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知っているようで知らない「改造車」の世界

知っているようで知らない「改造車」の世界

改造車と言っても、その種類は実にさまざま。

エンジンやマフラーなどを改造して走りに特化する場合もあれば、見た目だけをこだわったりと、人によって捉え方は異なります。

そもそも、改造車の定義や、違法改造と呼ばれるものはどのようなカスタムが該当するのかを知らない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、改造車にスポットをあて、その定義から法律内で楽しめるカスタム方法や車検などについて触れていきます。

1 改造車の定義

改造車の定義は、市販の状態に自分の意思で手を加わえた車のことを指します。

改造車と聞くと、派手な車をイメージする方も多いでしょう。しかし市販の車を購入し、部品を取り付けたり交換などした時点で、改造車と分類されます。

後ほど説明しますが、改造できる範囲は明確な決まりがあります。

自動車は保安基準の範囲内でしか改造することはできず、その範囲を超えてしまうと違法改造車となります。 保安基準は、車の安全性を確保するための基準です。その範囲内であれば、いくら改造していても違法改造車とはなりません。

2 改造車の種類

前述したように、改造車と言ってもその種類は実にさまざま。

車の改造する箇所によって、主に走行性能に関する改造と外装を改造する2種類に分類されます。

それぞれにどのような違いがあり、特徴があるのかを説明します。

2-1 走行性能に関する改造

自動車の走行性能に関する改造では、主にエンジンやサスペンション、ホイールなどのパーツを交換したりチューニングしたりすることで、走行性能を向上させることを目的としています。

純粋に走りを楽しみたい方向けのカスタム方法です。市販の車でも十分にパフォーマンスを発揮することができますが、改造によってさらにポテンシャルを引き出すことができます。

2-2 外装に関する改造

外装に関する改造もカスタム方法の一つ。

これは見た目に特化したカスタム方法で、走行性能に影響を与えない範囲で改造を行います。基本的にはビジュアルを重視した改造で、車体へのペイントや装飾品の取り付けなどが挙げられます。

オリジナルの車に乗りたい方や、注目を集めたい方にとって人気のカスタム方法です。

3 法律の範囲内で楽しめるカスタム

3-1 マフラー交換

マフラーの交換は、初心者でも取り入れやすいカスタム方法です。

さまざまなエキゾーストサウンド、燃費や走行性能の向上など、それぞれ目的に応じたマフラーが提供されています。

自分の目的に応じたマフラーを選び交換しましょう。ただし、触媒の機能や音量など保安基準に適合したものでなければいけません。マフラー交換を検討する際は十分に注意しましょう。

3-2 車高調を調整

車高を高くしたり低くしたりするのもカスタム方法の一つ。

車高調整式サスペンションを交換することで、見た目も変わりますし走行性能も変化します。ただし、やりすぎは禁物です。決められた範囲内で楽しむようにしましょう。

3-3 ホイールのカスタマイズ

ホイールの交換は、見た目や走行性能を向上させるカスタム方法として人気があります。

鉄ホイールからアルミホイールに交換するだけでも、車全体の印象が大きく変わることが魅力。また、アルミホイールは軽量なため、燃費の向上や加速の向上が期待できることもメリットです。

3-4 電球をLEDに変更

自動車には、さまざまな箇所に電球が使用されています。その電球をLEDに交換することも、カスタム方法の一つです。

これによりライトの明るさが向上し、見た目の印象も変化します。また省エネにつながることも魅力。

走行性能には関係がありませんが、手軽に実施ができるカスタム方法です。

3-5 扁平タイヤに交換

タイヤ交換も人気の改造方法で、ノーマルタイヤから扁平タイヤに交換するのもおすすめです。

扁平タイヤは、その見た目のカッコよさからドレスアップに人気のパーツの一つ。

扁平タイヤを装備することで、ホイールが大きく見えるだけでなく、タイヤの接地面が増え、より高いグリップ力が生まれハンドリング性能が高まることもポイント。

ドレスアップと走行性能の両立を実現できる、カスタムパーツとして人気です。

扁平タイヤについて、詳しく知りたい方はコチラも併せてご覧ください。

4 改造する際の注意事項

車のカスタムは、好き勝手に改造できるわけではありません。道路交通法や道路運送車両法などの法令によって、公道を走る車の改造に関する規制があります。

自動車は、保安基準に基づいて製造されており、この基準によって安全性が保たれているのです。

違法改造は、この保安基準に適合していない改造のことで、場合によっては6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

