2021年6月25日
セリカの系譜トヨタスープラA70、その歴史や特徴、搭載エンジンに辿る
スポーツカーの中でも一際目立つスープラ。
「トヨタスープラ」と聞くと、有名な映画「ワイルド・スピード」でおなじみの80スープラや、現行DB型をイメージしてしまうかもしれません。今回ご紹介する「70スープラ」こと日本国内では初代にあたる「トヨタスープラ」も忘れてはいけません。非常に魅力的な一台なんです。
スープラは1978年より提供をスタートしましたが、日本では1986年からスープラという名称が使用され始めました。
その年に開発されたのがスープラA70。当時の技術を集結させた一台で、キャッチコピーは「TOYOTA 3000GT」。その言葉通り、まさに夢のスポーツカーと言えます。
今回は1986年に発売されたこのスープラA70について、その歴史やスペック、中古車市場での相場について紹介していきましょう。
目次
1 スープラA70とセリカの系譜
スープラはトヨタがリリースしているスポーツカー。車名の由来はラテン語で「至上かつ最高」「上へ」「越えて」などを意味しています。
通称「70スープラ」と呼ばれる初代GA70/MA70型は、2代目「セリカリフトバック」をベースとし、1978年に誕生した高級スペシャリティカー「セリカXX」の後継車。
初代スープラがベールを脱いだのは1978年のこと。
70年代では、ダットサン・フェアレディ280Zが北米を中心に人気を集めていました。その対抗馬として開発されたのが初代スープラです。差別化を図るためにスープラはラグジュアリーな装いのスポーツカーとして誕生しました。
そんなスープラの日本国内での車名はスープラではなく“セリカXX”。つまりセリカXXの3代目なんです。
北米ではXXのアルファベット表記は成人指定映画を意味しており、日本以外で販売する場合のみスープラの車名が用意されたんです。
その後、前述した通り1986年に日本国内で初となる「スープラ」を冠したスープラA70をリリース。現在でも続くトヨタを代表するシリーズとして今もなお、多くのファンから人気を集めています。
2 国内においてのライバルは自社の「ソアラ」
高いスペックを保有したスープラのライバルとして挙げられるとするとアメリカで確固たる人気を築いていた日産フェアレディZ(Z31)やマツダRX‐7(SA22C)でしょう。
しかし国内においては、最強のライバルは同じトヨタの車でした。その車とはプラットフォームを共有する兄弟車の「ソアラ」。
70スープラの開発主査である和田明広主査は「ソアラは最高級プレステージスペシャリティーとして、トヨタの先進技術の粋を結集したクルマづくりを目指す。スープラは、より運動性能を高めたスポーツカーが狙い」とソアラとのコンセプトの違いについて語っているようです。
「グランツーリスモ」から「リアルスポーツカー」へと挑戦を開始します。
3 トヨタの技術が盛り込まれた最高出力230馬力のスペック
スポーツカーとしての在り方を求めたスープラ、その発売当時のキャッチコピーは「TOYOTA 3000GT」。
1960年代の名車トヨタ 2000GTを超えるというメッセージが強く込められたネーミングです。
その謳い文句通りの最高性能が盛り込まれた70スープラは、当時トヨタが持つ技術の最先端を贅沢に盛り込んだ1台でした。
70スープラは、先代に比べて飛躍的にパフォーマンスがアップし、トップグレードの3.0GTターボには7M-GTE型直列6気筒ツインカム24バルブインタークーラー付ターボを搭載しています。
これにより当時最高クラスのパワーを実現。最高出力は230馬力、0-100km/hは6.4秒、最高速度はなんと232km/hを発揮しました。
4 ボディタイプのバリエーション
スープラA70の駆動方式はFRで、2代目ソアラと多くを共有していることでも有名です。
形状はショートデッキ&ロングノーズのアメリカンスポーツスタイル。5ナンバーの標準ボディと3ナンバーのワイドボディの2種類をラインナップ。ルーフもエアロトップと着脱式ルーフを選択できることも特徴の一つ。
1988年にはマイナーチェンジを実施し、フロントマスク、テールライトのデザインを変更しました。
5 スープラA70を語る上で欠かすことができない搭載エンジン
5-1 ハイスペックな走りを体験できるエンジンを搭載
