクシャフトを左右のシリンダーブロックが均一に挟み込む構造になっているため、高剛性が高くなることもメリットの一つ。直列エンジンと比較した場合、クランクシャフトが短くなるので曲げ荷重に強く軽量化にも繋がります。

3 覚えておきたい水平対向エンジンのデメリット

水平対向エンジンのメリットを説明してきましたが、以下のようなデメリットがあることも忘れてはいけません。

  • コスト面
  • メンテナンス性
  • オイル漏れがしやすい

まず水平対向エンジンは他のエンジンと比べ、細かな設計が必要になり専用パーツを使用することになるので生産コストがかかってしまいます。メンテナンス時には専用パーツが必要になるケースもあるので、当然ながらコストも割高になりがちです。

水平対向エンジンはシリンダーが水平に配置されているため、オイル漏れを起こしやすいということもデメリットの一つ。

他のエンジンの最下部はオイルパンというオイルの受け皿のようなものがある構造になっています。しかしながら水平対向エンジンは、別々のクランク、シリンダー、ヘッドが横に連結されているので、その間のガスケットからオイルがにじみやすくなってしまうことを覚えておきましょう。

4 水平対向エンジンを搭載したスバルの主要車種

水平対向エンジンを製造しているのは国内であればスバル。海外であればポルシェが挙げられますが、過去にはトヨタやフォルクスワーゲンなどの自動車メーカーも採用していました。

前述したように細かな設計が必要になり生産コストが高くなることから、多くのメーカーが生産を打ち切りにしています。

ここではスバルにフォーカスし、水平対向エンジンを搭載した有名モデルを紹介していきます。スバルの変遷や過去の名車を紹介しているのでこちらもあわせてご覧ください。

4-1 量産車初の水平対向エンジンを搭載したスバル1000

水平対向エンジンを量産車に初めて搭載したのは「スバル 1000」。

1966年に登場し振動が少なく、走行安定性に優れ、広いキャビンを確保するために水平対向エンジンを採用。その他にも当時としては珍しいFFの駆動方式や4輪独立のサスペンションなどの先進的な技術が詰まった一台です。

現在も続くスバルの車作りの礎を築いた一台です。

4-2 進化を遂げたEJ型エンジンを搭載したレガシィ

スバルがフラッグシップモデルとして開発されたのがレガシィ。1989年に初代が登場し、多くのスバリストが熱狂してきたシリーズです。

パワートレインは、新開発され進化を遂げた水冷水平対向4気筒エンジンEJ型を搭載。これにより水平対向エンジン本来のポテンシャルを最大限に発揮し、高性能エンジンとして高い評価を獲得しています。

現在は国内仕様の生産は残念ながら終了していますが、北米仕様を2019年より販売を開始しています。

4-3 FRパワートレインを初めて採用したBRZ

「環境性能」と「走りの愉しさ」の高次元の両立を目指し、それまでの水平対向エンジンの性能を刷新。基本構造と燃焼効率の抜本的な見直しにより、優れた燃費性能と爽快な加速レスポンスを実現したエンジンを搭載したのがBRZ。

BRZはスバルとトヨタが共同開発したスポーツカーで、スバルの歴代モデルで初の後輪駆動車です。

2012年に初代が登場し、スバルが開発したFB20型エンジンをベースにトヨタの直噴・ポート噴射併用技術である「D-4S」を掛け合わせた新開発のFA20型を搭載しています。

デメリットを打ち消すほどの強い個性を持った水平対向エンジン

他のエンジンにはない強い個性と独特のパワーフィールが魅力の水平対向エンジン。

かつては多くの自動車メーカーが製造していましたが、生産コストや設計の難しさにより生産を中止しているメーカーがほとんどです。

デメリットばかりのイメージですが、それを打ち消すほどのメリットが感じられる水平対向エンジンに注目してみてはいかがでしょう。

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