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S2000のハイスペックを支えた超高回転型エンジンに迫る

S2000のハイスペックを支えた超高回転型エンジンに迫る

1998年、ホンダの創立50周年を記念するモデルとして発表され、翌年の1999年4月にリリースされたホンダの2シーターのオープンスポーツカー「S2000」。

S2000発売当時は、大気汚染への関心が高まり、自動車の排気ガスが環境に与える影響が懸念されていた時代。リリースの翌年の2000年には、新たな自動車排出ガス規制制度「平成12年排出ガス規制」の施行も控えていました。

そしてS2000は、日本国内で初めて平成12年排出ガス規制の適合の認可を得たモデルとしても知られています。

今回はスポーツカーながら、はじめて排出ガス規制の適合を受けたS2000のエンジンについてお伝えします。

S2000について、詳しくはこちらをご覧ください。

1 S2000の発売から2005年まで搭載された2.0Lエンジン「F20C(AP1)」

エンジン型式 F20C(AP1)
エンジン種類・シリンダー数 直列4気筒DOHC16V・VTEC
シリンダー 内径×行程(mm) 87.0×84.0
総排気量(cc) 1,997
圧縮比 11.7
最高出力 kW[PS]/rpm 184[250]/8,300
最高トルク N・m[kgm]/rpm 218[22.2]/7,500
燃料供給装置 ホンダ PGM-FI 電子制御燃料噴射装置
タンク容量(L) 50
搭載時期 1999年4月〜2005年11月

F20C(AP1)は、S2000のリリースから2005年11月のマイナーチェンジまでのおよそ6年間、搭載されていたエンジンです。

S2000は、この6速ミッションの直列4気筒DOHC16V VTECエンジンをフロントミッドシップに搭載しました。

そんなF20Cは、S2000用に開発されたエンジン。テーマは従来のDOHC VTECのさらなる高回転、高出力化。加えて、低排出ガスや高レスポンスを実現するのはもちろんのこと、軽量・コンパクト化も視野に入れて開発されました。

新たなVTEC構造やショートストローク化、吸気ポートのストレート化、容量の最適化により、最高出力250PS/8,300rpm、最大トルク22.2kgm/7,500rpmを達成。最高回転数は、9,000回転にまで及びます。このスペックは、レーシングエンジンにも匹敵する、当時の世界最高水準です。

排出ガスに関しては、平成12年排出ガス規制値を50%以上も下回り、低排出ガス化に成功しています。

高い剛性のボディに前後重量バランス50:50を実現したレイアウト、そして当時最高峰のエンジンを搭載し、S2000は軽快なFR車として華々しいデビューを飾りました。

2 F20Cのトルク不足を解消した2.2Lエンジン「F22C(AP2)」

エンジン型式 F22C(AP2)
エンジン種類・シリンダー数 直列4気筒DOHC16V・VTEC
シリンダー 内径×行程(mm) 87.0×90.7
総排気量(cc) 2,156
圧縮比 11.1
最高出力 kW[PS]/rpm 178[242]/7,800
最高トルク N・m[kgm]/rpm 221[22.5]/6,500~7,500
燃料供給装置 ホンダ PGM-FI 電子制御燃料噴射装置
タンク容量(L) 50
搭載時期 2005年11月〜2009年9月

2005年11月、S2000は低・中速回転域でのトルク不足や、さらなる排ガス規制への対応のため、マイナーチェンジされました。

その原因となったトルク不足や排ガス規制対応を実現したのが、F22C(AP2)エンジンです。

ストロークを90.7mmまで延長することにより、排気量を2.2Lまで拡大。低・中回転域でのトルクの強化しました。

さらに、アクセルの開閉度を電気信号によって読み取り、より詳細な信号を送る「DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)」を採用。これにより、従来よりもさらにリニアなフィーリングを実現しました。

一方、さらに厳しくなった排ガス規制への対応により、F20Cと比べて一部パワーダウンしたのがポイント。

排気ガス浄化を行う触媒に、背圧や熱容量が少ないメタルハニカムを採用したことにより、エンジンの最高回転数は、F20Cの9,000rpmから8,000rpmまでダウン。それによって、最高出力も250PSから242PSまで抑えられました。

しかしながら、最大トルクや環境性能に関しては、F20Cからさらにアップしています。最大トルクは22.2kgmから22.5kgmになり、0.3kgmアップしました。

そして、エアポンプによる排気2次エアー供給システムが装備されたことにより、2005年の排出ガス規制基準値より50%以上もの有害物質低減に成功。それにより、U-LEV(ultra-low emission vehicle)に初めて適合したエンジンとなりました。

新時代の排ガス規制に対応しつつ、パワーダウンを最小限に抑えることに成功したエンジンと言えるでしょう。

S2000のハイスペックを支えたF20CとF22Cエンジン

当時の最高スペックを誇ったスポーツカーS2000は、走りを楽しむ走行性能はもちろんのこと、排ガス規制に対応したモデル。

そのハイスペックを支えたのが、F20CとF22Cの両エンジンです。

F20Cは、最高回転数9,000rpmを誇る6速MTの超高回転型エンジン。2005年度からは、トルク不足や新たな排ガス基準に対応するべく、F22Cに変更されました。

最高回転数や出力こそダウンしたものの、最大トルクや環境性能に関しては向上しているのがポイント。

厳しい排ガス帰省に対応しながら、このスペックを実現したことは、特筆すべき点です。

当記事を通してF20C、F22Cの魅力が伝われば幸いです。

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