“タテグロ”の愛称で人気を博した3代目グロリアとは?

“タテグロ”の愛称で人気を博した3代目グロリアとは?

グロリアはプリンス自動車が製造していた高級車

 グロリアはそもそも日産自動車ではなく、プリンス自動車が製造していた高級車。その当時は宮内庁へ納入させる数が多く、プリンス自動車と言う社名の由来も現天皇陛下が皇太子時代に立太子礼を行うことを記念して、それまでの「たま電気自動車」「たま自動車」から「プリンス自動車工業」に変更したといういわれがある。

「タテグロ」の名前の由来

 プリンスセダンが発展して1.5リッタークラス(当時の5ナンバーは1500cc以内)をスカイラインに、3ナンバーになる1.9リッタークラスがグロリアになった。グロリアはプリンスを代表する高級車で、1962年に2代目のS40系にモデルチェンジして日本初のSOHC機構を採用する直列6気筒エンジンを搭載した「スーパー6」が誕生している。ところが、1966年にプリンスが日産と合併したことで、グロリアは「日産プリンス・グロリア」と車名を変更。すでに開発が進んでいた3代目A30系は1967年、日産自動車から発売された。

 この3代目グロリアをタテグロと呼ぶ。その由来は縦2眼ヘッドライトだから。簡単な由来なのだが、当時縦にヘッドライトが2つ並ぶスタイルは国産車だと非常に少なかった。どちらかというとアメリカ車に多いデザイン。なぜ3代目グロリアが縦に並ぶヘッドライトを採用したかといえば、グロリアが発売される直前である1967年に、プリンスが皇室用に開発した超高級車である日産プリンスロイヤルと同じイメージを持たせたから。このプリンスロイヤルは市販されることなく、宮内庁へ納入されただけの御料車。そんなクルマと同じようなスタイルを持たせたグロリアは、まさに格式高いクルマだった。その当時は「ロイヤルルック」と呼ばれ、企業や官庁などの公用車に多かった。

「縦目のグロリア」が「タテグロ」に変化

 現役当時からタテグロと呼ばれたわけではなく、これはのちに中古車として手軽に乗れるようになった80年代頃からの呼ばれ方。70年代後半は3ナンバーに8万円以上の自動車税がかかり、普通に乗れるものではなかった。だからアメリカ車に憧れる人たちは、こぞって格安になっていた3代目グロリアに乗ったもの。スタイルがアメ車的だからだ。この当時、愛称として生まれた呼び方が「縦目のグロリア」で、それが略されて「タテグロ」に変化していったのだ。

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