当時のトヨタの技術を結集させたスープラA70は、スペックが非常に高いのも特徴の一つ。
スープラA70に当初使用されていた主なエンジンは以下の通り。
・1G-EU(2リッター)
・1G-GEU(2リッター)
・1G-GTEU(2リッターターボ)
・7M-GTEU(3リッターターボ)
また、3リッターターボに代わり、当時の出力自主規制の上限である280psが発生する「1JZ-GTE(2.5リッターツインターボ)」を導入したことも。
上級グレードの最高出力は230馬力もあり、最高速度は232km/h、0-100km/hは6.4秒を記録する程。トップグレードには当時最高クラスのパワーを持つ「7M-GTE型直列6気筒ツインカム24バルブインタークーラー付ターボ」を搭載。これらにより上級グレードと呼ぶに相応しい走りを実現しました。
また、スープラA70にはトップグレード以外にも6気筒エンジンを搭載。そのため、グレードに関わらず上質な走りを体感することができました。
1990年には、さらに高性能の直列6気筒エンジンが登場します。これまでの最上級グレード「3.0GT」系のエンジンを2.5Lツインターボ 1JZ-GTEに換装。これはX80系マークIIのスポーツグレードに採用されたエンジンです。
またサスペンションやタイヤも改良されました。サスペンションは、ドイツのビルシュタイン社と共同開発した専用ダンパーを装着。タイヤもインチアップしたことで、スポーツカーとしての性能を大幅に引き上げることに成功します。
ボディはフロントノーズのエンブレムが縦長のスープラ独自のものから1989年に発表された初代セルシオより採用されている新トヨタCIマークに変更。
このように、スープラA70はトヨタが当時持っていた最高峰の技術を全て注ぎ込んだ、まさに「夢のスポーツカー」と言えます。
5-2 搭載エンジンの仕様
前述した通り、スープラA70を語る上でエンジンは欠かすことができません。
搭載エンジンの詳細については以下を参照ください。
1G-EU | 排気量:1,988cc 形式:OHC-自然吸気 最高出力:105PS/5,200rpm 最大トルク:16.0kgf·m/4,000rpm |
1G-GEU | 排気量:1,988cc 形式:DOHC-自然吸気 最高出力:140PS/6,400rpm 最大トルク:16.5kgf·m/4,600rpm |
1G-GTEU | 排気量:1,988cc 形式:DOHC-ツインターボ 最高出力:185PS/6,200rpm 最大トルク:24.5kgf·m/3,200rpm |
7M-GTEU | 排気量:2,954cc 形式:DOHC-ターボ 最高出力:230PS/5,600rpm 最大トルク:33.0kgf·m/4,000rpm |
1JZ-GTE | 排気量:2,491cc 形式:DOHC-ツインターボ 最高出力:280PS/6,200rpm 最大トルク:37.0kgf·m/4,800rpm |
様々な改良や変更を経て、スープラA70はスポーツモデルのフラッグシップとしての地位を確立しました。
6 気になる中古車市場での相場
スープラA70の中古価格相場も気になるところです。
高額なものは800万円以上の価値がありますが、安価なものは120万円台で購入することが可能です。ちなみに、中古市場で取引されているモデルの搭載エンジンは2リッターツインターボが多く見られました。
取引されている台数が特別多いわけではなく、人気車種でもあるので気になる方はできるだけ早めに問い合わせをしてみることをおすすめします。
スポーツカーとしての地位を確立したスープラ70
今回はトヨタ・スープラA70について紹介しました。1986年から現在に至るまで、スポーツカーモデルとしての確かな地位に立つスープラA70。
80年代の最新鋭の技術を満載し、当時最高峰のGT性能を実現したスープラ。多彩なアフターパーツを駆使することでチューニングされ、最高速マシンへと成長した「味」のある車です。最新のスポーツカーとは異なる奥深さ、そしてチューニングによって性能が大きく変わるカスタマイズ性の虜になった方もきっと多いはず。
そのような背景もあり、すでに生産終了から約28年が経過している70型スープラですが未だ高い人気を誇る一台です。
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