
2025年3月21日
数々のモデルに搭載された自然吸気(NA)エンジンとは
車の心臓部分でもあるエンジンは、技術の発展とともに進化を遂げてきました。現在では多くの種類があり、それぞれの魅力が存在します。
その中でも古くから採用されてきたのは自然吸気(NA)エンジン。
1984年に登場したホンダ インテグラや1990年にデビューしたNSXなどに採用されたことでも知られており、数々の名車に搭載されてきました。
今回は、自然吸気エンジンにスポットを当て、ターボチャージャーやスーパーチャージャーとの違いなどについても触れていきます。
目次
1 多くのモデルに採用された自然吸気(NA)エンジンとは
自然吸気エンジンは、ターボやスーパーチャージャーなどの過給器を使用せず、大気圧のみで空気をシリンダー内に吸入するエンジンです。Natural Aspiration(ナチュラル アスピレーション)、またはNormal Aspiration(ノーマル アスピレーション)の略称で、NAエンジンとも呼ばれています。
特徴として、アクセル操作に対するレスポンスが良く、運転のしやすさ、操縦性に優れています。
多くの量販車に搭載されており、エンジンのピストンが下降する際にシリンダー内が負圧になり、大気中の空気を自然に吸い込む仕組みです。
ターボチャージャーとは異なり過給器は装着されていないため、部品点数が少なくシンプルな構造です。そのため、製造コストやメンテナンス費用が比較的低くなることが特徴。
代表的なエンジン技術には、ホンダのVTEC、i-VTEC、トヨタのVVT-i、VVTL-i、日産のNEO VVLなどがあります。
2 自然吸気エンジンを搭載することでのメリット・デメリット
一般的な乗用車の多くに搭載される自然吸気エンジンは、アクセル操作に対するエンジンのレスポンスの良さが大きなメリット。これにより、ドライバーは意図した通りの運転操作が行いやすく、運転の楽しさや操縦性が向上します。
かつては、自然吸気エンジンならではの特性を活かし、スポーツカーやモータースポーツの頂点であるF1マシンのエンジンにも採用されていました。
また、ターボエンジンなどの過給エンジンに比べ、構成するパーツが少なくシンプルな構造になっているため、製造コストやメンテナンスにかかる費用が低くなる傾向にあります。
さらに、過給器を使用していないためエネルギーロスが少なく、一般的に過給エンジンよりも燃費が良いことも魅力のひとつです。
一方、デメリットは過給器を使用していないため、最大出力が低くなりパワー不足を感じることが挙げられます。
特にターボエンジンと比べるとその差は歴然で、加速感や絶対的な運動性能には差が出てしまいます。また、高地など空気の薄い場所では、出力が低下しやすいという点もデメリットとして挙げられます。
3 ターボチャージャーやスーパーチャージャーとの違い
3-1 最大出力を高めたターボチャージャー
ターボチャージャーは、排気ガスのエネルギーを利用して空気を圧縮することで出力を高めたエンジンです。ターボや過給機、ターボエンジンとも呼ばれ軽自動車に搭載したモデルも増加しています。
自然吸気エンジンに比べ部品点数が多く、構造が複雑になるため車体重量が増加。また、部品が増えることで故障のリスクが高まることも考慮する必要があります。
ターボチャージャーは、大きく「可変ジオメトリーターボ」「ツインターボ」「ツインスクロールターボ」などに分類され、それぞれの種類によって特性や性能が異なります。
3-2 ターボチャージャーと双璧をなすスーパーチャージャー
スーパーチャージャーは、エンジンに吸入される空気を圧縮して送り込む機械式過給機の一種です。
主なメリットは、低回転域から過給が可能であることと、アクセルレスポンスに優れていることです。また、エンジンの回転に連動してコンプレッサーが作動するため、アクセル操作に対する応答性が高く、タイムラグが少ないという特徴があります。
一方、スーパーチャージャーのデメリットは、ターボチャージャーよりも装置自体が大きく、部品点数も多いため、エンジン重量が増加する傾向があります。
また、低回転域での作動に優れる反面、高回転域ではコンプレッサーの駆動に大きなエネルギーが必要となり、機械的な損失が増加するため、最大出力に限界があることも覚えておきましょう。
近年では、電磁クラッチを備えたスーパーチャージャーも登場しており、走行状況に応じて過給を制御することを可能にしました。これにより、必要以上の燃費悪化を抑制し、高回転域ではクランクシャフトとの接続を遮断することで、効率的な運転を実現しています。
多くのモデルに搭載された自然吸気エンジンは技術の発展により減少傾向に
自然吸気エンジンは、アクセル操作に対するレスポンスが良く、運転のしやすさ、操縦性に優れていることからスポーツカーやF1マシンなど数々のモデルに搭載されてきました。
しかしながら時代の流れとともに、環境性能への要求が高まり、エンジンのダウンサイジング化が進んでいます。燃費効率とパワーを両立するダウンサイジングターボの普及により、自然吸気エンジンを搭載するモデルは減少傾向にあるのは事実です。
それでも自然吸気エンジンが持つ独特の魅力は、今でも多くのドライバーを魅了しています。
当記事を通して自然吸気エンジンの魅力が伝われば幸いです。
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