そのため車を改造する際は、保安基準の範囲内で行わなければいけません。違法改造をしないためにも、どのような改造が禁止されているのかを把握しておくことが大切です。

ここでは、違法改造車に該当するルールについてお伝えします。

4-1 規定範囲外

前述したように、自動車は保安基準に基づいて製造されており、この基準によって車のサイズと重量が規定されています。

そのため車を改造する際は、この保安基準の範囲内で行わなければいけません。

車種によって規定範囲は異なりますが、一般的には車検証に記載されているサイズから長さ±3cm、幅±2cm、高さ±4cm以内が範囲内です。軽自動車であれば重量±50kg、普通自動車は±100kg以内にする必要があります。

この範囲内に収まらないと、違法改造車の扱いとなり、6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

改造を行う際は、必ず保安基準を遵守するようにしましょう。

4-2 ライトの色に注意

ライトの色を変更することは禁止されています。

自動車にはヘッドライトをはじめ、バックライトやブレーキライト、ウインカーなどさまざまな種類のライトが搭載されています。これらのライトは、保安基準で定められた色しか点灯できません。

ノーマルの電球から市販のLEDに交換する改造は、色を変えない限り問題ありません。しかし、色を変えてしまうと、保安基準に違反する違法改造となります。

ライトの色を変更すると、夜間の視認性が悪くなり、事故などの危険性が高まるため禁止されています。

4-3 タイヤの大きさ

タイヤやホイールの交換自体は問題ありませんが、車体からはみ出していると違法改造車扱いになります。

ホイールの品質基準は非常に厳しく定められており、形状・サイズ・取り付け方法や、タイヤの状態など詳細に条件が定められています。

車体からはみ出していなければ、ホイールの交換は可能ですが、検討する際はサイズ感や品質基準を必ず確認しましょう。

4-4 窓ガラスの色

窓ガラスの色にも注意が必要です。

窓ガラスに着色フィルムを貼る改造は、保安基準で規定が定められています。

フロントガラスや運転席、助手席の横に位置するガラスへの貼り付けは禁止されています。これは安全性を守るためであり、後部座席の窓ガラスであれば問題はありません。

同じ着色フィルムの貼り付けでも、禁止されている場所とそうでない場所があるため、検討する際は注意しましょう。

4-5 マフラーや触媒装置の取り外し

マフラー自体の交換は問題ありませんが、マフラーを切断したり取り外したりすることは違法です。

また触媒装置の取り外しも禁止されています。触媒装置は、排気ガスに含まれている有毒成分を化学反応によって低減する装置です。

これを取り外してしまうと、有毒な成分を含んだ排気ガスがそのまま排出されてしまうことに。

このような行為は、環境への影響や大気汚染の原因となるので、外すことは避けてください。

4-6 危険なパーツの装着

外装をカスタムする際には、鋭利なパーツの装着は禁止事項の一つ。

歩行者や他の車など、周りへの安全性に配慮する必要があり、周囲に危害を与える可能性があるパーツの取り付けは禁止されています。

他人に迷惑をかけるだけではなく、自分自身に被害を与える可能性もあるので控えましょう。

4-7 規格外のクラクションの装着

通常の音とは違う、オリジナルのクラクションの装着も禁止されています。

周囲に迷惑をかけるだけでなく、クラクション本来の役割を果たさなくなる可能性があるためです。また事故の原因にもつながるため、規格外のクラクションの装着は避けてください。

5 改造車における車検

改造車は、改造の程度によっては申請手続きが必要です。

改造自体は違法ではありませんが、規定を超える改造や申請なしの改造は処罰の対象です。また、車検に通らなくなる場合もあるので注意しましょう。

指定部品を使用した改造であれば、車検証の記載変更のみで問題ありません。記載変更は運輸支局で行うことができ、使用者の戸籍謄本と車検証が必要です。

一方、車種ごとに設定されている規定範囲を超える改造を施した場合は、構造変更検査を受けなければなりません。

構造変更検査は、改造が法的な基準内で実施されているかを確認するもので、検査にクリアしなければ公道を走行することはできません。

構造変更申請や公認車検などの詳しい情報はコチラをご覧ください。

保安基準の範囲内で楽しむ改造車

改造車は、走行性能に関する場合と外装をカスタムするケースがあります。

しかしながら、改造ができる範囲は保安基準によって決められています。そのため、その範囲内で改造を楽しむことが大切です。

車の改造は、保安基準の範囲内であれば悪い行為ではありません。また範囲を超えても、構造変更検査に合格すれば走行可能です。

当記事を通して、改造車への正しい知識を身につけて、カーライフを楽しんでいただけると幸いです。

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